もらった名刺がたまりにたまり、活用することもなく、ただ場所をとるだけになっている方は多いはず。そんな時に便利なのが名刺管理ソフトです。紙の名刺をデータ化し、保存することができます。
名刺管理ソフトには、個人向けと法人向けがあり、目的によって使い分ける必要があります。
結論から述べると、「名刺管理ソフトはこれを使えば良い」というのがほぼ固まっているのが現状です。個人なら Eight か Wantedly People、法人ならSansanです。
本記事では、これらの名刺管理ソフト(アプリ)が最も良い理由を、実際に使った感想も交えて解説します。
おすすめサービスの比較を無料で!
このページの目次
個人向けの名刺管理アプリは、三つ巴の状態です。
Eight、Wantedly People、そして2018年に新規参入したmyBridgeです。myBridgeを提供しているのはLINE社です。
筆者としては、もっとも無難な選択肢として Eight をおすすめします。
まずは、各名刺管理の特徴・料金を紹介し、その後比較していきます。
Eightではアプリで名刺をスキャンするだけで自動でデータベース化してくれ、アプリ内で検索できるようになります。
Eightにはメッセージ送信機能、フィード機能があるため情報共有のツールとしても活用でき、とても優秀です。
有料版のEight Teamでは、Sansanのような営業支援機能は搭載されていませんが、社内での顧客情報共有や顧客リスト管理が可能になります。
Sansanに乗り換えるまでではないが、部署内で顧客情報を共有したい!という場合にはEight Teamが一番コスパが良いのでオススメです!
Eightは無料で使用することが可能です。
社内で顧客情報の共有がしたい!という場合には、有料版「Eight Team」は1チーム月額12,000円(11名以降はアカウント料1名当たり400円/月)があります。
商社
101〜250人
一度に4枚まで撮影して保管できる
一度に4枚まで撮影して保管できる点がよかったです。今まで収集した名刺が非常に多いため、複数枚を撮影できたのは助かりました(もっと多く撮影できるとさらに良かった)。スマホで簡単に管理と検索ができるので、いちいち名刺ホルダーから探したり整理したりする手間が減りました。
流通
101〜250人
つながりたくない相手ともつながってしまう
過去に取引していた会社と継続してつながるかどうかは、自分で決められる設定にしてほしい。転職後は、自分で設定を切り替えないと自動的に転職先がばれてしまうので、個人情報が洩れすぎだと思います。
画像出典元:「Wantedly People」公式HP
個人向けの名刺管理ソフトでEightと並ぶのが、Wantedly Peopleです。登録した名刺に紐づくニュースがフィードで届く便利な機能をあります。
ただ、個人向けの名刺サービスとしてはEightの方がシンプルで使いやすい印象です。
完全に無料で利用できます。
マスコミ
31〜50人
名刺交換をする機会が多い会社におすすめ
名刺の情報を一括で読み取る精度の高さと、会社情報を自動でAIが収集してくれるところが便利だと思いました。相手の会社を知り、どのようにしてアプロートしていくかなどの準備がしやすくなりました。
その他
31〜50人
営業事務
勝手に登録されるので不安
あまり気付かれたくない相手先に、自分がいる会社が取引先であることが知られてしまったので、このときが一番困りました(仕事先の詳細もプライベートな情報だと思うので)。初期設定は、自動登録ではないほうがいいと感じました。
画像出典元:「myBridge」公式HP
myBridge(マイブリッジ)は2018年5月に提供が開始された非常に新しい名刺管理アプリです。
LINE社が提供しているとあって、LINEアカウントがあれば簡単に利用を開始できるなど、独特の特徴があります。
今後の機能拡張も期待できます。
完全に無料で使用することが可能です。
その他
11〜30人
スマホ一台で名刺が管理できる
スマートフォン1台あれば名刺をすべて管理できます。必要時には直ぐに呼び出して確認出来ますし、LINEと連携することでほぼ全ての社員と共有が可能です。
不動産
11〜30人
無料なので使い方次第
かかってきた電話で名刺が表示されると聞いていますが、表示されないことが何度かありました。そのときは、入力された連絡先を一度エクセル形式でエキスポートして再度Google連絡先にインポートしなければなりません。これがかなり手間でした。
個人向け名刺管理アプリは何を軸に決めればよいかを解説します。
結論から言ってしまうと、個人向け名刺管理アプリはスキャナーで決めてください。
スキャナーといってもその性能というより、どれだけスキャナーが自分の身の回りにあるか、で決めてください。
なぜ身の回りのスキャナーの数で決めるべきなのでしょうか。それは名刺のスキャンはスキャナーで行うべきだからです。
前提として、個人が名刺管理アプリを利用する最大の目的は、当然「名刺管理」です。そしてその際、もっとも時間をとられる作業が名刺のスキャンです。
名刺のスキャンの方法は基本的に3つで、
・スマホでスキャン
・スキャナーでスキャン
・有料サービスでスキャンを依頼する
このうち、もっともコスパが良いのはスキャナーでスキャンです。
スマホで1枚1枚やるのは、非常に面倒かつ時間がかかります。またスキャナーで簡単にできてしまうことを、手間とお金をかけて依頼するのもあまりおすすめできません。
そこでスキャナーを利用しようと思った時に、重要になるのが身の回りのスキャナーの数なのです。
営業の方であれば、自分の会社以外に、コワーキングスペースなどで時間をつぶすこともよくあります。そういったときに、そこに設置してあるスキャナーを使って、交換したばかりの名刺をすぐさまスキャンして捨ててしまう、これが理想の状態です。
これは完全に主観になってしまうのですが、スキャナーがもっとも多く設置されているのは Eight である印象です。
都内のコワーキングスペースに行けば、ほぼ確実に設置されています。
コワーキングスペースを普段利用しないという方は、自分のオフィスにあるスキャナーを確認して、名刺管理アプリを選ぶことをおすすめします。
なお、myBridgeはまだ新しいサービスということも有り、スキャナーによるスキャンができません。
実は弊社が入居しているコワーキングスペース「Clip日本橋」には、EightのスキャナーもWantedly Peopleのスキャナーもあります。
そこで、スキャナーの性能に違いはないか実際に使って比べてみました!
競いあう2つのスキャナー
率直な感想として、使いやすかったのはWantedly Peopleでした。
Wantedly Peopleの感想
Wantedly Peopleは、ScanSnapというスキャナーと連携しているのですが、Wantedly Peopleのアプリ内で操作が完結しているので非常にスムーズでした。
Wi-Fiでネットワーク接続するのですが、コワーキングのWi-Fiにつないでいれば、そのままスキャナーとも接続することができます。
またスキャンしたデータはすぐにアプリ上に反映されます。
Eightの感想
一方のEightはEight専用のスキャナーを使うのですが、まず「Eight scan」という別のアプリをダウンロードする必要があるのが、少しめんどうです。
またWi-Fiも、スキャナー用のWi-Fiに切り替える必要があるという点もやや使いづらいところです。
スキャンした画像がデータ化されるまで、5分程度かかるのも減点対象です。
一度にスキャンできる枚数が20枚という制限があるという部分にも留意が必要です。
このように、スキャナーの使いやすさの面ではWantedly Peopleが圧倒しています。
とはいえ、Eightも十分な使い勝手の良さではあるので、自分の身の回りにあるのがEightのスキャナーなら、Eightを使うことをおすすめします。
使うべき名刺管理アプリは、Eight か Wantedly Peopleです。
身の回りにスキャナーが設置されている方を選んでダウンロードしましょう。
それでもどちらか悩む場合は、Wantedly Peopleをおすすめします。スキャナーの使い勝手の面で圧倒的に勝っているからです。
法人向け名刺管理ソフトなら、Sansan一択である理由を解説します。
出典元:「SanSan公式」HP
法人向け名刺管理市場において、Sansanは圧倒的なシェアを誇っており、2024年の調査では82%のシェアを占めています。
また導入企業数も順調に伸びており、2024年1月時点で9,000社を突破しました。
多くの顧客企業から支持を受け、順調な成長を続けていることから、Sansanのサービスの質の高さがうかがえます。
また情報のネットワークを作り出す名刺管理ソフトでは、導入企業が増えれば増えるほどネットワーク効果が高まることが期待できます。
現時点でこれだけのシェアを占めているSansanが、今後も名刺管理市場で安定した地位を築く可能性は高いです。
「名刺を企業の資産に変える」というSansanが掲げる言葉通り、名刺データを活用するという点において、Sansanは他の法人向け名刺管理ソフトに差をつけていると言えます。
個人向けでは、いかに名刺データを管理するかが最も重要です。紙を電子データにすることに最大の価値があるわけです。
一方で、無料で利用できる個人用名刺管理ではなくお金を払って法人で導入するのは、個人間の名刺データを共有することによって営業やマーケティングに活用したいからです。
名刺データの活用にあたって、非常に重要になるのが見える化。誰がどのお客様と一番付き合っているのか、取引があるのかといったようなことが、すぐに見えるようになることが、業務効率化に直結します。
この企業単位での名刺管理のメリットを最大限活かせる名刺管理ソフトが、Sansanです。
取引先の会社の組織ツリー機能、人物単位でのコンタクト(接触履歴)管理など、名刺情報が活用しやすいように整理される機能が充実。
またMA・CRMツールと言った他社サービスとの連携も可能で、拡張性が高い点も評価できます。
Sansanを提供するSansan社は、個人向け名刺管理ソフトのEightも提供していることも強みです。今まで個人がEightに蓄積してきた名刺情報をスムーズにSansanに移行させることができます。
使用料金は5分類から成り立っており、この合計がSansanの料金となります。
実際の料金は、企業ごとの要望をヒアリング後、見積もりによって金額が提示されます。
見積もり次第ではありますが、外部との取引が多く、取引先の情報の共有や活用に課題を抱えている企業においては、総合的に費用対効果が高いといえる金額設定です。
項目 | 内容 |
初期費用 | すでに保有している名刺をデータ化するための費用 |
運用支援費用 | サービス導入や運用支援を行うための費用 |
ライセンス費用(月額) | 企業規模や用途に合わせて複数のライセンス体系を用意 |
オプション費用(月額) | 用途に合わせてさまざまな機能が追加可能 |
Sansanスキャナ(月額) | 顧客情報の一つである名刺を簡単にデータ化 |
導入していなかった頃は直接担当者に質問を行う必要があったがそうした手間が解消された。
部署間の連携が上手くいくようになった。
はじめて名刺データを用いた顧客管理を行うことができた。
画像出典元:「ホットプロファイル」公式HP
「ホットプロファイル(HotProfile)」は、見込み客の獲得、発掘から商談のクロージングまで営業プロセス全体のデジタル化します。
名刺を取り込むだけで、⼈⼒補正によりほぼ100%の精度で登録、顧客データベースを自動で作成。企業属性情報の付与や人脈の可視化など、営業活動に必要な情報を自動で取り込み、営業の生産性を高めてくれます。
自動マーケティング機能では、顧客の属性や行動を事前登録すると点数付をしてくれるため、フォローすべき顧客が見える化されます。
名刺管理にとどまらず、ウェビナー開催を管理する機能や、営業プロセスの標準化を支援する機能など、営業活動を推進する機能が多数備わっています。
無料トライアルも実施しており、低コストで営業強化したい企業におすすめです。
画像出典元:「トーニチ・ネクスタ・メイシ」公式HP
「トーニチ・ネクスタ・メイシ」は、初期費用0円/1ユーザーあたり月額660円(税込)~コストパフォーマンスの高さが魅力の名刺管理アプリケーションです。
営業サポート機能が搭載されており、営業支援ツールとしても活用できます。
名刺情報からコンタクト履歴やタスク管理などを確認できるので、営業活動の効率化にも役立つでしょう。
自動名寄せ機能などもあり、シンプルな操作のみで簡単に利用できるので、名刺管理ソフトを初めて利用する方でも安心。
1カ月の無料トライアルがあり、導入しやすいです。
画像出典元:「OUR CARD」公式HP
「OUR CARD」は、全従業員が簡単に使えることを第一条件として開発されたUIに優れた名刺管理ツールです。
初期費用:0円、月額費用1,100円×ユーザー数で、無料トライアルは1ヶ月間と、導入ハードルが低い点が大きなメリットとなっています。
営業会社が開発したツールなので、営業職に重宝する機能が充実。名刺情報からワンタッチで電話をかけられたり、メールを送れたり、経路を検索できたり、営業職の業務効率化に直結します。
名刺管理に必要な機能だけを搭載したシンプルさが魅力で、コアな機能を集中的に、かつ安価に利用したい企業にうってつけです。
メイシーは、名刺を送付するだけで入力代行をしてもらえる名刺管理ソフト。
自社で入力代行を実施する出張サービスもあるので、名刺データを入力している時間がないという企業におすすめです!
他社と比較した場合、ユーザー数無制限で月額2,178円と低コストなのに、管理機能も充実。
アプリ版があるので訪問先でも使いやすく、Salesforceなどとの外部連携機能もあり、コンプライアンスチェック機能も搭載されているなど、コストパフォーマンスが高さが評判です。
画像出典元:「SmartVisca」公式HP
CRMの鉄板ツールSalesforce専用のクラウド型名刺管理サービスです。
Salesforce専用に特化しているからこそ名刺データを顧客管理・マーケティングにフル活用することができます。
画像出典元:「CAMCARD BUSINESS」公式HP
シンプルな設計で、価格も他のサービスに比べてとても安いです。
外部サービスとの連携も豊富で、Salesforce、DynamicsCRM、SugarCRM、Google Contact、Outlook等と連携することで面倒な情報入力を削減し、作業を効率化します。
ヤマトシステム開発が提供する名刺管理ソフトです。
個人情報がヤマトグループのデータセンターで管理されている安心感があります。
「メール配信」「アンケート」といったオプションが用意されています。
画像出典元:「スマート名刺管理」公式HP
コンパクトで高機能な専用スキャナーが付属しています。
1枚約0.3秒で、高速で読み込むことができる上、Windows版では日本語・英語・中国語など23カ国24言語に対応しています。
個人向けの名刺管理ソフトは無料で使うことができます。日頃名刺情報の確認に手間取っている人や、名刺の整理に時間をかけてしまっている人は今すぐにでも導入すべきです。
ただし、今まで溜まった名刺まで登録しようとすると、最初の名刺のスキャンに手間と時間がかかってしまいます。古い名刺は登録しないなど、できるだけ登録の手間を省く工夫は必要です。
法人向け名刺管理ソフトといえばSansanですが、非常に機能が充実している代わりに、その費用は高いです。ライセンス費用は最低でも月額5万円で、それに加えてスキャナーレンタル料が月に1万円かかります。初期費用はライセンス費用1年分なので、最低でも60万円です。
これだけ高額だと、社員が少ない会社だと割に合いません。最低でも社員100人以上の会社でないと元を取るのは難しいです。
人数が少ない会社で社員間の横断検索を可能にしたい場合は、Eight Teamの導入を検討してみましょう。
「名刺管理ソフト」は個人向けと法人向けがあります。
法人向けは Sansan一択、個人向けは Eight か Wantedly Peopleです。
個人向けは、自分のまわりにどっちのスキャナーが設置されているかを基準に決めましょう。
画像出典元:「Sansan」公式サイト、「Eight」公式サイト、「Wantedly People」公式サイト、Pexels