法定休日とは?所定休日との違いを徹底解説!振替休日・代休・祝日も

法定休日とは?所定休日との違いを徹底解説!振替休日・代休・祝日も

記事更新日: 2021/04/23

執筆: 編集部

「週休○日制」会社勤めをするとよく耳にする言葉だと思いますが、具体的にどんなルールや規定があるか、聞かれると説明できない方も多いのではないでしょうか?

ある日上司に「次の休みに出勤してくれないか」と言われたり、「仕事が終わらないから仕方なく休日出勤しなければいけない」というとき、手当は出るのか?賃金は割増されるのか?知っておいて損はない「会社のルール」を、今回ご紹介いたします。

法定休日と所定休日の定義の違い

休日制度には、実は種類があります。

「法定休日」と「所定休日」の2種類に分類されます。

法定休日

労働基準法第35条に定められている、最低基準の休日のことをさします。

これは週に一度必ず設けられるものがあり(原則的な休日)、他には4週を通し4日間の休日(変形休日)を取ることを義務付けられます。

そして雇用者と労働者との労働契約に基づき、下記のことが適用されます。

  • 労働の義務がない日と規定される
  • 勤務表や事前に通知することにより個別に設定できる

 

所定休日

所定休日とは「法定外休日」とも呼ばれ、会社が任意で決めた「法定休日を上回る日数の休日」をさします。この時、会社が定めた休日としますが、場合によっては「法定休日」と「所定休日(法定外休日)」を合わせてさす場合もあります。

例えば、週休2日制の会社なら、その2日間のうちどちらかが「所定休日」となり、4週8休制の会社であれば、4日間は「法定休日」と定義されます。

追記なぜ法定休日以外に所定休日があるのでしょうか?

労働基準法には様々な労働に関するルールがあります。その中に「雇用主は労働者に、週に40時間以上働かせてはいけない」というものがあり、この規定を守るために所定休日は制定されました。企業側はこれらのルールを守らないと、罰せられてしまいます。

表1.法定休日と所定休日(法定外休日)の定義の違い
種類 定義の違い
法定休日 労働法で定められた最低基準の休日のことで、週に1日、または4週に4日の休日のこと。

所定休日
(法定外休日)

法定休日以外に会社が任意で決めた休日のこと。1週間なら2回目以降の休日から、4週なら5回目以降の休日からのことをさす。

 

法定休日と所定休日は割増賃金が違う!

さて、法定休日と所定休日というものが存在し、同じ休日でも実は違っていた、ということがわかりました。

次に知りたいのは賃金についてですよね。頑張って働いたのに割増手当がない?ということは避けたいところです。

労働法上認められている法定休日と、会社が任意で決めた所定休日にそれぞれ働いた時に、休日手当に一体どんな違いがあるのか?一緒に見ていきましょう!

法定休日に出勤したら?

労働基準法で定められた法定休日(週1日)に労働した場合、通常賃金の35%以上の手当がついた割増賃金の支払いが必要となります。いわゆる休日手当と言われるものです。

所定休日に出勤したら?

労働法上は求められていない休日なので、雇用主は賃金を割増する必要はありません。

表2.休日労働の割増賃金の違い
種類 条件 割増率
法定休日 労働法上は割増賃金の支払いが必要となる 35%以上
所定休日 労働法上は定められていない休日のため、雇用者は割増賃金の支払いは不要 無し

同じ休日だと思っていても、実はこんな明確な違いがあるんですね。

休日出勤だから手当がつく!と思っていて実はついていなかった・・・。背景には社会的ルールがあり、知っているのと知らないのとではモチベーションも左右されかねません。

次の項目では、2つの休日の特定の仕方について記載していきます。

法定休日は特定する必要ナシ?

法定休日と所定休日、それぞれ賃金に明確な違いがあることがわかりました。なのでここからは二つの見極め方を確認していきましょう。

週休二日制の会社であれば、雇用主は2日のうちどちらが法定休日かを選定できます。

特定の方法

労働基準法のルールとしては、法定休日を特定する必要がないため、会社の就業規則に明記していない場合があります。その場合は※36協定や厚生労働省の示す見解などを参考に、法定休日の特定が可能です。厚生労働省の見解には、裁判での判例も書かれているので参考にしやすいでしょう。

※36協定とは?

労働者を法定休日に労働させるためには、雇用主が労働基準監督署へ「休日や割増賃金等が書かれた休日労働協定」を締結し届けなければいけません。これを36協定をいい、届け出さずに休日に働かせると違法となります。

振替休日、代休、祝日の違い

法定休日に働くと、労働者は割増賃金の代わりに休日を得ることもできます。

雇用主は代わりの休日を与えることにより、割増賃金の支払い義務が発生しなくなります。

ここからは、そんな休日を表す「振替休日・代休・祝日」の違いについて、それぞれ学んでいきましょう。

振替休日

休日と定められた日に労働者が働く場合、代わりに他の労働日を休日とすることで休日の労働を通常の労働扱いにできます。そのため雇用主は割増賃金の支払い義務がなくなります。ただし、以下の3点の措置が必要となります。

1. 就業規則に振替休日の規定があること

2. 振替休日を特定し、前日までに労働者に通知すること

3. 4週4休の休日が確保される範囲の近接した日にすること。

  (元々の休日にできるだけ近い日にすること)

 

代休

予定にない急な休日労働が発生した時、後日にその代償として通常の労働日を休みにすることです。ただし、振替休日とは違い、法定休日に労働した事実は変わらないので、労働法に定められた休日手当として、雇用主は割増賃金の支払いを義務付けられます。

祝日

週休2日制の場合、土日のどちらかが法定休日となるため、通常は休日扱いの祝日に労働したとしても、法定外休日となります。そのため通常労働日扱いとなり、割増賃金の支払い義務は発生しません。

まとめ

お仕事をする上で、休日は息抜きができる大切な日ですよね。

そんな日に仕事をしなければいけなくなった時、「休日にも一つ一つ定義がある」と知っておくと、働く上での損をした気分になることは減ると思います。

休日を大きく2つに分類している「法定休日」と「所定休日」の違いとは、労働基準法で定められているかどうか。そして割増賃金の有無があり、そこをどうやって特定していくか。起業を考えている未来の雇用主と、会社勤めをしている労働者へ向けて、大切な休日について記載いたしました。今後、ビジネス界を盛り上げる方々の手助けになればと思います。

画像出典元:O-DAN

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