介護タクシーを開業するには?必要な資格や開業の流れを徹底解説!

介護タクシーを開業するには?必要な資格や開業の流れを徹底解説!

記事更新日: 2019/10/16

執筆: 編集部

介護タクシーは公的な介護サポート事業として、政府の支援を受けることのできるタクシー業務ですが、2019年度の現時点で、事業者が不足しています。

 「介護タクシー」とは、自宅のベッドから病院のベッドまで、要介護者が「介護サービス」を受けながら移動し、「介護保険」が適用できるサービスです。

 高齢化社会を迎え、通院も含めて利用希望者が増え、同居している家族の負担が軽減できると需要が伸びています。

 介護タクシーを開業するために必要な資格や要件、資金や許可申請などの開業の流れを徹底解説します。

介護タクシーとは?

普通のタクシーの運転手は、タクシー利用者の自宅に上がって、要介護の人の乗降車を手伝うことはできません。

介護の必要な要介護者や、身体に障害のある人を送迎するには、介護の資格が必要です。

まず、介護タクシーとは、どのようなタクシーなのかについて、理解しておきましょう。

介護タクシーの種類と特徴

一般的に「介護タクシー」と呼ばれているものには、ヘルパータクシー、介護タクシー、福祉タクシーがあります。

ヘルパータクシー

介護施設や介護事業所のディサービスでは、利用者を自宅と施設の間で、車で送迎する必要があります。

ヘルパータクシーとは、ホームヘルパー2級以上の資格があれば、業務用の2種免許がなくても、介護の必要な人を送迎できるようにしたものです。

ドライバーは、ケア輸送サービスについての研修を受けることが義務づけられています。

介護タクシー

介護タクシーは、訪問介護の一種で、正式には「通院等乗降介助」と言います。

高齢者や身障者を、車椅子でも乗降できる、リフト機能のついた車両で送迎するタクシーです。

介護タクシーのドライバーは、自動車二種免許や介護職員初任者研修の資格が必要です。

福祉タクシー

通院だけでなく、広く一般的な利用目的で、介護の必要な人を移送するものを、福祉タクシーと呼びます。

全国の多くの市町村では、高齢者や身障者の外出時のタクシー利用を補助するために、市町村が料金の一部を負担する制度を導入しています。

福祉タクシーは、要介護者に認定されていない人でも利用できる、補助金制度のあるタクシー業務です。

介護タクシーの特徴

介護タクシーは、訪問介護の一種で、通院等の外出の際に目的地への移動だけではなく、降車後の移動や受診の手伝いも行うサービスです。

介護タクシーのドライバーは、2種免許や介護資格が必要で、車両も車椅子の乗降に対応するなど、業務を行う上で多くの制約があります。

開業に際しては、運輸局への許可申請や運賃認可が必要で、法令試験にも合格し、許可から6か月以内に営業を開始して「運輸開始届」を提出します。

一般に、介護保険を利用する通院者に送迎を提供するものを介護タクシーと呼んでいますが、保険対象でない人でも利用できます。

介護タクシーと福祉タクシーとの違い

介護タクシーは要介護者の通院等の乗降介助を行うことに対し、福祉タクシーは広く高齢者や障害者にサービスを提供します。

市町村によっては、障害者に「福祉タクシー利用券」を発行したり、一割の割引制度を設けているところがあります。

福祉タクシーの正式な呼び名は「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送営業限定)」といい、「国土交通省の運送事業」の管轄です。

介護タクシーは、要介護者の通院介助が主な目的で、「厚生労働省の介護保険事業」の管轄となります。

両者は、サービスを提供する対象者が異なること、行政の管轄機関が異なることが根本的な違いです。

介護タクシー開業に必要な資格や資金


介護タクシーは、個人・法人が比較的に低資本で、車両1台から始められるビジネスとして人気ですが、資格や免許の取得が必要です。

免許申請の際には、人的・設備的要件をクリアし、資金を確保しなければなりません。

開業するには、まず、これらの開業要件が、実現可能かについて調べておきましょう。

介護タクシーを開業するための人的要件

第二種運転免許の取得

運転免許には、一種免許と二種免許があり、タクシーなどのお客様を乗せるには、「第二種運転免許」の取得が必要です。

二種免許は、教習所に通えば約1ヶ月で、20万円程度の費用で取得できますが、運転技術のある人は通学しなくても、飛び入り試験も受験できます。

介護職員初任者研修の資格取得

ケアドライバーを名乗るには、介護職員初任者研修の資格が必要です。

介護職員初任者研修は、2013年まで「ホームヘルパー2級」と呼ばれていた資格です。

福祉関係の資格には、以前は、介護福祉士、訪問介護員、居宅介護従業者、ケア輸送サービス従業者研修がありました。

しかし、2017年の法改正で、「介護福祉士」と「介護職員初任者研修」の2つになりました。

「介護福祉士」は、福祉系の高校や専門学校で学び、実習と年に1度の国家試験に合格することが必要です。

しかし、「介護職員初任者研修」は、約1ヶ月におよぶ130時間(10項目)の研修で資格が取得できます。

専門学校では、夜間や土日コースもあり、上限40.5時間分までは通信教育で学習できます。

車両を保管する営業所の設備的要件

介護タクシー事業を運営するには、下記の要件を満たす必要があります。

介護タクシーの営業所の設置要件

・営業所となる物件は、自己所有でも賃貸でもよい
・少なくとも3年以上の使用権限が必要
・賃借の場合は契約書に、1年ごとの自動更新についての記載が必要
・営業所に適切な広さの確保
・市役所や消防署などで建築基準法や都市計画法に抵触していないか確認
・開業の際に、都市計画証明や市街化調整区域外の証明書などの添付が必要
・使用する車両をすべて保管できる広さの車庫を併設
・併設できない場合は、同じ営業区域内の約2キロメートル以内に確保

車庫の設置要件

・車庫の設置条件
・車両の長さ・幅+1m以上のスペースの確保
・清掃のための水道施設の設置
・敷地に2メートル以上接する道路の幅は、車両制限令をクリアしていること
・申請の際には「道路幅員証明書」の添付が必要

運行管理者の選任

車両5台以上の営業所は、「運行管理者」の有資格者を1名選任することが必要
安全な介護タクシー業務のための管理業務内容

・運転者の乗務割の作成
・運転者の休憩・睡眠施設の管理
・運転者の安全運転の指示と監督
・運転者の疲労・健康状態の管理

 

開業のための資金計画

開業に必要な資金は、車両取得費用と約2か月分の運転資金です。

概算例ですが、軽自動車の場合は約200万円、普通自動車ならば約300万円の自己資金の準備が必要です。

資金計画では、国からの補助金や銀行借入れなども検討してみましょう。

介護タクシー開業に必要な免許と申請

開業するまでには、各種試験の合否もあり、少なくとも3~4か月以上が必要です。

資金を確保し、人的・設備的要件を整え、運行管理者を決めたら、次に、各種申請手続きの準備をします。

運輸局へ許可申請や運賃の認可申請をし、法令試験に合格して許可証を受領したら、車両を購入します。

許可後6か月以内に営業を開始し、速やかに運輸開始届を出します。

地域によって審査期間は異なりますが、下記のようなシミュレーションを立てて、開業準備を始めるのがおすすめです。

開業までのシミュレーション  
1月中 陸運支局へ申請書を提出
2月中 法令試験を受験
3月中 許可書の交付を受ける
4月中 運賃認可の交付を受ける
5月始め 介護タクシー業務を開始

 

開業に必要な許可申請と法令試験

管轄する運輸局に許可申請書の提出

介護タクシーの業務を行うには、運輸局へ、介護タクシーの許可申請と運賃の認可申請が必要です。

許可申請を提出するときに、車両見積書が必要になるため、車両の選定を行います。

運輸支局は平日に随時受付していますので、月末までに受付されると、翌月の法令試験をスムーズに受験することができます。

運賃料金の設定額の認可を受ける

運賃の認可を受けるために、地域の介護タクシーの運賃相場を調べて、妥当な料金を設定して申請します。

運賃設定には、ケア運賃・介護運賃・民間救急運賃・寝台車運賃の4種類があります。

「介護運賃」は、訪問介護サービスで、要介護者の輸送を行うもので、介護事業者の指定書が必要です。

「民間救急運賃」は、消防局と連携して患者の輸送を行い、民間救急の認定書が必要です。

申請においては、「運行管理者・整備管理者の選任届」や「指導主任者の選任届」が必要です。

申請翌月に法令試験を受験

法令試験を受けて、合格しなければなりません。

試験は40分間30問の、○X形式問題で、合格基準は8割以上の正解です。

ちなみに、運送六法を持ち込むことができます。

許可書の交付・車両の購入・運輸開始届け

管轄する運輸局より許可証の受け取り

法令試験に合格し、提出書類に不備が無ければ、申請日から約2〜3ヶ月程度で、管轄の運輸支局から許可証・認可書が交付されます。

管轄の運輸支局で許可証を受領する際には、運輸局の運行説明があります。

また、交付時に、3万円の「登録免許税納付書」を渡されますので、最寄りの金融機関から遅滞なく納税します。

福祉自動車の購入

各運輸局の申請に際して、自己資金が十分あることを示す、預金口座の残高証明書の提出が必要です。

そのため、福祉自動車は、許可書交付後に購入するのがおすすめです。

車両は、新車・中古車を、一括購入・分割購入・リース契約で準備します。

ちなみに、福祉自動車とは、車いすやストレッチャーのためのリフトやスロープなどの設備を備えた自動車のことです。

自動車の購入時には、営業ナンバーの取得や、タクシーメーターの取り付けも必要です。

車両が納車されたら、車両の検査・登録を行い、必要に応じて、事業用車両の緑ナンバーへの変更も必要です。

車両の名義上の所有者は、個人ではなく事業者でなければならず、任意保険・賠償責任保険の加入も事業者名義で行いましょう。

運輸開始届の提出

サービスを開始し、最後の手続きになる「運輸開始届」を、許可日の6か月以内に提出します。

提出書類には、写真や証明書の写しなどの添付書類が必要となります。

・登録番号が確認できる、自動車の前後左右の日付入り写真

・営業所、車庫、休憩睡眠施設の写真

・自動車任意保険の加入証と自動車検査証の写し

・従業員10名以上は、就業規則・労働保険関係成立届・年金保険届けの写し

法人の場合は、社会保険に加入し、ドライバーや運行管理者の保険加入手続きを行います。

介護タクシー開業後の集客と運営

介護タクシーの集客

介護タクシーは、独立・開業をしても集客に困らず、売り上げを確実に確保できるのが大きな魅力です。

通常の新規ビジネスでは、チラシをポスト投函したり、地域紙に広告を出したり、営業回りをして集客することが必要です。

しかし、介護タクシーは、病院や公共施設と連携し、仕事を受けることができるほか、行政からのサポートも受けることができます。

介護タクシー事業成功者

介護タクシーで成功している約9割の事業者が、他業種からの転職者で、福祉やタクシー業務を初めて経験する人が多いのが特徴です。

介護の基礎知識を学び、車椅子で人を運ぶ技術や介護車両の使い方を習得して、比較的短期間で開業しています。

必要なステップを踏んで申請許可を受ければ、年齢や性別に関係なく長く続けられる仕事です。

介護給付金の需給

保険負担されている売上金の回収は、要介護者へのサービスの提供として、介護給付費を「国保連(公的機関)」へ請求をするかたちで行います。

確かなサービスを提供すれば、利用者が固定客も増え、広告費などの経費もかかりません。

事業展開できる

法人化してスタッフを増やし、事業を拡大して、将来的には人材管理や経営に専念することも可能です。

集客に困ることなく、安定した売り上げが確保できる、将来的にビジネスを大きくして行けることが、介護タクシーで開業する大きな魅力となっています。

まとめ

介護タクシーは、要介護者に通院や移動の手段を提供するタクシーで、公的な介護サポート事業として国の支援を受けることができます。

介護タクシーを開業するのには、第二種運転免許や介護職員初任者研修の資格が必要で、5台以上の車両で営業する場合は、運行管理者の選任が必要となります。

車庫を備えた営業所や、車いすやストレッチャーのためのリフトやスロープ設備の付いた車両も必要です。

運輸局への申請や運賃の認可、法令試験の合格や運輸開始届が必要で、多くの書類作成や審査があるため、開業までには少なくとも3、4カ月の準備期間がかかります。

開業すれば、病院や行政と連携して要介護者の送迎サービスが行えるため、一般の事業の開業よりも、集客や売上代金の回収が速やかに行え、比較的安定した運営が可能です。

介護タクシーは、現在、事業者数が足りていないため、近年、新規事業の開業として最も注目されている分野の一つです。

画像出典元:O-DAN

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