TOP > ベンチャー > ベンチャー・スタートアップ > 【反ユニコーン】ゼブラ企業とは?注目される新しい企業のあり方を解説
ゼブラ企業という言葉をご存知でしょうか。ゼブラ企業はユニコーン企業と共に注目を浴びている新しい企業のあり方です。今回の記事では、ゼブラ企業とユニコーン企業との違いやゼブラ企業の理念や経営スタイルについて解説します。
ゼブラ企業とは成長ではなく、持続可能性や共存性を大切にする企業のことであり、急激な成長や市場の独占を目指すユニコーン企業の考えとは対照的です。
ゼブラはシマウマのことですが、その由来は「利益」と「社会貢献」と言う相反する2つの課題を両立すると言う点で白と黒の柄であるシマウマから来ています。
ゼブラ企業の代表として、靴のオンラインストアの先駆者であるZapposなどがあります。成長や利益を第一に考え、社会的責任を果たさないユニコーン企業が増えたことに対するアンチテーゼとして、ゼブラ企業が注目を浴びています。
ゼブラ企業を考える上でユニコーン企業の存在や考え方について学ぶことは重要です。
ユニコーン企業の条件や特徴を踏まえた上で、ゼブラ企業とユニコーン企業との違いについて解説します。
まずユニコーン企業について簡単に説明します。
ユニコーン企業とは、「創業10年以内」、「評価額10億ドル以上」、「非上場」の3つの条件を満たした企業のことを指します。かつてはFacebookやTwitterもユニコーン企業の1つであり、この2社のように後に世界を代表する企業まで成長している企業もあります。
ユニコーンは神話に出てくる伝説の生き物であることから、3つの条件を満たす大成功した希少性の高いスタートアップをユニコーン企業と呼ぶようになりました。
株主の利益や企業規模などの量に価値を置いており、成長のためなら社会的・倫理的側面が無視される場合もあります。
ゼブラ企業とユニコーン企業では多くの点で違いがあります。
まず目的の面でいえばユニコーン企業が急成長であることに比べ、ゼブラ企業は持続的成長を目的としてます。
さらに、他企業と競争や競争の末の独占を前提しているユニコーン企業に対して、ゼブラ企業は他企業との急力、共存を目指しています。
さらに、コミュニティや共存など社会的な貢献を目指すゼブラ企業に対して、ユニコーン企業は株主や経営層など特定の個人の利益を目的としています。
評価基準に関しても、ユニコーン企業が定量的であるのに対しゼブラ企業は定性的な評価となっています。
ゼブラ企業 | ユニコーン企業 | |
成長に対する考え方 | 持続的成長 | 急成長 |
利益の対象 | コミュニティ、公共 | 限られた個人、株主 |
評価基準 | 抽象的 | 具体的 |
他企業に対するスタンス | 協調 | 競争 |
求める結果 | 共存 | 独占 |
ゼブラ企業の経営スタイルは、ユニコーン企業のように急成長と大きなリターンを求める形とは違い、ミッションを実現するために他企業とも協調し、持続的成長を目指す経営スタイルです。
スタートアップといえば資金調達を繰り返し、上場や売却を目指すイメージも強いですが、ゼブラ企業はそうではありません。
短期的な目線ではなく、長期的に社会にとって価値のある企業を目指す新しいスタイルのスタートアップと言えます。ゼブラ企業は、SDGsなど持続的な成長が重要視される現代にマッチした経営スタイルとも考えられています。
FacebookやTwitterなどユニコーン企業から世界を代表する企業に成長した企業も少なくありません。
しかし、一方でユニコーン企業のような急速な成長や企業価値だけが企業を評価する基準ではありません。
ゼブラ企業のように持続的成長や共存を前提とした企業もユニコーン企業同様に世の中にとって大切なものです。
SDGsをはじめ持続性が重要視される今後の社会では、ゼブラ企業の存在感もこれから増していくのではないでしょうか。
画像出典元: pixabay、Unsplash
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