本当にあった怖い”起業の”はなし - ダークエンジェル編

本当にあった怖い”起業の”はなし - ダークエンジェル編

記事更新日: 2018/10/12

執筆: 狐塚真子

今回我々がお会いしたのは、とあるエンジェル投資家に出会い、サポートを受けながら起業することになった佐藤(仮名)さん。

ビジネスの経験は無かったが、知り合いの成功例や「1千万を出資するよ」という話を聞くうちに、その話に乗ってしまったという…

「いつダークエンジェルと気付いたのか?」「どのように話を振り切ったのか?」など他では聞けないリアルな実態を深堀り。

ダークエンジェルとの出会い

栗島

佐藤さんが起業の話を知ったきっかけはなんですか?

佐藤

「起業しないか?」と知り合いのAさんに声をかけられたことがはじまりです。その時、Aさんは既に起業・独立していました。

栗島

声をかけられてからは、どのように話が進んでいきましたか?

佐藤

まずはAさんと共に、起業を支援してくれるという会社に訪問しました。そこで社員のBさん・Cさん、あとは投資家のDさんと話をしましたが

「1千万出資するから起業しよう」ということでしたね。
すぐ返事はしませんでしたが、「やりたくなったらまた会社に来てくれ」と言われました。

栗島

その会社は投資家と起業家の仲介会社みたいな?

佐藤

いえ、それはメインビジネスではないのですが、本業もよく分からなくて…

 

起業をしようという人に対して箱を提供したり、投資先となるような人材を集めてくるのがその会社の役割でした。起業家に対して最終的にお金を出すのは投資家さんなんですが、その会社もお金はもらっていましたね。

栗島

結果的には、起業の話に乗ったわけですが、何が決め手でしたか?

佐藤

Aさんから「いま自分の事業が上手くいってる。これで一攫千金だ!」と言われたことですかね。私には起業とかビジネスの知識はなかったけど、やってみようと決意しました。

まずはAさんの会社に自分の名前がある状態で彼女を手伝うところから仕事を始めて。その後、出資を受けて独立しました。

栗島

なるほど…

 

独立するには知識とかも必要ですよね。会社の誰かにノウハウなんかを教えてもらってから起業をするという流れだったんですか?

佐藤

教えられたわけではないですね。「Aさんの事業を手伝う中で覚えてくれ」という感じでした。

会社は実際に起業をしようとする人たちに対してオフィスを提供しているだけですね。

栗島

ええっ?!

佐藤さんは起業の話を聞いた時に、会社から資金以外でもサポートが受けられるとは言われていなかったんですか?

佐藤

サポートをしてくれるという前提で入ったんですが、結局全然手伝ってもらえませんでしたね。最初に聞いていた話と全然違っていました。

栗島

お金はちゃんともらえていたんでしょうか?

佐藤

お金が振り込まれる前に会社を辞めたのですが、株式の15%だけもらえる予定でした。その配分に関しては疑問を持っていたんですが、会社からは「普通はそのくらいだ」と言われてしまって…

栗島

なるほど…お金は一応もらえるけど15%だけだし、会社の経営などに関してサポートが全くない状態だったわけですね。

 

佐藤さんの様に起業をしないか?と集められたメンバーは他にいたんですか?

佐藤

10人程いましたね。

お互いの事業について情報交換をする程度でしたが交流は多少ありました。

栗島

その人たちは佐藤さんと同様にAさんの紹介で会社に入ってきたんですか?

佐藤

Aさんからの紹介は私一人だけですね。

社員のBさん、Cさんが大部分の人たちを集めてきたと聞いています。

栗島

会社のサポート体制や、会社と起業家のお金の配分に関しては、Aさんとか他の方は問題なくできていたんですか?

佐藤

聞いたところによると、会社が100%、自分が0%でやっている人もいたようです…

Aさんは以前、Aさん60%、投資家さん40%の配分だったそうなんですが、投資家のDさんが、Bさん・Cさんを紹介してからは Aさん50%、会社50%の配分になったと言っていました。

 

きっとみんな「起業」という言葉に騙されてうまく搾取された感じだと思います。

栗島

恐ろしいな…

 

事業が上手くいかなくて、借金を抱えてしまう人とかはいないんですか?

佐藤

それはわからないですね。

でもショート寸前の人はいました。社員の方が個人的にお金を出していたので続けられていましたが…

 

ダークエンジェルだと気付いたきっかけ

 

栗島

会社がダークエンジェルであると気づいたのはいつですか?

佐藤

会社に入ってから3ヶ月くらいですね。最初と話が違ったので。

それに「このビジネスは絶対にうまくいく」と言われていましたが、実際に成功した人はAさんと、もう一人しかいなかったので怪しいなと思っていました。

栗島

ちなみに、資本金の15%の使い道は自由にして良いという話でしたか?

佐藤

はい。でも「私に振り込まれたら もう逃げられなくなってしまう」と思ったので、その前に会社を辞めました。

栗島

辞めるまでに誰かに相談をしたりとかは?

佐藤

知り合いの同業者の人に相談して「1年以内に事業が成功すればいいね」と言われたんですが、無理だろうなと思ったので、それが決め手になりましたね。

栗島

辞めるときはどうやって振り切ったんですか?

佐藤

会社に行きませんでしたね。
「お金が入る前に辞めてしまっても良いの?」とも言われましたが。明確に辞めることを宣言して、書類の手続きをお願いしました。

 

辞めるまで大体2〜3ヶ月を無駄にしてしまったんですが、社会経験になったし、借金を抱えたりとか、悪い影響は特になかったので良かったです。

栗島

ところで、佐藤さんがいた会社は、なぜそのビジネスが上手くいくのかは分かっていたんですかね?

佐藤

うーん…会社側も知らなかったと思います。自分も最後までわからなかったですが(笑)

栗島

怪しい反社系の会社ではなかった?

佐藤

はい。
投資家さんと同様に、成功する起業家が出れば自分たちにもお金が入るし都合が良かったのではないですかね。「ただただお金が欲しい人たちが経営している会社」という印象ですね。

栗島

うーん。もったいない会社だね。

佐藤

やっていること自体は法に触れてないし、ちょっとしたお金稼ぎを短絡的に目指す人にはありかもしれないですが。社会的倫理には反していますよね。

狐塚真子

この記事を書いたライター

狐塚真子

津田塾大学英文学科に在学。趣味は映画鑑賞、ダンス、旅行、ライブに行くこと。

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