税理士に依頼すべき?会社設立の手続きの流れや費用を徹底解説!

税理士に依頼すべき?会社設立の手続きの流れや費用を徹底解説!

記事更新日: 2019/07/26

執筆: 編集部

法人の設立、個人の開業、その際に必要な手続きにはどのようなものがあり、費用はどれくらいかかるのでしょうか?自身で全て行うことは可能なのでしょうか?それとも税理士などに依頼した方がスムーズでしょうか?

本記事では法人の設立と個人の開業における手続きと費用ほか、税理士に依頼した場合のメリットとデメリットを解説していきます。

会社設立時に必要な手続き

会社を設立することを、法人であれば「設立」、個人であれば「開業」と呼びます。

法人と個人では会社を立ち上げる際の手続きに違いがあります。まずはその手続きについて、法人と個人それぞれについて解説します。

法人の設立手続き

1. 会社の実印(代表印)の作成

商号(社名)を決め、会社の実印(代表印)を作成します。

法人の設立登記をする際に、この実印を「法務局」に印鑑登録する必要があります。

作成する価格は材質により様々ですが、高いもので10万円以上するものもあります。

2. 定款の認証

法人の設立は法務局で「法人の設立登記」をすることからスタートしますが、その際に必要となるのが「定款」です。

「定款」とは、法人の商号名や所在地、事業の目的や発行可能な株式数などを定めたいわば「会社の中の法律」であり、設立登記のとき法務局に提出します。

まずは「定款」を作成し、内容を第三者に担保してもらう必要があります。

具体的には、公証人役場で「定款の認証」をしてもらいますが、費用として約10万円程度(印紙代0円~4万円+手数料5万円)かかります。

「定款」にうたう内容は「登記事項」という形で登録されますので、非常に重要な書類です。

※ただし、合名会社や合資会社、合同会社の定款は認証不要です。

3. 設立登記

定款認証を受けた後、法務局に「法人設立」の登記をかけます。

※申請書の雛形については法務局HPに書式がありますので参考にしてください。

法務局HP 商業・法人登記の申請書様式

その際「資本金の額×0.7%(15万未満の場合は15万円)」を登録免許税として支払います。

登記完了までの期間は地域によって異なりますが、概ね2~3週間程度かかると思ってください。

登記が完了した時点で、法人の「登記事項証明書」「印鑑証明書」が交付可能となりますので、公官庁や銀行提出用に必要部数を交付してもらいます。

窓口にて書面請求の場合

登記事項証明書1通600円、印鑑証明書1通450円

手続き費用等一覧

1~3までの費用を一覧にすると以下のようになり、合計で約25万円が必要となります。

項目 設立時の費用(株式会社)
定款印紙代 0円~40,000円※
定款認証手数料 50,000円
登録免許税

資本金の額×0.7%
(15万未満の場合は15万円)

謄本交付手数料 2,000円
登記事項証明書 600円(1通)
印鑑証明書 400円(1通)

※電子認証の場合は不要

4. 銀行口座の開設

法人名義で銀行口座を開設します。

取引先との決済用ほか、後述する「社会保険料」「労働保険料」の口座引落としが可能ですので、届出を提出する前に開設しておきます。

5. 国、地方公共団体への届出

税務署(国)や都道府県、市町村へ「法人設立届出書」を提出します。

その他、税務署への届出・申告には必要に応じて以下が必要になります。

・「青色申告承認申請書」
・「給与支払事務所開設届出書」
・「源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書」
・「償却資産の償却方法の届出書」
・「棚卸資産の評価方法の届出書」

 

6. 社会保険事務所、労働基準監督署への届出

社会保険については、従業員の有無にかかわらず設立した時点で社会保険適用事業所となりますので「新規適用届」の提出が必要です。

労働保険については、従業員を1人でも雇用していれば加入義務がありますので労働基準監督署に「保険関係成立届」、ハローワークに「雇用保険適用事業所開設届」を、それぞれに提出します。

個人の開業手続き

個人の開業の場合、法人の設立1~3の手続きは不要となります。

4. 銀行口座の開設

銀行口座については、個人名義の口座をそのまま事業で使用することも可能ですが、「〇〇商事」や「□□工業」のように屋号を使用する場合、口座名義を「〇〇商事 〇〇太郎」と変更する必要があります。

5. 国、地方公共団体への届出

税務署(国)へ「個人事業開業届出書」を提出します。

その他、税務署への届出・申告には必要に応じて以下が必要になります。

・「青色申告承認申請書」
・「給与支払事務所開設届出書」
・「償却資産の償却方法の届出書」

など、法人の設立と同じく必要に応じた届出書を提出します。

6. 社会保険事務所、労働基準監督署への届出

社会保険については従業員を5名以上雇用した場合、社会保険適用事業所となりますので「新規適用届」の提出が必要です。

労働保険については、従業員を1人でも雇用していれば加入義務がありますので労働基準監督署に「保険関係成立届」、ハローワークに「雇用保険適用事業所開設届」をそれぞれ提出します。

税理士に依頼するメリットとデメリット

メリット

前述のように、会社設立時の手続きは、煩雑な作業であると同時に幅広い知識が必要となります。

特に、税務署への届出のなかでも「償却資産の償却方法の届出書」や「棚卸資産の評価方法の届出書」は、会社にとってどの選択が最も有利かという高度な判断が求められますし、「青色申告承認申請書」の提出を怠ってしまうと青色申告の特典を受けることができなくなります。

このように、税務的なあらゆる要素を総合的に判断するスキルが求められる設立時には、プロである税理士のアドバイスは必要不可欠です。

 また、設立当初は売上も上がらず赤字決算となるケースが多いのですが、例えば設立時にかかった費用を「繰延資産」で処理する、役員からの借入金を「債務免除」する、「助成金」の申請など、財務的な情報提供を受けることもできます。

さらに設立後は、記帳処理や税務申告などについて、税理士の指導のもと適切な会計処理を行えば会社をより良い方向に成長させていくことが可能です。

デメリット

税理士に依頼するデメリットは、当然のことながら内容に応じて費用が発生することです。

法人設立を例に挙げると、上記1.~6.について個別に「〇〇円」というように請求してくる税理士もいれば、「設立手続一式〇〇円」とする税理士もいます。

相場は様々ですが、全て依頼したとすれば10万円を超える場合もあります。

さらに設立後の記帳や税務申告まで関与することになれば月額報酬、決算報酬が別途発生します。

しかし、費用がかかるというデメリットを差し引いても、税理士に依頼することで設立時はもとより、5年先・10年先の会社の発展を見越せるのであればお願いしたい、と考える方もいるでしょう。

実際、節税対策やスムーズな資金の調達により、費用以上の効果を得る可能性が大きいのは確かです。

故に、税理士選びは会社にとって重要な選択です。

親身になって関与してくれる方か?サポート体制は充実しているか?などをしっかり見極めなければなりません。

税理士選びのポイントは?

最後に、税理士を選ぶ際のチェックポイントをいくつか挙げてみましょう。

毎月(月次)の会計処理、試算表作成、報告をしてくれる

会社の事業年度は通常1年間ですが、その間の経過報告もなしに決算でいきなり

「黒字になりましたから納税してください」

「赤字決算になりました。来期は頑張りましょう」では困ります。

今現在、会社がどのような状況にあるのかを常にチェックできるよう、毎月「試算表」という資料を作成し財務内容の報告をしてくれる税理士を選ぶべきです。

税法の特例や節税対策などのアドバイスを密にしてくれる

税法上の特例適用や節税対策というのは、決算が始まってからでは手が打てないようなものばかりです。

決算前の段階で特例適用を見越した手続き、節税対策になる設備投資や費用の支出などをあらかじめ行っておかなければなりません。

そのためには、税法のプロである税理士のほうから積極的なアドバイスが必要となります。

顔の見える会計事務所であること

毎月の試算表を作成し、的確なアドバイスをしてくれる税理士であっても、会社の雰囲気や盛衰というはやはり現場に行かなくては知ることはできません。

会社は「生き物」であり時間と共に常に変化していきます。

従業員のモチベーションが低いと感じれば「決算賞与」を支給して志気を高める、

設備の老朽化が進んでいるように見えたら「特別償却」「税額控除」の適用がある固定資産の購入を提案するなど、

一緒に見て、感じてくれる税理士を選んだほうが生きたアドバイスを受けることができるでしょう。

 

 

さいごに

経営者の方は、このような設立時の手続きと並行し、会社のロゴや名刺の作成、ホームページ開設やオフィスの用意など、他にも決めなければならないことが沢山あります。

設立時から税理士に依頼すれば、自身が業務に関わる設立準備に専念することができるというのも、ポイントの一つかもしれません。

そして設立後は、営業をかけ売上を伸ばす、従業員を育成し全体のボトムアップを図る、設備投資により生産性を向上させるなど、進むべき方向を財務的な数値で検証・アドバイスしてくれる、良きパートナーとなってくれるでしょう。

やるべき業務が沢山あり時間を有効利用したい、資金に余裕のある、スムーズに設立手続きを完了させたいなどの希望がある経営者の方は税理士に依頼すべきと言えます。該当する方は是非検討してみてください。

画像出典元:o-dan

この記事に関連するラベル

最新の記事

ページトップへ