シンギュラリティ(技術的特異点)とは?2045年に何が起こる?

シンギュラリティ(技術的特異点)とは?2045年に何が起こる?

記事更新日: 2020/01/07

執筆: 編集部

2045年に「シンギュラリティ」が起こるという話題があります。シンギュラリティにより人間の仕事が人工知能に取って代わると言われているため、来るべき未来に備えて今から何ができるのか考える必要があります。この記事では、シンギュラリティとは何か、それによりどんな変化が起こるのか、シンギュラリティに対する有識者の意見などを紹介します。この記事を読むことで、シンギュラリティに対する知識とバランスのとれた見方が持てるでしょう。

シンギュラリティ(技術特異点)の意味とは?


シンギュラリティ(Singularity)とは日本語で「特異点」という意味です。数学や物理で使われる言葉ですが、今回のテーマであるシンギュラリティは「技術特異点」という意味で使われています。

技術特異点とは?

シンギュラリティ(技術特異点)とは、人工知能(AI)が人間の知能を超え、加速度的に進化する転換点を指しています。

アメリカの起業家・未来学者のレイ・カーツワイルは、そのシンギュラリティが2045年に到来し、AIが人類に明るい未来をもたらすと、自著『ポスト・ヒューマン誕生』で提唱しています。

人工知能の歴史とシンギュラリティ

シンギュラリティを理解するために人工知能(AI)に関するこれまでの歴史と将来に簡単に触れる必要があります。AIの歴史を表にすると以下のようになります。

AIとその関連技術の飛躍的な進歩により、2045年にはAIが人類の知能を超えると予想されています。

シンギュラリティ後の将来

特異点つまりシンギュラリティを超えたAIは、完全に人間の脳をリバースエンジニアリングすることに成功し、生物としての人間を超えたAIになると予想されています。

さらに、遺伝子工学やナノテクノロジー、ロボット工学の進歩と人工知能が組み合わさることで、人体機能の拡張、ナノボットが体内で病気を治療するなどの行為が日常となることが予想されます。

人間は不死の体つまりver2.0の身体を手に入れられると、シンギュラリティの提唱者レイ・カーツワイルは述べています。

いつ?シンギュラリティは2045年に来る?

シンギュラリティの提唱者であるレイ・カーツワイルは、それが2045年に到来すると予想しています。どういった根拠で彼はこうした予想をしているのかを次に紹介します。

収穫加速の法則

シンギュラリティが2045年に到来するという予想の根拠になっているのは「収穫加速の法則」というレイ・カーツワイル自らが提唱した説です。

テクノロジーの分野で、新たな能力が誕生すると、今度はその能力が次の進化を生み出すために使われます。

進化の各段階で、その前の段階の進化の産物つまり収穫物が土台となり成果をその上に積み重ねることで、進化の速度は指数関数的に進化していくという理論です。

指数関数的とは?

指数関数y=ax(aは1より大きな定数)では、指数つまりxの数字(かけ算のかける回数)が増えていくと、yの値も急激に増加します。

そこから転じて、収穫加速の法則における指数関数的な進化とは、テクノロジーの進化や人類の進歩のスピードは、時間の経過とともに、どんどん加速していくということです。

収穫加速の法則に関する具体例

レイ・カーツワイルは自著『ポスト・ヒューマン誕生』の中で、収穫加速の法則が適用される具体例をいくつか述べています。次に紹介するのはそのひとつです。

人類の進化やテクノロジーの進化に要した期間が、時代の経過と技術の進歩に伴い、どんどん短くなっています。

進化の速度が加速度的に早くなっているというのが収穫加速の法則であり、この法則に基づいて考えると2045年にシンギュラリティが到来すると予想できるというわけです。

シンギュラリティが社会にもたらす変化

シンギュラリティとは、AIが人間の頭脳を追い越す特異点、もしくはその現象を表す言葉でした。

提唱者のレイ・カーツワイルは、自らが考え出した「収穫加速の法則」に基づきそれが2045年に到来すると予想しました。

仮に、AIが本当に人間の頭脳を超えるならば、それは社会にどんな影響をもたらすのでしょうか。次にその点について取り上げます。

雇用の変化

AIが進歩することでこれまで人が行ってきた仕事が、人工知能やロボットに取って変わられるようになります。

そうなることで雇用の形態、人間の働き方も変化するでしょう。なくなる職種も多く出てくると予想されています。

どんな種類の仕事が人工知能AIに取って代わるのか、どんな種類の仕事が残る可能性が高いのかを紹介します。

人工知能(AI)が行なうようになる仕事

2015年に株式会社野村総合研究所は『AIと共存する未来~AI時代の人材~』というレポートをまとめています。

その中ではどんな職業がコンピュータに取って代わるようになるか、どんな職業は代替が難しいかを予測しています。

コンピュータ化の可能確率が高い仕事(60%以上)として挙げられていた仕事は次の通りです。

  • ビル清掃員
  • 配達員
  • 会計事務従事者
  • 包装従事者
  • 受付・案内事務員
  • 発電員・変電員
  • 総合事務員
  • 鉄道運転従事者
  • 廃棄物処理事業者
  • 看守・損他の司法警察職員
  • 郵便事務員
  • 公認会計士・弁理士・司法書士・その他の法務従事者
  • クリーニング職
  • 食料品製造従事者
  • 自動車運転従事者
  • 電気機械器具組立受持者
  • 庶務・人事事務員
  • テキストを入力してください。

例として挙げられている仕事の種類を見ると、正確な判断、素早い処理が求められる仕事は、集中力や能力に限界のある人間ではなく、AIを搭載したロボットなどに任される可能性が高いことが分かります。

人工知能(AI)の代替が難しい仕事

先ほどの野村総合研究所のリポートを参考に、今度はコンピュータ化可能確率が低い(50%以下)の職種を紹介します。

  • 飲食物給仕・身の回りの世従事者
  • 料理人
  • 販売店員
  • 営業職従事者
  • 介護職員
  • 看護師
  • 裁判官・検察官・弁護士
  • 大学教員
  • 医師
  • 航空機操縦士

AIやロボットによる代替が難しい職種には、芸術・歴史・哲学・神学など抽象的な概念を整理したり創出するための知識やスキルが求められるものが含まれています。

さらに、他者への理解・協調・説得・交渉・サービスなどが求められる職種は、人工知能での代替には向いていないことが分かります。

AIと共存できる能力を身に着ける

近い将来、人がAIに仕事を奪われる可能性も否定できません。しかし一方でAIを導入し運用するための職業、AIにより新しく生まれる職業に就く人が増える可能性があります。

AIと仕事するのが当たり前という時代に備えるために、AIには真似できない『人だからこそできるもの』を磨いておく必要があります。

例えば、AIと共存するために、AI導入を検討している企業では、AIを管理・運用できる人材が必要となります。

今からそうした知識やスキルを身に着けられるでしょう。

創造的思考、複数の事例をつなげて考えること、コミュニケーションや協調性などは、AIは苦手とする分野で『人だからこそできるもの』に該当します。

そうした能力を磨くなら、AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなし共存できるようになるでしょう。

AIと共存できれば、効率的に仕事をこなすという部分はAIにおまかせし、自分は新しいイノベーションの創出や働きやすい職場環境の構築など、人にしかできない付加価値の高い仕事に集中できるようになるでしょう。

対立する有識者の意見

シンギュラリティが到来し、AIが人の能力を超えるようになると、社会にどんな変化が起こるのかその実例を紹介しました。

シンギュラリティが本当に到来するかどうか、人に害をもたらすかどうかは、有識者の間でも意見が分かれています。この部分では、シンギュラリティに対する有識者の意見をいくつか紹介します。

「来る」という意見

シンギュラリティが来るという意見を持ち、同時にそのことに警鐘を鳴らす有識者も多くいます。

スティーブン・ホーキング

シンギュラリティが来ることと、それに対する警告を述べる有識者としてイギリスの天体物理学者スティーブン・ホーキングがいます。彼はAIの危険性について次のように述べました。

❝われわれはランプの魔神ジーニーを解き放ってしまいました。もはや後戻りはできません。

AIの開発は進めてゆく必要がありますが、危険とまさに隣り合わせであることを心にとめておかなくてはなりません。わたしは、AIが完全に人間の代わりになるのではないかと恐れています。

コンピューターウイルスを設計すれば、そのウイルスを複製するAIをつくる人も出てくるでしょう。これは、人間よりも優れた新たな生活の枠組みになると思います。❞

引用元: WIRED

 

イーロン・マスク

テスラモーターズや民間宇宙会社スペースXのCEOであるイーロン・マスクもシンギュラリティの到来とそれについて警告を発している人物のひとりです。

マサチューセッツ工科大学で行なわれたシンポジウムの中で次のように述べました。

❝人工知能によって、人類は悪魔を呼び出そうとしている。人類は悪魔を操ることができると確信しているようだが、実際にはそれは不可能だ❞

引用元:The Guardian

ホーキングやイーロン・マスクのようにシンギュラリティに対する警告を発する人は大勢います。

すぐ「来ない」、恐れるべきものではないという意見

シンギュラリティはすぐ来ないという有識者もいます。その代表例がスタンフォード大学の教授であり、人工知能の権威でもあるジェリー・カプランです。

ジェリー・カプラン

「人工知能を再考する」という特別講義の中で、彼はシンギュラリティについて、すぐに来ないし、それに関する話は未来学者たちによる誇張された話だと指摘しました。

機械が人間の知能を超える時代や学習方法を発展させることを懸念する人々の意見に対しては、ロボットには独立した目標や欲求がないと答えています。

このように人工知能に対する過度の恐れは必要ないという意見を述べる有識者もいます。

まとめ

シンギュラリティとは、AIが進歩し人間の能力を超えるようになる特異点、もしくはそうした現象を指す言葉でした。

レイ・カーツワイルにより提唱されたこの考えは、2045年に実現すると予想されています。

AIが人類を滅ぼすほどの力を持つようになるのか、それとも人をサポートするものとして存在し続けるのかは有識者や権威者の間でも意見が分かれています。

とはいえ、AIがすでに人間の仕事を手伝うようになっており、AIと共存して仕事をする時代が来ようとしているのは事実です。

ですからAIとその利用方法に関する正しい知識を今から身に着けることは大切です。

そうすればシンギュラリティが来る来ないに関わらずAIと共存できるでしょう。

起業ログでは、業務改善のためのRPA(Robotic Process Automation)に関する記事も掲載しています。

ロボット型ソフトウェアでどのように業務の効率化ができるのか、関心があればそちらもご覧ください。

画像出典元:pixabay

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