今年の4月から順次施工されることとなった働き方改革関連法。これにより時間外労働の上限が定められ、有給休暇の取得が義務化されました。
限られた時間の中で、スタートアップやベンチャー企業はどうすれば成長できるのかをテーマにした「働き方改革」シリーズ。最終回となる今回は、テレビ会議やWeb会議サービスを提供するブイキューブ代表取締役社長、間下直晃氏にテレワークについて取材しました。
テレワーク
情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方。「tele (離れた所)」と「work (働く)」をあわせた造語。
ーブイキューブではテレワークが話題となる前からWeb会議ソリューションを提供されていたとのことですが、開発にはどういった経緯があったのでしょうか。
もともとブイキューブではWebソリューションの受託開発などを行っていました。しかし2003年にアメリカでオフィスを設立して以降、アメリカと日本で連携を取り合うのが難しなってきました。
そこで、我々社員自身が離れた場所でコミュニケーションを取るために、自分たちで、Web会議サービスを開発したことが、現在提供している「V-CUBE」サービスにつながっています。
現在も愛媛県やシンガポールに社員がいるので、Web会議を積極的に活用しています。スマートフォンがつなげられるくらいの回線があればスムーズに話すことができますし、ずっとWeb会議を繋ぎっぱなしにしていれば気軽に話しかけることもできます。
▲web会議の様子
ーテレワークは働き方改革においてどのように活用できるのでしょうか。
テレワークは「働く」上での選択肢を広げます。
現在だと地方に住んでいる、子供を育てている、親の介護をしている、という理由だけで働くことが難しくなっています。しかしテレワークであれば地方に住んだり、子供や親のそばにいたりしても、従業員同士のコミュニケーションを保って働くことが可能です。
時々、テレワークを可としている企業では全社員がそうしている、と考える人がいますが、それは間違いです。私たちは決まったオフィスで働くことを否定しているわけではありません。オフィスでしか出来ない仕事もありますし、家では集中できないという人もいます。
また交通費の削減や移動時間の短縮などわかりやすい指標にとらわれる人もいますが、本質はそこではありません。
大事なのは、「テレワークはあくまで選択肢の一つ」ということです。この選択肢を含めることによってどんな場所でも、どんな状況でも、働きたい人が働けるようになるのです。
ーテレワークの導入を考えている起業家や経営者へアドバイスをお願いします。
テレワークはそれだけで企業の課題を解決するようなものではありません。種々の課題解決には管理体制や評価体制などをある程度見直すことが必要でしょう。
例えば何時間働いたかで仕事を管理しているとしましょう。同じオフィスで働いていてもパソコンの前に座っているだけで仕事しているように見えます。ましてやテレワークだと働いている姿などずっとは見られません。時間だといくらでもごまかせる状況ですよね。それならどのようなプロセスを踏んでいるか、どのような成果を出しているかで評価できるような体制に変えなければなりません。
また場所の問題もあります。空港や駅でテレビ会議をしようと思っても、周囲の雑音が煩わしいですし、何よりセキュリティの問題がありますよね。
ブイキューブではこの問題を解決するためにテレキューブという製品を開発しました。見た目は電話ボックスのようですがコンセントや座り心地のいいソファが搭載されており、長時間作業できる環境が整っているほか、中の音が外に漏れない仕様になっています。ここならWeb会議を快適に、安心して行うことができます。
都心を中心にビルや駅、空港に設置を進めている最中です。最近だと幕張メッセにも設置しました。スマートフォンから会員登録をするだけで利用できるので、テレワークを導入する際にはぜひ活用してみてほしいですね。
▲テレキューブ。入ってみるとソファもふかふかでかなり居心地が良い。
近年は政府もテレワークに力を入れており、2020年東京大会前の本番テストとして、7月22日~9月6日の約1ヶ月間を「テレワーク・デイズ2019」実施期間と設定し、テレワークの一斉実施を呼びかけています。働きたい人が働きやすくなるためのサービス開発をすすめるブイキューブは、テレワーク先駆者百選 総務大臣賞にも選出されています。これを機にブイキューブのサービスを使って、テレワークを導入してみてはいかがでしょうか。
山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。
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