オペレーターの過不足調整はコールセンター運営で避けて通れない問題です。
お客様を待たせないためには、オペレーターの人数にある程度余裕を持たせるべきでしょう。しかし余裕を持たせすぎてしまうとオペレーターの待機時間が長くなり、その分人件費が無駄になってしまいます。
そのため「適切な人員配置を行うのはなかなか難しい」「管理に手間がかかる」と感じている方も多いはずです。
そこでおすすめしたいのがWFM(ワークフォース・マネジメント)です。
WFMとは、コールセンターにおいて人件費削減とサービス品質の両立を図るためのマネジメント戦略です。
この記事ではWFMの概要に加え、その必要性やメリット、またWFMシステムとは何か、機能やおすすめのWFMシステムについて解説します。
このページの目次
「WFM」とは、コールセンターにおいて顧客対応のクオリティを落とさず、かつ人件費を抑えるために採用されるマネジメント戦略です。
ワークフォースマネジメント(Workforce Management)を略し、「WFM」と呼ばれています。
かつて、WFMを導入するためには多額の費用が必要でした。そのため実際にWFMを導入するコールセンターはあまり多くなかったのです。
ところが2,000年代初頭からクラウド型のWFMシステムが登場しました。このおかげで気軽にWFMシステムを導入できるようになり、WFMを導入する事業所が増えてきています。
WFMシステムとは、WFMを自動的に行うコンピュータシステムです。
人員の配置やシフト管理を自動化することによって、コストダウンや管理者の負担軽減に貢献します。
昨今のWFMシステムでは各事業所の事情に合わせた調整もしやすくなっています。
コールセンターを運営しているなら、ぜひ導入を検討しておきたいシステムといえるでしょう。
人件費を減らすことだけが目的なら、オペレーターを減らせば問題は解決します。1件あたりの問い合わせにかかる時間を減らすという方法も考えられるでしょう。
しかし、このような対策ではサービス品質を維持できません。
結果的に顧客満足度が低下し、商品やサービス、会社のブランドを傷つけることになってしまうでしょう。これでは本末転倒になってしまいます。
これに対し、WFMでは人員を適切に配置し、効率を上げるというアプローチで人件費を削減します。
オペレーターの待ち時間を減らすなど稼働率を上げることで効率化するため、サービス品質を落とすことはありません。
WFMシステムがなければ、オペレーターの人員配置は管理者の仕事です。しかし明確な自信をもって人員配置をしている管理者は少数派でしょう。
なぜなら必要な人員は曜日や時間、季節によって大きく変化するため、予想が難しいからです。
メディアに露出する機会があれば大幅に増員して対応することもあるでしょう。管理するオペレーターの数が多ければ、なおさら過去の経験や勘で判断するしかありません。
WFMシステムを導入すれば、過去のデータをもとに適切な人員配置を算出できます。
過不足のない適切な配置ができるほか、管理者の負担も大幅に軽減できるでしょう。
現在、日本社会は少子高齢化により労働人口が年々減少しています。十分な人数のオペレーターを確保するのが難しいと感じている方も多いでしょう。
限られた人員でコールセンターを運営するには、どうしても効率化を進めるしかありません。
ただし何の策もなくオペレーターに負担を強いればブラック企業になってしまいます。
WFMのような具体的なマネジメント戦略を検討していかなければ今後の状況はますます厳しくなっていくでしょう。
WFMシステムを導入すれば、オペレーターの稼働率が最大になるよう適切な人員配置を行ってくれます。
稼働状況をリアルタイムで観測し、必要な人員を必要な場所へ再配置する機能を持つ製品も存在します。
管理者にとってシフト表の作成は大きな負担です。
シフト表の作成に時間を取られ、他の仕事に時間をかけられなかった経験がある方も多いでしょう。
WFMシステムを導入すればシフト表の作成すらも自動化できるため、管理の手間が大幅に削減されます。
WFMシステムが人員を最適に配置することで、過剰な人員を投入せずに済みます。
シフト調整の手間や時間も減らせるため、管理者の人件費を無駄にしないことにもつながります。
一口にWFMシステムといっても、製品によって備えている機能はさまざまです。
導入する環境に合わせ、どのシステムが最も使い勝手の良いものか慎重に検討する必要があるといえるでしょう。
とはいえ基本的な機能は多くのWFMシステムに共通しているのも事実です。
ここでは一般的なWFMシステムが備えている機能についてご紹介します。
これまで積み重ねてきたデータをもとに、必要とされるオペレーターの配置を予測します。
WFMシステムが算出する予想には過去のデータという明確な根拠があるため、勘や経験に頼るよりも精度が高いといえるでしょう。
予測した人員配置をもとにオペレーターの手配を行います。
オペレーターが足りないと判断した際には、必要なスキルを持っている従業員に対し勤務を打診するメールを送信できるWFMシステムも存在します。
修正も自動で行ってくれるため、管理者の負担が大きく軽減されることでしょう。
同じオペレーターといっても、経験年数によってスキルには差が出ます。
例えば同じ10人のオペレーターを揃えたとしても、全員がベテランである場合と全員が新人である場合では雲泥の差です。単に人数だけを考えるのではなく、スキルの偏りが極端にならないよう調整する必要もあるでしょう。
WFMシステムではこうした各自のスキルを考慮した人員配置も行えます。
シフトを作成する際には従業員の勤務希望を取っていることでしょう。
WFMシステムでは各従業員の希望のほか、時給や勤怠状況も考慮しつつ調整を行います。
WFMシステムは人員配置だけでなく、シフト表の作成まで行います。
シフト表を印刷するのはもちろん、他のパソコンやスマートフォンなどの各種デバイスへ情報を転送する機能を備えている製品も存在します。
基本的なシフト管理機能のほか、勤怠の管理や休暇の申請に対応しています。
比較的操作が簡単なので、難しいシステムを使いこなすことに不安を感じている方におすすめです。
スマートフォンやタブレット端末にも対応しているため、外出中のチェックができるのも魅力の一つです。
「jinjer勤怠」については下記の記事でも解説していますので、参考にしてください。
スキルの可視化ができる点、生産性の予測も立てられる点が幹部の右腕の特徴です。
30日無料トライアル期間があるため、自社の環境に合うか確かめながら始められます。
週別、時間別の目標を設定する機能も運営の役に立つでしょう。
コンプライアンスに違反してしまう働き方にアラートが出る機能を備えているのがAKASHIの特徴です。
直感的に利用できる管理画面となっているため、初めてWFMを導入する方でも使いやすいと感じられるでしょう。
平日の9時〜18時ならいつでも相談できるサポートを利用できるので安心です。
「AKASHI」については下記の記事でも解説していますので、参考にしてください。
WFMシステムを導入するには費用がかかります。
しかし人員配置を最適化し、管理のコストも抑えられることを考えれば費用以上のメリットを得られます。
無料でお試しできるWFMシステムも提供されているため、まずは実際に使ってみて使用感を確かめてみてはいかがでしょうか。
画像出典元:Pixabay, Unsplash
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