入社手続きにマイナンバーは欠かせない!制度や役割、扱い方を解説

入社手続きにマイナンバーは欠かせない!制度や役割、扱い方を解説

記事更新日: 2024/01/29

執筆: 編集部

新しく社員が入社したら必要になる入社手続き。

入社手続きでは様々な書類が必要になりますが、特に制度が始まって日の浅い「マイナンバー」は、扱いに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、入社手続きの流れや必要な書類、マイナンバー制度の意味やマイナンバーの扱い方についてご紹介します。

これを読めば、個人情報であるマイナンバーを適切に管理し、スムーズに入社手続きを進めることができますよ!

入社手続きの流れと必要な書類

入社手続きにおけるマイナンバーの扱いについて知る前に、まずは入社手続きの流れや必要書類を一緒に整理しましょう!

手続き全体の流れを正しく理解することで、マイナンバーの持つ役割を本質的に掴むことができますよ。

入社手続きの大まかな流れ

入社手続きは、主に次のような流れで進めていきます。

【入社決定後】

1. 新入社員に必要書類を通知

2. 新入社員に渡す必要書類を作成

【~入社後】

3. 必要書類を回収、会社からも書類を渡す

【書類回収後】

4. 労働者名簿への追加

5. 保険・税金の加入手続き


この流れから分かるように、入社手続きにおける必要書類は「新入社員から預かるべき書類」と「会社が新入社員に向けて作るべき書類」の2種類に分けられます。

マイナンバーは「新入社員から預かるべき書類」にあたり、5の「保険・税金への加入手続き」に使われます。続いては、この2種類の必要書類について詳しく見ていきましょう。

入社手続きで必要な書類とは?

入社手続きでは、「新入社員から預かるべき必要書類」と「会社が新入社員に作るべき書類」があるとお話ししました。

ここで、それぞれの内容について確認していきます。

新入社員に作るべき必要書類

まずは、比較的分かりやすい新入社員向けに作る書類についてご紹介します。

会社が新入社員向けに作る必要があるのは「労働条件通知書」です。こちらは、遅くとも入社日までに作成し渡すようにしましょう。

労働条件通知書には、以下の内容を明記する必要があります。

1. 労働契約の期間

2. 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準

3. 就業の場所・従事すべき業務

4. 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制に関する事項

5. 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切・支払の時期

6. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

7. 昇給に関する事項

8. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払の方法、支払の時期

9. 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等、最低賃金額

10. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

11. 安全衛生、職業訓練、災害補償・業務外の傷病扶助、表彰・制裁、休職に関する事項


労働条件通知書は、様式が厚生労働省HPに記載されています。ぜひそちらを参考に作成してみてください。

新入社員から預かるべき必要書類

続いては、新入社員から預かるべき必要書類です。新入社員の入社が決まったら、マイナンバーを含む次の書類を預かりましょう。

  • 誓約書、身元保証書
  • 住民票記載事項証明書
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 賃金支払に関する銀行口座等への振込同意書
  • 雇用保険被保険者証(交付済の場合)
  • 年金手帳(交付済の場合)
  • 健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)
  • 源泉徴収票(給与所得が入社年にあった場合)
  • マイナンバー


会社はこれらの書類を新入社員から受け取り、以下の手続きを進めます。

  • 雇用保険・社会保険の加入手続き
  • 所得税・住民税の手続き


マイナンバーは、これら保険・税の手続きで必要になります。では、上記の内容を踏まえてマイナンバー制度やマイナンバーの役割、マイナンバーの価値について理解を深めていきましょう。

マイナンバー制度の意味や役割

新入社員から収集するマイナンバー。しかしマイナンバー制度そのものが新しい制度のため、管理方法などで苦労しているのではないでしょうか。

「本当にマイナンバーで手続きしないといけないの?」と感じる方向けに、マイナンバー制度の内容や役割を再確認していきましょう。

マイナンバー制度とは

マイナンバー制度とは、日本に住民票を持つ個人に与えられる12ケタの番号「マイナンバー」によって、税金や年金、保険などの個人情報を管理しようという制度です。

日本に住民票があることが交付条件のため、日本に住民票を持つ外国人の方にもマイナンバーが交付されます。

これだけ聞くと「マイナンバー情報さえあれば、その人の個人情報を自由にできるのでは?」と思うかもしれませんが、そのようなことはありません。

マイナンバー情報を受け取った側は各手続きにしかマイナンバーを使えませんし、マイナンバーだけでは個人情報を引き出せないのです。

また、万が一マイナンバー漏洩した場合には罰則もありますが…このお話は、後ほどまたご紹介しますね。

マイナンバー制度の役割と背景

マイナンバー制度は、「便利な暮らし、より良い社会」のために生まれました。内閣府の公式サイトによると、マイナンバーは主に次の3つの分野で活用されます。

  • 社会保障
  • 災害対策

 

これらの分野では今まで、住民票コードや基礎年金番号、健康保険被保険者番号などそれぞれ異なる番号や書類で個人情報を管理していました。

当然、それらの書類・個人情報を管理している機関はばらばらです。そのため、私たち国民は1回1回煩雑な手続きを、機関側は機関同士で細かいやり取りをしないといけない状況でした。

そこで登場したのがマイナンバー制度。1人1人の個人情報を12ケタの数字で管理・照合できるため、各種手続きが一気にラクになりました。

マイナンバーの収集は必要?

私たち国民が社会保障などの支援を受けるために、マイナンバーは必要不可欠な存在になっています。

法律上、従業員にはマイナンバーの提出義務がありますし、提出することで事務手続きがスムーズに進むため、より早く安心して働ける環境になります。

マイナンバーの重要性については、しっかり新入社員と共有すると良いでしょう。

また、従業員から見て大きな不安要素の1つは「個人情報が漏洩するのではないか」という心配だと思います。

この点についても、事前にマイナンバーの使い道を共有したり管理方法について説明したりして、信頼を得た状態で収集を進めることが大切です。

最後は、そういったマイナンバーの扱い方についてまとめていきます!

入社手続きにおけるマイナンバーの扱い方

新入社員側の提出書類を減らし、会社側を煩雑な手続きから解放してくれるマイナンバー。しかし、マイナンバーを収集し管理する際にはどういったことを気をつけたら良いのでしょうか。

マイナンバーを収集・管理する際のポイントを見ていきます。

マイナンバーを扱う際の注意点

では、マイナンバーを収集し管理するときの注意点を確認していきましょう!

マイナンバーの使い道を共有する

まずはマイナンバーを収集するときの注意点です。

マイナンバーには、利用目的を事前に通知する義務があります。収集後のトラブルを防ぐためにも、マイナンバーを何の手続きに使うのか事前に必ず共有しましょう。

「自分の個人情報が番号1つで管理される」ことに抵抗感を感じる方は少なくありません。情報漏洩の心配はないということがしっかり伝わるよう、丁寧な説明を心がけましょう。

マイナンバー漏洩の罰則を理解しておく

続いては、マイナンバーを管理する際の注意点です。マイナンバー情報を管理するときは、以下の漏洩した際の罰則をきちんと理解しておきましょう。

画僧出典元:内閣府公式サイト「マイナンバー制度における罰則の強化」より

こちらを確認して感じた方もいるかもしれませんが、マイナンバー法の法定刑はかなり重く設定されました。

また、個人情報保護委員会というマイナンバーが適切に管理されているかチェックする第三者機関も創設されています。

マイナンバーが不当に使われるのでは…という心配は、ほとんどいらないでしょう。

上記の罰則をしっかり理解し、必要があれば従業員へきっちり説明をしたうえで、マイナンバーを厳重に管理するようにしましょう。

おすすめのマイナンバー管理システム4選

とはいえ、マイナンバーほど便利な個人情報ともなると、管理にはかなり神経を使いますよね…。

新入社員の入る時期は特に、マイナンバー情報をうまく管理できるか、紛失してしまわないか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで最後に、マイナンバー情報を管理するのにおすすめのシステムをご紹介します。次にご紹介するシステムを活用して、マイナンバーを適切に管理してみてください。

中小企業、個人事業主向け!『MFクラウドマイナンバー』

画像出典元:「MFクラウドマイナンバー」公式HP

特徴

マイナンバー管理に必要な機能がすべてそろっている「MFクラウドマイナンバー」。大手金融機関による出資のもと、情報全てを暗号化した厳重管理が行えます。

MFクラウドマイナンバーは、MFクラウド給与と連携されているため、源泉徴収票等の法定調書への印字が可能となっており、使い勝手の良いマイナンバー管理システムです。

機能

・マイナンバーの取得と収集
・マイナンバーの利用と提供
・マイナンバーの保管と廃棄

料金プラン

企業の規模によって、「スモールビジネス」「ビジネス」の2つのプランから選択できます。

  • スモールビジネスプラン:2,980円~
  • ビジネスプラン:4,980円~
  • 従量課金:6名以上、100円/名

この料金プランは、「マネーフォワードクラウドマイナンバー」だけでなく、マネーフォワードが提供しているシステムを利用できます。

「マネーフォワードクラウドマイナンバー」の他に利用できるシステムは以下の通りです。

  • マネーフォワードクラウド給与
  • マネーフォワードクラウド年末調整
  • マネーフォワードクラウド社会保険
  • マネーフォワードクラウド勤怠
  • マネーフォワードクラウド会計
  • マネーフォワードクラウド請求書
  • マネーフォワードクラウド経費
  • マネーフォワードクラウド債務支払
  • マネーフォワードクラウド契約

1ヵ月間、ビジネスプランが無料で試せるので迷っている場合は、一度利用してみるといいでしょう。

 

給与計算から労務管理まで!『人事労務freee』


画像出典元:「人事労務freee」公式HP

特徴

30万事業所が利用している「人事労務freee」。会社の規模やフェーズに合わせた利用が可能で、少人数から大人数まで、起業初期から大企業まで対応しています。

クラウド上ですべての作業を完結させられるため、物理的なリスクを軽減可能。メールだけでなく電話やチャットといったサポート体制も充実しています。

機能

・スムーズな収集
・安全な保管
・確実な利用

料金プラン

  • ミニマムプラン
  • ベーシックプラン
  • プロフェッショナルプラン
  • エンタープライズプラン

の4つのプランが用意されています。

ミニマムプランの場合、3人までは1人あたり660円、4人目以降は1人あたり300円で利用できます。

 

 

無料お試しあり!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

毎月1,000社以上が導入しているという「SmartHR」。従業員が直接情報を入力するため、煩雑な書類業務から解放されます。

勤務管理サービスや採用管理システム、チャットサービスなどの各種システムとの連携が豊富で充実。自社に合わせた使い方ができると、様々な企業が導入しているマイナンバー管理システムです。

機能

・入退社手続き
・ペーパーレス年末調整
・Web給与明細
・雇用契約
・各種労務手続きや電子申請
・ラクラク分析レポート

料金プラン

<¥0プラン>
・従業員数30名まで
・印刷代行やチャットサポートなど利用不可機能あり

<スモールプラン>
・従業員数50名まで

<スタンダードプラン>
・従業員数51名以上

<プロフェッショナルプラン>
・今後提供予定

詳細はお問い合わせが必要です。

 

最高レベルのセキュリティシステムで安心『オフィスステーション マイナンバー』


画像出典元:「オフィスステーション マイナンバー」公式HP

特徴

「オフィスステーション マイナンバー」は、厳重なセキュリティのもとで従業員のマイナンバーを管理できるツールです。

サイト改ざん防止システムの導入通信データの暗号化など、金融機関並みのセキュリティを誇ります。

月額費用も規定の人数幅であれば一定のため、毎月のコストを気にせず企業規模に合わせて導入できるのが魅力です。

料金プラン

初回契約時のみ、登録料は110,000円(税込)がかかります。

月額料金は、利用する従業員数によって変動し、各従業員数の範囲内であれば、表中の料金しか発生しません。

従業員数 〜100名 101〜200名 201〜300名
登録料(税込) 110,000円
月額利用料(税込) 3,300円 4,400円 5,500円

※300名超の場合は、100名ごとに1,100円(税込)追加となります

オフィスステーション マイナンバー 含む資料を一括DL

 

 

まとめ

入社手続きで必要になるマイナンバーについて、その役割や管理の際の注意点、おすすめの管理システムなどをご紹介しました。

マイナンバー制度は、働く社員や会社、各機関の負担を減らしてくれる大切な制度です。

だからこそマイナンバーは適切に収集・管理し、新入社員が安心して働ける環境を作っていきましょう。

画像出典元:o-dan

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