家計から未上場株投資する社会へ!ファンディーノ型新株予約権とは?

家計から未上場株投資する社会へ!ファンディーノ型新株予約権とは?

記事更新日: 2019/10/11

執筆: 武地昭憲

「未上場株投資」というものをご存知でしょうか?聞いたことがある人はいても、実際にやったことがあるという人はかなり少ないのではないでしょうか。

未上場株投資とは、上場前の会社の株式(未公開株)を保有するために行う投資のことです。

これまでは自分で起業して成功した経験がある人など、一部の人しか参加することができなかった未上場株投資ですが、最近では株式投資型クラウドファンディングなどのサービスの登場により、一般の人でも未上場株投資ができるようになりました。

しかし、未上場株投資は非常にハイリスク・ハイリターンで知られ、まだまだ知名度が低く、一般投資家も少ないのが実態です。

一般的な新株予約権よりもリスクを抑え、新たに生まれたのが「ファンディーノ型新株予約権」です。なんと、未上場株投資を、今までの新株予約権より、リスクを抑えて保有することができるというのです。

なぜリスクを抑えて投資を実現できるのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?

今回は、ファンディーノ型新株予約権について運営会社JCCのCOOである大浦氏にお話を聞いてきました。

ファンディーノ型新株予約権が生まれた経緯

ーまず、ファンディーノ型新株予約権を販売しようとしたのはなぜですか?

 

端的に言ってしまうと、日本のベンチャー企業の成長を促進させたいと思っているからです。

日本における投資環境の課題は、世界的に見てもベンチャー企業への出資額が少ないことです。

アメリカや中国がスタートアップに10兆円規模の出資をしているにもかかわらず、日本は4000億円規模にとどまっています。10分の1にも満たないわけです。

その結果、アメリカや中国はGoogleやアリババといった世界的な成功企業が出ているのに対し、日本のベンチャー企業はそこに追いつけていません。

日本のベンチャー企業への投資額が少ない原因は日本では、資金調達手段が限られていること、国民性の観点から見て貯蓄文化であること、さらに株式投資の95%は普通株式となっていることだと考えました。

もっとスタートアップに出資しやすくしたい。もっと多様な出資方法を提案したい。

そう思い、ファンディーノ型新株予約権の取扱いを決めました。

 

ー日本で多く蓄えられている、家計からのベンチャー投資を増やそうということですね。そういう意味では、これまでの株式投資型クラウドファンディングではだめなのでしょうか?

 

ファンディーノ型新株予約権も株式投資型クラウドファンディングの1つなんです。

創業直後のフェーズ(シード〜アーリー期)の資金調達ニーズは、エンジェル投資家という限られた資産家により支えられており、まだ満たされているとは言えません。

そんな中、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」は、創業直後のフェーズのベンチャー企業を中心に活用がされています。

そして今回は、投資家保護の観点からもこのファンディーノ型新株予約権を作成しました。

リスクを抑えた分多くの一般の方々にもサービスを使ってもらいやすく、結果として家計からのベンチャー投資も増えると考えています。

投資時に企業価値評価なんていらない

ーそもそも「新株予約権」とは何なのでしょうか?

 

新株予約権とは、未上場会社の評価額が決まる前にその会社の成長や支援を目的として投資でき、将来的に株主になる予約ができる権利です。

そして、新株予約権のポイントの一つは「投資時に企業価値の評価がいらない」ことです。

通常の未上場株投資では、投資時の株価を決定するための企業価値評価が必要ですが、企業価値評価は、費用と時間を大幅に使うことなので、それが企業の資金調達の足かせになっています。その過程を短縮できるのは、企業にとって大きなメリットです。

ファンディーノ型新株予約権では、それによる資金調達以降、投資先企業が株式発行による1億円以上の資金調達を初めて実施する際に、その時点の企業価値を考慮した転換価額、交付株式数が決定します。

 

ーではファンディーノ型ならではの特徴はどこにあるのでしょうか?

 

ファンディーノ型新株予約権では、VCが入る以前の会社でも、ファンディーノの審査さえ通れば参加することができます。

そのため銀行やVCを介在させることなく、家計から直接、非上場企業に投資することが可能になりました。

また、配当が出るときや残余財産が分配されるときの優先順位は、高いほうからVC、新株予約権、普通株の順になっています。

VCよりも新株予約権の優先度が低い理由は、新株予約権による資金調達後にVCから投資を受けづらくなるのを防ぐためです。

VCから投資を受けることは多くのベンチャー・スタートアップの成長に不可欠です。

企業が成長するにつれ、新株予約権による資金調達だけでは資金が不足しますし、VCから出資を受けることでVCが持っている人財ネットワークも活用することが出来るので、経営支援・育成支援を受けられたり、他企業との連携もしやすくなります。

以上から、VCが投資をすることで投資先の会社が資金調達しやすくなり上場の可能性があがると言えるのです。

新株予約権は、上場後に株主になれる権利であるので投資先が上場しないことには良さを発揮できません。

そのためVCよりも新株予約権の優先度が低いのは、投資家にとっても好ましい優先順位と言えると思います。

投資家保護することで成長スピードがあがる

ファンディーノ型新株予約権における投資家、起業家それぞれのメリットを教えてください。

 

ファンディーノ型新株予約権投資家保護の側面が強いのが特徴といえます。

これまで、投資家が未上場企業に投資をする場合、普通株よりも残余財産の分配の優先度合いが低い新株予約権しか与えられませんでした。

さらに、これまでに存在した、新株予約権には、株式になる前の投資したお金に対する元本保証の権利がなく、上場後にダウンバリエーションが発生する場合には投資家だけが大損をするリスクがありました。

例えば、起業家は資本金1,000万円で企業を作ったとして、時価総額が10億円になった時、投資家から1億円資金調達をしたとします。

その後上場をしたが時価総額が5億円になった場合、投資家は株価が単純に半額になるので損をしますが、起業家は資本金がもともと1,000万円だったので5億円に減少したとしても50倍になったと言えるのです。

そのことから、未上場企業が資金調達をする際には投資家が慎重にならざるをえず、スピーディーに投資の意思決定をすることができませんでした。

そして、日本におけるスタートアップ企業の成長が遅いのはこれらのマイナスの要因が大きいのではないかとも思いました。

ファンディーノ型新株予約権は、普通株よりも残余財産の分配を優先的に受ける権利があります。

ゆえに、評価額が下落した場合でも普通株より損失が小さくなる可能性が高くなります。

このように投資家のリスクが抑えられることによって、投資家はこれまで以上にスタートアップに出資しやすくなります。

そのため起業家はスピーディーな資金調達が可能になります。また、VCが入っていなくとも資金調達が可能になるため、株式を売買した時に得られる、キャピタルゲインからVCへ報酬を与える必要もなくなり、コストも抑えることができます。

まとめ

これまでの未上場企業への株式投資は、普通株よりも残余財産の優先分配などの権利も弱く、元本保証もないため高リスクでした。

ファンディーノ型新株予約権は投資家保護を第一に考えているため、普通株よりも残余財産の優先分配などの権利が強く、一般の方でも使いやすく、抑えたリスクで未上場企業への株式投資を実践できます。

そして、投資家がスピーディーに意思決定できるため、起業家にも投資家にも相互にメリットのある金融商品であることが今回の取材からわかりました。

 

武地昭憲

この記事を書いたライター

武地昭憲

TUS卒

湧き出る言霊に身を任せて

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