TOP > SaaS > 人事 > 人事評価 > 【失敗しない】タレントマネジメントの導入方法とは?メリットから注意点も解説します
世界的に導入されているタレントマネジメント。
近年、日本でも導入する企業が増加傾向にあるものの、具体的な方法については、あまりわかっていない方も多いのではないでしょうか。
本記事ではタレントマネジメントの重要性やメリットと共に、導入方法を6つのステップに分けて解説します。
導入する際の注意点、成功事例も併せて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
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このページの目次
タレントマネジメントとは、従業員(タレント)が持っている能力や個性を最大化させることで、企業の成長を目指す施策のことです。
従業員のスキルだけでなく考え方も尊重しながら、戦略的な配置転換や育成を行います。
ここでタレントマネジメントがなぜ必要なのか具体的に解説します。
タレントマネジメントが必要な大きな理由は、近代の働き方の変化です。
これまでの日本は終身雇用・年功序列のシステムが強く根付いており、従業員が会社に合わせる働き方でした。
しかし、近年の人手不足や価値観の多様化により、従業員の能力や希望に合わせて人材教育や戦略的配置をするシステムに変わりつつあるのです。
また、タレントマネジメントは限られた人的リソースのなかで効率的な人材教育が実現できる方法として、優秀な人材の獲得が難しい中小企業からも注目を集めています。
タレントマネジメントの主な目的は、以下の通りです。
タレントマネジメントは従業員が持つポテンシャルを把握し、利益の最大化や事業の発展を実現するのが最大の目的です。
目的達成のためには、従業員の育成計画や適正なパフォーマンス評価・管理をする必要があります。
従業員の能力発掘はもちろん、自社に必要な能力を持った優秀な人材を採用するポイントを見つけるのもタレントマネジメントの目的といえるでしょう。
全社的にタレントマネジメントに取り組むことで、人事的にも組織的にも良い影響があります。
たとえば、従業員のエンゲージメント向上や、企業の活性化、戦略的配置の実現などです。
メリットの詳細については、後述の「タレントマネジメントを導入するメリット」の章で解説します。
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ここからは、タレントマネジメントを成功させる導入方法を6つのステップに分けて紹介します。
タレントマネジメントを導入する前準備として、まずは導入する目的を明確にすることが重要です。
自社がタレントマネジメントを通して達成したい目標や成果を具体的に設定することで、実施する施策や方向性が決めやすくなります。
人材情報の収集・分析は、タレントマネジメントの重要な要です。
従業員の経歴や写真、興味関心など、あらゆる情報を収集し、まとめることでどのような業務に適しているか分析できます。
従業員の情報は本人から回答してもらうアンケートのほかに、上司や同僚からの情報提供も重要です。
今後タレントマネジメントをするうえで重要なポイントのため、いつでも情報共有できる体制を整えておきましょう。
自社のマネジメント状況や従業員の情報から、現在抱えている課題を洗い出し、具体的なゴールを設定します。
目的と課題が明確になることで、優先的に取り組むべき方針が決まります。
また、ゴールの設定は測定ができるかつ現実的に設定しなければなりません。
たとえば「6カ月以内に従業員の満足度を10%向上させる」など、数値化できるゴールにするとよいでしょう。
タレントマネジメントを成功させるためには、明確な採用方針や人材育成の計画が必要です。
優秀な人材を採用するためには、目標や組織のビジョンと一致するか、必要とする能力を持ち合わせているか具体的な採用基準を設けなければなりません。
人材育成も新入社員だけでなく、既存社員へのスキルアップ、トレーニングプログラムの策定が必要です。
採用基準や育成計画がある程度固まれば、各ポジションに必要な人物像も決まってきます。
適材適所な配置には本人のスキルや希望のほかに、現場との連携も重要なポイントです。
現場の管理者によるパフォーマンス評価を実施し、適宜フィードバックすることで従業員の成長やキャリアビジョン把握につながります。
また、半年に一回程度エンゲージメントチェックを実施しておくと、従業員の満足度や改善点の把握に役立つでしょう。
タレントマネジメントの効果が見られないポイントについては、適宜見直し、迅速なフォロー、配置転換が求められます。
上司やマネージャーによる主観的な評価でなく、公正で透明性のある評価制度にすることで、従業員のモチベーションとパフォーマンスが最大化されます。
評価基準を明確化し、開示・共有することで、従業員からのエンゲージメントも向上するでしょう。
従業員の強みを伸ばし、企業力を高めるためにも、適切な評価体制の構築は欠かせません。
タレントマネジメントを導入する企業は年々増加していて、従業員からのエンゲージメントが向上している企業も多いようです。
ここで、タレントマネジメントを導入して成功した事例を3社紹介します。
サントリーホールディングス株式会社では、中長期的な教育計画に基づき、従業員一人ひとりと向き合う全社員型タレントマネジメントを実施しています。
従業員が活躍できる環境作りのために、個人のキャリアビジョンを尊重し、仕事経験を通した育成を重視しているそうです。
本人の希望や適性に合わせて、活躍できる部門に積極的に異動させ、実体験を基にキャリアを自立させます。
同社では年2回、人事部の異動担当者、各部署、各子会社の人事窓口が納得行くまで従業員の配置について話し合う場を設けています。
本人のキャリア希望を第一に、全社で個を引き出すタレントマネジメントに力をいれています。
楽天グループ株式会社では「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする」ことをミッションとしてタレントマネジメントを実施しています。
週1回、マネージャーと従業員の1on1ミーティングを実施し、仕事の成果だけでなく具体的なプロセスもヒアリング。
従業員のエンゲージメント向上のために、フレックス制度の導入や退職金制度も導入しています。
また、楽天は公用語が英語のため、グローバルなタレントマネジメントも可能です。
国内でダイバーシティに取り組んでいる企業は増えていますが、楽天グループほどシームレスなグローバル人事ができる企業はまだ少ないといえるでしょう。
日産自動車株式会社では、日本企業のタレントマネジメントの先駆者であり、グループ全体でグローバルタレントマネジメントを実施しています。
国内のみならず、世界中で優秀な人材を採用・育成するために、入社年数に応じた育成プログラムが導入されています。
日産が実施している日本におけるタレントマネジメントは、ビジネスリーダー候補を発掘するためにキャリア早期に海外現場への長期出張を推奨。
また、新卒採用の強化やキャリアコーチによる社内スカウトによって、各ポジションへの的確な配置を実現しています。
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タレントマネジメントを導入するメリットは次の4つです。
適材適所な配置には、従業員のパフォーマンスデータやスキルマトリックスなど、強みや弱点の分析が重要です。
従業員のスキル・能力を把握することで、適切なポジションへの配置が可能になり、本人の希望によっては挑戦的な異動も実現するでしょう。
従業員のパフォーマンスを最大化できれば、組織全体の目標達成もスムーズに進みます。
従業員の潜在能力の発掘ができるのもタレントマネジメントのメリットです。
定期的な評価、フィードバックを実施することで、従業員の適正や潜在能力が浮き彫りになります。
現在の配置では生かしきれないスキルや興味を見極め、的確な配置ができれば、従業員の能力を最大化できるでしょう。
タレントマネジメントの実施によって、将来のリーダー候補が発掘されることも少なくありません。
タレントマネジメントによって各従業員のスキルギャップが特定できれば、トレーニングプログラムやマネジメントにより、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。
人材、チームのスキル向上は評価基準の見直しや、人材育成計画のアップデートにも役立ちます。
特にハイパフォーマー人材のスキルや行動を分析することで、組織全体でスキルの底上げができるかもしれません。
企業へのエンゲージメントが低いと、最低限の業務をこなすだけであったり、離職してしまったりとさまざまな影響があります。
タレントマネジメントの導入で、的確な配置、働きやすい環境の構築、納得のいくフィードバックができれば、組織への愛着心が湧き、従業員のエンゲージメントは高まりやすいといえるでしょう。
タレントマネジメントを導入する際には、いくつかの注意点があります。
これらの注意点を理解し、適切に対応することで、タレントマネジメントの効果を最大化することができます。
タレントマネジメントは、ただ導入するだけでは自社に適した施策立案ができず、導入効果は得られません。
導入効果を最大化するには、経営陣と従業員が一丸となって目標達成を目指す必要があるため、導入する目的の明確化は重要です。
「人材活用の実現」や「エンゲージメントの向上」など、なぜタレントマネジメントの導入が必要か深堀りして導入目的を明確化させましょう。
タレントマネジメントには適材適所な配置、中長期的な育成計画の立案が欠かせません。
マネージャーなど管理職の理解が薄いと感じた場合は、異動の理由や配置について詳しく説明する必要があるでしょう。
また、他社での成功事例やタレントマネジメント導入後のパフォーマンス評価、業績データの比較などを提示すると、積極的にサポートしてもらえるかもしれません。
各ポジションのパフォーマンスデータ、従業員のプロファイルの共有など、タレントマネジメントには従業員からの理解と協力が必要です。
従業員がタレントマネジメントの目的、導入効果を理解し、自己の成長につながると感じてもらえれば、積極的に取り組んでもらえるでしょう。
タレントマネジメントを導入する際は、経営陣やマネジメント層から導入目的や必要性について説明するとよいでしょう。
中長期的な取り組みが必要なタレントマネジメントには、施策立案や情報収集・分析などを実施する専任チームの設置が求められます。
また、従業員からのエンゲージメントを定期的に測定するためにも、上司との1on1だけでなく、タレントマネジメントシステムの活用もおすすめです。
タレントマネジメントシステムは、エンゲージメントチェックやタレントの一元管理など、効率的にタレントマネジメントを運営できます。
タレントマネジメントの成功には、PDCAサイクルを回し続ける必要があるため、継続して施策運営できる体制とシステム構築が重要です。
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価値観の多様化、ジョブ型採用など、働き方が大きく変化してきたことで、人材の定着率に悩む企業も少なくありません。
タレントマネジメントは、世界ではすでに標準化された施策であり、日本でも大企業を始めとした多くの企業で導入が進んでいます。
自社のパフォーマンスの最大化、離職率の低下を目指している企業担当者さまはぜひこの機会にタレントマネジメントの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:写真AC
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