税理士にお願いしたいけれど、費用や報酬相場がわからない。
税理士を探すときにネックになるのが、費用や相場の不透明さではないでしょうか。
税理士に仕事を依頼する際にかかる費用は、それぞれの事務所によっても異なり、費用を知るためには見積もりをお願いするのが一般的です。
しかし、依頼するかどうかもわからないのに、見積もりを依頼するのは心理的にもお願いしにくいもの。
そこで、今回は税理士の報酬にフォーカスして、費用・報酬相場・顧問契約料・選ぶポイントなどを解説していきます。
このページの目次
税理士の費用や報酬相場は、依頼する仕事の内容によっても異なります。
基本的に、税理士へ支払う報酬は以下の3つを軸にして算出されています。
・顧問料
・記帳代行費用
・決算申告費用
税理士の費用は、依頼主の状況や依頼内容によっても変動します。
・依頼主の年間売上
・依頼主への訪問回数
・記帳代行の有無
・依頼主の税理士に求める内容
・税理士が所属する事務所の規模 など
依頼主の売り上げが増すと、取引件数も増えます。
それは同時に仕訳ける件数の増加を意味しています。また、売上額が増加すると納税額も必然的に増えるため、そのぶん税務調査の対応など業務範囲が広くなり、業務にかかる工数も増えます。
それに伴い人件費もかさむため、全体的に費用が高くなるのです。
年間売上額によって、依頼主の元へ訪問する回数も異なります。
たとえば、売上額が多い企業では、税理士側から毎週の訪問を打診されるケースがある一方で、売上額の低い企業や個人事業主では、訪問せずにリモート対応だけになるケースがあります。
なかには、依頼主に事務所に来てもらうことで顧問料を下げている税理士事務所もあります。
記帳代行についても、税理士に依頼するかどうかで月額費用が異なります。仕訳けする件数が多いほど、費用も高くなります。
これはすでに述べた通り、件数が多いほど税理士の手間がかかるからです。
件数が少ないのであれば、自社で対応したほうが税理士費用が安く済むことも少なくありません。この場合、勘定科目についての理解や正しい知識が必要です。
最近は、経理代行会社に依頼する企業もありますが、税理士資格のない担当者が対応することも多いため、費用の安い・高いだけで判断するのは得策とはいえません。
税理士に求める内容のなかには、単に税務管理だけでなく、資金調達や経営のコンサルティングを受けたいケースも見受けられます。
このように幅広く対応してほしいケースでは、当然、税務管理以上の費用がかかります。プロの目線からのアドバイスを受けられるメリットを考えると、当然ともいえるでしょう。
このほか、個人と法人とで税理士費用が分かれます。これは、個人と法人とで売上額に幅が出るからです。
税理士に依頼する際の費用相場を表にまとめました。
相場 | |
記帳代行料(月額) | 1~3万円 |
確定申告・決算申告代行 | 5~10万円 |
消費税申告代行 | 2~5万円 |
顧問契約料(月額) | 1~3万円 |
売上額によっても変動するため、年間売上額が1,000万円を超えると、顧問契約料は3万円を超えるところが多くなります。
税理士に依頼する場合、税務顧問としての契約形態をとるか、必要な時に相談するスポット契約をするかの2者択一になります。それぞれで、どんな違いがあるのでしょうか。
税務顧問として税理士と定期契約を結ぶ場合、顧問契約料としての費用がかかります。顧問契約を結んだ場合、以下のようなメリットがあります。
・試算表の診断をしてもらえる
・税務に関する相談がしやすい
顧問契約を結ぶと、次のようなサービスを定期的に受けることができます。
・申告書の作成
・記帳内容のチェック
・税務にまつわる相談
・経営におけるアドバイス
・節税対策に関するアドバイス
・税務調査の立ち合い
近年は、訪問の代わりにZOOMなどのWEB会議ツールを使ってオンラインで対応するところや、メールでの対応を受け付けているところも増えてきています。
顧問契約すると、セット料金として提示される金額の中に、記帳代行や申告書作成代行といった業務が含まれていることもあります。
顧問契約したときに受けられるサービスを単発的に利用する場合に便利な契約形態です。サービスの内容は、顧問契約の内容を個々に受けるようなイメージです。
必要なサービスを必要なときに受けられるので、顧問契約までは必要ないという方にマッチしたサービスといえます。
企業と個人事業主では、それぞれで税理士の報酬を設定している事務所も少なくありません。これは、仕分けの数やアドバイスの範囲が違うなど、さまざまな要因が絡むことが理由です。
年間売上 | 顧問料 (月額) |
記帳代行 (月額) |
申告書作成 (年額) |
1,000万円以下 | 1.2~2.5万円 | 5,000円 | 10万円 |
3,000万円以下 | 1.7万円~3万円 | 7,000円 | 15万円 |
5,000万円以下 | 2.2万円~3.5万円 | 1万円 | 20万円 |
7,000万円以下 | 2.7万円~4万円 | 1.2万円 | 25万円 |
1億円以下 | 3.2万円~4.5万円 | 1.5万円 | 30万円 |
5億円以下 | 4.5万円~6万円 | 3万円 | 35万円 |
5億円以上 | 要相談 | 要相談 | 要相談 |
年間売上 | 顧問料 (月額) |
記帳代行 (月額) |
申告書作成 (年額) |
1,000万円以下 | 1~2万円 | 5,000円 | 8万円 |
3,000万円以下 | 1.5~2.5万円 | 7,000円 | 10万円 |
5,000万円以下 | 2~3万円 | 9,000円 | 12万円 |
7,000万円以下 | 2.5~3.5万円 | 1万円 | 13万円 |
1億円以下 | 3~4万円 | 1.2万円 | 15万円 |
1億円以上 | 要相談 | 要相談 | 要相談 |
顧問料に幅があるのは、ひと月あたりの訪問回数によって料金が変わるからです。月1回の訪問の場合は、顧問料でも最低ラインになり、月4回ともなると最高ラインになります。
この背景には、訪問回数が増えるほどに依頼主の元に拘束される時間が長くなり、なおかつ人手がそこに取られてしまうため。
また、企業と個人事業主では業務範囲と作業ボリュームも違うため、同じ年間売り上げでも顧問料が異なります。
特に企業の場合は、元帳や試算表の作成、決算に対する説明、経営にかかわる提案、規模の大きな資金調達支援などもあり、個人事業主よりも負担が大きいからです。
税理士と契約する際には、以下のポイントをチェックしましょう。
税理士には、それぞれ得意な業界・得意分野があります。飲食業、美容業、小売業、製造業などで扱う勘定項目が異なる部分があり、必要になる書類も違うケースがあります。
そうした業界特有のルールに知見がある税理士と知見のない税理士では、得られるアドバイスも異なります。
税理士を選ぶ場合は、その税理士の得意としている業界が自社とマッチしているか、自社が求めるサポートを受けられるかは大切なポイントといえるでしょう。
契約時に訪問頻度を決めますが、このとき必ず月間の訪問回数がどれくらいになるのかは確認しておきたいところです。
特に安いプランで顧問契約を結んでいる場合は、訪問がないプランになっていることもあります。
プラン内容の確認に合わせて、担当してくれる税理士との相性もチェックポイントの一つです。
質問や相談に的確に答えを返してくれるかどうか、ちょっとした相談にも迅速に対応してくれるかどうかは、人柄によるところが大きいものです。
税理士といっても人それぞれですから、コミュニケーションのしやすい相手かどうかも併せてチェックしておくことで、実務に入ってもスムーズにやりとりできるでしょう。
自社で記帳をしていて、税理士に顧問になってもらう場合、現在使用している会計ソフトに税理士が対応可能かどうかも確認しておきましょう。
税理士によって、Aの会計ソフトには対応しているが、Bには対応していないということも少なくありません。
この場合、自社がBの会計ソフトを使っていてBにも対応してほしいと依頼した場合、別途料金を求められるケースもあります。
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税理士費用を探す場合は、紹介サービスなどを用いて複数の税理士に相談することをおすすめします。
税理士紹介サービスとは、豊富な税理士ネットワークからあなたに合った税理士を無料で紹介してもらえるサービスのことです。
本記事では2サービスをご紹介します。
税理士紹介サービスを使うとき、まず使ってほしいサービスが税理士ドットコムです。
登録税理士が5,600人と非常に多く、紹介実績も11万件以上。
何人でも無料で紹介を受けることができるため、税理士ドットコムさえ使えば他の税理士紹介サービスを使わなくてもたいてい納得できる税理士が見つかります。
税理士の報酬相場などを熟知した専任の担当がついて、税理士選びをサポート。第三者的観点からアドバイスをくれるのも魅力的なポイントです。
はじめて税理士を探す人も、すでに税理士候補がいる人もとりあえず一回は使ってほしいサービスです。
また、税理士ドットコム以外であれば、税理士紹介ラボもおすすめです。
税理士ドットコムと同じく紹介料・手数料が無料であるだけではなく、得意業務や専門業種、対応会計ソフトで税理士を探すことも可能です。
対応税理士満足度98.2%、サービス満足度96.8%と非常に高いです。
なお、税理士の探し方・選び方については以下の記事もぜひ参考にしてください。
税理士と一口に言っても、対応できる業種や得意分野、対処できる会計ソフトなどはまちまちです。
報酬面では、企業と個人事業主で顧問契約料に幅があります。
また、顧問契約に含まれる業務も、金額によって変わるケースもあります。
契約前に、必ずどんな業務内容がどのくらいの範囲で含まれているのかを確認しましょう。
画像出典元:Unsplash、Pixabay
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