税理士、顧問契約する前に|税理士選びのポイント・注意点を解説

税理士、顧問契約する前に|税理士選びのポイント・注意点を解説

記事更新日: 2020/09/14

執筆: 編集部

税理士に税務相談や経営相談、決算申告などの仕事を顧問契約を結んで依頼したいけど、良い税理士に出合えるか心配という個人事業主や経営者の方は少なくないのではないでしょうか。

確かに税理士を契約する際には考慮すべき点がいくつかあります。

この記事では税理士選びのポイントを7つ紹介します。

この記事を税理士選びのときに注意すべき点や、税理士選びのコツの参考に活用してみてください。

税理士と契約する理由をまず考えよう

税理士探しを本格的に開始する前に、そもそも税理士と契約する必要があるかどうかを考えましょう。

次に挙げる3つの理由のどれか、もしくは全てが当てはまれば税理士が必要と判断できるでしょう。

  • 経理業務の依頼
  • 節税
  • 資金調達

それぞれについて説明を加えます。

経理業務の依頼

個人事業主や社長自らが経理業務を行っているというケースがあります。そのような場合は本業や重要な業務に経営者自らが専念できないという問題が起こります。

税理士には、決算申告や確定申告のサポートだけでなく、年末調整や給与計算、会計ソフトへの入力、帳簿への記入などの経理業務全般の仕事もできます。

税理士に仕事を依頼すれば、経営者は大切な本業に労力や時間をもっと割くことができるでしょう。

売上1,000万円を基準に経理業務を依頼する

年間売上が1,000万円を超えた事業者は、消費税の課税事業者になります。そうなると消費税申告を行う必要があるので、経理業務や税務処理がさらに難しくなります。

経営の仕事をしながら、消費税申告について新たに勉強するのはとても大変です。売上1,000万円を基準に経理業務の依頼を検討できるでしょう。

節税

税理士に仕事を依頼すべきかどうか検討すべき理由となるのが節税対策です。

売上が増えれば利益も増えます。つまり支払う所得税も増えていくというわけです。所得金額の多さに応じて所得税の税率は高くなります。

もし税理士の助けを借りずに節税対策をしなければ支払う税金がどんどん増えていくわけです。

税理士は経費として何が計上できるのか、税金がかからない助成金の柄方、正しい控除の受け方などを教えてくれます。

節税対策だけでなく税務調査の立ち会いもできる

さらに年間売上1,000万円以上になり消費税の課税対象事業者となると、税務署の税務調査の対象になる確率も上がります。

税理士は経営者の代理として税務調査の立ち会いを行うことができます。たとえば税務調査に必要な書類を備えたり、実際の税務調査での調査官への説明を行えます。

資金調達

資金調達面で助けが欲しい場合も税理士との顧問契約を検討できます。

税理士は金融機関等から融資を受ける場合に必要な事業計画書、経営計画書、資産計画書などの作成ができます。

さらに経営者よりも正確に会社の数字を把握しているのが税理士です。ですから経営者に効率的に融資金を返済するためのアドバイスが行なえます。

こうした点から税理士のいる会社は融資しやすいといえます。金融機関の融資担当からすれば、融資した額をきちんと回収できるのかが心配の種だからです。

経営者と金融機関の間に税理士が入ることで、今後の事業計画、返済計画が明らかになり融資の話がスムーズに進むというケースもあります。

資金調達で助けを必要としているのであれば税理士との顧問契約を検討できるでしょう。

良い税理士を選ぶためのポイント

良い税理士を選ぶためのポイントを7つ紹介します。

1. 税理士と直接会う

良い税理士とは、依頼された会社のブレーンの一人として、経営者の気持を理解し、同じ経営目標に向かって考え、行動してくれる税理士です。

顧客と同じ目線ではなく、経営のノウハウを知ってるプロという上から目線で指示をしてくるだけの税理士ならば長く付き合うことは難しいでしょう。

こうした点を判断するために、経営者は税理士のWebページを見る、電話やメールでやり取りするだけでなく、直接合う必要があります。

税理士と直接会うときに注意すべき点

顧問契約を検討する税理士と直接会うときには、その税理士が「聞き上手」な人か確認しましょう。なぜなら経営者は経営に関する目標や悩みなど深い話を税理士とする必要があるからです。

また可能であれば、決算書や資金繰り表などを持参し税理士の意見を聞いてみる、今後の事業展開について話し合うといったこともできるでしょう。

直接会うことで、その税理士の能力だけでなく人柄を知ることができ、結果として経営アシスタントとして会社に必要なアドバイスをしてくれる税理士を選べるでしょう。

2. 理解しやすい説明をしてくれる

税理士は税務のプロなので、その分野の素人の経営者に数字を説明するときなどは、ついつい専門用語を並べて說明してしまうかもしれません。

しかし良い税理士とは、たとえ専門用語を使うとしてもきちんとその意味について経営者が理解できるように説明してくれます。

直接税理士と合う機会などに、どのように物事を説明するのか確認するようにしましょう。

税理士費用の説明もわかりやすいかどうかに注意する

税理士には顧問料や決算料、記帳代行とった費用を支払います。最近の税理士は金とした料金表を提示してくれるので、どういった仕事にどれくらいの費用が発生するのか説明が明確です。

もし費用の詳細な説明なしに報酬額を提示するような税理士であれば注意する必要があるでしょう。

3. 対応が早い

良い税理士は対応が早いです。たとえば経営者が税務に関する相談をすると、すぐに何らかの返事が返ってきます。

面談日程の調整や報酬の見積書を送ってくるスピードなどから対応が早い税理士かどうか判断できるでしょう。

4. 節税に対する姿勢

税理士にも節税に前向きに対応してくれる税理士とそうではない税理士がいます。経営者側は税理士に「違法でない限り何でもしてください」と言いたいところですが、たいていの税理士はそこまで踏み込んで節税対策をしてはくれません。

なぜなら税理士法第1条には”税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。”とあるからです。

「納税義務の適正な実現」の「適正」がどの範囲までかは税理士の考え方により大きく違います。ですから税理士と契約して節税対策を期待しているのであれば、その税理士の節税に対する考え方や方法などを確認する必要があるでしょう。

面談するときに節税について質問する

直接面談するときに、節税に関するその税理士の考え方や、自分の会社にはどんな節税方法があるかなどを質問してみることができます。もし否定的な意見を述べたり、具体的な節税対策の回答が返ってこないなら別の税理士を探すことができます。

5. 役員報酬について的確なアドバイスをしてくれる

会社を設立すると社長や役員への役員報酬を支払います。この役員報酬の金額の判断も難しいところです。

たとえば、役員報酬を高額にすると社長個人の所得が増え所得税が高くなります。逆に役員報酬を少なくすれば、会社の利益が残り法人税が増えます。

さらに役員報酬は1年間毎月同じ金額で、額の変更できる期間は新しい事業年度開始(期首)から3ヶ月以内と決まっています。このタイミングでふさわしい役員報酬額についてアドバイスしてくれる税理士を探すのがポイントです。

これも実際の面談のときに、資料を持参し現状の金額で役員報酬が適正かどうか質問できます。

6. 月次決算を行ってくれる

毎年の決算のときに決算書を作成するのも税理士の仕事ですが、良い税理士は依頼をすればきちんと月次決算をしてくれます。

毎月の利益や売上げの額、仕入や経費の額、預金や現金の残高などをきちんと計算して月次決算書で経営者に提出します。

自社の経理部や経理担当者がこうした業務を毎月行ってくれるなら依頼する必要はありません。しかしこうした業務を担当する担当者がいない、経営者自らが行ってる等の場合は税理士への依頼を検討できます。

月次決算書で経営状態が見える化されれば、経営者は迅速な経営判断が下せます。

ある程度費用は高くなるかもしれませんが、税理士に月次決算も依頼できるか確認できるでしょう。

7. 資金調達面でサポートできる

資金調達の能力は税理士に必須というわけではありません。しかし良い税理士は少なからず資金調達面でも経営者の力になれます。

すでに述べたように、金融機関からの資金調達に必要な事業計画書などの作成をサポートしてくれます。

また優秀な税理士であれば「あの人が顧問をしている企業は健全な経営をしているところが多い」という評判をすでに銀行で得ている場合があります。

また賢い税理士は融資を必要とする会社を銀行に紹介し、銀行から経営アドバイスを必要としている会社を紹介してもらうというウィンウィンの関係を結んでいる場合もあります。

資金調達面でサポートを必要としているなら、資金調達率の高い税理士を探せるでしょう。

経営革新等支援機関に登録されている税理士を選ぶ

資金調達面でサポートが欲しい中小企業は「経営革新等支援機関」として認定されている税理士に依頼することができます。

そうすることで中小企業支援施策を受けやすくなります。

たとえば、中小企業が経営革新等支援機関の認定を受けた税理士の助けを借りて経営改善に取り組むなら、信用保証協会からの保証料が減免されます。

経営革新等支援機関に登録されている税理士は、中小企業庁の「認定経営革新当支援機関検索システム」から地域別に探すことができます。

税理士と面談するときに持参すべき資料

良い税理士を探すためのポイントは「直接会う」ということでした。そこでの話し合いや質問から、その税理士の人柄、知識、能力を判断することができるからです。

最後に、その面談のときにどんな資料を持参すれば、話し合いがスムーズに進むのかを紹介します。

定款や謄本、履歴事項全部証明書

会社の基本情報が記載された定款や謄本を持参すれば、自社の経営方針を理解してもらうことができます。

さらに履歴事項全部証明書には、会社の設立の目的に加えて、発行可能株式総数、発行済み株式の総数、資本金額、役員に関する情報などが記されています。

こうした資料を提示することで会社の信用度などを税理士に伝えることができます。そうすれば税理士側も積極的に自分の意見を述べることができるでしょう。

これまでの決算書や申告書

これらはこれまでの経営状況、納税状況を伝えるために必要な書類です。

こうした資料を準備すれば、税理士に資金調達や節税対策に関する意見を積極的に尋ねることができるでしょう。

領収書や売上伝票

税理士に毎月の記帳代行を依頼する予定があるならばこうした帳簿類も持参できます。記帳代行の税理士費用は作業量に応じて金額が決まる場合はあるからです。

税理士の探し方

税理士と契約するかどうかは面談をして判断できますが、その前に候補となる税理士を探さなければなりません。税理士を探す方法としては以下のものがあります。

  • インターネットで探す
  • 知人に紹介してもらう
  • 税理士紹介サービスを利用する

それぞれの方法やメリットを紹介します。

インターネットで探す

税理士に対する広告規制が緩和されたことにより、税理士は自分の情報をホームページなどで宣伝することができるようになりました。

インターネットで税理士を探すメリットは出かけるための費用と時間が節約できることです。また地域や条件を指定して探すことができるというメリットもあります。

しかし、ネットの情報だけでは税理士としてふさわしい知識やスキルがあるかどうかを十分に判断できないという点も覚えておきましょう。

知人に紹介してもらう

会社を経営している知人がいればすでに税理士に仕事を依頼している場合があるので、そうした知人に紹介してもらうことができるでしょう。

知人の経営者が利用している税理士であれば、ある程度信頼できると判断できます。

しかし、知人から紹介された税理士が、自分と考え方や話が合わない人だった場合、断りにくいという状況が生じます。長く付き合いできる税理士を探すことが大切ですから、そうした場合は、上手に断ることも必要でしょう。

税理士紹介サービスを利用する

経営者と税理士をマッチングさせる税理士紹介サービスが増えています。

こうしたサービスを利用すれば、いくつかの候補の中から自社に最適な税理士を選ぶことができます。税理士のホームページをいくつも閲覧して自分で比較検討する必要はありません。

一般的な税理士紹介サービスは、利用者と税理士の間で契約が成立した場合、税理士側から手数料を受け取る仕組みになっています。ですから利用者が紹介手数料を支払う必要はありません。

しかし、すべての税理士紹介サービスが紹介手数料無料サービスを提供しているわけではないので、利用する前に確認しましょう。

利用料完全無料の代表サービスといえば、税理士ドットコムが挙げられます。実績も登録税理士数も充実しているため、まず登録して損はないサービスです。

さらに、税理士との面談のセッティング、税理士が期待どおりではなかった場合のキャンセルの連絡などのサービスを提供している紹介サービスもあります。

良い税理士の選び方は以下の記事でご紹介していますので、是非ご覧ください。

 

税理士紹介サービスを利用する前にチェックすること

税理士紹介サービスでは登録している税理士のみが紹介されるので、利用しようと思う紹介サービスの税理士の登録者数、年間の成約件数、サイトの情報量などをチェックしましょう。

また、専任の税理士コーディネーターが付くかどうかなどのサービスもチェックできます。専任の担当者が付けば税理士選びの相談もできるでしょう。また税理士との面談に立ち会ってくれるかなども確認できます。

まとめ

良い税理士を選ぶためのポイントを7つ紹介しました。税理士は税務相談、税務代理、税務書類の作成を主な仕事にしています。しかし税理士と顧問契約を結べば、毎月そして毎年の決算書の作成、伝票類の記帳、経営アドバイスや融資の相談など様々なサポートを受けることができます。

ネット、知人からの紹介、税理士紹介サービスで税理士を探すことができます。どの方法を選択するとしても、実際に候補に挙がった税理士と面談して話し合う必要があります。その機会を通じて顧問契約を結んで長く付き合える税理士かどうかを判断できるからです。

税理士との顧問契約を検討しているのであれば、実際に面談するという大切なステップを決しておろそかにしないようにしましょう。

 

画像出典元:pixabay

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