子会社・関連会社・関係会社|違いや詳しい定義について徹底解説

子会社・関連会社・関係会社|違いや詳しい定義について徹底解説

記事更新日: 2020/03/24

執筆: 編集部

ビジネスの会話や文書によく出てくる、子会社、関連会社、関係会社の違いや正しい意味をご存知ですか?何となく分っているが、正確には分らないという方も多いと思います。

子会社、関連会社、関係会社の意味と関係は会社法や会計ルールで厳密に定められ、区別されています。

この記事ではこれらの用語の違いについて詳しく解説しています。ビジネスマンの常識としてぜひチェックしておきましょう。

子会社と関連会社の違い

子会社と関連会社は親会社との関係の深さ、支配力の及ぶ程度が違います。

子会社とは

子会社とは、株式の50%超を親会社に所有されている会社をいいます。株式の100%を親会社に所有されている場合は「完全子会社」といいます。

親会社と子会社の関係で重要なのは次の2点です。

  • 親会社は子会社の経営を支配している(支配とは株主総会の50%超の議決権をも持つことてです)
  • 親会社が上場企業の場合は、子会社と連結決算をしなければならない

 

関連会社とは

関連会社とは、株式の20%以上50%以下を親会社に所有されている会社をいいます。

親会社が上場企業の場合は、親会社と関連会社は連結決算をしなければなりません。

関係会社とは

関係会社とは、親会社・子会社・関連会社の総称です。

関係会社と似た言葉にグループ会社がありますが、グループ会社とはビジネス上の慣用的な用語で、関係会社のような資本関係の厳密な定義はありません。

上場企業に関して言えば、連結決算をしている(経営的に身内である)ことを世間に公表しなければいけない会社同士を関係会社といいます。

関係会社(親会社・子会社・関連会社)の定義は、会社法と財務諸表規則(内閣府令)によって厳密に決められています。

子会社、関連会社の詳しい定義

上記の「50%超」「20%以上50%以下」には例外があり、厳密な説明ではありません。例外を含めた正確な規定は下記のとおりです。

「親会社ー子会社」の関係にあるとみなされる要件

次の3つの場合、A社は親会社、B社は子会社と見なされます。

  • A社がB社の議決権の50%超を所有している場合
  • A社がB社の議決権の40%以上を所有していて、特定の者の議決権とあわせて50%超になる、又は一定の要件を満たしている場合
  • A社が所有するB社の議決権は40%未満だが、特定の者の議決権とあわせると50%超になり、かつ一定の要件を満たす場合

「特定の者」とは、株主総会でA社と同じ意思決定をすることが当然と認められる人を指します。(例えばA社の役員など)

「一定の要件」とは、次のようなものです。

  • B社の取締役会の50%超がA社の役員が占めているなど当社の意思で行動する人たちで占められている
  • B社の営業方針はA社が決めるという契約がある
  • B社の資金調達の総額の50%超をA社が融資している

 

「親会社―関連会社」の関係にあるとみなされる要件

次の3つの場合、A社は親会社、B社は関連会社と見なされます。

  • A社がB社の議決権の20%以上を所有している場合
  • A社がB社の議決権の15%以上を所有していて、一定の要件を満たしている場合
  • A社及び特定の者がB社の議決権の20%以上を所有していて、かつ一定の要件を満たしている場合

「特定の者」とは、株主総会でA社と同じ意思決定をすることが当然と認められる人を指します。(例えばA社の役員や関連会社など)

「一定の要件」とは、次のようなものです。

  • A社の役員がB社の代表取締役などの重要な役職に就任している
  • B社に対し、重要な融資・技術の提供を行なっている、または重要な営業上の取引がある

 

なぜ関係会社(親会社・子会社・関連会社)の定義は法的に定められているのか

どの会社が関係会社であるか、つまり親会社・子会社・関連会社の関係にあるかが、法的に明確に定められいるのは何故なのでしょうか?

連結決算をするべき会社をきちんと決める

企業は毎年決算をして決算報告書を作成しますが、報告する相手は税務署でも銀行でもなく株主です。

決算報告書(決算書)は税金の申告のときに税務署に提出しなければならず、お金を借りるときには銀行に見せる必要があります。

しかし本来の報告先は株主で、株主はそれによって企業の経営状態を判断します。

株を持っている企業に親会社や子会社、関連会社がある場合は、関係会社全体の成績が反映された決算でないと、正しい判断ができません。

そこで必要になるのが連結決算で、そのために連結決算を行なうべき関係会社が明確に定義されています。

大企業では何十社、何百社という子会社・関連会社を持っているので、親会社単独の決算情報だけでは、情報としての価値はあまりありません。

関係会社の損益などを合算した連結決算が必要なのです。

子会社と関連会社は連結決算の仕方が違う

同じ連結決算でも子会社と関連会社では、内容に違いがあります。

子会社は「全部連結」という方法で、親会社と貸借対照表と損益計算書を単純合算した後に、一定の調整を行ないます。

例えば、親会社が現金10億円を持ち、子会社が2億円持っていれば、連結貸借対照表の現金勘定は、単純合算して12億円になります。

損益についても同様で、親会社の有利子負債がゼロでも子会社に3億円の負債があれば、連結損益表では3億円の負債が記録されます

関連会社は「持分法」という方法で、親会社が持っている関連会社の株の持ち分に応じて損益を取り入れます。

例えば、親会社が関連会社の株を20%持っている場合は、関連会社が10億円の利益を出したときに、親会社の損益計算書に「営業外損益」として2億円が取り入れられます。

親会社が子会社や関連会社を持つメリット・デメリット

1つの(大きな)会社としてビジネスを行なうのではなく、分社などによって子会社や関連会社を持ってグループ企業としてビジネスを行なうのは、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット

・1つ1つの関係会社の規模が大きくなり過ぎないので、経営判断、意思決定がスピードアップする

・M&Aの後などに、人事制度や給与体系を関係会社間で同じにする必要はないので、人事管理が楽で人件費を節約できる

・経営不振や不祥事のリスクをある程度分散できる

・親会社が黒字でも子会社が赤字なら、相殺されて節税効果がある

・交際費を損金に算入できる枠が、トータルすると大きくなる

・関連会社に仕事を発注すると、持ち株率に応じて支払額の一部が戻ってくる

デメリット

・親会社からの情報が伝わりにくなり、場合によっては相互の隠ぺいが生じる

・兄弟会社(子会社同士のこと)相互など、関係会社の横の情報が伝わりにくい

・総務、経理など間接部門の人件費が重複して発生する

子会社の悲哀

親会社から見た子会社を持つことのメリットは、子会社の社員にとっては不満の種になることが少なくありません。

子会社の社員の不満の代表的なものが次の5つです。

  • 待遇格差
  • 出世の限界(ガラスの青天井)
  • 限られる裁量
  • 親会社への忖度
  • なにかと口を出す親

親会社にとっての人件費削減メリットは、子会社から見れば待遇格差に他なりません。

親会社からの出向組は親会社の給与体系なので、子会社のプロパー社員より月給も賞与も2~3割増しというのが普通です。

子会社の部長、役員クラスはすべて親会社からの出向者というケースが多いので、子会社の社員の出世は「見えていても突き抜けることができないガラスの天井」で隔てられています。

大胆なビジネスの提案は親会社に拒否されがちで、なにかと口を出したがる親会社に忖度して、態度が卑屈になる傾向があります。

【関連会社、子会社に関係した用語】

完全子会社:親会社が株式を100%所有している子会社

持株会社:ホールディングスとも言われる、傘下に多くの子会社・関連会社を抱える親会社

兄弟会社:同じ親会社を持つ子会社同士

特例子会社:障害者雇用率制度の特例で、子会社が障害者雇用で一定の要件を満たすと、親会社に雇用されたものとみなして雇用率を算定できる

 

まとめ

関連会社と子会社の違いは、親会社が所有する株式の割合の違いです。関係会社とは親会社、子会社、関連会社の総称で、この3者から見てお互いが関係会社になります。

上場企業は関係会社と連結決算をして株主に承認を得る必要があるので、関連会社と子会社の定義は法的に厳密に定められています。

画像出典元:pixabay

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