脳波を通じて感性評価を行うマーケティング支援サービスを提供する株式会社SandBoxに事業内容・実績・資金調達を取材!

脳波を通じて感性評価を行うマーケティング支援サービスを提供する株式会社SandBoxに事業内容・実績・資金調達を取材!

記事更新日: 2020/05/25

執筆: 編集部

脳波を通じて感性評価を行うマーケティング支援サービス「ノウミーリサーチ」を提供する株式会社SandBox

今回取材したのは、そんなSandBox社の代表取締役を務める菊地秋人氏。

株式会社SandBoxの今までの成長の軌跡から、いかにして今の事業が生まれ、どのように会社が変化していったのか、事業の実績、資金調達の実態も含めてお話を伺った。

プロフィール

株式会社SandBox 代表取締役CEO 菊地秋人

大学在籍時よりプロゲーマーとして活躍。アジア大会準優勝、世界大会出場も経験し東京ゲームショウ等のイベントにて試合解説者としても登壇。当時の課題意識から自身のパフォーマンスをいかに高めるかに興味を持ち、生体情報の道に進む。研究者との共同研究を経て、特に脳波に大きな可能性を感じ、「生体情報で人生を豊かに」というビジョンを掲げSandBoxを創業。HP:https://www.sandbox-inc.com/

いかにして今の事業が生まれたのか

ー創業はどのようなきっかけでしょうか?

プロゲーマー時に自身のパフォーマンスを定量的に測ることができれば、さらに強くなれるという仮説を持っていました。その頃から生体情報に興味を持ち、共同研究を経験するうちに特に脳波の領域に可能性を感じました。これだけ世界がより良くなる可能性を秘めてるならフルベットしたいと思い創業に至りました。まずは脳波データを集めつつ、その価値を高めるべくマーケティングリサーチの文脈で活用が進んでいます。

 

ーなるほど。では、会社名やビジョンはどういう思想から生まれたのでしょうか?

「SandBox」は直訳の「砂場」からインスピレーションを受けています。最初から前人未到の脳領域をやろうと考えていたので、まさに0→1を成し遂げなければいけません。砂場も同じような環境だなと思っていて、まっさらな場所に城やトンネルなど色々作ることができますよね。僕らもそんな0→1を成したい、遊び心を持っていたいということで付けました。

また、ビジョンの「生体情報で人生を豊かに」という考えは僕のプロゲーマー時代から来ています。当時、アジア圏でトップ0.001%ぐらいに入るプレイヤーだったのですがそれでもヨーロッパや中国の壁は大きかったのです。もっと自身のパフォーマンスを上げるためにはどうしたら良いのか?ということをずっと考えていて、そのときに生体情報の分野と出会いました。

思い返せば、SF系作品は僕の思想に大きな影響を及ぼしています。そこから生体情報のなかでも脳を扱うものに一番の可能性を感じ、世界がより豊かで便利になると確信して創業しましたね。

 

どのような課題を解決したいのか

ー今されている事業・サービスの詳細について教えてください

脳波を活用したマーケティングリサーチです。これまでのアンケートやインタビューでは忖度が混じりますしそもそも無意識的なことは言語化できません。そこを脳波によって解決し正しく現状を認識、改善に繋がる示唆を導き出しています。

 

ーなるほど。それでは、解決する課題について具体的に教えてください

これまで新しい製品やサービスを打ち出すときに、少しでも成功率を上げるためにアンケートやインタビューでの消費者調査が行われてきました。しかし、消費者には多くのバイアスが掛かります。「相手に悪い事を言うと申し訳ないかな」「こう答えたほうがカッコいい」などの心理をはじめ、そもそも無意識的なことは言語化ができませんし、「思い出して答える」という工程自体が結果を歪ませてしまいます

※警察の捜査で被害者に犯人の候補を複数見せたところ、多くの人が違う人を犯人だと答えてしまったという実験があります

それらの一次情報が間違ってしまうと、それが反映された製品やサービスの成功率も自ずと影響を受けてしまいます。

弊社では脳波データを活用することで、非常に少ないバイアスで深い感情を得ることができます。また0.1秒単位の時系列で取得できるため、どの瞬間でネガティブになったのか等も明確です。それらをもとに企業の製品やサービスの開発、リサーチをサポートしています。

測定風景

なぜ今、この事業が必要とされるのか

ーなぜこの事業やサービスは今までなかったのか?既にある場合はなぜ今挑戦するのでしょうか?

30年以上も前から脳波自体は活用されていました。もともとはてんかん発作の検出など医療方面でしたが少しずつマーケティングにも応用されてきました。しかし当時は機材自体が高額であることや、皮膚に接する面にジェルを塗る必要があったりなどモニターの負担もとても高いものでした。そこから現在、安価な機材であれば2万円程度から購入できるようになり、ジェルなども不要になってきました。さらには機械学習などのAI分野の進歩により、分析の精度も圧倒的に上がっています。それらの客観的な事実を見たときに、今やるべきだと判断しています。

 

ー事業・サービスの特徴やユニークポイントはどのような点でしょうか?

大きく分けて2つあります。「スピード」と「オンライン測定」が可能なことです。従来、脳波の分析は専門家が丁寧に確認してようやく分かるものでした。弊社では機械学習なども応用しながら、徹底的に自動化を進めなるべく人が関わらなくても脳波分析ができる環境を整えてきました。その結果、最短で24時間以内という圧倒的なスピードを実現しました。また、簡易的な脳波計でも測定可能なシステムも作り、自宅など場所を問わず測定が可能になりました。

 

ー今までの実績、サービスのトラクションはいかがでしょうか?

直近の公開実績としては、BSテレビ東京様があります。従来、視聴率というKPIが追われていましたがそれだけでは不十分でこのままではテレビ業界自体が危ういという危機感を持たれていました。最終的には視聴の質を計測したいということをゴールに、まずは視聴中のユーザーが抱く感情をリアルタイムに計測できないか?ということで弊社に相談がありました。まずは第一歩として、「田村淳のBUSINESS BASIC」という番組内にて測定スペースを設けてその場で結果を生放送で流すという試みを行い、高く評価いただきました。

また、テレビ局や広告会社などクリエイティブの質を上げていくアプローチ以外にも、消費財や電気メーカーからの引き合いも増えてきており、製品開発時のリサーチなども請け負っています。

最近ではソニー株式会社より、Sony Startup Acceleration Program賞を受賞するなど対外的な評価も獲得しています。

受賞風景

 

ー挑戦する市場について市場規模や今後の展望をありますか?

まずは製品や広告の検証分野を進めています。これは主に視覚や聴覚の情報を扱うものですが、今後は嗅覚や触覚などその他の感覚もすべて扱うことを直近では目指していきます。その過程で理想の脳状態が分かってくるので、次のステップで理想に近づけてあげるアプリを作りたいですね。集中力を意図的に上げられたり、認知症や精神疾患などの予防、改善に繋げていけます。最終的には読み取りだけでなく書き込み側に挑戦したいです。

 

今までぶつかってきた事業の壁やピボット経験

ー事業をしていく中でぶつかった壁があれば、どう乗り越えてきたか教えてください

特別なことではないと思いますが、脳波という最先端技術を顧客や投資家に理解してもらうのはとても厳しかったです。社外の人にフィードバックをもらいながら、説明の文章や話し方を改善してきました。今も続けています。一番はやはり体験してもらうことなのですがそれができないこともあるので、分かりやすく翻訳することの重要性を感じています。

 

ー過去に事業転換(ピボット)経験がもあるそうですね。

はい。脳波という軸はほとんど変えずに、提供先と提供の仕方はカスタマイズしてきました。エンタメよりもマーケティング、中小企業よりも大企業が相性がいいなど、トライ&エラーをしながら形を変えてきてます。

今でも変化の判断は難しいなと思っていて、何か壁にあたったときにこれは超えるのが難しそうだからピボットするとなると、またピボット先でも同じことがあると思うんですよね。これは社員から指摘されたことで当時の僕はハッとさせられました。一方で可能性薄いことを延々とするのも勿体ないので、どちらかの決断をしてやり切るしかないんだなと今では考えてます。

 

資金調達の実態について

ーどのようにして投資家を見つけて、投資家を決めましたか?決め手などもあれば教えてください。

A.周りには投資家がいませんでしたので、StartuplistやANGELPORT等のマッチングサービスや直接SNS等で連絡する方法を取りました。決め手は相性です。脳波という技術や弊社のチームに可能性を感じてもらったことは前提としてありつつ、フランクに相談でき信頼できるかを重視しました。せっかく出資いただいてもそれだけの関係性ではとても勿体ないと考えています。そこに付随する形で、出資実績やバックグラウンドが他の出資者と被らないかも考慮しました。

 

今後挑戦していく未来とは

ー今後の事業の展望・野望を教えてください!

生体情報を中心とした新しい生活圏を創りたいと考えています。誰もが生体情報デバイスを持つ世界になれば、弊社の現事業のようにモニターとしてリサーチを手伝うことで謝礼をもらえたり、睡眠の管理、メンタルヘルス、ゲームなど様々な周辺サービスと連携することができます。ユーザーはより便利な世界を享受でき、企業としても多くの生体データが入手可能になるため、より深いレイヤーでの意思決定ができるようになります。最終的には、自身の五感をすべてハックしてバーチャルな世界でも暮らせるようにしたいですね。

 

ー最後にスタートアップ起業を成功させるポイントは何だと思いますか?

誰もが言うと思いますが、諦めないことですね。弊社も恥ずかしながら何度も倒産の危機はありましたが、その度にやれることを全力でやって何とか今まで乗り切ってきました。

 

ー今後の展開に期待してます。本日はありがとうございました!

 

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