誰もが挑戦できる世界、「一億総起業家」を目指していきたいー日本クラウドキャピタルCOO大浦学氏インタビュー

誰もが挑戦できる世界、「一億総起業家」を目指していきたいー日本クラウドキャピタルCOO大浦学氏インタビュー

記事更新日: 2020/11/16

執筆: 編集部

『 僕らは「一億総起業家」を掲げています。

その世界が何かと言うと、何か挑戦したいと思った時に資金がボトルネックになって挑戦できないということが無い世界。

挑戦したいと思ったら、インターネットを通じて色々な人が評価を受けて、そこから一つの資金調達が確立され誰もが起業家になれるという「一億総起業家」です。』

そう話すのは、株式会社日本クラウドキャピタルCOOの大浦学氏。

共同代表の柴原祐喜氏と共に、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」というサービスを運営している。

スタートアップが資金調達する際、ベンチャーキャピタルや投資会社、エンジェル投資家から資金を調達するが、「FUNDINNO」はサイトに登録されている4万5千人以上の投資家にインターネット上から閲覧してもらい、投資をしてもらうという仕組みだ。

この一年での登録社数は6割増だという。今回、株式会社日本クラウドキャピタルがどのような取り組みをして、このような成長を遂げたのか。大浦氏に話を伺った。

ー会社のビジョンを教えてください。

金融の世界を見ていくと、ベンチャーキャピタルにしても銀行にしても、金融のプロがお金を出すか決めるという世界でしたが、今の時代はやっぱりインターネットを通じてそのマーケットの中、経営者主導の形で投資してもらうというのが一番フェアなんだと思います。そんなフェアに挑戦できる未来を作るビジョンのもとで、サービスをやっています。 

ー普段どういった思いでお仕事をされていますか?

元々スタートアップが大好きで、すごく良いなと思っている会社がなかなか評価されず、資金調達できずに次のステップにいけないというケースを沢山見てきました。そういう会社を常に応援しながら、しっかり挑戦できるようにしていくということをいつも意識しています。

資金調達をして、次の世界を変えていくような会社が出てくるといいなという思いで働いています。

この一年で登録社数は6割増。新サービスを開発し出資しやすい仕組みへ

ーこの一年間を振り返っていかがですか?

1年前と比べると、僕らの仕組みだとその後の資金調達がすごく難しいと言われるケースが増えてきました。

その理由は、株式投資型クラウドファンディングだと一般の投資家たちがたくさん入るので、その後に金融のプロの投資会社が入る時にやっぱり権利が分散するのがすごく嫌だと言われるケースがあって。投資会社のベンチャーキャピタルと話をしながら、どういう形にすれば投資しやすいかというところを一緒に意見をもらいながら考えました。

そして、そういう新しい金融商品株ではなく、新株予約券で投資が出来るというようなサービスを昨年開発したんです。

そうして新しく資金調達していくことで、ベンチャーキャピタル側の方でも出資しやすい仕組みが出てきたので、そういった面では大きく進捗したかなと思っています。具体的な社数として、この一年で6割程増えました。

ー増えた理由は何だと思いますか?

新しいものに対して拒否反応みたいなものが強い傾向があったのですが、そこに少しずつ理解ができてきているということ。

また、今我々の方で資金調達した会社が120社ぐらいになってきました。

その中の会社でも、すごく成長している会社には色々な投資会社も含め投資したいという気になるので、そこから徐々に事例が自然と出来上がってきたというところが一番の要因かなと。あとは金融商品が連携しやすいものも含めて作れたと言う点も、増えてきた一つの理由だと思います。

一つ一つ丁寧に。しっかりとしたフォローで賛同を得ていった

ー具体的な戦略や取り組んできたものはありますか?

新しい仕組みなので、そもそもプロの人達でも理解がまだ追いついてないところがあります。

そういうところを一つ一つ丁寧に説明していくようにしていますね

なるべくスタートアップの人たちがベンチャーキャピタルとの話で詰まっている時は、できるかぎり我々の方から仕組みについて説明してきたので、徐々に賛同を得られていてるのかなと思います。

ー逆に見えてきている課題はありますか?

日本の場合は、非上場会社に一度投資をしてから上場するまで、非常に期間が長いです。
マザーズでも平均7年位と言われているので、投資をしてから7年間ずっと売れないという流動性の乏しさがあります。

そうなると投資家から見た時に、投資のハードルがそもそも高いですよね。長期間売れないという前提のもとで投資をしていかなければいけないとなると、そもそも投資の母数を増やそうと思ってもハードルを下げないといけない。

今我々が一番の課題感として取り組んでいるのが、そういった上場していなくても株が売れますというようなセカンダリーマーケットです
これができると、非上場会社は今までベンチャー・スタートアップの株が買えますという世界から、株を売れますというような世界になってくるので、投資家の人たちもより投資がしやすくなります。ここが今どうしても時間がかかっている所なので、そこが一番の課題になっています。

ー資金調達が難しいという認識があることについてはいかがでしょうか?

我々の仕組みの中で、資金調達をした後に上場したという実績がまだ出ていないんです。

上場事例が出るか出ないかという所のタイミングで、ちゃんと東証も含めて頂上がでてくると、世間の見られ方は大きく変わるかなと思っています。

投資を受けつつ応援もしてもらう。みんなで会社を成長させていきたい

ー株式投資型クラウドファンディングに向いている会社、向いていない会社はありますか?

我々の特徴として個人投資家の方たちから投資を受けつつ、その個人投資家の方々が応援してくれるような世界を作ろうとしています。

具体的に、投資もしてもらいつつ、その会社の商品・サービスも買ってもらえるように、みんなで会社を成長させていくというもの。今だとtoC系toB系。

toC系は純粋に投資家がそのままユーザーになってくれるのですごくイメージがしやすいですが、toB系の人の事例として、ベンチャーが作る世界を応援したいという風に思っている投資家の人たちが多いです。商材を会社で導入してくれたりとか、 顧客を紹介してくれたりというような事例もあるので、今はtoC系toB系どちらでも相性が良くなってきていると感じています。

ー 今後どういう風に会社を成長させていきたいですか?

まずはこのFUNDINNOの事業をより資金調達ができるプラットフォームにしていく為に、セカンダリーの部分をしっかりとやることによって、より投資が促進できるようにすることが一つ。

そして、僕ら自身としてこの投資リターンはやっぱり意識しないといけないので、ちゃんと資金調達した会社が成長して、投資家として収益がプラスに出ることを重要視しています。

そして昨年リリースしたのが、FUNDOORというプロダクト。スタートアップの人たちが資金調達する前と後で色々な資料の整理をしたり、投資を集めた後の煩雑な作業をITのプロダクト上で解決・効率化させましょうというようなプロダクトです。それぞれの資金調達に、我々のプロダクトが全部入り込むような形で我々自身も成長していくことを目指しています。 

挑戦する会社に対して応援したいと思う気持ちが投資に繋がる

ー具体的に資金調達した後に活躍している企業様はどんな会社ですか?

ドーナツ・ロボティクス株式会社

https://fundinno.com/projects/150

最近調達したドーナツ・ロボティクスという会社は、羽田空港などで採用されている言語認識と多言語翻訳ができるロボットを作っている会社です。

この会社の強みというのが、小型のチップでロボットのコアな技術を作れることですが、そのチップをマスクに埋め込んだスマートマスクというのを開発して、今とても人気になっています。

資金調達も上手くなって、ホープスや BBCなどの世界中のメディアが取材に来ているという事例が出ています。さらに今度は、事業会社から3億円を調達して急成長しています。

Recette9

https://fundinno.com/projects/102

Recette9という会社は、氷点下でも凍らないという技術を持っている冷蔵庫を作っている会社です。

数百万円する結構高い商材でしたが、うちの投資家の人が飲食店や道の駅を経営されている方で、その会社で実際に商材を導入してくれたり、顧客を紹介してくれたりというような事例が出てきています。

琉球アスティーダ

https://fundinno.com/projects/105

沖縄の琉球アスティーダという卓球のプロスポーツチームです。

今までだとプロスポーツチームは、投資対象的に見るとクラウドファンディングをしづらい対象でした。しかし、 僕らのようなクラウドファンディングとか一般投資家の集合体だと、スポーツを盛り上げようとか、 沖縄を盛り上げようという共感心が生まれて、非常に人気になった案件です。 今までの投資対象で見た時に、これまでの基準とは別のファンビジネスという新しい広がりができています。

社会に必要とされる会社は登記的に見ても非常に継続性があるからこそ、よりリターンも出やすいんじゃないかと思います。
琉球アスティーダの事例を見ても、社会に必要とされている事に対しての投資がそこに集まっていくというような世界があるだろうなと。

人気になっていくのを見ていくと、色々な挑戦をしたいという企業に対して、応援したいと思う投資家が集まるような気がしています。 

ー今後の展望を聞かせてください。 

僕らとして一番課題感を持っているのが、今のベンチャーとかスタートアップに対して年間のリスクマネーの供給額が少ないということです。

日本のベンチャーキャピタルの投資が行われた昨年は、4400億円。しかし、アメリカや中国は10兆円規模で毎年投資しています。
今でこそ世界を席巻しているようなベンチャーですが、スタートアップに対する大きなリスクマネーの供給があってこそグローバルカンパニーが作られていくので、4400億円という金額を少しでも上げられるように僕らとしては挑戦しやすい仕組み、資金調達がしやすい環境を作っていくことが、我々の今後のビジョンであり、やっていきたいことです。

誰もが起業家になれる一億総起業家の世界へ

ー今後の未来で作っていきたい世界はありますか?

僕らは「一億総起業家」を掲げています。

何か挑戦がしたいという時に資金がボトルネックになって挑戦できないっていうことがない世界。
何か挑戦がしたいと思ったら、インターネットを通じて色々な人が評価を受けて、誰もが起業家になれるという「一億総起業家」。

また、これまではエンジェル投資というものを一部の人しかやってなかったんですけど、エンジェル投資を民主化させていくという「一億総投資家」。この二つの軸を、我々は目指していきたいと思っています。

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