どのような企業であっても勤怠管理はしなければならない作業です。勤怠管理の結果によって支払される給与などが左右されるからです。
給与の支払を左右するということは、勤怠管理の方法には注意をしなければならないということです。適当な勤怠管理をしていては、適切に給与を支払えなくなってしまいます。
今回は勤怠管理の基礎知識から具体的な4つの方法や目的、メリットとおすすめの勤怠管理システムなどについて簡潔にまとめてご紹介します。
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最初に勤怠管理について理解を深めていきましょう。なぜ勤怠管理が必要なのか、勤怠管理とは何をしなければならないのかを正しく理解することが大切です。
勤怠管理をしなければならない大きな理由は、労働基準法第32条に労働に関する制限事項が記載されているからです。
ここには労働時間は「1日8時間、週40時間」との定めがあります。法律で定められたこの時間を守れているのかどうかを確認するために勤怠管理は必要なのです。
ここで管理された数字をもとに適切な給与の支払いができるようにする役割も担っています。
勤怠管理をすることで残業代の未払いトラブルなども防ぎやすくなります。これ以外にも、過重労働や過労死を防ぐために勤務状況を見える化する役割も担っています。
また、勤怠管理に関する情報は法律で3年間保管することが義務付けられています。給与の支払いを適切にするというだけではなく、法律を守るという観点からも勤怠管理はしなければなりません。
勤怠管理で管理しなければならない大きな項目は労働時間です。ただ、管理しなければならない労働時間にも複数種類がありますので、以下でご説明します。
勤怠管理の中心となるのは1日あたりの労働時間です。こちらは基本的には始業・終業時刻を管理し、そこから休憩時間を差し引いた時間で算出が可能です。
始業・終業時刻の管理は比較的簡単なものですが、休憩時間の管理は勤務体系により異なることもあるためやや注意が必要です。
上記で管理している1日あたりの労働時間のうち、時間外労働・深夜労働・休日労働に関するものは個別に管理しなければなりません。
いわゆる残業時間などに分類されるものであり、場合によっては残業手当などの手当を支払わなければならならないものです。
時間外労働は所定労働時間以外に勤務することを指します。一般的には残業時間と呼ばれる時間帯です。深夜動労は22時以降の勤務、休日労働は公定休日に勤務することを指します。
出勤日数や欠勤日数を管理することも勤怠管理の一つです。決められた日数だけ出勤しているかどうかも把握しなければなりません。
また、所定の出勤日以外に出勤する休日出勤についても把握しなければなりません。
これらの日数は月間で管理しなければならない値です。勤怠管理は1日単位だけではなく、月単位でも実施するのです。
有給が付与されている場合、付与している残日数とすでに利用している取得日数の管理が必要です。また、休日出勤が発生した場合には代休や振替休日の管理もしなければなりません。
厚生労働省のガイドラインに勤怠管理の対象者についても記述があります。
こちらによると勤怠管理をしなければならないのは、「労働基準法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適応される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間性が適用される時間に限る。)を除くすべての労働者」の条件に当てはまる人です。
つまり従業員の中でも管理職などみなし労働制が当てはまらない人は勤怠管理をしなければなりません。
この条件を踏まえると、どのような会社であっても人を雇う限り勤怠管理はしなければならないと考えられます。
しかも、現在では管理職などみなし労働制の労働者に対しても勤怠管理をするのが望ましいとされています。
働き方改革の流れもありますので、企業の責任として勤怠管理は雇用形態を問わず正社員・契約社員・派遣社員・パートなどすべての従業員を対象とするべき状況です。
紙のタイムカードに打刻機を利用するオーソドックスな勤怠管理です。勤怠管理の代名詞的に「タイムカードを押す」という言葉が利用されることもあるでしょう。
基本的には打刻機にタイムカードを挿入して時刻を打刻するだけの仕組みです。
打刻機を用意する必要はありますが、簡単に利用できるという点で幅広く利用されています。また、自分でタイムカードを打刻すれば良いので、管理者が何かしらの作業をする必要がないメリットもあります。
ただ、タイムカードは本人以外が打刻してはいけないルールです。そのため、出張などの際にはタイムカードに打刻できないなどの問題もあります。
簡単に勤怠管理をするのであれば紙を利用した出勤簿です。
仕組みは単純であり専用の用紙などに出勤時刻と退勤時刻を記入します。記入は改ざんができないようにボールペンなどを利用して、内容が正しいかどうかを上長が確認することが一般的です。
単純な仕組みであるためどこでも導入しやすい勤怠管理ではあります。ただ、全てを人の手で処理しなければならなくなりますので、間違いなどが発生しやすいデメリットもあります。
また、毎日上長が内容を確認しなければ、内容の不正があっても発見しにくいデメリットもあります。
上記で利用している紙の出勤簿をExcelにしたものです。紙にペンで記入するのではなく、専用のファイルに毎日の出勤時刻と退勤時刻を記録します。
デジタル化されているものですので、紙の出勤簿よりも管理しやすいことが特徴です。
印刷物のように大量の紙を管理する必要はなくなります。また、Excelを利用すると数式で統計を取りやすい、給与計算がしやすいなどのメリットもあります。
ただ、Excelを利用するとなると全員がExcelを入力できる環境・スキルがなければなりません。また、Excelを利用すると不正がなくなるわけではありません。
IT化すると不正は防げると思われていることはありますが、Excelを利用した出勤簿だけでは不足する部分があります。
勤怠管理システムは、勤怠管理に必要な機能をまとめてIT化したものです。Excelのように表計算ソフトを利用するのではなく、勤怠管理のために開発されたソフトを利用します。
勤怠管理専用のソフトですので、勤怠管理に必要な機能は最初から用意されています。
給与計算の機能も用意されていますし、残業時間を管理する機能も用意されています。また、各種休暇の申請なども用意されていることがあります。勤怠管理がしやすくなるという点で大きなメリットがあります。
また、紙やExcelで勤怠管理をするよりも不正が防ぎやすい特徴もあります。入退館した時間などを自動的に連携することで、不正ができない仕組みが用意されていることがあります。
勤怠管理の方法に勤怠管理システムがあることをご紹介しました。最近はシステム化が進んでいますので、勤怠管理に関してもシステム化することがおすすめです。以下では勤怠管理システムを導入した場合のメリットについてご説明します。
勤怠管理をシステム化することによって、勤務時間を正確に把握しやすくなるメリットがあります。
勤怠管理システムを利用すると、システム上で時間を打刻するのが一般的です。
インターネットなどと連携された時計は利用して、正確な時間で打刻できるようになっています。タイムカードの打刻などを利用するときと比較すると、正確な時間で打刻をしやすくなるのです。
また、勤怠管理システムは不正を防止するための仕組みが用意されています。そのため、勤務時間の改ざんなども起こりにくくなるメリットがあります。
勤務時間の改ざんは法律を守るという観点からもあってはならないことです。不正をするような人はいないと信じたいですが、万が一に備えて勤怠管理システムを利用しておくことが理想的です。
勤怠管理システムは従業員の勤怠情報をまとめて管理できます。そのための労働時間の計算処理などがしやすいこともメリットです。
例えば従業員全員の残業時間の合計を知りたいとします。
この時にExcelで勤怠管理をしていると、全員分のファイルを開いて残業時間を確認しなければなりません。人数が少なければ対応できるかもしれませんが、あまり現実的な作業ではありません。
それに対して勤怠管理システムを利用していると、情報は全てシステムに集約されています。
このような数値情報を取得するのも難しいことではありません。勤怠管理を数字で確認しやすくなるという点でもメリットです。
また、これらの数値が把握できれば給与計算も簡単にできます。勤怠管理は給与計算につながりますので、労働時間の管理がしやすいことは給与計算がしやすいことを意味します。
利用する勤怠管理システムによっては、リモートワークやテレワーク、出張中など場所を選ばずに勤怠管理ができることがメリットです。
一般的に勤怠管理システムの利用方法は「オンプレミス」と「クラウド」の2種類です。
オンプレミスは社内など決まったところからのみアクセスが可能です。クラウドはインターネットを通じてどこからでもアクセスが可能です。
後者であればインターネットにつながる場所であればどこからでも勤怠管理システムを利用できます。
出張中で本社にはいない場合でも、インターネット経由で勤怠管理ができるのです。また、リモートワークやテレワーク、在宅勤務を取り入れている会社でも勤怠管理ができるようになります。
場所を選ばずに勤怠管理ができる点でも勤怠管理システムにはメリットがあります。
低価格で利用できる勤怠管理システムとして人気をあつめているものです。コストを重要視する企業におすすめです。
また、コストだけではなく多様な勤務体系に対応していることも人気の背景にあります。
シフト制や変則勤務などにも対応しやすい仕組みが用意されているのです。
クラウド型の勤怠管理システムで最も利用されているものです。利用実績が多数あるシステムですので、情報が豊富な勤怠管理システムを求めている人におすすめです。
人気の背景には時刻連携機能が充実していることが挙げられます。指紋認証や入退館管理システムなど企業にあった仕組みで打刻ができるのです。
また、連携できる給与計算システムが多いことも理由の一つです。すでに利用している給与計算システムに連携する形でも導入できます。
こちらもクラウド型の勤怠管理システムです。日々の勤怠管理だけではなく、有給の管理なども簡単にできることが特徴です。
また、マネーフォワードは給与計算システムなど様々なサービスをクラウドで提供しています。
それらのサービスと連携しながら勤怠管理ができるメリットもあります。
1企業との契約で日々の労務管理が充実するという点では他社には無いメリットを受けられます。
勤怠管理の方法をご説明しました。どのような方法であるかは問われませんが、企業の責任として勤怠管理は必ず対応しなければならないことです。
人を雇うのであれば勤怠管理は必須です。
勤怠管理は必須の作業であることを踏まえると、多少費用が必要でも勤怠管理システムを利用することがおすすめです。
これを利用することで日々の勤怠管理業務は非常に楽なものへと変化します。
また、不正を防止しやすくなり、法律も守りやすくなるメリットがあります。また、不正による給与の支払いを防ぐことも可能です。
ご紹介した勤怠管理システムから適切なものの利用を検討してみると良いでしょう。
画像出典元:Burst
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