近年はITが急速に発展してきたこともあり、処理すべき情報量が多くなってきました。
情報を処理するための有効な手法の一つとしてデータセンタ―があります。
データセンタ―に興味がある方にとって
・データセンタ―とは何なのか
・クラウドとはどのような違いがあるのか
という点は気になりますよね。
今回はデータセンタ―の基礎知識と導入方法、クラウドの違いやメリット・デメリットを比較していきます。
この記事を見ることで、データセンタ―の基礎知識を学び、導入するべきかどうかを判断することができます。
このページの目次
データセンターはサーバーやコンピューター、ネットワーク機器など重要な情報を取り扱うIT機器を預かる施設です。
データセンターの特徴は下記のとおりです。
・災害時でも重要なデータやサーバーを守ってくれる
・停電時でも予備のバッテリーによって、落ちることを防ぐ
・高いセキュリティ性で決められた人しか入ることができない
IT関連技術を多く利用する企業は自社でサーバーなどのIT機器の設置場所や環境を用意するのは困難なケースが多いです。
データセンターを利用する事で、設置場所や環境などの問題を解決させることができます。
データセンターはデータの使用量が多いIT業界で主に利用されています。
代表的な例が
・たくさんのユーザーが利用するソーシャルゲーム業界
・あらゆるものがインターネットにつながるIot関連業界
・素早い画像処理やレスポンスが求められるEC業界
などです。
データセンタ―のように他社にIT機器の管理・運用を委託するのではなく、自社で管理・運用をしたい場合、自社でデータセンターを導入する方法もあります。
自社でデータセンターを導入する手順は下記の通りです。
1. データセンターを設置する不動産を購入
2. 設備の購入
3. 人材の配置
具体的に確認していきます。
データセンタ―を設置するするための土地や建物を購入する必要があります。
特に考慮すべき点は下記の4つです。
電力 | 標準電力が6万ボルト以上 |
ネットワーク | 高品質な通信環境が担保されている |
距離 | 東京や大阪から距離50km以内 |
自然災害リスク | 自然災害が少ない地域を選定 |
データセンタ―は大きな電力を24時間365日継続して提供し続けなければいけなく、なおかつネットワークの環境も重要になってきます。
そのため、データセンタ―の構築において、土地の選定は非常に重要な要素となります。
データセンタ―には様々な設備が必要です。
具体的に用意する必要がある設備の代表例をあげていきましょう。
サーバールーム | サーバーと格納しているラック |
電源設備 | 非常時にも対応できる電源設備 |
空調設備 | サーバーから出る熱を冷却する設備 |
ネットワーク機器 | データ通信を行うためのケーブルなど |
サーバーはもちろんのこと、環境の整備も行う必要があります。
データセンタ―の運用にはスキルを持った人材が必要です。
特に必要なスキルは下記のとおりです。
自社でデータセンターを導入する場合はインフラ関係、特にサーバー関連のスキルを持った人材の確保が必要です。
自社のデータを管理する上で、クラウドサービスも有用です。
データセンターとクラウドの違いをメリット・デメリットを挙げて、比較していきましょう。
データセンター | クラウド |
|
|
手軽に導入できる | クラウド |
|
|
利便性はデータセンタ―の方が高いです。
クラウドの場合は他社のシステムを利用する形となります。自由度は低いというのが特徴です。
利用方法はクラウドの方の方が簡単です。
データセンターはインフラ構築を全て自社でやる必要があるため、実際に利用できるまで時間がかかります。
一方でクラウドの場合は簡単に利用できるようにシステムがカスタマイズされているため、サービスを素早く利用できます。
管理コストはデータセンタ―の方が高額です。
データセンターはサーバーなどの機器の購入代・サーバーを冷やすための冷房装置など様々なコストがかかります。
また、災害時は担当者が現場に行き、対応する必要があります。
特に自社でデータセンターを導入する場合、土地や設備、建物の維持費がかかります。
一方で、クラウドは管理は全てサービスを提供している側で行ってくれます。
利用者自ら管理する必要性はなく、管理においてはクラウドの方が利便性が高いといえるでしょう。
料金はクラウドの方が安いです。
データセンターは設備投資費などのイニシャルコストが特に高額で少なくとも数百万円の諸費用がかかります。
加えて設備の管理維持費・管理者の人件費などのランニングコストもかかり、高額なコストになります。
一方でクラウドは設備投資費はかからず、ランニングコストもデータセンターと比較すると安くなるケースが多いです。
料金を比較するとクラウドの方がお得です。
上記、4つの違いをわかりやすく表にまとめましたので、参考にしてください。
データセンター | クラウド | |
利便性 | 高い | 自由度は低い |
利用方法 | インフラ構築の必要あり | 簡単 |
管理コスト | 高額・災害時対応等必要 | 安価・管理はお任せ |
料金 | 高い・イニシャルコストなど | 安い |
データセンタ―を提供している代表的な企業は下記の通りです。
最大手は富士通のデータセンタ―です。広告業界3位のADK(アサツーディ・ケイ)や東海大学など多数の企業や法人で導入実績があります。
クラウドを提供している代表的な企業は下記の通りです。
国内の企業では富士通が最も高いシェアを誇ります。
NTT、ニフティ、ソフトバンクなどもサービスを提供していますが、シェアやサービス面から上記の企業には及びません。
クラウドサービスで最も有名なサービスはアマゾンが提供しているAWS(Amazon Web Services)で、コストの安さや利便性の高さから他社を大きく引き離しています。
実際に国内でもトヨタ自動車、京セラ、NECといった国内有数の企業もAWSを利用してインフラを構築しています。
データセンターとクラウドを選ぶときは下記のポイントに注目していきましょう。
自由度が高い環境にしたい場合はデータセンターをおすすめします。
クラウドには下記のケースがあるためです。
・自社に適したネットワークがないことがある
・利用したいソフトウェアがクラウドに適合しない
・カスタマイズに制限がある
カスタマイズの柔軟性や自社のサービスとの適合性という観点ではデータセンターの方に強みがあります。
事業規模が大きくない場合はクラウドを利用することをおすすめします。
・安い料金で導入できる
・すぐに利用できる
・維持費もかからない
というメリットがあるためです。
事業規模が大きくなってくると
・データセンターの方が、料金が安くなる
・データ処理のスピードがデータセンターの方が早い
ということもあり、データセンターの方がメリットが大きい場合があります。
最初はクラウドを導入し、事業規模が大きくなるにつれてデータセンターを検討していくというやり方をおすすめします。
今回はデータセンターの内容やクラウドとの違い、選定するポイントを紹介してきました。
ポイントは
・データセンターとはサーバーなどのIT機器を預かる施設
・データセンターは自社で設備を保有、クラウドは他社の設備を利用する
・柔軟性はデータセンター、手軽さ・安さはクラウド
という点です。
本記事を参考にデータセンターを利用するか否かを検討してみてください。
画像出典元:O-DAN
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