企業戦略を立てる際、データの収集・分析は非常に重要な部分です。
しかし、データ加工に膨大な手間と工数がかかる、データに精通している人材でなければできない、など分析よりもデータ加工に手間を取られている企業も少なくないでしょう。
これらの課題を解決へ導くのが、ETLツールです。
本記事では、ETLツールとは?という基本的なことから、初めて利用する際の注意点、おすすめのETLツールのご紹介をいたします。
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画像出典元:「ASTERIA Warp」公式HP
ASTERIA Warpは、導入企業 1万社以上、国内シェア17年連続 No.1を誇るETLツールです。
アイコンをつなげるだけの「フローサービス」機能を特徴としており、複雑なコーディングは必要ありません。
そのためシステム部門の担当者に限らず、プログラミング未経験者でも複雑なデータ間連携の構築が可能。社内の至る所で業務効率化を進められます。
データベースをはじめ、エクセルなどの各種ファイルやクラウド連携など様々なデータソースに対応でき、RPA機能も備えているので、複合的な機能を利用したい企業におすすめです。
・ファイル連携
・データ変換
・データベース連携
ラインナップ | Core | Core+ | Standard | Enterprise |
月額 | 30,000円~ | 60,000円~ | 要問合せ | 要問合せ |
※クラウド版が5日間、オンプレミス版が30日間の無料試用期間があります。
詳しくは以下の資料からご確認ください。
画像出典元:「trocco」公式HP
troccoは、株式会社primeNumberが提供する分析基盤向けのETLツールです。
業界トップクラスのデータ転送速度と、最短5分で作成できる分かりやすいUIを特徴としています。
文字列の変換やフィルタリングといった分析環境に必要な変換は取込み前に完了、高度なETLが実現します。
また、最大3TBのビッグデータに対応しているほか、さまざまなファイル形式や圧縮方式への対応も可能です。ジョブ管理機能などのサポート機能も充実しています。
初期費用なし・月額定額制で利用できるため、コストを抑えて導入したい方におすすめのツールです。
・ファイル連携
・データ変換
・ジョブ管理機能
初期費用:0円
月額費用:詳細はお問い合わせが必要です。
画像出典元:「Qanat2.0」
企業の複数のデータをノンプログラミングで簡単に連携・統合でき、自動化で業務の効率UP・運用コスト削減に貢献するデータ連携ツールです。
ドラッグ&ドロップやアイコンによる直感的な操作で企業内外のデータ連携やデータ変換や自動化ができるので、大幅な運用コストの削減になります。
・変換機能
・スクリプトによる出力が可能
・スケジューリング機能
システムのバージョンにより、見積もりが必要となります。
無料で試せる評価版もあります。
画像出典元:「Rapid miner」
RapidMinerはプログラムの知識がなくても、高度な分析業務をドラッグ&ドロップの簡単な操作で行うことができる、世界中で使われている機械学習プラットフォームです。
ユーザーサポートや日本語のマニュアルは有償ライセンスのみ利用できます。
RapidMiner Free版はデータ10,000行まで無料で使用できます。
更にトライアルとして、ダウンロードから30日間は有償版と同等の機能を使用可能。
有償版は別途見積もりが必要です。
画像出典元:「Informatica PowerCenter」
Informatica PowerCenterは、エンタープライズデータ統合プラットフォームです。
グラフィカルツールを活用した構築は視覚的に把握しやすく、部門を超えてのデータ共有が可能になります。
社内データを全社で有効活用したいと考えている企業にはおすすめのシステムです。
画像出典元:「DataSpider Cloud」
DataSpider Cloudはクラウド型データ連携サービスです。コーディング不要で、クラウドサービスはもちろんのこと、オンプレミスシステムとのハイブリット連携もシームレスです。
様々なデータを一元管理し、効率的な運用を考えている企業にはおすすめのサービスです。
価格は120,000円~となっており、利用できるアダプタの違いによりライセンスが分かれ、料金が異なります。
この他に、初期費用として600,000円が必要です。契約は年単位になります。
画像出典元:「Reckoner」
専門知識を持つ従業員は居ないけれども、ETLの構築を行いたい企業に適しています。
データ収集のスケジューリング機能や変換後のデータを複数サービスへ再配布する機能が揃っています。
画像出典元:「Waha! Transformer」
日常業務で使う様々なデータを適格な形式にノンプログラミングで変換するETLです。
データの抽出から加工・再利用までにかかるコストの大幅な削減と、管理運用工数を削減する開発がされていて、1,800ライセンスの導入実績があります。
シンプルながらも必要な機能を最大限に活かすことができ、大量のデータ処理が可能なことから、リーズナブルな料金と言えます。
画像出典元:「IBM InfoSphere DataStage」公式HP
オンプレミス・クラウドどちらにも実装できるETLで、複雑なビッグデータにも対応可能です。
拡張性が高く、高機能なので、企業やデータの規模を問わず活用できるでしょう。
追加料金なしで付加機能を使えることも魅力です。
画像出典元:「Syncsort DMExpress」公式HP
Syncsort DMExpressは、全世界で15,600社以上に導入されているETLです。
超高速でデータを安定的に処理できる上に、自動チューニングにより高性能処理が可能なので、開発者の作業工数を大幅に削減できます。
導入した企業からは「作り手が何も意識しなくても高速な処理を開発できた」「性能も開発生産性も向上した」という声が聞かれます。
DMExpress ETLエディションは6,461,822円~です。
サーバライセンス価格は、製品を導入するハードウェアの性能に応じて算出されるので、詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「Business SPECTRE」公式HP
システム分析とプログラム開発のソフトウェアであるSAPからデータを抽出し、データ分析や帳票作成に活用できるシステムです。
SAPは独特なデータ構造を持ちますが、Business SPECTREなら簡単にデータを抽出できるだけでなく、SAPの周辺システムとも連携可能です。
システム担当者が導入1週間でマスターし、わずか2カ月でBI構築作業を完了した例もあるとのこと。BIテンプレートが豊富なことが特徴なので、システム担当人数が少ないチームにおすすめです。
画像出典元:「Talend Open Studio」公式HP
Talend Open Studioは、無料でダウンロードできるオープンソースのソフトウェアです。
ビッグデータにも対応可能。
より充実した機能を求めるチームには、有料のプランも用意されています。月ごとにユーザーの登録や削除を行えるので無駄なく利用できるでしょう。
無料で利用できます。
有料プランにはサブスクリプションタイプ・使用料に基づく課金タイプなどが用意されています。料金がドル表示なので、お問い合わせが必要です。
ETLツールは、独立するデータベースやファイル同士を連携し、データの統合・集計・整形といったデータ加工に関する業務の自動化をサポートするツールです。
・データ読み込み機能(=Extract)
・データ加工機能(=Transform)
・データ書き出し機能(=Loard)
これらの名称の頭文字に関連する機能を備えています。
Excelの分析帳票作成や統計処理など、幅広い分野の業務をETLツールで自動化できます。
ETLツールには、大規模なデータベース・大容量データ・複雑なシステムとの連携を考慮した大企業~中堅企業向けのものから、標準的でシンプルな構成の中小企業向けのものまで、様々なタイプのツールが存在しています。
まずは自社の企業規模、抱えているデータの容量や内容を見極めましょう。
どのETLツールにするか、どのプランにするかを決めるために、活用するデータ範囲を選定しましょう。データ範囲は主に下記2つに分かれます。
・スケジュール管理システムやオフィスソフトとった情報系データ
・人事給与や財務会計システムといった事業の中枢を担う重要な基幹系データ
エクセル帳票などの処理を効率化したい場合は無料ツールやライトなプランを、
大切な基幹系データにおいてETLツールを使う場合はサポート体制が万全なプランを選ぶことをおすすめします。
ETLツールには、専門的なプログラミング技術とまではいかないものの、データベースやSQLといった開発に関する基礎知識が求められます。また多機能なため、使いこなすまでに時間が必要となります。
この様にETLツールを使いこなすにはITスキルを求められるため、有料の研修を提供している会社もあるほどです。
求められるITスキルレベルを自社内で保てるのか、慎重な判断が必要です。
ETLツール本格的に導入しようとするとコストが非常に大きくなります。もしITスキルが足らずツールを使いこなせなかった場合、どんなにコストをかけたとしても無用の長物となってしまうかもしれません。
ETLツールの大多数は有料のオンプレミス型ですが、中には無料で利用できる外国製のオープンソースツールがあります。
まずは無料トライアル期間やオープンソースの無償ETLツールで、使いこなせるかどうか試してみることをおすすめします。
そして、メーカーによるサポートは必要か、活用するデータ範囲はどうするかなど見定めたうえで、本格的な導入を検討して下さい。
ETLツールを導入することで、自社内に散在するさまざまなデータを一度にまとめて整理できます。
従来の方法では、社内に散在するシステムやファイルから必要なデータを引き出し、担当者がExcelなどを使って手作業でまとめなければならず、かなりの労力と時間を必要としました。
ETLツールを通せば、データ同士の連携が素早くとれる上、自動で帳票を作成できるため、データ加工に関する工数が大幅に削減できます。
もし複数のデータにまたがって高度な分析システムを構築しようとすると、システム開発に高度な専門的スキルを持った人材に依頼する必要があり、またメンテナンスも都度依頼しなければなりません。
しかしETLツールなら、高度なITスキルを必要とせず多層的なデータ統合システムを自製できます。
また、自製したシステムの処理内容を可視化できるため、人に依存することなくメンテナンスが可能になります。
データの集計業務を手作業でしている場合、データの重複や入力ミス、各部門ごとの認識差異など分析精度にバラつきが出てしまいます。
ETLツールを使って規則的に分析プロセスを実行し、統一したフォーマットにすることで、ミスや差異が発生しにくくなり、データの分析精度が上がるというメリットがあります。
データ加工に関する工数を削減しつつ、分析精度を向上させられるでしょう。
ETLツールの導入にはコストがかかる点がデメリットにあげられます。有料の製品の中には数百万~数千万円のものもあり、導入にはかなりの費用を必要とします。
数万円の月額で利用できるリーズナブルな製品もありますが、機能は限定的です。
まずは無料お試しや無料のETLツールを試した上で、導入を検討しましょう。
ETLは高度で豊富な機能を備えており、使い方をマスターするのに時間がかかる他、ツール設定の作業も必要です。
スキルが不足したまま始めると、データ連携処理を作成するのに時間がかかるだけでなく精度の高い分析も難しくなり、ETLツールのメリットが失われてしまいます。
自社で使いこなせるかどうか、しっかりテストし、十分に検討して下さい。
ETLツールは業務効率化を推し進める非常に便利なツールである一方、高機能がゆえの側面も持ち合わせています。
本記事でご紹介したおすすめしたツールの中には、無料トライアル期間を設けているものもありますので、ひとまず試してみて、自社に相応しいETLツールを探してみて下さいね。
画像出典元:O-dan