TOP > 組織 > マーケティング > 市場調査の方法や進め方は?活用できるツールも紹介
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ニーズが多様化する市場のなかで、企業が継続的に利益を生み出すには、顧客や市場の動向を把握しておくことが欠かせません。
その手段として活用されているのが「市場調査」です。
しかし、いざ市場調査を始めようと思っても「どうやって進めればいいの?」「市場調査にはどんな方法があるの?」など、疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、市場調査の方法や進め方、押さえるべきポイントや注意点、活用できるツール、企業事例などをわかりやすく解説します。
このページの目次
市場調査とは、市場の動向やトレンドを把握するために、企業が行う調査のことです。
このときの「市場」には、顧客やメインターゲットだけでなく、競合他社や業界全体も含まれています。
一般的に市場調査は、数的に把握できるものが多いため、商品開発やプロモーション施策、価格決定などに活用されます。
また、市場調査は「マーケティングリサーチ」とも呼ばれることがあります。
ただしマーケティングリサーチは、市場の現状を把握するのみならず、将来的な市場の動向についても予測・分析します。
それゆえ、マーケティングリサーチのほうがより広義的といえます。
市場調査を行うのは、以下のような目的や課題が明確になったときです。
このように「何のために行うのか」「何を知りたいのか」などが整理されてはじめて、的確な方法で市場調査を始められます。
市場調査は、自社で行うか、あるいは外部の専門企業に委託するかによって実施できます。
すでにノウハウが蓄積されており、人材も揃っているなら自社での対応が可能です。
一方でプロの力を借りたい場合や、マンパワー不足の場合は外部に依頼しましょう。
また一部の作業だけを専門企業に頼むことも可能です。
労力やコストなどを考慮して、自社に適した方法を選びましょう。
市場調査が活用される場面は、複数考えられます。例えば、以下のとおりです。
一般的に何か新しいアクションを起こす前や起こした後に、市場調査が活用されることが多いです。
市場調査にかかる費用と時間に関して、あくまで一例として紹介します。
調査の種類 | 条件 | 時間 | 金額 |
Web調査 | 500サンプル | 最短2日 | 5~20万円程度 |
郵送調査 | 100~500サンプル | 約6週間 | 50~80万円程度 |
街頭調査 | 100サンプル | 約3週間 | 50万円程度 |
電話調査 | 100~150サンプル | 約3週間 | 45~50万円程度 |
インタビュー調査 | 3~5名 | 約4週間 | 40~50万円程度 |
専門企業や条件設定などによって大きく異なる場合がありますので、必ずご自身でご確認ください。
市場調査には様々な種類があります。ここでは代表的なものをご紹介します。
アンケート調査は、質問内容を調査対象者に配布し、答えてもらう方法です。主に、Webや郵送、FAXなどが用いられます。
市場調査の中でも一般的な方法として活用され、低コストで実施できるため、大規模な市場調査に向いています。
街頭調査は、あらかじめ選んだエリアで、顧客に直接アンケートやインタビューをする方法です。不特定多数にアプローチできるため、より生の声が聞けます。
対面調査は、調査対象者に直接インタービューする方法です。調査対象者の回答内容によって、臨機応変に質問を変更できます。
対面調査には、1対1でじっくり話を聞くデプスインタビューや、複数人に対して行うグループインタビューがあります。
覆面調査は、一般客になりすました調査員が、商品やサービスを実際に体験して、接客態度や品質などを調査する方法です。
ミステリーショッパーやミステリーショッピングとも呼ばれます。
いつどこで誰が調査を行ったのかわからないため、利用者目線でリアルな状況を確認できます。
ホームユーステストは、調査対象者に商品を自宅などで使ってもらい、使用感を答えてもらう方法です。
商品に調査票を同封して返送してもらうか、調査員が直接訪問してインタビューするパターンがあります。
電話調査は、電話を通じて調査対象者から情報を得る方法です。
企業のみならず、自治体や政府が世論の動向を探る場合に利用されます。
ショップアロング調査は、調査対象者が買い物をする様子を観察する方法です。
これにより、購買行動やプロセス、心理、意識などの実態を把握できます。
ここからは市場調査の進め方を紹介します。
市場調査を行うのに、最も重要なパートが「計画」です。
というのも、事前に綿密な計画を立てていなければ、時間的制約があるなかで、効率的に成果を生み出すことができないからです。
目的を明確にすることはもちろんのこと、調査期間や方法、予算、調査対象者、アンケート内容など、具体的な調査設計も求められます。
市場調査には種類が多くあるため、自社の目的に沿った調査方法を選ぶことを意識しましょう。
また計画の段階で、複数の仮説を用意しておくことも重要です。
自社の推測に基づいて調査を行うことで、調査結果と照らし合わせて分析できます。
市場調査の計画を立てたら、実際に調査を実行します。
ここで注意したいのが、調査対象者をいま一度確認することです。
一般的な市場調査では、平均的なユーザーを対象とします。
自社の商品やサービスが市場で受け入れられているかを確認するためです。
ニッチなニーズや斬新なアイディアを得るために市場調査を行いたい場合、平均的ではないユーザーを調査対象者にする必要があります。
市場調査を行う目的と、調査対象者や調査方法がマッチしているかを実行する前に確認しておきましょう。
調査が終了したら、データの集計・分析を行い、評価の段階に移ります。
事前に立てた仮説と差異が生じているのか、特筆すべき結果が出ていないかなど、内容を整理していきます。
全体の傾向を捉える大きな視点とともに、個々の現象まで細かく確認する小さな視点の両方を駆使して分析していきましょう。
調査結果を分析し終えたら、改善の段階に移ります。
調査結果の分析から、マーケティング戦略や施策、商品やサービスの改善・改良へとつなげます。
また仮説の検証結果次第では、事業の方向性を修正することも必要です。
次に、質問事項を作る際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
質問事項には、調査対象者の基本情報や属性を把握できる質問を入れるようにしましょう。
というのも、それらがわからなければ、調査結果を細かく分析できないからです。
調査テーマにもよりますが、切り口の例としては次のものがあげられますす。
事前に立てた仮説を検証するために必要な軸や、比較できる質問項目を設けることが欠かせません。
アンケート調査を実施するのであれば、設問数を多くしないことも重要です。
設問数が多いと、回答者にとって心理的負担が大きく、回答するモチベーションが下がってしまいます。
一般的には20〜25問程度の設問数か、10分以内に回答できるボリュームに調整しましょう。
アンケート調査を行うなら、回答形式まで気を配ることが必要です。
形式によっては、回答者への負担が大きくなり、離脱や質の悪い回答が生じてしまいます。
回答形式の具体例は、次のとおりです。
選択肢を作る際に、回答者が「選ぶべき選択肢がない」あるいは「回答できる選択肢が多い」などの状況が発生しないように注意しましょう。
設問の順番に関しても、工夫を凝らしましょう。
設問の順序によっては、回答にバイアスや偏りが生じてしまうことがあるからです。
このような状況を防ぐために、次のような設問の流れを意識すると良いでしょう。
より具体的な設問に落とし込むと、次のようになります。
Q1‐1:日常的に食べている炭水化物を教えてください(麺類と回答された場合)
Q1‐2:麺類の中で~~(ラーメンと回答された場合)
Q1‐3:ラーメンの中で~~
これはあくまで一例ですので、質問の意図によっては、順序を入れ替えることも必要です。
ここからは質問事項を考える際の注意点を紹介します。
質問事項を考える際に、回答者が答えにくい質問は入れないように注意しましょう。
とくにプライバシーや個人情報に関わる質問は、回答したくない人も多いはずです。
たとえば、自宅住所や出身大学、年収、宗教や信仰、病歴・疾患などがあげられます。
回答者が回答しやすいように工夫することも重要です。
最低限のこととして、次のことを意識してみましょう。
質問事項がひと通り完成したら、第三者にわかりやすいか確認してもらうのも、ひとつの有効な手段でしょう。
続いて、市場調査を行う際に活躍するツールを5つ紹介します。
Googleサーベイは、世界50か国を対象に市場調査を可能にする有料のオンラインサービスです。
Googleフォームのように外部リンクにアクセスすることなく、気軽に回答を集められるメリットがあります。
性別や年齢、地域などによるセグメントが可能で、設問1個につき11.20円、2〜10個で112.00円となっています。
Googleフォームは、Googleドライブの容量内であれば、種類や数に関わらず、いくらでもアンケートを作成できる無料のツールです。
回答は自動で集計されるため、集計の手間が省けます。
作成したフォームは、Webサイトに埋め込むことやメールで送信することができます。
SurveyMonkeyは、1日に2,000万件以上の質問が回答されるWebアンケートシステムで、50以上の言語に対応しています。
無料プランでは1アンケートあたり質問数が10個まで、回答数が100個までの制限があります。
有料プランでは制限が緩和され、デザインやURLのカスタマイズなども可能です。
有料プランには、月額4,600円、月額11,050円、要問い合わせの3種類があります。
Questantは、年間20,000件を超える調査実績がある無料のアンケートツールです。
アンケートは、パソコン・タブレット・スマートフォンの各デバイスに最適の形で表示されます。
アンケート作成後は、URLやQRコードは自動発行です。
オプション機能として、提携サイトや調査モニタなどにアンケートを投げかけて回答者を集めることも可能です。
有料プランには、年額50,000円、150,000円、300,000円の3種類があります。
e-Stat 政府統計の総合窓口は、各省庁が公表した統計データがまとめられているポータルサイトです。
業界や経済動向、消費者状況を把握できるため、市場調査の計画を立てる際などに役立ちます。
政府機関による調査結果であるため、信憑性や信頼性が高いことも特長です。
最後に、市場調査を実施した企業事例をご紹介します。
株式会社セブン&アイホールディングスは、高級生食パンの「セブンゴールド 金の食パン」を開発したものの、当時は既存メーカーから揶揄・軽視されたそうです。
そこで約200名を対象に、既存商品と「金の食パン」を食べ比べてもらったところ、約7割が「金の食パンのほうが美味しい」と回答したといいます。
その後、神奈川のセブンイレブンで試験販売を開始し、最終的に大ヒットへと繋がりました。
アサヒビール株式会社は、2010年にノンアルコールビール市場に参入しましたが、当時はシェア率2〜3%と苦戦を強いられていました。
そこで「ドライゼロ」を新発売するにあたって、徹底した市場調査を行いました。
のべ5000人以上を対象にWeb調査とグループインタビューを実施し、ニーズや味を絞り込んで開発をスタートさせたそうです。
その結果として、「ドライゼロ」はシェア率を24%まで伸ばすことに成功しました。
株式会社メルカリは、自社サービスの満足度調査を行うために、外部サービスを活用しています。
自社の顧客に対してのみ調査を行うと、公平な評価にならない可能性があるからです。
第三者によるインターネット調査で「利用率No.1」という結果が出たため、今では客観的指標としてCMなどで活用しています。
市場の動向やトレンドを把握するために行う市場調査には、多くの手法があります。
まずは市場調査を行う目的を明確にし、自社に適した方法を選ぶことが何より重要です。
本記事で紹介したポイントや注意点、ツールなどを参考にしながら、自社に最適な市場調査を検討しましょう。
画像出典元:o-dan
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