合同会社の税金を個人事業主と徹底比較!メリット・デメリットも解説

合同会社の税金を個人事業主と徹底比較!メリット・デメリットも解説

記事更新日: 2019/12/12

執筆: 編集部

個人事業主から合同会社化した場合、気になることの一つが税金です。合同会社として経営を始めると、納税の際は個人事業主から「法人」というくくりになります。

税金の種類や税率などは個人事業主のそれとは大きく変わるので、事前にきちんと理解しておきましょう。

本記事では、合同会社が納付すべき税金を個人事業主のケースと比較して紹介します。

合同会社の税金の種類や税額の算出方法など、基本的な部分を確認してください。

また、合同会社化した場合の税のメリットやデメリットについても紹介するので、こちらも併せてチェックしましょう。

合同会社で必要となる主な税金

合同会社であれ株式会社であれ、法人化すると個人事業主とは税率や税金の種類が変わるため、きちんと確認しておく必要があります。

法人として経営を行った場合、どのような税金を支払わねばならないのでしょうか。ここでは、合同会社が納付すべき税金のうち、主なものを紹介します。

法人税

法人税=所得×法人税率

法人税は、収入額に応じて納付額が決まる税金。個人事業主の「所得税」と同様、国に納める国税です。合同会社の場合、事業年度ごとに所得を計算し、該当する税率をかけて納付額を算出します。

このときの税率は法人の種類や規模によって異なり、一律ではありません。

例えば資本金1億円以下の普通法人の税率は、以下のとおりです。

年間所得800万円以下 15%
年間所得800万円超 23.20%

納付期限は事業年度が終わってから2カ月以内と定められており、期限に遅れた場合は延滞税を科せられるおそれがあります。

例えば事業年度が4月1日~3月31日までの会社なら、5月31日までには納付しなければなりません。

法人住民税

法人住民税=法人税割 + 均等割

法人住民税は、管轄する自治体に支払う地方税。「法人税割」「均等割」の2つから構成されます。

法人税割 = 法人税額 × 住民税率

まず法人税割とは、所得から算出した法人税額に各自治体の定める住民税率を乗じて算出されたもの。所得額が増えれば、納税額もアップします。

一方、均等割は、所得額の多少に関わらず、一定額の納付が義務づけられています。

納付額は会社の資本金などによって異なるため、各自治体の定めるところにより納付しましょう。

例えば大阪府の場合、資本金1,000万以下の法人の均等割は、一律20,000円です。

法人事業税

法人事業税額 = 所得 × 法人事業税率

法人事業税も、法人住民税と同様に自治体に納める地方税。所得に法人事業税率を乗じて算出します。

税率は各自治体によって異なるほか、法人の種類や事業開始年度によっても区分けが異なるので、事前の自治体への確認が必須です。

法人事業税の一番の特徴とも言えるのが、「損金として計上できる」ということです。

法人税や法人住民税とは異なり、翌年の所得額を算出する際に、収入から差し引くことができます。

 固定資産税

固定資産税は、会社で所有している固定資産に課せられる税金のことです。

土地や建物といった「有価償却資産」と呼ばれるものが課税対象で、納付先は所在地の自治体です。

毎年1月1日に該当固定資産を所有している個人または会社に納付義務があり、納期は年4回に分けられます。

その他

・消費税

・従業員の所得税・住民税

・印紙税

・自動車税など

まず消費税は、開業して2年経ち、かつ売上が1,000万円以上ある場合に課せられます。納付額は、

預かった消費税-支払った消費税

で算出します。

これは、売り上げた際に買い手から受け取った消費税から会社が支払った消費税を引き、残りを納付するということです。

また、従業員や役員へ給料を支払う際は、源泉徴収を行っているでしょう。会社は、この時給与から差し引いた所得税と住民税をそれぞれまとめて納付しなければなりません。

このほか、課税文書を作成した際は印紙税、自動車を会社名義で所有している場合は自動車税の納付も必要です。

個人事業主に必要な税金は主に4つ

・所得税

・住民税

・消費税

・個人事業税

法人との違いを知るために、まずは個人事業主の税金をざっと確認しておきましょう。

所得税は、合同会社の「法人税」と同じ。1年間の収入から経費や控除を差し引いた、所得に課税されます。税率は所得額に応じて定められており、所得額が高額になるほど税率も高くなります。

個人事業主の所得税率は以下で確認してください。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円〜330万円 10%
330万円〜695万円 20%
695万円〜900万円 23%
900万円〜1,800万円 33%
1,800万円〜4,000万円 40%
4,000万円〜 45%

住民税については、法人のケースと同様です。

個人事業主の「住民税」が法人の「法人住民税」に当たります。「法人税割」と「均等割」から成る点も同じです。

また、消費税も合同会社のケースと同様、開業して2年は納付不要です。

前々年の課税売上が1,000万以下の場合も、納付の必要はありません。

一方、個人事業税は、個人事業主が事業を展開する自治体に納付する地方税です。

業種ごとに1~3種事業に分類されており、所得金額に業種ごとに該当する税率をかけて、税額を算出します。

ただし、事業主控除として290万円差し引くことが認められているので、年間所得が290万円以下の場合は納付不要です。

個人事業主が合同会社化する税金のメリット・デメリットとは

個人事業主から合同会社など法人成りするメリットは、節税効果が大きいということ。

法人の方が経費として認められる範囲が広いぶん、個人事業主よりも税の上で大きなメリットがあるのです。

ただし、デメリットがあることももちろん覚えておきましょう。

ここでは、合同会社を設立した場合に得られる税のメリットやデメリットについて、より詳しく紹介します。

メリット:経費計上できる範囲が広がる

合同会社化すれば、経費計上できる項目が増え、節税効果を得られます。

そもそも年間所得とは、1年間の総収入から経費や控除を差し引いて算出されるもの。

この時経費として認められる額が多ければ、そのぶん課税所得が少なくなります。

もちろん個人事業主でも事業にかかる出費については経費として計上できますが、合同会社の場合はさらに多くのものが経費として認められるのです。

以下の表で違いを確認してみましょう。

経費の種類 個人事業主 合同会社
消耗品費
接待費
旅費交通費
水道光熱費
給料 ×
保険料 ×
住宅費 ×

法人は、給与として支払った金額について経費とすることができます。

通常の給与のほか、退職金も経費とすることが可能です。

また生命保険料などは個人事業主では経費となりませんが、法人なら経費として申告できます。

上限額も無いため、支払い額が多くてもすべて経費扱いです。

また、個人の賃貸物件でも「会社名義で借り受けて経営者に貸与」というかたちを取れば、家賃の8割程度は経費となります。

一方自宅を購入した場合でも、会社名義のものならば住宅にかかる借入金の利息、不動産所得税や固定資産税、修繕費などについて経費計上可能です。

メリット:所得分散が可能

法人化すると、家族などを役員にして給与を支払うことで、所得の分散を図ることができます。

利益を複数人に分けることで個々の課税所得額は低くなるため、納付すべき税額も抑えられるでしょう。

また、法人化により給与所得控除を受けられるのも大きなメリット。

給与所得控除とは、サラリーマンのように給与によって所得を得る人に適用される控除です。

個人事業主の場合は事業の所得がそのまま個人の所得となるため、給与所得控除は受けられません。

しかし、法人化した場合、所得は「会社からの給与」という体になります。

そのため、自身の会社からの給与だとしても、それはすべて給与所得控除の対象となるのです。

加えてその金額はそのまま会社の経費として計上できるので、節税効果はさらにアップ。自分や家族に支払った給与分、法人税の負担が軽減されます。

デメリット:赤字でも納税義務がある

法人住民税

個人事業主の場合、所得が0円なら住民税はかかりません。

しかし法人化すると、たとえ所得が0円でも法人住民税の納付が求められます。 

資本金1,000万円以下・従業員50人未満の会社
        ↓
     法人住民税:7万円

上記は東京都の例ですが、利益がなくとも7万円の納税義務があるのです。

節税メリットは法人に軍配。法人成りで合同会社がおすすめの理由とは

ここまで、合同会社と個人事業主を比較しながら、税金の違いを見てきました。

しかし、法人の種類は合同会社以外にも、合資会社、合名会社、株式会社などあります。

これらは同じ「法人」のくくりとなるため、課せられる税金にもさほど差はありません。にもかかわらず、なぜあえて合同会社を選ぶ人が増えているのでしょうか。

ここでは4種類の法人のうち、株式会社と合同会社の違いを比較しながら紹介します。

設立コスト

会社を設立する際は、法務局での登記申請が必須です。

この時かかる金額について、合同会社と株式会社で比較してみましょう。

  合同会社 株式会社
定款印紙代 0円 0円
定款認証手数料 0円 5万円
定款の印紙代 0円 (約)2,000円
登録免許税 6万円 15万円
合計 6万円 (約)20万2,000円

基本的な項目だけを比較すると、会社設立にかかるコストは合同会社の方がおよそ14万円も安いことになります。

ただし、行政書士などに依頼した場合はより多くのコストが必要となるでしょう。

経営上のコスト

  合同会社 株式会社
官報掲載費 ×
重任登記費用 ×

株式会社には決算報告の義務がある一方、合同会社にはありません。

そのため、合同会社の場合は株式会社に必要な「官報掲載費」6万円が不要です。

また、株式会社の役員は「10年」という任期があります。

任期が終われば新しい役員を選出せねばならず、そのたびに「重任登記」の費用として1万円を支払わねばなりません。

しかし、合同会社には任期というものが無いので、こちらの費用も不要です。

経営の自由度が高い

合同会社 株式会社
経営者=出資者 経営者≠出資者

株式会社の出資者は株主。経営者は会社の運営方針などについて、株主総会で同意を得ねばなりません。

一方で、合同会社は出資者=経営者。

なんらかの決断を下さねばならない場合でも、役員だけの話し合いですむため、課題の提起から解決までが比較的スムーズです。

加えて組織の在り方は定款での変更が容易なので、会社法に違反しない限りは内部組織の改編など自由に行うことができます。

まとめ

合同会社の税金は基本的に個人事業主のそれと似ていますが、税率や控除、経費対象などは異なります。

まずは自身のケースでしっかりシミュレーションを行い、合同会社化による税のメリットはどのくらいになるのかを計ってみることをおすすめします。

合同会社は個人事業主と比較して節税できるポイントが多いのが魅力。

経費や控除などを適切に使えば、節税効果を実感できるでしょう。

画像出典元:unsplash

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