上場と非上場の違い|メリット・デメリットまで徹底解説!

上場と非上場の違い|メリット・デメリットまで徹底解説!

記事更新日: 2019/10/01

執筆: 小石原誠

株式会社を起業する際に「上場」を目指すか「非上場」のままでいるのかは、経営者として考えなければならない事柄です。また、働き手として会社を選ぶ際に、「上場」と「非上場」とを選択基準としている人は多いでしょう。

しかし、「上場」と「非上場」とは、単に会社の規模や知名度を表す指標ではありませんし、ましてや非上場=良くない会社、というわけではありません。

今回は、上場という言葉の意味から丁寧に説明していくとともに、経営の立場と働き手の立場からそれぞれメリットとデメリットについて解説していきます。

上場と非上場の違い

上場とは

上場とは、株式会社が自社の株式を「証券取引所」に公開して、売買されることができるようにすることをいいます。「株式の市“場”に“上”がる」ということで「上場」と言うようになっています。

例えば日本には2019年現在、およそ380万もの会社があります。そのうち上場している企業の数は約3,600社。割合にしてたったの0.09%しかありません。

これは後述するとおり、上場するためには様々なハードルが設けられているためであり、つまり上場することは、企業の価値を判断する一つの重要な指標だといえます。

そのため、例えばベンチャー企業が会社経営の目標として上場を掲げていることも多くあります。

上場と非上場の違い

上場と非上場との違いは、株式をマーケットに公開しているか否かです。

たまに「株式を売買できるか否かの違い」という勘違いがありますが、非上場はあくまで株式を公開していないだけであり、非上場であっても株式を売買することは可能です。

ちなみに、上場していない株式は「未公開株」や「非公開株」などと呼ばれています。

証券取引所の種類

ここまで一言で「証券取引所」と言ってきましたが、証券取引所には色々な種類があります。

国内に限定して話をすると、日本には以下の4つの証券取引所があります。

・東京証券取引所(東証)

・名古屋証券取引所(名証)

・福岡証券取引所(福証)

・札幌証券取引所(札証)

これらのうち最も有名であり、かつ行われている取引の規模が最も大きいのは、東京証券取引所です。東京証券取引所では、以下の4つの市場を運営しています。

・第1部

・第2部

・マザーズ

・JASDAQ

東京証券取引所にはおよそ3,600社の企業が上場しており、これら4つのうちいずれかの市場で取引が行われています。

中でも第1部の市場が最も上場のハードルが高いために「東証1部上場企業」は優良企業であることの証にもなっています。

企業からみた会社を上場させるメリット

資金調達がしやすい

株式会社にとって上場することの最大のメリットは、資金調達がしやすくなることです。

非上場のままで株式を売りに出すためには、自分から株式の買い手を探さなければいけません。

そこで上場して株式をマーケットに公開すれば、一般投資家などから買い手を募ることができるようになります。

社会的信用度が上がる

また、先述のとおり株式会社が上場するためには証券取引所による審査を受ける必要があります。

その分、上場していることは社会的信用度を高める要因になり、これも大きなメリットといえるでしょう。

企業からみた会社を上場させるデメリット

一方で、証券取引所への上場には「コスト」と「リスク」という2つのデメリットが存在します。

コストがかかる

まずコストとしては、証券取引所に上場した状態を保つための費用が必要です。

証券取引所に支払う「上場料」や、上場に必要な監査を行う監査法人に支払う報酬、あるいは株主総会の運営費用などがこれに該当し、比較的規模の小さい企業であっても年間で数千万円から1億円ほどかかるとされています。

リスクを負う可能性もある

リスクとしては、会社の株主が第三者の手元に渡ることで会社としての意思決定に支障が生じたり、あるいは会社そのものを買収されてしまう可能性も出てきたりします。

非上場の有名企業

大手であっても上場していない企業はたくさんあります。

有名なところでいえば

・サントリーホールディングス株式会社

・株式会社竹中工務店

・株式会社ジェイティービー

・株式会社朝日新聞社

などが挙げられますが、これらはいずれもここまで述べてきたメリットとデメリットを天秤にかけた上で「非上場」という経営判断をしているのです。

働き手からみた上場と非上場のメリット・デメリット

ここまでは、経営する立場からみた上場・非上場のメリットとデメリットを述べてきましたが、ここで働き手の立場から、メリットとデメリットを見ていきましょう。

上場企業で働くメリットとデメリット

まず、上場企業で働くことのメリットは、やはり社会的信用度が高いことがあるでしょう。

「社会的な信用」というと具体的なイメージが浮かびづらいかと思いますが、例えばクレジットカードを作るとき、カード発行会社は利用者の就業先も調査し審査を行いますし、自動車や家を購入する際にローンを組むのであれば、やはり金融機関などが同様の審査を行います。

こういった場面で上場企業に勤めていることは大きな信用材料になるといえます。

一方で、上場企業は株主が変わることで、会社の経営方針が大きく変わってしまう可能性があります。

これにより働き手の働き方も大きく左右するのですが、場合によってはそれまで居心地の良かった就業環境が一変してしまうこともあり、この点は上場企業で働くことのデメリット(リスク)と言えるでしょう。

非上場企業で働くメリットとデメリット

先述のとおりほとんどの株式会社は非上場企業なので、特に働き手からみたメリットとデメリットは一緒くたには言いづらいのですが、非上場企業で働くことのメリットとしては、例えば経営方針がそう簡単には変わらない=就業環境が変わらないという意味で、安心して働けるという点が挙げられるでしょう。

また、これから上場を目指すというようなベンチャー企業であれば、自分の努力次第でキャリアアップをどんどん目指せる、といったメリットもあります。

非上場企業で働くことのデメリットは、やはり社会的信用度が上場企業に比べて劣る、ということがあります。

とはいえ、先に具体例を挙げたとおり、非上場であっても社会的に信用度も認知度もある企業は多く存在しますから、そういった企業で働く分には、このデメリットはあまり気にしなくてもよいでしょう。

まとめ

株式会社が上場するにはとても高いハードルがありますから、経営者が上場することを目指したり、上場企業で働くことを目指すことには、目標設定としては意味のあるものといえます。

一方で、非上場であっても社会的信用度や認知度が高い優良企業は多く存在しますし、逆に上場企業であっても、この先ずっと安泰というわけでもありません。

経営者として上場か非上場かの判断をするときや、あるいは働き手として会社を選ぶ際には、上場か非上場かだけではなく、それらがもたらすメリットやデメリットまできちんと考えた上で、判断することが重要です。

画像出典元:Unsplash、Pixabay、O-DAN

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