音声メディアとは、音声のみの情報を発信するメディアです。
現在多くの企業・個人が音声メディアに注目していますが、これから参入するメリットはあるのでしょうか?
音声メディアの概要やメリット、さらには特に注目したいおすすめアプリを7つ比較して紹介します。
音声メディア市場に注目している人は、この記事から参入のヒントを見つけてくださいね。
このページの目次
インターネットが広く社会に普及している昨今、マーケティングの主戦場もデジタルに移行しています。
拡大傾向にある音声メディアに注目する企業も増えていますが、そもそも音声メディアとはどのようなものなのでしょうか?
概要を紹介します。
音声メディアとは、音声のみで情報を発信するメディアや、音声コンテンツのプラットフォームを指します。
ひと昔前まで、音声のみのメディアというと「ラジオ」が唯一のものでした。
しかし近年はインターネットの普及により、音声メディアのジャンルも広がっているのです。
音声メディアは「ライブ配信」「オンデマンド配信」に大別できるほか、「個人配信」「企業配信」でも分類できます。
主な種類は、以下のとおりです。
音声コンテンツは、音声メディアで流す情報を指すのが一般的です。
例えば、ニュース・ライブ・落語・瞑想のガイドや読経なども、「音声コンテンツ」に含まれます。
音声コンテンツは、配信者のアイデア次第で無限の可能性があるのが特徴です。
音声で配信できるものは、全て音声コンテンツといってよいでしょう。
動画配信も有力なPR手段として多く使われてきました。
しかし近年より「市場への影響力が強い」として注目度が高まっているのは、音声メディアです。
動画配信と音声メディアの違いを見ていきましょう。
音声メディアを利用したマーケティングは、確度の低い顧客の注意を惹きつけるのに有益といわれます。
音声メディアを耳にした顧客は、視覚的なアピールがない分、頭の中でイメージを膨らませます。
これが「もっと知りたい」という欲求につながるのです。
インターネットが普及した現代社会では、人々は自分で欲しい情報にアクセスするようになりました。
映像付きで「これでもか」と情報を押し付けるアプローチは、むしろ逆効果になることもあります。
商品・サービスを全く知らない層には、想像力を働かせる余地のあるアプローチのほうが、興味を持ってもらいやすいのです。
音声メディアは、ユーザー層が若年傾向にあるのが特徴です。
若い世代に向けてピンポイントにアプローチをしたい場合は、動画配信よりも有益な手段となるでしょう。
その傾向は、「株式会社ビデオリサーチ」と「スポティファイジャパンが」2021年に行った「Z世代と音声メディア」についての調査にも表れています。
調査の結果、Z世代(※)の約6割が音楽配信サービスを利用しており、半数以上の人が「テキストチャットやメールより通話のほうが楽」と考えていることが分かりました。
特に女性は「人の話し声で寂しさを紛らわせる」「音声を流しながら通話する」などと答える人が多く、Z世代と音声との親和性が高いことが浮き彫りとなっています。
※Z世代=1990年代中盤〜2010年頃までに誕生した世代
参考:Z 世代に拡がる「音声メディア」、音楽配信は 6 割が利用~耳をマルチタスクに使い分け、テキストより通話、女性は“人の声”で寂しさ解消~
音声メディアは動画配信と比較して、制作のコストパフォーマンスが良好です。
制作に必要な工数が少ない上、編集アプリとマイクがあれば不足はありません。
プロ・アマの違いははっきり出にくく、やろうと思えば全ての工程を内製化できるでしょう。
制作コストが低ければ、リターンが少なくても収益を上げやすいので、制作コストを多く割けない場合は、音声メディアが有利です。
ここからは、音声メディアの種類と、そこで提供されるコンテンツについて紹介します。
一口に音声メディアといっても、強みや傾向は異なります。
音声コンテンツの制作・配信を考えているなら、メディアとの相性を考えるのがベターです。
Podcast(ポッドキャスト)は、動画・音声コンテンツを自由に聞いたり配信したりできるプラットフォームです。
コンテンツの種類は豊富で、ニュース番組から企業のPR番組まで、さまざまなバリエーションがあります。
ポッドキャストは、元々はApple社の製品にデフォルトでインストールされていたものですが、現在はAndroid版も登場し、さらに自由度は高まっています。
聞きたい番組はダウンロードして保存できるため、「家のWi-Fiでダウンロードして、屋外で試聴」ということも可能です。
オーディオブックは、本の朗読を楽しめる音声メディアです。
使うのは耳だけなので、家事や移動の合間でも、好きな本を聞けます。
「字面を追わなくてよい」「ページをめくる必要がないのがいい」として、本以上のメリットを感じる人が多いようです。
コンテンツはさまざまあるため、本のラインアップ・料金形態の選択肢が多いのも魅力といえます。
音声配信サービスは、個人・または企業が作成した音声を作成・配信できるサービスです。
別アプリでの編集が必要なポッドキャストと異なり、アプリ内で録音から配信まで行えるのが特徴です。
音楽配信サービスの人気は高まっており、優良なコンテンツを提供して大きく稼ぐ人も増えています。
ユーザー層・傾向はさまざまなので、いくつか使って相性を試すのがおすすめです。
ラジオ電波を使わず、インターネット回線で聞けるラジオコンテンツです。
通常のラジオ番組とは異なり、インターネットラジオでは「放送免許」がいりません。
自由度の高い番組が多く、聴取者の選択肢が豊富です。
インターネットラジオの種類は、主に以下の3つです。
このうちサイマル放送とは、ラジオ電波を使った放送とインターネット放送を同時に行うことです。
現在、民間ラジオ局の多くがサイマル放送を行っており、ユーザーはインターネットで安定した放送を楽しめます。
音声でやり取りするSNSです。
テキストだけのやり取りよりも感情を伝えやすく、言葉の受け止め方による誤解・トラブルが少ないといわれます。
またテキストよりも反応が早く、深いやり取りができるのも魅力です。
チャットルームへの招待制でプライベート感もあり、気の合う仲間同士が気軽にやり取りできる点が評価されています。
種類 | 個人・企業 | 月額 | 作成難易度 | ジャンル | |
Apple Podcast | ポッドキャスト | 個人・企業 | 無料 (一部有料) |
◎ | ニュース・趣味・歴史・語学学習・ビジネス・自己啓発など |
Spotify | ポッドキャスト | 個人・企業 | 無料または月額制 (980円/月~) |
◎ | 音楽系 |
audiobook.jp | オーディオブック | - (読書のみ) |
1冊買取または月額制 (550円/月~) |
- | 読書系 |
Radiotalk | 音声配信サービス | 個人向け | 無料 | ◎ | 雑談系 |
Voicy | 音声配信サービス | 個人・企業向け | 無料 | △ (審査あり) |
ビジネス・エンタメ・ハウツー・トークなど |
らじる★らじる | インターネットラジオ | - 聴取のみ |
無料 | - | NHKラジオ |
Wacha | 音声SNS | 個人・企業 | 無料 | ◎ | 雑談系 |
音声コンテンツのニーズの高まりとともに、音声メディア市場は拡大を続けています。
今後音声メディアはどのように進化していくのでしょうか?
音声メディアの将来性について考えてみましょう。
「自宅にこもる時間が増えたこと」「スマートスピーカーやその他のガジェットが著しい進化を遂げたこと」などから、音声メディアを活用する人は増えています。
世界的に音声メディアへの注目度は高まっており、今後もユーザーは増えていくと考えられています。
例えば、若者に人気の「Spotify」のユーザー登録数は2021年9月時点で約960万人に上り、前年の1.5倍も増えています。
不安定な社会情勢の中でも、音声メディアは大きくユーザー数を伸ばしていることが分かります。
株式会社Voicyが2021年8月に行った調査によると、Z世代の若者の72.5%が「音声コンテンツをよく聞いている、聞く機会が増えた」と答えたことが分かりました。
新しいもの・便利なものを積極的に取り入れる若い世代が、「耳からの情報収集」に大きな魅力・メリットを感じている状態です。
音声メディアを支えるコアユーザーは10〜20代と若い世代がメインです。
彼らを対象とした新しいコンテンツもさまざま生まれており、音声メディア市場は今後も順調に拡大していくと見られます。
株式会社デジタルインファクトが2020年に行った音楽メディアの市場調査によると、2020年には16億円規模だった市場は、2025年には420億円規模にまで拡大する見込みです。
音声メディアを使ったマーケティングの重要性は、さらに増していくでしょう。
音声メディアの制作は、スマホのみでも行えます。
しかし、よりクオリティの高いものを作りたい場合、マイクを使うのがベターです。
音質が各段によくなって、ユーザーの離脱を防ぎやすくなるでしょう。
ここからは、音声メディアを発信するときにおすすめのマイクを紹介します。
出典:Sennheiser 公式HP
ドイツの音響メーカー「Sennheiser (ゼンハイザー)」のマイクです。
ヘッドホンやイヤホン・マイクの質が高いことでも知られています。
こちらはステージ上でも高いポテンシャルを発揮するマイクです。
素材にはメタルが採用されており、耐久性の高さに定評があります。
使う場所の広さに影響を受けにくく、クリアで聞きやすい音を発信できるでしょう。
ただし、口コミの中には「吹きに弱い」という意見もありました。
屋外で使用する場合は、ウインドスクリーンを用意したほうがよいかもしれません。
出典:SHURE公式HP
SHURE(シュア)は、アメリカ合衆国のオーディオメーカーです。
マイク制作には100年近い歴史があり、グラミー賞やオリンピック等でもSHUREのマイクが使われてきました。
MV88は、スピーチ・歌声・フラット・アコースティック・ラウドのモードがデフォルトで付いており、配信内容を問わず使いやすいマイクです。
「ShurePlus MOTIVモバイルアプリ」または、デスクトップアプリを使えばカスタマイズも容易で、マイク調整に時間をかける必要がありません。
モノラル・ステレオ・双指向性など、状況に合った収音パターンを選択できます。
気になる点としては、音声配信アプリによっては相性が悪いことです。
アプリによっては「録音できない」という口コミが見られたので、使用する配信アプリに対応しているかどうか、事前の確認が必須です。
出典:SONY公式HP
音響機器のクオリティの高さに定評のある、SONYの単一方向性マイクです。
価格は定価5,000円未満とコスパがよいため、気軽に購入しやすいでしょう。
マイクはエレクトレットコンデンサー方式で感度が高く、高音質な音を実感できます。
USBによるデジタル伝送でノイズが入りにくく、拾った音がクリアに聞こえるのが魅力です。
中には「拾う音が小さい」という口コミもありました。
使用の際は、録音機側でマイク入力の音量を上げたほうがよいかもしれません。
出典:サンワダイレクト公式HP
PCを介さずに、ダイレクトに音声を出力できるマイクです。
最大24bit/96kHzの高音質で、臨場感やそのときの空気感を余すところなく伝えられます。
またマイクの指向性は「単一方向性」「無指向性」「双方向性」「ステレオモード」があり、そのときに最適な指向性を選択可能です。
エコーキャンセリング機能付きでクリアな音声を実現でき、クオリティの高い配信を実現できます。
基本的に高評価ですが、USB端子の脆弱性が気になるという意見もありました。
出典:Blue Microphones公式HP
「Blue Microphones」は、世界的なデジタルデバイスメーカー「ロジクール」が所有するオーディオ制作会社。
主に高性能なマイクや音楽ツールのラインアップが充実していることで知られています。
こちらのマイクは、Blue Microphones独自のトリプルカプセルテクノロジーを搭載。
状況に合わせて、「単一方向性」「無指向性」「双方向性」「ステレオ」が選べます。
またマイクのスタンドは角度調節しやすいピボット式です。
横方向からの音を拾うサイドアドレスマイクロフォンなので、マイクを立てたまま音声録音できます。
必要な調節機能は全て本体に付属しており、その時々でマイクを最適化することが可能です。
スタンドに設置して使うと1kgあり、携行性は高くありません。
置き型以外の用途を想定している場合は要注意です。
音声メディアは、主に若い年代からの需要が高い市場です。
すでに企業や個人が続々と参入しており、今後ますます拡大していくことは間違いないでしょう。
音声メディアの種類は多く、それぞれにユーザーの傾向やニーズは異なります。
これから参入を考えているのなら、「どのようなコンテンツでアピールできるか」「相性のよいメディアはどれか」をしっかりと精査・検討することをおすすめします。
画像出典元:Unsplash、Pixabay、Pexels
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