【経営者必読】キャッシュフローとは?考え方と基礎知識を簡単解説

【経営者必読】キャッシュフローとは?考え方と基礎知識を簡単解説

記事更新日: 2019/06/30

執筆: 編集部

銀行の担当者との会話でよく耳にするキーワード「キャッシュフロー」とは、「キャッシュ=現金」「フロー=流れ」という意味で、会社が保有する手持ち現金がどのような理由で増減したのかを分析する手法のことです。

今回はキャッシュフローを正しく理解し、会社の資金繰りをしていく上で重要なパートナーである銀行に対し、キャッシュフローをよく見せるコツを解説していきたいと思います。

キャッシュフローとは?

銀行の企業評価にも関わる現預金の流れ

「キャッシュフロー」とは、「キャッシュ=現金」「フロー=流れ」という意味で、現預金の増減額にスポットをあて、その原因を分析し、会社の財務内容を明らかにしていくというものです。

例えば、今年1年間で会社の手持ち現金が100万円増加したとしましょう。

その原因として考えられるのは次のようなパターンです。

・売上高200万円-経費100万円=利益として100万円計上した
・固定資産を100万円で売却した
・銀行融資を受けて100万円を調達した

上記のように、手持ち現金が100万円増加する原因は様々であり、その原因によって、会社に対する銀行の評価が大きく違ってきます。

「利益」と「キャッシュフロー」は別物である

決算書で経営者の方が一番気になるのは「当期純利益」だと思います。

黒字決算であれば納税額を考えなければなりませんし、赤字決算であれば経営内容の見直しを図らなければなりません。

今年の営業成績を数値化したものが「当期純利益」に集約されていますので気になるのは当然です。

しかし、銀行側は、2つの視点から決算書を評価しています。

1つは「当期純利益」、もう1つが「キャッシュフロー」なのです。

銀行が「キャッシュフロー」も重視するのは、表向きの損益だけは読み解くことができない会社の財務内容を、損益計算書だけではなく、貸借対照表からもアプローチして分析する必要があるからです。

ちなみに「キャッシュフロー」は決算書上には数値として現れてはおらず、資産負債の残高や前期の決算書も使って数値を組み直して計算されます。

このような複雑な作業がキャッシュフローを理解し難くしているのかも知れませんが、分かりやすく言うと、

損益を基準として見た決算書が利益

現金を基準として見た決算書がキャッシュフロー

ということになります。

キャッシュフローの考え方

現金を基準とする

では具体的に「現金を基準とする」というのは、どういうことなのでしょうか?

前述した通り、会社の現金が増加する原因には様々な要素がありますが、同様に現金が減少する原因も様々です。

・赤字を出した
・ボーナスを払った
・固定資産を購入した
・税金を払った

……などが考えられます。

「キャッシュフロー」の基本的な考え方は、大きく3つにまとめることができますので

まずはここをしっかりイメージしましょう。

1. 黒字は現金が増える、赤字は現金が減る
2. 資産が増えると現金が減る、資産が減少すると現金が増える
3. 負債が増える現金が増える、負債が減少すると現金が減る

1はともかく、2と3については「資産が増えると現金が減る?」「負債が増えると現金が増える?」というように、少々納得し難い部分ですので、具体的な例示として売掛金(資産)を回収するケースを使って詳しくみてきましょう。

100万円の売掛金を回収した場合

仕訳 : 現金 100万円 売掛金 100万円

売掛金を回収⇒売掛金(資産)は減る⇒手持ち現金は増える

キャッシュフロー的には資産の減少は「プラス」となります。

逆に資産が増加した場合には、キャッシュフロー的には「マイナス」として考えます。

増減計算は「前期末」から「当期末」

資産負債の増減から導き出すキャッシュフローの計算。では、どの数字を比較するのでしょうか?

答えは「前期末(当期首)」から「当期末」までの増減比較となります。

前述した売掛金(資産)の回収の場合、「前期末の売掛金残高」と「当期末の売掛金残高」の増減を比較し、減少していれば「プラス」、増加していれば「マイナス」と判断します。

負債については「前期末の残高」と「当期末の残高」の増減を比較し、増加していれば

「プラス」、減少していれば「マイナス」と判断します。

ここで重要なポイントは、計算した「キャッシュフロー」の増減額は、前期末と比較した現金の増減額と必ず一致する、ということです。

会社の帳面は複式簿記を使っていますので、相違することがありません。

キャッシュフローからみえてくるもの

キャッシュフローが解き明かす決算書の3要素

キャッシュフローにはその発生原因別に3つの要素があります。

キャッシュフローの3要素

・営業キャッシュフロー…当期利益、売掛金、買掛金、棚卸などの増減
・投資キャッシュフロー…固定資産の購入、売却
・財務キャッシュフロー…銀行などの借入金の増減

そしてこの3要素の増減から、会社の決算書を以下の様に分析することができます。

3要素から分析されるもの

・営業キャッシュフロー…会社の営業活動で資金調達ができているか?
・投資キャッシュフロー…設備投資にどれだけの資金を投入しているか?
・財務キャッシュフロー…銀行から借り入れが必要か?返済が進んでいるか?

「営業」で現金を稼げているのか?稼いだ現金を「投資」「財務」にどれだけ分配しているのか?

「営業」で出た現金のマイナスを、「投資」「財務」でいかに資金調達したか?

などが、全て明らかになるのです。

つまり、「営業キャッシュフロー(以下、CF)」からは会社の損益や売掛金の回収状況、棚卸資産の保有状況といった営業活動が推測できます。

また、「投資CF」からは設備投資の状況が分かりますし、「財務CF」については銀行借入の状況が把握できますので、融資が必要な財務内容か否かを知ることができます。

CFの理想形としては「営業」がプラス、「投資」「財務」がマイナス。

良くないのは「営業」がマイナス「投資」「財務」がプラス、という形です。

粉飾決算も丸わかり

赤字会社が利益を出すために、減価償却費を少なく計上したり、棚卸資産を水増ししたりしても、この「キャッシュフロー」を使えばすぐに見抜くことができます。

銀行がキャッシュフローを計算する裏の狙いは粉飾決算を見抜くため、と言っても過言ではありません。

表向きの決算書上は利益が出ていたとしても、キャッシュフローはあくまで現金を中心に財務内容を分析しますので、もし仮に粉飾していたとしても、その利益調整は全て「なかったもの」として数字に現れてきます。

例えば、黒字決算にするため棚卸資産を水増ししたとしましょう。

「当期純利益」はプラスになっていますが、「棚卸資産」が増えていますので

資産の増加=キャッシュの減少としてカウントします。

結果、水増しした分がそっくりそのままマイナスされますので粉飾しても無意味というわけです。

キャッシュフローを良くするためのポイント



それではここで、キャッシュフローをを良くするためのキーワードを提案したいと思います。

回収は早く、支払いは遅く

資産の減少や負債の増加が「プラス」要素となることを、実際の営業活動に当てはめた場合、以下のような手法が有効となります。

売掛金や未収入金などの売上債権は可能な限り早期回収し現金化する

注意点としては、受取手形は売上債権(資産)ですので、手形回収しただけではキャッシュフローは改善されません。
割引、裏書で受取手形を減少させればキャッシュフローはプラスとなりますが、割引手数料を考慮すると、割引よりも裏書手形で処理するのがおすすめです。

買掛金や未払金などの仕入債務は可能な限り支払いを延ばす

支払手形は仕入債務(債務)としてカウントしますので、決済方法を現金から手形に切り替えるだけでキャッシュフローは改善されます。また、月末に支払をしている会社の場合、月末が休日となる際には「休日前払い」ではなく「休日後払い」とするのも有効です。

取引先との兼ね合いがありますので、決済方法や決済日をこちらの意向だけで変更できないという部分はありますが、ちょっとした改善で「営業」をプラス方向にもっていくことが可能です。

さいごに

会社を経営していく上で、銀行と良好な関係を維持していくことはとても大切です。

表面上の損益だけではなく、資金調達の原資からその使い道までをしっかり把握されているということを常に意識した経営、決算書の作成を心がけましょう。

画像出典元:o-dan

 

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