テレワーク導入で助成金がもらえる!制度の概要や要件を解説します

テレワーク導入で助成金がもらえる!制度の概要や要件を解説します

記事更新日: 2019/11/29

執筆: 浜田みか

働き方改革によって、近年注目されつつある「テレワーク」。会社に出社せずに働ける、新たな働き方の一つです。

上手く導入すれば働く人のライフワークバランスの向上にも繋がるため、職場への定着率向上にも良い影響を与えてくれます。

一方で、従来の働き方と異なりますから、社内制度の改定や新たなルール作りなど対応を考えるとともに、テレワークのための環境整備も必要です。

環境整備にはコストがかかりますが、厚生労働省や地方自治体から助成金を受け取れる場合があります。

これからテレワーク導入を考えている方は、テレワークとはどのような働き方で、どんな設備が必要なのか。そして、助成金や補助金などを受けるには、どんな要件を満たしておくべきかを知っておきましょう。

テレワークとは

社内で業務に従事していた従来の働き方とは異なる「テレワーク」とは、どのようなものなのでしょうか。一般社団法人 日本テレワーク協会では、次のように定義しています。

テレワークの概要

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。

引用元:一般社団法人 日本テレワーク協会

テレワークは、オフィス以外の場所で働く方法の一つです。在宅やサテライトオフィスなどを利用して仕事をしたり、移動中にパソコンやスマホなどを使って業務を行ったりします。

育児や介護など、さまざまな事情で長時間勤務が難しくなった人にとって、従来の勤務体制では、短時間勤務に切り替えるか、それが難しい場合は転職せざるを得ませんでした。

しかし、テレワークが導入されれば、日常的な通勤が難しい人でも自宅で業務に従事できたり、移動時間を利用して働けるようになります。

働く側のメリットだけでなく、会社側にもメリットがあります。たとえば、先述したような状況に陥った有能な人材がいた場合、社外流出を防ぐキッカケにもなります。

テレワークと在宅ワークは違う?

テレワークには、在宅で業務を行うことも含まれています。このことから、在宅ワークはテレワークの一つといえるのです。

そもそも在宅ワークとは、自宅で委託された業務を行うことを指します。

いまフリーランスや主婦の間で人気が高まっているクラウドソーシング(インターネットを介した外注)も、見方を変えれば、テレワークです。

"会社(上司)"が、”クライアント(発注者)”に置き換わったに過ぎないからです。

テレワーク導入に適した職種

製造業務において工場で従事する人が、現場以外で業務にあたることが難しいように、テレワークにも適した職種があります。

・企画

・総務

・人事

・経理

・営業

・研究

・開発

・システム関係

・サポート関係

企画や開発のように、複数の人間が入り混じって一つのものを作り上げていく職場では、顔を突き合わせて業務にあたるほうが効率がいいのでは?と思う方もいるかもしれません。

これまでは、会社の外で業務にあたるという働き方が一般的ではありませんでしたし、社外で活動するためのツールも限られていました。

そのため、社内で過ごしたほうが効率が良かったのは事実です。

しかし、今後の人口動向を見てみると、従業員の大半が親族の介護に少なからず関わるようになるでしょう。

そうなると継続的に通勤が難しくなる人や、通勤そのものができなくなる人が出てくることは容易に想像できます。


画像引用元:総務省「2040年頃までの全国人口見通しと近年の地域間人口移動傾向」

新たな人材を確保するにしても、若い人材自体が少なく、他の企業との争奪戦になっていきます。働き手の背景を考慮すれば、テレワークは、働きやすい職場づくりには欠かせないものになっていくでしょう。

テレワークでは、社外でもコミュニケーションが取れるツールや、クラウドを介して業務管理ができるツールなどを利用します。

これらのツールを活用すれば、従来と大差ない業務推進を図っていけます。

テレワーク導入に必要な設備

テレワークに必要な設備は、業務内容や業種によって異なります。会社がテレワークを導入するには、ハード面だけでなく、ソフト面の対応も必要です。

ハード面

・テレワーク用の通信機器

・セキュリティ

・クラウドサービス

・保守・サポート

テレワークでは、社外と社内をネットワークで繋ぎ、どこからでも社内データにアクセスできる環境を構築する必要があります。

そのためには、通信機器は必須ですし、セキュリティを強化させて外部の悪意からデータやシステムを守る必要があります。

インターネットを介して社内システムを利用できるように、業務内容に応じたツールの導入、その環境を維持するための保守やサポートも大切です。

ソフト面

・就業規則や労使協定などの内容変更

・テレワークや使用ツールに対する研修や講習会の実施

従来の働き方と異なりますから、これまでの就業規則ではカバーしきれなくなります。また、時間外労働や休日労働が起こることもあります。

ですから、テレワークに合わせて就業規則や労使協定の内容を改定したり、変更したりする必要があります。

導入コストの助成・補助制度

テレワークを導入するには、少なからずコストがかかります。企業によっては、そのコストに見合う効果が得られるのかわからず、二の足を踏んでいるところもあるのではないでしょうか。

国や自治体には、導入コストを軽減するための助成・補助制度が設けられている場合があります。

どんな制度があるのかは、後項で解説しますが、その前に助成金と補助金、奨励金の違いについて理解を深めておきましょう。

助成金とは

厚生労働省や地方自治体によって交付されるお金で、返済義務がありません。要件さえ満たせば、どの企業であっても交付を受けることができます。

補助金とは

経済産業省や地方自治体によって交付されるお金です。助成金と同様に、返済義務がありません。

ただし、要件を満たし、なおかつ審査に通った企業だけが支給を受けられますので、助成金よりも条件が厳しい点に注意です。

奨励金とは

 厚生労働省や地方自治体によって交付されるお金で、上記2つと同様に返済義務がありません。要件を満たした企業や事業に対して支給されます。

募集期間と要件に注意

助成金や補助金といった国や地方自治体から支給されるお金には、募集期間が決まっています。これは、それぞれのお金が国や地方自治体の予算から捻出されるためです。

支給されるお金は、各助成金や補助金によって異なり、その要件も違います。申請する際には、募集期間と要件をよく確認するようにしてください。

万が一、必要書類が足りなかったり、要件が満たせていなかったりすると再申請になることもあります。

なお、これらの募集の多くは、年度予算が決定されてから始まります。

年度予算は、前年度の終わりに決定されることが多いため、4月から募集されるケースが大半です。

反対に、募集が終わるのは、それぞれの制度によってまちまちです。受給を検討している方は、早めに期間を確認しておきましょう。

地方自治体によるテレワーク助成金の紹介

助成金や補助金といっても、本社や事業所がある地域の自治体によってテレワーカー雇用に対するものからサテライトオフィス開設に対するものまで、その内容はさまざまです。

ここでは、地方自治体によるテレワーク助成金や補助金の一部を紹介しています。

東京都の助成金・補助金・奨励金

テレワーク活用・働く女性応援助成金(公益財団法人 東京しごと財団)

中堅・中小企業などを対象に、テレワーク機器導入やサテライトオフィス利用にかかる経費を助成してくれます。

申請期間:2019年4月22日~2020年3月31日。ただし、2020年3月24日までに事前予約が必要(電話で受付)。

限度額:250万円まで。

はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)(公益財団法人 東京しごと財団)

東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加した中堅・中小企業などを対象に、テレワーク環境の構築やテレワークのための就業規則の整備にかかる経費を補助してくれます。

申請期間:2019年5月29日~2020年3月31日。書類持参の場合は、電話予約が必要。

限度額:40万円・70万円・110万円。従業員数によって限度額が変わります。

愛知県の助成金・補助金・奨励金

松山市テレワーク在宅就労促進事業(就労奨励金及び発注奨励金)(松山市)

在宅で業務を行う愛知県松山市民の個人、または事業所に対して交付する奨励金です。

在宅業務を発注した全国の事業所に対して、支払った発注額の1割が支給される発注奨励金制度もあります。

申請期間:就労奨励金は、要件を満たした翌年度の5月31日まで。発注奨励金は、要件を満たした年度内または翌年度の5月31日まで。

限度額:発注奨励金は、消費税・地方消費税を除いた発注額の1割。その他は、当該事業のホームページにて確認してください。

長野県の助成金・補助金・奨励金

松本市テレワークオフィス設置支援事業補助金(松本市)

長野県松本市内にテレワークのためのサテライトオフィスを設置した法人や個人に対し、サテライトオフィスの家賃を12ヵ月を限度に補助します。

申請期間:定めなし。

限度額:サテライトオフィスの賃借料2分の1以内で、なおかつ75,000円を上限とします。

国によるテレワーク助成金の紹介

自治体による助成金・補助金のほかに、国が主体となった助成金や補助金の支給制度もあります。

厚生労働省による助成金・補助金・奨励金

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

中小事業主に対して、在宅またはサテライトオフィスにおけるテレワーク実施にかかった経費の一部を助成します。

申請期間:2019年12月2日まで。ただし、予算に達した場合は、期間内であっても締め切られる場合があります。

限度額:10万円~100万円。限度額は、取り組みの成果目標への達成状況によって異なります。詳しくは、ホームページで確認してください。

総務省による助成金・補助金・奨励金

ふるさとテレワーク

総務省によるテレワーク推進のための補助事業です。都市部と地方を繋ぎ、テレワークによって地方創生の実現を目指すことが目的です。

ここでは、地方自治体や民間企業に対して、地方のテレワーク環境を整備するためにかかる経費の一部を補助するキャンペーンが毎年、行われています。

なお、令和元年度の公募は終了しています。次の募集を待って、応募してください。

上限額:最大3,000万円。

まとめ

今後、ますます人材確保が難しくなっていくことを考えれば、働き手が働きやすい職場環境を作ることは、企業の人材確保という面において必須課題です。

この課題を解決する方法の一つとして、テレワークは最適です。

テレワークを導入する場合、就業規則や労使協定の変更、環境構築などにコストがかかりますから、自治体や国の助成金・補助金を上手く活用してください。

自社に適した助成金・補助金の選定や申請にまつわる相談は、社会保険労務士が適任です。

画像出典元:Pixabay、Unsplash

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