TOP > SaaS > 人事 > 人事評価 > タレントマネジメントの成功・失敗事例を紹介!失敗しない導入方法とは?
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タレントマネジメントが重要と聞くけれど、取り組み方がわからない、うまく運用できるか不安があるなどお困りの方は多いのではないでしょうか。
人材の能力やスキルを伸ばす、人事戦略の一つであるタレントマネジメントを導入することで、組織の生産性向上が期待できます。
この記事では、タレントマネジメントの成功・失敗事例と、失敗しない導入方法まで、わかりやすく解説します。
このページの目次
タレントマネジメントとは、組織における人材の能力や個性を最大限に活かし、成果を最大化するための手法です。
採用から育成、配置、評価までを含み、経営戦略の実現に不可欠です。
従業員一人ひとりの能力を組織の成長につなげることを目指し、パートやアルバイトを含めた全従業員を対象とします。
タレントマネジメントの目的は、組織の生産性を向上させ経営戦略の実現を支援することです。
適切な人材配置と育成を行うことで、人材を最大限に活用できます。
従業員の強みやスキルを活かし、組織の目標に共感してもらうことで、全体のパフォーマンスを向上させ定着率の向上につながります。
日本でタレントマネジメントが注目される背景には、主に3つの要因があります。
労働人口の減少により、企業は適切な人材の確保が難しくなっています。
人材を最適に活用し、効率的に配置することが求められています。
従来の一律な人事管理では、多様な人材のニーズや能力を十分に活かせません。
タレントマネジメントは、個々の能力や志向に合わせた柔軟な人事施策を提供し、多様な人材を最大限に活用します。
競争が激化し、技術革新やビジネスモデルの変化が頻繁に起こる現代のビジネス環境では、企業は迅速かつ柔軟に対応する必要があります。
組織のニーズに合わせ即座に人材を配置し、適切な育成や採用を行うことで、変化に対応する力を強化します。
タレントマネジメントは、人材のスキルや能力を的確に把握し、適切な場所に配置することで、企業の競争力を強化します。
さまざまな世代やバックグラウンドを持つ人材が一つの組織で働くなかで、個々の特性やニーズに合わせた対応が求められます。
タレントマネジメントは、多様な人材に対応し、成長と活躍を支援するための枠組みの提供が可能です。
組織にとって価値のあるリーダーや専門家の育成にも対応できるようになります。
サントリーホールディングスは、グローバルな人事活動を推進し、一人ひとりの成長を重視した従業員本人・上司・人事の三位一体で育成支援と適材配置を推進しています。
ダイバーシティ経営を方針とし、全従業員が能力を最大限発揮できる環境を整え、国籍や性別、年齢に関係なく、公平な評価を進めています。
さらに、従業員の成長支援のため、多彩な教育・研修プログラムを用意しています。
日産自動車では、グローバルで活躍できるビジネスリーダーの育成を強化しています。
個々のスキルや経験に基づき、人選・アセスメント・育成計画・フォロースルーの4つのサイクルを実施し、日本人ビジネスリーダーを育成しています。
入社3年目の従業員から、ビジネスリーダー候補を発掘し、5年〜7年目から選抜・育成するサイクルを重ねることで、各分野の日本人ビジネスリーダー育成が強化されています。
サイバーエージェントは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、人材育成と事業の成長を最大の課題として捉えています。
経営陣の声を受けて開発されたアンケートシステム『GEPPO(ゲッポウ)』は、月1回の簡単な質問で従業員の声を把握し、回答率97%を達成しました。
このデータを基にした人事施策や、従業員の意志を尊重した異動・配置は、適材適所を実現し、組織と従業員の両方にとってプラスの効果をもたらしています。
参考:「才能開花」と「適材適所」を実現するサイバーエージェントのタレントマネジメント
楽天グループでは、急成長に伴う新卒採用の増加やビジネスの多様化に対応するため、全社的、長期的な人材育成に移行する目的でタレントマネジメントを導入しました。
ジョブポスティングを通じて社内でのスキルアップと異動を促進し、全従業員に成長の機会を提供しています。
多国籍な環境における相互理解の促進や、従業員の声を反映した人事改革プロジェクトを通じて、従業員の力を最大限に引き出し、キャリアを積める環境を整えています。
参考:Corporate Topics:「Back to Basics Project」
ソニーは個々の自立と挑戦を重視し、タレントマネジメントに力を入れています。
障害者活躍フィールドの拡大やポジティブ・インフルエンスプログラムを通じて、個々の能力を伸ばし、活かす取り組みを進めています。
ポジティブ・インフルエンスは、音楽業界におけるコーチングと社会貢献を組み合わせたプログラムで、社員の成長と多様性を同時に促進しています。
個々のエンゲージメントを高め、組織全体のパフォーマンス向上に貢献しています。
参考:タレントマネジメントの成功事例|成功するポイントも詳しく解説
人事戦略に効果的なタレントマネジメントですが、導入・運用がうまくいかないケースもあります。
失敗例について具体的に見ていきましょう。
タレントマネジメントの導入時での失敗を、3つ紹介します。
タレントマネジメント導入では、目的とゴールを明確にし、必要な情報や仕組みをつくっていきます。
曖昧な目的では、収集すべきデータや改善点が見えず、無駄な情報収集や費用が発生するだけでなく、手間と時間も無駄になります。
具体的な目標を設定し、課題との関連性を考えて効果的に進めていきましょう。
タレントマネジメントは求める人材像を定め、戦略的に運用することで効果を発揮します。
企業としての「求める人材像」と「優秀人材」の定義を明確にすることが重要です。
タレントマネジメントの目的が組織としてのゴールであるなら、個々の社員が目指すべきゴールも明確に設定する必要があります。
これにより、社員は自分の成長目標を理解し、主体的に学べます。
この透明性は、職務への理解を深め、離職率の低下にも寄与します。
人材データを社員から収集する際は、集める目的、活用の仕方、データ提供のメリットを説明することが重要です。
すべての人材データを完璧に集約しようとすると、時間と労力がかかり、収集が中途半端に終わることもあります。
データ収集する部署を限定するなど、小規模から始めることも検討しましょう。
タレントマネジメントの導入後の失敗を、3つご説明します。
従業員の経験やスキルは常に変化しますが、これを反映できずに古いデータに頼った運用を続けると、適切な人材活用ができなくなります。
新たな経験や資格情報など、社員自身が情報をアップデートする仕組みを導入することでデータの最新性を維持できます。
人事評価運用の属人化、ブラックボックス化は、社員の納得度が下がり、モチベーションの低下につながります。
評価基準を明確にし、データの分析結果を人事評価制度に反映させましょう。
現場で社員をどのように育成・評価するかを明確にし、経営・人事・現場が一体となって進めることが重要です。
システムを効果的に活用し、データの分析結果を現場に反映するためには、継続的なサポートと関係者の理解・協力が欠かせません。
タレントマネジメントの導入自体が目的となり、実際の活用が疎かになるケースがあります。
導入時に必要な情報を収集し、その後も継続的なデータ更新や情報分析を行ってはじめて、方向性や課題解決の方法が明らかになります。
タレントマネジメントの仕組みを理解することに加え、結果を得るためのプロセスを運用側がしっかりと理解し、実行していくことが重要です。
タレントマネジメントの導入は、以下の手順で行います。
従業員の職種や役職、給与、経歴や顔写真、目標、自己評価、参画したプロジェクトやその評価など、あらゆる情報を収集・管理します。
人材採用・育成計画の立案、組織のミッションや機能と照らし合わせ、強化・推進していくポジションに人材を割り当てます。
人事戦略に関して必要な課題を洗い出します。
採用のミスマッチ、離職率の増加、パフォーマンス低下など異動後の問題、上司と部下のコミュニケーションギャップ、エンゲージメントスコアの低下など数値化されている定量データを基に改善すべき点を明確化します。
何のためにタレントマネジメントを導入するのか、目的を明確にします。
流行や同業他社の導入に影響されることなく、自社の経営戦略や人事戦略を実現するためにタレントマネジメントがどのように寄与するのかを整理しましょう。
洗い出した課題を基に目標とゴールを設定しましょう。
「どんなスキルが必要か」「何人必要か」「育成と採用のどちらで補填するか」など、人事施策やKPIを詳細に決めます。
各部署とヒアリングを行い、目標と課題を設定すると良いでしょう。
運用中に適切な評価を行い、それを業績や人事に反映させることで、個人のモチベーションを高める効果が期待できます。
タレントマネジメントは管理する情報量が多く非常に手間のかかる作業です。
タレントマネジメントの実行を支援するタレントマネジメントシステムの導入を検討しましょう。
タレントマネジメントシステムを導入することで、人事に関する情報を一元管理でき、業務を効率化することが可能です。
おすすめのタレントマネジメントシステムを3つご紹介します。
画像出典元:「ヒトマワリ」公式HP
ヒトマワリでは、人事データや組織情報の収集・分析まで一元管理できます。
従業員の評価業務をワークフローで管理し、申請処理も迅速です。
BI(Business Intelligence)機能を搭載し、組織全体のデータを視覚化することで、人事戦略に活用できます。
低コストで導入可能で、サポートも充実しています。
スタートプラン | スタンダードプラン | |
初期費用 | 無料 | |
月額費用 | 20,000円〜 | 60,000円〜 |
(税抜)
画像出典元:「タレントパレット」公式HP
タレントパレットは、データを活用し、科学的に人事戦略を支援するタレントマネジメントシステムです。
あらゆる人材データを一元管理し、抜擢や育成、評価制度から離職防止まで幅広い機能を搭載しています。
ドラッグ&ドロップ操作するだけで、売上データ・財務データと人事データのかけ合わせ分析が可能です。
英語をはじめとした多言語に対応しています。
初期費用がかかるほか、月額費用は登録する社員数に応じて変動します。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
画像出典元:「HR Brain」公式HP
HR Brainは、人事評価データなど、あらゆる人材データを一元管理し、蓄積したデータをもとに活躍人材の傾向を可視化します。
使いやすさを重視したシンプルな画面が特徴です。
1on1や360度評価などさまざまな評価に対応し、評価基準を見える化し公平な評価が可能です。
導入時から運用まで、専任のカスタマーサクセス担当者がサポートします。
料金は月額料金制で、利用人数に合わせて金額が変動します。
詳細についてはお問い合わせが必要です。
人材の能力や個性を最大限に活かし、成果の最大化が期待できるタレントマネジメント。
従業員のスキルを可視化し、目標や評価まで一元管理できるタレントマネジメントシステムを活用することで、効果的な運用が可能になります。
今回の記事で、タレントマネジメントの導入を成功に導いてください。
画像出典元:o-dan
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