合同会社から株式会社への変更方法 | 確認すべき注意点も徹底解説

合同会社から株式会社への変更方法 | 確認すべき注意点も徹底解説

記事更新日: 2020/01/09

執筆: 編集部

会社の運営をしていると状況も刻々と変化し、会社を設立したときにはわからなかったメリットも出てくるはずです。会社の形態についても同じことが言えるでしょう。

事実、設立したときは合同会社で満足していても、株式会社に変更したいと頭を悩ましているという方が多数存在します。

今回は合同会社から株式会社に変えるための方法について解説し、どのようなメリットがあるのか、費用はどうなるのかについても解説いたします。

合同会社と株式会社の違いを再確認

会社の形態は大きく分けて2つに分類できます。株式会社持分会社です。

それぞれの違いを解説すると、株式会社が出資者という立場にいる株主か株主総会によって選出された人たちが会社経営を行うスタイルのことで、持分会社は「合同会社」と「合資会社」と「合名会社」の総称です。

合同会社とは有限責任社員のみで構成されている会社、つまり何らかの負債を会社が背負ってしまったときに、その負債が出資額以上ならば負う必要がない社員で経営されている会社のことです。

合名会社とは、合同会社とは逆に無限責任社員によって経営されている会社のことです。

つまり、何らかの負債を会社が背負ってしまったときに全財産を失ってでも負債対応が求められる社員で経営されている会社のことです。

合資会社とは、有限責任社員と無限責任社員で構成された会社となります(それぞれ最低1名ずつ必要)。

持分会社の特徴として、設立費用が安く決算報告が必要ないというメリットがそれぞれに存在しています。

持分会社は事実上合同会社一択

責任という観点から言うと確実に合同会社のほうが気が楽なのが説明からもわかるでしょう。

この間接有限責任という立ち位置が許された特殊なありようは2006年から設立できるようになったので比較的新しい会社の在り方となっています。

会社設立によるリスクがかなり軽減できますので、持分会社を設立したいという人は半自動的に合同会社が推奨されるようになりました。

合同会社から株式会社に変更する方法

それでは具体的にどのようにすれば合同会社から株式会社に変更することが出来るのかを確認していきましょう。

きちんとした手順がありますので、その手順通りに作業をする必要があります。

1. 組織変更計画書を作る

最初にやらなければいけないことは株式会社に必要な項目を定めた組織変更計画書を作ることです。この組織変更計画書には以下の項目が必要になるでしょう。

1. 目的および事業内容

2. 商号

3. 本店所在地

4. 発行可能株式総数

5. 上記以外に定款で定める事項

6. 取締役・会計参与・監査役・会計監査人といった役員の名前

7. 合同会社の社員が組織変更後に取得する株式の数又はその数の算定方法

8. 株の割り当てについて

9. 合同会社社員の役職について

10. 効力発生日

このように、決める項目は数多くあるため、決める項目がありすぎて良くわからないという方はネット上に多数用意されている「組織変更計画書」のテンプレートを利用してください(参考URL:http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html)。

2. 社員の同意を得る

合同会社から株式会社に変更するには、個人が勝手にすべてを決めることは出来ません。

個人経営の場合は関係ありませんが、一緒に会社を設立した有限責任社員が存在する合同会社ならば、その社員からの同意が必要になってきます。

ただし、この社員というのは従業員のことではなく、持分がある会社に出資をしている社員(有限責任社員)のことです。

また、ルールとして先に説明した組織変更計画書の最後に記載する「効力発生日」の前日までに出資者である社員全員からの同意を得る必要があります。

項目は少なく「会社法第746条の規定に基づいて作成した別紙組織変更計画書について同意する」という記載がある同意書に印鑑を押すというシンプルなものとなっています。

3. 債権者保護手続きをする

官報への公告掲載と個別責任者への勧告を行って、債権者に「株式会社に変更する」という旨を伝える必要があります。

官報を使っての公告掲載内容は、組織変更をすることを伝える内容と、この組織変更に対する異議申し立てがある人はそれが可能であるということを伝える内容となります。

この報告は最低でも1ヶ月以上必要なので注意してください(掲載費用は発行部数によって変わるが基本的には35,000円)。

個別の債権者にも会社形態が変わるといった勧告が必要になります。

官報への掲載は債権者が一人もいない場合でも行わなければいけない手続きなので気を付けましょう。

また、異議申し立てが発生してしまった場合は組織変更は一度ストップする必要がありますが、よほどのことがない限り組織変更で異議申し立てがあることはないでしょう。

4. 効力発生と組織変更登記

ここまできて問題なく事が進行すれば、組織変更計画書に記載した「効力発生日」から効力が発生します。効力発生日のあとに、法務局で登記申請を行います。

また、ここで必要になる登記とは株式会社設立の登記以外に、合同会社を解散する登記も必要になるのでこちらも要注意です。

だいたい登記には審査機関を含めて1週間程度かかります。

変更に必要な費用について

合同会社から株式会社に変更する際に発生する料金は最低でも10万円はかかると考えたほうがいいでしょう。代替の内訳は以下の通りです。

・合同会社解散登記費用:3万円

・株式会社設立登記費用:3万円(資本金の額に1000分の1.5を乗じた額だが、3万円未満ならば3万円になる)

・官報への広告掲載費:約3万円

・行政書士や司法書士依頼代金:5~10万円

基本的には官報への広告掲載費という曖昧な部分があるにせよ、だいたい10万円で終わります。

ただし、これらの作業というのは合同会社を運営している人たちでも初めて実行する事柄になりますし、人生で何度も体験するものでもありません。

色々と手続きや書類づくりは大変な部分がありますので、基本的には行政書士や司法書士といった専門家に依頼することになります。

この費用がかなりバラバラなので料金が読みにくいのです。そこまで含めて費用を考えるのなら、専門家への依頼料込みで10~20万円はかかると考えましょう。

ここで発生する費用が後述する合同会社から株式会社に変更するデメリットとメリットを天秤にかけた時に、問題なく許容できるというのなら本格的に行動を開始してください。

合同会社から株式会社に変更するメリットとデメリット

合同会社から株式会社に組織変更する理由は変更したほうがメリットが大きいからです。

もちろん、変更することでデメリットが発生する部分もありますのでどちらも詳しく確認していきましょう。

株式会社にすることで発生するメリット

株式会社にすることで、以下のメリットを得られます。

・株を発行することで出資者からの資金集めが容易になる

・社会的信頼度が高くなる

・上場できる

・知名度が上昇しやすい

・事業継承がやりやすくなる

特に会社をこれから大きくしようと思っている方々にとって、知名度が上がりにくく求人募集がしにくい状況というのはなかなかきついものがありますが、株式会社となればその不安から脱却できる確率も上がるのです。

株式会社にすることで発生するデメリットもある

逆に、株式会社にする場合は、株式会社にしてしまうことで発生するデメリットも受け入れる必要があります。

具体的なデメリットは以下の通りです。

・決算公告が必要になる

・役員の任期が発生する

・会社内部の事柄を自由に取り決めすることが出来なくなる

・即断即決が難しくなる

株式会社になると、株主総会も必要になりますし、取締役や取締役会、監査役などを決めることが必要になります。

そして、資本が株主にあって経営が取締役という、ねじれた立ち位置になることで、合同会社の時とは違い、会社の舵取りを株主側にある程度委ねなければいけなくなるのです。

合同会社の場合は役員の任期もなく自由意思で役員変更も可能でしたし、経営のかじ取りも好き勝手にすることが出来ましたが、会社の将来を決めるような事柄を判断するときは、自分だけの意志ではなく、株主総会での認可が必要となります。

最悪のケースでは、社員待遇や非正規雇用などの対応で株主総会でぶつかり合ってしまったり、内部保留を巡って経営陣と株主が敵対することもあります。

いわゆる企業VS株主という構図に陥る可能性があるということです。

まとめ

合同会社と株式会社には双方メリットがありますので、どちらのメリットも理解したうえでその選択をする必要があります。

今回紹介したように、合同会社から株式会社にすることはそこまで難易度が高くないので、前向きな検討をお勧めします。

ただ、株式会社にすることで発生するメリットばかりに目を向けず、デメリットもしっかり考慮することが、会社の未来にとって大切と言えるでしょう。

画像出典元:photo AC

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