設置型(置き型)社食のデメリットは?導入前に知っておきたい注意点と対策

設置型(置き型)社食のデメリットは?導入前に知っておきたい注意点と対策

記事更新日: 2025/08/04

執筆: Mai Nemoto

設置型社食の主なデメリットは、利用率のばらつき、在庫管理の手間、メニューの飽きなど、運用面での負担が生じやすい点です。

しかし、社員の健康を食事からサポートでき、多様な働き方にも対応しやすく、低コストで導入できるため、多くの企業で採用が広がっています。

本記事では、設置型社食のデメリットと、それを解決するための対策、さらには費用相場や導入が向いている企業の特徴について詳しく解説します。

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設置型(置き型)社食とは?

設置型社食とは、社員がオフィス内で手軽に食事を取れるよう、企業が食事を提供したり、購入できる仕組みを設ける福利厚生サービスです。

ここでは、設置型社食の基本的な情報として、以下の点について解説します。

  • 設置型社食の仕組みと種類
  • 設置型社食の導入が広がっている背景とは?
  • 社員食堂や宅配弁当と何が違う?

設置型社食の仕組みと種類

設置型社食には、主に以下の3種類あり、それぞれ異なる形式で提供されます。

冷凍型 冷凍庫に保存された弁当やおかずを、電子レンジで温めて食べられる形式
常温型 常温保存が可能なレトルト食品、パン、スナックなどを常設棚に置いて自由に取れる形式
ハイブリッド型 冷凍型と常温型の両方を組み合わせて、さまざまなニーズに対応できる形式

設置型社食の導入が広がっている背景とは?

設置型社食の導入が急速に広まっているのは、主に以下の3つの要因があるからです。

  • 健康経営への意識の高まり
  • 高いコストパフォーマンス
  • 多様な働き方への対応

これらの要因が複合的に作用し、設置型社食は現代の企業にフィットする福利厚生として注目を集めています。

特に、社員食堂のような大規模な設備投資が不要で、社員が自身の都合の良いタイミングで利用できる柔軟性がある点が、現在の働き方にマッチしています。

食を通じた社員の健康サポートが、企業の生産性向上やエンゲージメント向上につながるという点でも導入が進んでいます。

社員食堂や宅配弁当と何が違う?

社員に食事を提供する福利厚生サービスには、設置型社食以外にもさまざまな選択肢があります。

よく比較される社員食堂や宅配弁当・ケータリングとの違いを確認しておきましょう。

社員食堂との違い

社員食堂は、企業が自社内に調理場や配膳スペースを設け、専任のスタッフが運営する食事スタイルです。

作りたての温かい食事が食べられる点はメリットですが、設置型社食と比べて、大規模な初期投資や人件費、衛生管理といった運用負担が格段に大きい点が主な違いといえます。

弁当宅配・ケータリングとの違い

弁当宅配やケータリングは、必要な数をその都度発注し、業者がオフィスへ配送する仕組みです。

温かい食事が届く点は魅力的ですが、設置型社食のように常時設置されているわけではないため、利用には事前発注や注文数の管理、受け取り、キャンセル対応といった日々の調整に手間がかかる点が異なります。

設置型(置き型)社食のデメリット

設置型社食は、限られたスペースやコストで社員の健康支援や満足度向上に役立つサービスです。

しかし、導入したからといって必ずしも期待通りの効果が得られるとは限りません。

ここでは、導入前に把握しておくべき設置型社食の主なデメリットを解説します。

  1. 利用率のばらつきや偏り
  2. メニューの偏りや飽き
  3. 食事スペースや設置場所の問題
  4. 衛生・消費期限管理の負担
  5. 廃棄ロスや在庫管理の手間
  6. コストと補助額のバランスが難しい
  7. 社員の反応に差が出る

1. 利用率のばらつきや偏り

設置型社食を導入しても、すべての社員が利用するとは限りません。

職種や勤務時間によって、利用率にばらつきや偏りが出る可能性がある点がデメリットです。

たとえば、外出が多い営業職やリモートワークを主とする社員は、オフィスにいる時間が短いため、設置型社食を利用する機会が少ない傾向にあります。

その結果、導入コストに対する効果が見えにくくなる可能性も考えられます。

全社員を対象とした施策として導入する際は、あらかじめ利用見込みのある部署や人数を把握しておくことが重要です。

2. メニューの偏りや飽き

設置型社食で提供されるメニューが常に同じであったり、冷凍食品やレトルト食品ばかりになってしまうと、社員は味や選択肢に物足りなさを感じやすくなります。

特に、健康意識の高い社員や、毎日利用する習慣がある社員にとっては、メニューの飽きや偏りが設置型社食の利用モチベーション低下につながることも少なくありません。

このため、定期的なメニュー更新や多様なラインナップの検討が求められます。

3. 食事スペースや設置場所の問題

設置型社食を導入する際は、冷蔵庫や冷凍庫、棚などを設置するためのスペースの確保が必須です。

また、電子レンジやごみ箱の配置も考慮しなければなりません。

設置場所が社員の動線と合っていないと、利用率の低下を招くだけでなく、食事時の混雑やストレスの原因にもなりかねません。

コンパクトなオフィスの場合は、導入前に食事スペースと設置場所のレイアウトを綿密に検討する必要があります。

4. 衛生・消費期限管理の負担

設置型社食の在庫には消費期限がある商品も多く、適切な管理をしなければ衛生リスクや社員からの苦情につながる可能性があります。

そのため、商品の定期的なチェックや入れ替えが必須です。

特に冷凍や冷蔵商品を扱う場合は、適切な温度管理や清掃といったメンテナンスも求められます。

こうした管理業務は、総務部門などの担当者にとって、想像以上に大きな負担となるため、導入前に認識しておくべき点です。

5. 廃棄ロスや在庫管理の手間

設置型社食では、人気のない商品が売れ残って廃棄ロスが発生したり、反対に人気メニューがすぐに品切れになったりすると、社員の満足度低下につながってしまいます

適切な管理をするためには、利用傾向の分析や在庫補充のタイミング調整が不可欠です。

こうした運用にはノウハウが求められるため、導入後の管理が想像以上に手間となる可能性があります。

6. コストと補助額のバランスが難しい

設置型社食の導入では、社員の負担額を抑えるために企業が補助金を出すケースが多く、企業側のコストが増加する点がデメリットとして挙げられます。

もし補助額が少なすぎると、社員の利用率が低下し、せっかく導入した福利厚生が形骸化してしまう可能性もあります。

そのため、どこまで補助するかの判断は、福利厚生全体の予算を考慮し、慎重に検討しなければなりません。

7. 社員の反応に差が出る

食の好みや習慣は人によって大きく異なるため、設置型社食のメニュー内容によっては、好評と不評に分かれる点に注意が必要です。

すべての社員が満足するメニューを実現するのは難しいため、一部の社員から不満が出る可能性があることは、あらかじめ理解しておきましょう。

設置型(置き型)社食のデメリットを軽減・回避するには?

設置型社食の導入で生じやすいデメリットを解決するには、事前準備と運用設計の工夫が欠かせません。

ここでは、デメリットを軽減・回避するための具体的な対策について解説します。

対策①:冷凍タイプ・長期保存食を選ぶ
対策②:定期的なメニュー更新で飽きを防ぐ
対策③:持ち帰り可・フレックスタイム対応で利用率アップ
対策④:事前に社員アンケートを実施してニーズ把握する

対策①:冷凍タイプ・長期保存食を選ぶ

冷凍食品やレトルト商品は長期保存が可能なため、廃棄ロスを大幅に抑えられます。

また、長期保存が利くことで週に1回程度の補充でも運用が成立し、担当者の手間を軽減できる点も大きな魅力です。

近年では、電子レンジで温めるだけで本格的な味が楽しめる冷凍弁当も増えており、社員の満足度向上も期待できます。

対策②:定期的なメニュー更新で飽きを防ぐ

定期的にメニューを見直し、新しい種類を追加することで、メニューのマンネリ化を防ぎ、社員の飽きを軽減できます。

たとえば、季節限定メニューや社員投票で選ばれる新商品などを導入する施策は、「次はどんなメニューが出るだろう」というワクワク感を生み出し、結果として利用率の向上にもつながります。

対策③:持ち帰り可・フレックスタイム対応で利用率アップ

設置型社食を自宅への持ち帰り可能とする、またはフレックスタイム制で働く社員にも対応できるようにすることで、全体の利用率アップが期待できます。

例えば、持ち帰りを前提としたパッケージを採用したり、冷蔵庫や冷凍庫で長く保存できる商品を選んだりする工夫が有効です。

これにより、オフィスにいる時間が短い社員や、時間を気にせず利用したい社員も気軽に利用できるようになります。

対策④:事前に社員アンケートを実施してニーズ把握する

設置型社食の導入前に、社員の好みや食生活、希望する価格帯などをアンケートで調査しておくと、導入後のミスマッチを効果的に防げます。

例えば、「導入したら利用したいか」「どのようなメニューなら食べたいか」「どの時間帯に利用するか」といった項目をヒアリングすると良いでしょう。

これにより、社員の具体的なニーズに合ったサービスを提供でき、利用率向上につながります。

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設置型(置き型)社食の費用とコスト感

設置型社食を導入する際の初期費用として、冷蔵庫や冷凍庫、棚などの設置が必要となる場合がありますが、サービスによってはレンタルが可能なケースもあります。

食事の費用は、一般的な商品であれば1食あたり100円〜400円が相場です。

内容にこだわったものや高品質なものであれば、1食あたり750円程度が目安となるでしょう。

これらの他に、配送・納品費用や品質維持管理費用などが別途発生することもあります。

導入を検討する際は、これらの費用も考慮して総コストを把握することが大切です。

設置型(置き型)社食はどんな企業に向いている?

ここでは、設置型社食の導入が向いている企業の特徴を解説します。

  • 社員食堂を持つのが難しい中小企業・ベンチャー企業
  • 健康経営や離職防止に取り組みたい企業
  • コンビニや外食に頼りがちな立地・働き方の企業

社員食堂を持つのが難しい中小企業・ベンチャー企業

社員食堂の設置には、調理場や広い食事スペースの確保に加え、調理スタッフの人件費など、大規模な初期投資と継続的な運用コストがかかります。

そのため、ほとんどの中小企業やベンチャー企業にとって導入は現実的ではありません。

その点、設置型社食は、大規模な設備投資が不要で、冷蔵庫や冷凍庫、棚を設置するわずかなスペースさえあれば導入できます。

これにより、社員食堂に比べて圧倒的に低コストで導入・運用が可能なため、社員数が少ない企業でも無理なく福利厚生を充実させられます。

健康経営や離職防止に取り組みたい企業

社員の食生活の充実は、パフォーマンスや健康状態に直結します。

設置型社食を活用し、栄養バランスの取れた食事を提供することは、健康経営の一環として非常に有効です。

これにより、社員満足度の向上はもちろん、メンタルヘルス対策や離職防止にもつながるでしょう。

社員が健康で活き活きと働ける環境を整えることは、長期的な企業成長を目指す上で重要な施策の一つとなります。

コンビニや外食に頼りがちな立地・働き方の企業

オフィス周辺に飲食店が少ない、またはランチの選択肢が限られている、費用が高いといった立地の企業にとって、設置型社食は非常に有効な解決策となります。

オフィス内で手軽に食事ができる環境は、社員の利便性を高めるだけでなく、健康的な食事習慣を促し、結果として企業の健康経営を支援することにもつながります。

特に、忙しくて外食に時間をかけられない社員や、多様な働き方で食事のタイミングが異なる社員にとって、大きなメリットとなります。

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まとめ

設置型社食の導入には、利用率のばらつきや在庫管理の手間といったデメリットがあるのは事実です。

しかし、冷凍や長期保存が可能な商品を選ぶ、社員のニーズを事前にアンケートで把握するといった対策を講じることで、これらの課題に対処し、効果的な運用が可能です。

オフィスでの食事環境を整えることは、社員の健康維持や業務パフォーマンスの向上につながり、結果として企業全体の成長を後押しする重要な取り組みとなります。

社員の健康支援は単なるコストではなく、将来的な離職防止や生産性向上を見据えた投資であると考え、限られたリソースでも無理なく導入できる設置型社食をぜひ活用してみてください。

画像出典元:O-DAN

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