企業の適切なマイナンバー管理とは?マイナンバー管理システム活用を!

企業の適切なマイナンバー管理とは?マイナンバー管理システム活用を!

記事更新日: 2024/01/29

執筆: 編集部

この記事では、企業のマイナンバー管理について解説します。

企業がマイナンバーを管理する時は「取得」「保管」「廃棄」のルールの理解が必要です。

さらに、3つのルールの具体的なガイドライン「安全管理措置」を整備する必要があります。

高度な個人情報であるマイナンバーの管理には罰則があります。

企業がマイナンバーを管理する時の課題や負担をマイナンバー管理システムで解決できますので活用してきましょう。

企業のマイナンバー管理とは

マイナンバーとは、国が個人に割り当てた12桁の個人番号の通称です。

企業が従業員からマイナンバーを預かる理由は、企業が行う労務管理手続きに必要だからです。

マイナンバー法では企業が従業員のマイナンバーを利用できるのは「納税」「社会保障」「災害対策」の分野と決められています。

マイナンバーの中には個人の納税や保険が記録されており、高度な個人情報のため預かる企業は徹底した管理体制が義務付けられています

企業がマイナンバーを管理するポイントは4つです。

1、従業員からマイナンバーを取得する

企業は従業員からマイナンバーを預かる時、従業員に使用目的を説明します。

従業員は企業へ下記を提出します。

1、マイナンバーカード
2、通知カードと身分証明
3、マイナンバー記載の住民票と身分証明

1から3のいずれかの書類を従業員から預かる事が法的に正しい「取得」となります。

例外として、小さい会社は従業員本人と担当者が直接目視で確認が取れれば上記の書類提出は不要です。

また、派遣社員のマイナンバー管理は派遣元に責任があるため、派遣先の企業は取得できません。

2、マイナンバーを保管する

マイナンバーが記載された書類を保管・管理するエリアやデータベースの事を「管理区域」と言います。

また、マイナンバーを利用して書類を作成するエリアを「取扱区域」と呼びます。

会社の規模により管理区域や取り扱い区域の大きさや管理場所の数が変わりますが、入退室の管理や書類を扱った人の管理などの履歴を残すなど徹底した管理が企業には義務付けされています

取扱区域でマイナンバー記載の書類を作成する場合は、他の人に見られないように注意が必要です。

3、マイナンバーを廃棄する

従業員からマイナンバーを取得した時の書類は、従業員退社後は速やかに廃棄します。

ただし、マイナンバーを記載した保険や納税関連の書類は法律で保管期間が決められていますので、従業員が退社しても一定期間の保管が必要です。

マイナンバー記載書類の保管期間

 

帳簿書類等 7年間保存
給与所得者の扶養控除等申告書等 7年間保存
法定調書を作成する元となる書類(領収書など) 7年間保存

 

4、安全管理措置を徹底する

マイナンバーの管理と取り扱いに関しては「マイナンバーガイドライン」を順守します。

マイナンバーガイドラインでは、マイナンバーの管理に関して「基本方針」や「取扱規定」などを厳格に定める必要性が記載されています。

従業員100名以下の企業は、安全管理措置に関してルールが緩和されています。

しかし、マイナンバーという従業員の高度な個人情報を管理するために管理体制の整備は企業にとっては必須です。

安全管理措置とは

安全管理措置とは、マイナンバーガイドラインが提案しているマイナンバー管理の体制の注意点をまとめた項目の名称です。

安全管理措置は下記の4つの措置に基づいて実施する必要があります。

1、組織的安全管理措置

組織的安全管理措置とはマイナンバーを管理するための役割や責任、仕事内容を明確化することです。

組織的安全管理措置のポイントは下記のとおりです。

  • 責任者を明確にする
  • 事務担当者の明確化と仕事内容、取り扱う個人情報の範囲を明確化する
  • 事務担当者と責任者など関係者の連絡体制を確立させる
  • どのようにマイナンバーを管理させるか明確にする
  • 万一情報漏えいしたときの対応を予め決めておく
  • 責任者が定期的に管理情報を確認する


マイナンバー管理に対する組織的な管理を行うことで、情報漏えいのリスクが低くなる他、管理の効率化を図ることができます。

2、人的安全管理措置

人的安全管理措置とは従業員のマイナンバー管理の意識を高めることです。

人的安全管理措置のポイントは下記のとおりです。

  • 事業者が事務担当者に対して定期的に監督する
  • 従業員に定期的な研修を実施し、知識や意欲の向上に努める
  • 就業規則内でマイナンバー管理に関する事項を設け、従業員に周知させる


人的安全管理措置を行うことで、従業員の意識が向上し、ヒューマンエラーによるマイナンバーの流出や紛失を避けることができます。

3、物理的安全管理措置

物理的安全管理措置とはマイナンバーを管理するデータやパソコンを守ることです。

物理的安全管理措置のポイントは下記のとおりです。

  • 入退室の制限などを実施し、管理体制を強化する
  • マイナンバーの取り扱いする機器は間切りなどを設置し、覗き見を防止する
  • マイナンバー管理の書類やデータは施錠できる部屋で管理する
  • サーバーをオンプレミスにする
  • 書類を廃棄するときはマスキングやシュレッダーを利用する
  • データを廃棄するときはソフトウェアの削除や物理的に壊す


物理的安全管理措置により、パソコンや書類の管理を徹底し、マイナンバーの流出を防ぎます。

4、技術的安全管理措置

技術的安全管理措置とはマイナンバーに関する情報に対するアクセスを限定的にして、不正なアクセスを防止することをいいます。

技術的安全管理措置のポイントは下記のとおりです。

  • マイナンバーの取り扱いができるパソコンを少数に絞る
  • ユーザーIDの設定やICカードを利用し、事務担当者のみがアクセスできるようにする
  • ファイアウォールを設置し、外部からの不正アクセスを遮断する


マイナンバーへのアクセスを限定的にすることで、情報の保護と情報流出防止をします。

漏えいには最大4年の懲役

マイナンバーの漏えいには最大4年の懲役が課せられます。

懲役になる罰則になるケースは主に下記のとおりです。

罰則事例 罰則内容
故意に従業員のマイナンバーを第三者に漏洩させる ・懲役4年以下
・200万円以下の罰金
・もしくは、上記を併科
不当な方法で従業員のマイナンバーを取得する ・懲役2年以下
・100万円以下の罰金
職権を乱用して、従業員のマイナンバーを取得する ・懲役6月以下
・50万円以下の罰金


このようにマイナンバーを適切に管理しなければ、重たい罰則があります。

企業が従業員のマイナンバーを管理する重要性を理解することが必須です。

マイナンバー管理の負担と課題

法改正の対応

マイナンバー法は今後も法改正が予想されます。

マイナンバー法は近年デジタル化の流れにのっとり、健康保険証との一体化や預金口座の紐づけなどあらゆる改正が進んでいくでしょう。

法改正に基づき、企業は担当者の知識の向上や就業規則の整備などしなければいけず、負担も大きくなっていきます

法改正に対して迅速に対応することは今後企業の課題となってくるでしょう。

長期保管と管理体制の維持

企業がマイナンバー管理で重要な事は「管理体制の整備」と「管理に関する人材の育成」です。

この2つがマイナンバー管理体制の順守には必須です。

マイナンバー記載書類は長期間の保存が必要な書類も多く、管理を「人材」と「体制」に頼る事はリスクと限界があります

そこで、マイナンバー管理を効率的に運用できる「マイナンバー管理システム」というのが注目されています。

おすすめのマイナンバー管理システム4選

中小企業、個人事業主向け!『MFクラウドマイナンバー』

画像出典元:「MFクラウドマイナンバー」公式HP

特徴

マイナンバー管理に必要な機能がすべてそろっている「MFクラウドマイナンバー」。大手金融機関による出資のもと、情報全てを暗号化した厳重管理が行えます。

MFクラウドマイナンバーは、MFクラウド給与と連携されているため、源泉徴収票等の法定調書への印字が可能となっており、使い勝手の良いマイナンバー管理システムです。

機能

・マイナンバーの取得と収集
・マイナンバーの利用と提供
・マイナンバーの保管と廃棄

料金プラン

企業の規模によって、「スモールビジネス」「ビジネス」の2つのプランから選択できます。

  • スモールビジネスプラン:2,980円~
  • ビジネスプラン:4,980円~
  • 従量課金:6名以上、100円/名

この料金プランは、「マネーフォワードクラウドマイナンバー」だけでなく、マネーフォワードが提供しているシステムを利用できます。

「マネーフォワードクラウドマイナンバー」の他に利用できるシステムは以下の通りです。

  • マネーフォワードクラウド給与
  • マネーフォワードクラウド年末調整
  • マネーフォワードクラウド社会保険
  • マネーフォワードクラウド勤怠
  • マネーフォワードクラウド会計
  • マネーフォワードクラウド請求書
  • マネーフォワードクラウド経費
  • マネーフォワードクラウド債務支払
  • マネーフォワードクラウド契約

1ヵ月間、ビジネスプランが無料で試せるので迷っている場合は、一度利用してみるといいでしょう。

 

給与計算から労務管理まで!『人事労務freee』


画像出典元:「人事労務freee」公式HP

特徴

30万事業所が利用している「人事労務freee」。会社の規模やフェーズに合わせた利用が可能で、少人数から大人数まで、起業初期から大企業まで対応しています。

クラウド上ですべての作業を完結させられるため、物理的なリスクを軽減可能。メールだけでなく電話やチャットといったサポート体制も充実しています。

機能

・スムーズな収集
・安全な保管
・確実な利用

料金プラン

  • ミニマムプラン
  • ベーシックプラン
  • プロフェッショナルプラン
  • エンタープライズプラン

の4つのプランが用意されています。

ミニマムプランの場合、3人までは1人あたり660円、4人目以降は1人あたり300円で利用できます。

 

 

無料お試しあり!『SmartHR』

画像出典元:「SmartHR」公式HP

特徴

毎月1,000社以上が導入しているという「SmartHR」。従業員が直接情報を入力するため、煩雑な書類業務から解放されます。

勤務管理サービスや採用管理システム、チャットサービスなどの各種システムとの連携が豊富で充実。自社に合わせた使い方ができると、様々な企業が導入しているマイナンバー管理システムです。

機能

・入退社手続き
・ペーパーレス年末調整
・Web給与明細
・雇用契約
・各種労務手続きや電子申請
・ラクラク分析レポート

料金プラン

<¥0プラン>
・従業員数30名まで
・印刷代行やチャットサポートなど利用不可機能あり

<スモールプラン>
・従業員数50名まで

<スタンダードプラン>
・従業員数51名以上

<プロフェッショナルプラン>
・今後提供予定

詳細はお問い合わせが必要です。

 

最高レベルのセキュリティシステムで安心『オフィスステーション マイナンバー』


画像出典元:「オフィスステーション マイナンバー」公式HP

特徴

「オフィスステーション マイナンバー」は、厳重なセキュリティのもとで従業員のマイナンバーを管理できるツールです。

サイト改ざん防止システムの導入通信データの暗号化など、金融機関並みのセキュリティを誇ります。

月額費用も規定の人数幅であれば一定のため、毎月のコストを気にせず企業規模に合わせて導入できるのが魅力です。

料金プラン

初回契約時のみ、登録料は110,000円(税込)がかかります。

月額料金は、利用する従業員数によって変動し、各従業員数の範囲内であれば、表中の料金しか発生しません。

従業員数 〜100名 101〜200名 201〜300名
登録料(税込) 110,000円
月額利用料(税込) 3,300円 4,400円 5,500円

※300名超の場合は、100名ごとに1,100円(税込)追加となります

オフィスステーション マイナンバー 含む資料を一括DL

 

 

まとめ

今回はマイナンバー管理の流れや課題、効率的な管理方法について解説してきました。

ポイントは下記のとおりです。

  • マイナンバーの管理は取得・管理・利用・廃棄まで適切に行う必要がある
  • 安全管理措置を順守した上で管理する必要がある
  • 万一漏えいした場合には重たい罰則がある
  • マイナンバー管理には大きな負担や課題がある
  • 適切に管理するにはマイナンバー管理システムを導入することをおすすめ


マイナンバー管理システムを導入し、効率化させていきましょう


画像出典元:O-DAN

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