人気の高い福利厚生の1つである食事補助。しかし事前によく計画して導入しないと、かえって社員にとって使いにくい福利厚生となる可能性もあるでしょう。
そこで今回は、食事補助の種類や魅力、おすすめの導入方法や社食サービスをご紹介します。
これを読めば、食事補助の大まかな種類や仕組みを踏まえ、会社に合った方法で食事補助を導入できます。
このページの目次
福利厚生の1つとして有名な食事補助。まずは、食事補助の意味やその種類、魅力などについて見ていきましょう。
食事補助は業務上必要な「食事」にかかる費用を、会社側が負担する福利厚生です。
負担の方法は色々ありますが、現物(お弁当など)を支給する方法やお店で使えるクーポンを発行する方法などが挙げられます。
「仕事の中で必要な食事」を対象としているため、夜勤の場合の夜食や当直の場合の食事などにも関わってくる福利厚生です。
そのため従業員にとって比較的平等な福利厚生だと捉えることができます。
食事にかかるコストを負担する「食事補助」は、大きく次の4種類に分けられます。
そして、上記の食事補助で会社側が負担する金額の相場は、1食あたり100円~150円となっています。
というのも食事補助は、以下の内容が「課税対象の条件」として挙がっているのです。
1. 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
2. 次の金額が1カ月あたり3500円以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
※消費税及び地方消費税の額を除く
引用:国税庁
食事補助を導入する際は、補助の内容を課税対象にしたいかどうかも合わせて検討する必要があります。
課税対象については押さえておきたいポイントがいくつかありますので、後ほど詳しく解説します。
食事補助は、社員が平等に活用できるところに魅力を感じる方が多い福利厚生です。
子育て支援や介護支援など、福利厚生には条件を満たした一部の社員しか活用できないものもあります。しかし、食事補助は原則全ての社員が活用できる福利厚生のため、導入によってほぼ全ての社員をサポートすることが可能になります。
また「食」は、社員が業務上必ず必要とする要素の1つです。福利厚生として用意されているのに全然活用されない…という事態が起こりにくいのも、魅力の1つでしょう。
一方で、活用できる社員が増える分「全ての社員が納得する補助内容」を考えるのが難しいのも事実。
続いてはそんな食事補助を導入することのメリットやデメリットについて、さらに詳しくご紹介します。
食事補助を導入するメリットやデメリットには、どういったものが挙げられるのでしょうか。
それぞれ確認し、食事補助を導入することで会社にどんな影響があるのか掴んでいきましょう。
まず、食事補助を導入するメリットをご紹介します。
「会社内のほぼ全員を対象とした、活用される可能性が非常に高い福利厚生である」という点を押さえておくと、分かりやすいかと思います。
食事補助の何よりのメリットは、従業員の健康管理を平等に行える点です!
働く社員にとって、体は何よりの資本。質の高い食事を提供することで、社員が健康的な状態で業務を行えるよう促すことができます。
社員側も会社で食事のことを考えなくてよくなりますから、その点をメリットに感じる方も出てくるでしょう。
社員をお給料以外の面でサポートできる点も、食事補助の大きな強みの1つです。
どんな社員でも絶対必要になる「食事」が補助内容になるため、うまく導入すれば高い社員満足度を得ることにも繋がりますよ。
お弁当支給型・社員食堂型の食事補助を導入した場合、社員間でのコミュニケーションを促すことも可能になります。
社員同士で食事を行う機会を用意することで、仕事で関わったことのない社員や仕事の中では話しかけにくい上司などとコミュニケーションを取れる場が増える点も、食事補助の大きなメリットではないでしょうか。
一方、食事補助にはデメリットも当然存在します。導入してから後悔しないよう、事前にデメリットもチェックしておきましょう。
食事補助は、会社の特色によっては導入するのが難しい場合もあります。
例えば、在宅ワークが中心で食事代に特別困っていない会社や、あまりにも各社員の業務形態・業務スケジュールがバラバラで食事の時間や回数がまちまちである会社などです。
導入してからそんなに活用されなかった…という事態にならないよう、導入の際は会社全体のワークスタイルをよく把握する必要があります。
また、社員食堂や弁当支給型、お惣菜などの設置サービスを活用する場合、すべての社員が納得する食事を支給することが難しい可能性もあります。
人によって食事量は様々ですし、当然好き嫌いもあります。そういった部分への配慮が難しい場合があるのも、食事補助の導入におけるデメリットの1つでしょう。
しかし、食事補助では月3500円までなら、非課税での現金支給が可能です。そのため事前によく調査して、自身の会社に合った食事補助を導入することが大切になってきます。
では、ここで食事補助を導入した会社の例をいくつかご紹介します。
会社概要と食事補助の内容をまとめましたので、「会社の特色」と「食事補助」をどう掛け合わせているかに注目して読んでみてくださいね。
Looopは、再生可能エネルギーを扱う会社です。太陽光発電所システムや電力小売り事業を手がけており、その特質から社員のワークスタイルは外回りが中心になっています。
そんなLooopが導入したのはチケット型の食事補助!外回りの際に好きなお店・好きなタイミングでチケットを使えるため、任意加入だったにも関わらず、導入から1カ月でほとんどの社員が加入したのだとか。
チケット・クーポンを支給する食事補助と、外回り中心の会社はマッチしやすいことが分かる、いい例ではないでしょうか。
歴史の長い生命保険会社の1つ、明治安田生命。保険サービスを展開している明治安田生命には「社員食堂」があるのですが、こちらの食堂が大変評判になっています。
食堂には約10mにも及ぶ吹き抜けがあり、清潔感に包まれた空間が魅力的!メニューは食堂の管理栄養士が計画・作成し、社員の好みを取り入れながらメニューに飽きてしまわないよう工夫されています。
内勤メインの会社である場合、社員食堂の導入を検討するかと思います。社員食堂を導入する際は、明治安田生命のように空間と食事の内容どちらにも配慮し、心地よい空間を作ることが大切です。
ABEMAなどのメディア事業やインターネット事業などを展開するサイバーエージェントには、面白い食事補助制度があります。
それは「シャッフルランチ」!シャッフルランチは、普段仕事の中で関わりのない社員をシャッフルで集め、週に1回支給された費用でランチに行くというものです。
会社は同じでも働き方や考え方、携わる事業が違う人とコミュニケーションを取れるため、社内でのコミュニケーションが活発になったり、普段周りに話せないことを話せたりするといったメリットが生まれます。
社内のコミュニケーションを食事によって促進している例の1つでしょう。
食事補助の導入例をいくつかご紹介しました。食事補助によって会社にどんな変化が起きるか、イメージする助けになったでしょうか。
ここで、食事補助の導入方法や導入時の注意点について解説していきます!おすすめの社食サービスも最後にまとめたので、食事補助の導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
まずは、食事補助を導入する際の大まかな流れについて掴んでいきましょう。
1.食事の提供方法を決定
2.予算決定
3.導入
4.導入後の様子を確認、アンケート等で改善を行う
この流れからも分かるように、食事補助の導入を成功させるには事前に提供方法や予算をしっかり練ることが重要になってきます。
それぞれの方法について、さらに詳しく見ていきましょう!
先ほどご紹介した食事補助導入の流れについて、1つずつ掘り下げていきます。
まずは、食事の提供方法を決めましょう。食事の提供方法は、大きく次の4つに分けられます。
それぞれ長所と短所はありますが、提供方法を決める際は次のようなポイントを参考にするのがおすすめです。
社員の勤務スタイルは、食事補助を導入する際大きな参考になります。
とはいえ、全従業員の勤務スタイルを把握するのが難しいこともありますので、事前にアンケートなどを取って希望を聞くのも方法の1つです。
食事の提供方法を決めたら、次は予算の検討に移ります。
ポイントは最初にお話しした「課税対象とするかどうか」です。そして多くの場合、非課税とすることで税金の削減にも繋がりますから、なるべく課税対象にはしたくないと考えるかと思います。
そんな会社におすすめなのが「社食サービス」!社食サービスの中には、非課税を希望される会社用のメニュー・コースなどが用意されているものもあります。
そういったサービスも活用しながら、課税対象内での食事補助導入を検討するのがおすすめですよ。
食事補助の内容と予算が決まったら、いよいよ導入です!事前に会社内への告知や、活用方法の共有などをしっかり行いましょう。
食事補助に限らず、福利厚生は導入したらそこで終わりではありません。導入後にアンケートなどを実施し、活用しやすいか、もっと改善してほしいポイントはないかなどをきちんと調査しましょう。
導入前に拾いきれなかった社員の声が見つかる可能性もありますので、この調査と改善も重要なプロセスの1つです。
食事補助の導入方法やその注意点について確認したところで、改めて食事補助の課税対象を確認していきましょう。
原則としては、以下の2点を押さえる必要があります。
1. 役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
2. 次の金額が1カ月あたり3500円以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
※消費税及び地方消費税の額を除く
引用:国税庁
これらの2点に当てはまらなかった場合、(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)がそのまま給与に合算され、課税対象となるので注意しましょう。
ちなみにここで言う食事の価格には、以下のような金額が含まれます。
引用:国税庁
また、課税対象のルールにはいくつか例外も用意されています。その内容を以下にまとめましたので、該当する社員がいないかどうかチェックしておきましょう。
残業や宿直で食事が必要な場合、夕食・夜食の支給を検討するかと思います。この場合、現物支給に限り「全額」福利厚生として計上可能です。
この現物については、お弁当やお惣菜などの支給だけでなく、飲食店などで食事をした場合にも適用されます。この場合、社員が使った食事代の領収書を回収して提出しましょう。
領収書を回収せず現金支給を行うと課税対象になってしまいますので、この点も注意が必要です。
22時~5時の間に働く人を指す「深夜勤務者」。この深夜勤務者が会社にいる場合も注意が必要です。
深夜勤務者への食事も、現物支給であれば福利厚生として費用を計上できます。
しかし深夜の勤務となると、現物を支給できないこともあるでしょう。そういった場合は、1食あたり300円(税抜き)以下の現金支給なら福利厚生費として計上できますので、こちらも活用してみてください。
最後に、おすすめの社食サービスをいくつかご紹介します。
一言で「社食サービス」と言っても、食事の提供方法は様々です。より多くの会社の参考になるよう、今回は様々な種類の社食サービスを選びました。
ぜひ以下の内容を参考に、会社への食事補助導入を検討してみてくださいね。
画像出典元:「OISEEQ」公式HP
「OISEEQ」は初期費用・月額固定費が無料、注文した食事の実費だけで利用できるオフィス向けのフードデリバリーシステムです。
支払い方法も多岐に渡り、各種電子マネーやPayPay、クレジットなどのキャッシュレス決済が可能。さらに請求書払いや給料からの天引きもできるので非常に利用しやすいです。
さらに導入前のヒアリングでは希望する予算やメニューカテゴリなどの要件を丁寧に確認し、オーダーメイドでセッティングしてくれるという徹底したサポート体制も魅力です。
固定費用は完全無料。注文した食費分(1食540円〜)だけで利用できます。
利用する飲食店毎に配達の最低金額が設定されており、金額は1,200円〜という設定になっています。
希望する飲食店が会社から遠い場合、その距離に応じて最低金額が高くなる可能性はありますが、Uber Eatsなどのデリバリーサービスとは違って配送料が無料なので総合的に考えても非常に安価でお得に利用できます!
画像出典元:「オフィスde弁当」公式HP
「オフィスde弁当」は導入費用が無料。
さらに20個という少ない個数から提供してくれるため小規模の会社から大規模な会社まで幅広く利用できます。
社員食堂がない・会社の近くに飲食店が少ないなど、従業員のランチに困っている企業の福利厚生の一環として、かなりオススメのサービスです!
オフィスde弁当(毎日の必要個数が70個以下の場合)
・弁当1食333円
・初期費用無料
社食DELIプラン(毎日の必要個数が70個以上の場合)
・導入費、固定費0円
お弁当デリプラン(イベント・会議等の注文配達プラン)
・導入費、固定費0円
オフィスで手軽に健康的なランチがとれる「オフィスでごはん」プランでは、添加物不使用や国産食材など、健康にこだわった食事をオフィスで手軽にとることができます。
従業員は、お惣菜や主食などを1個100円から購入できます。
冷凍で日持ちが長い(2ヶ月以上)ので、管理も簡単。メニューのバリエーションが多く、毎日食べても飽きません。
約24,000円/月〜
画像出典元:「Office Premium Frozen」公式サイト
Office Premium Frozenは、健康的な食事をオフィスに常備することができる、宅配型社食サービスです。
近所に飲食店が少ない、休憩時間がバラバラで仕出し弁当の利用も不便という会社には特におすすです。商品の配達、在庫確認など面倒なことは一切不要でありながら、低価格で利用できるため、職場の福利厚生にも大活躍なサービスです。
初期費用は一切かかりません。
会社側が負担する月額料金は30,000円からとなっており、冷凍庫の設置台数により異なります。
また、⾷事に必要な消耗品も全てシステム利用料に含まれており、商品の買い取りも一切ない為、会社側が負担する金額は毎⽉固定になります。
▼ 社食サービスをもっと知りたい方はこちらもご覧ください ▼
食事補助の内容や魅力、導入方法やおすすめの社食サービスを見ていきました。
食事補助は従業員のほとんどが活用できるため、事前の入念な下調べや準備が大切になってきます。
職場の労働環境や社員満足度を改善したい!と考えている方はぜひ、食事補助の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:o-dan