合同会社の解散手続きについて具体的な作業も説明しながら徹底解説!

合同会社の解散手続きについて具体的な作業も説明しながら徹底解説!

記事更新日: 2019/07/23

執筆: 小石原誠

株式会社と比べて簡略的に会社を設立・運営できる利点がある合同会社ですが、会社運営に関わる各種手続きについて詳しく解説してくれている情報媒体が多くないのが弱点です。

そこで今回は、特にわかりづらい「合同会社の解散手続き」について、最も一般的な「総社員の同意による解散」について具体的な作業内容も説明しながら解説していきます。

合同会社の解散には2つの種類がある

「任意解散」と「強制解散」

まずはじめに、合同会社の解散には大まかに分けて「任意解散」と「強制解散」の2つがあります。

任意解散

・定款で定めた存続期間の満了
・定款で定めた解散事由の発生
・総社員の同意
・合併

 

強制解散

・破産手続開始の決定
・解散を命ずる裁判
・休眠会社のみなし解散

これらのうち、どのような事由で合同会社を解散するのかによって、手続きの内容にも違いが出てきます。

今回は、合同会社の解散事由として最も一般的な「総社員の同意による解散」について解説していきます。

合同会社の解散手続きの流れ

合同会社解散の同意を得る

まず最初に、合同会社を解散することについて、総社員の同意を得る必要があります。

具体的な作業内容でいうと、「総社員の同意書」という書類を作成します。

総社員の同意書とは、株式会社でいう株主総会の決議書のようなものです。

合同会社には株主という概念がない代わりに、社員全員が出資者として扱われます。

ですから、会社の行方を左右するようなことを決める際には、社員全員がその旨に応じていることを形にしなければなりません。

総社員の同意書はそういった意味を持つ重要な書類であり、社員が自分一人である場合にも作成する必要があります。

総社員の同意書について法的に定められたフォーマットは特にありませんが、

  • 合同会社を解散する旨及び解散日(総社員の同意を得た日)
  • 書類作成日(通常は解散日と同日)
  • 会社名
  • 全社員の記名及び押印

といった事項を記載しましょう。

ポイントは、解散日を明記することです。

ここで解散日を明記しておかないと、この後の「清算結了の登記申請」の申請ができないために、法務局で提出する際に受け付けてもらえません。

清算人を選任する

次に、解散する合同会社の残務整理を行う「清算人」を選任します。

通常は、代表社員だった人物がそのまま清算人として選任されるのが一般的です。社員が自分一人である場合は、もちろん自分が清算人となります。

清算人が選任されたら、

  • 清算人選任決定書
  • 就任承諾書

を作成します。

清算人選任決定書は、総社員の同意書と同様に

  • 清算人を選任する旨
  • 清算人の住所と氏名
  • 書類作成日
  • 会社名
  • 全社員の記名及び押印

といった事項を記載してください。

就任承諾書は、

  • 清算人への就任を承諾する旨及び日付
  • 書類作成日
  • 清算人の住所と氏名及び押印

を記載します。

解散の登記及び清算人選任の登記を行う

総社員の同意書の作成及び清算人の選任が済んだら、次に「解散の登記」と「清算人選任の登記」の手続きを法務局で行います。具体的には、下記の必要書類を提出します。

・合同会社解散及び清算人選任登記申請書
・登記すべき事項
・印紙貼り付け台紙
・総社員の同意書
・清算人選任決定書
・就任承諾書
・印鑑届出書
・印鑑証明書

解散の登記及び清算人選任の登記手続きは、解散日から2週間以内に行う必要があります。

清算人の印鑑届出書及び印鑑証明書も必要となることも忘れてはいけません。

債権者保護手続きを行う

債権者保護手続きとは、具体的には

  • 官報への解散広告の掲載
  • 債権者に対する催告

の2つの作業をいいます。

官報への掲載とは、合同会社が解散したことを世に知らしめるものであり、債権者の有無にかかわらず行うものです。

債権者に対する催告とは、債権者に対して合同会社が解散することを通知する作業であり、債権者がいる場合のみ行います。

この手続きを行うことの目的は、合同会社に対して債権を有する者の有無や債権の内容を確認することです。

手続きを開始してから2か月の期間が過ぎるとこれらが確定され、合同会社に残された財産から弁済が行われることになります。

清算事務を行う

解散の登記及び清算人選任の登記手続き終了後、清算人はすぐに会社に残された財産の状況を調査し、清算開始時における

  • 財産目録
  • 貸借対照表

を作成、各社員に通知します。

もし合同会社が持っている債権があれば取り立てを行なったり、残ってしまった在庫の売却などの処分を行います。

そして、会社に残った財産から債権者に対して弁済を行い、それでも余った資産がある場合には社員へ配分します。

清算計算について社員の承認を得る

すべての清算事務が終了したら、「清算計算書」を作成して総社員の承認を得ます。

清算計算書の様式については決まっていませんが、記載事項としては

  • 借入金
  • 買掛金
  • 売掛金
  • 残余財産
  • 残余財産の処分方法(分配方法)

などの事項のほか、書類作成日及び清算人の記名押印が必要です。

清算結了の登記を行う

清算計算について社員の承認を得られたら、2週間以内に法務局にて清算結了の登記を行います。

この際、清算計算書の提出も必要となる点に注意が必要です。

この手続きが完了することにより、合同会社が法的に抹消されます。

合同会社の解散にかかる費用と期間

ここまで、合同会社の解散手続きの流れについて解説してきましたが、ここで合同会社の解散にかかる費用と時間についてまとめておきましょう。まず、合同会社の解散にかかる費用はこちらのとおりです。

・解散登記の登録免許税:30,000円
・清算人選任登記の登録免許税:9,000円
・解散の官報広告費用:およそ30,000円から40,000円
・清算結了登記の登録免許税:2,000円

合同会社の解散には、最低でも2か月半の期間がかかります。

これは、債権者保護手続きに2か月の期間が必要となるためです。

なお、すべての手続きを専門家などに頼らず自分で行う場合には、各種書類の準備などに時間がかかるために、これ以上の時間がかかることもあります。

まとめ

今回は、合同会社の解散について、最も一般的な「総社員の同意による解散」の手続きの流れと費用及び時間についてまとめて解説してきました。

改めてまとめると、合同会社の解散は「社員の同意」⇒「解散登記」⇒「清算」⇒「清算登記」といった具合に手続きを踏んでいきます。

この一連の流れにかかる費用はおよそ7~8万円ほど。

最低でも2か月半、多いと3か月以上もの期間がかかります。

もし手続きに不安がある場合には、司法書士などの専門家に依頼するのも手ですから、検討してみてください。

画像出典元:Pexels 、O-DAN

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