法人の印鑑証明書の取り方3通りを解説!手数料・取得時の注意点も紹介

法人の印鑑証明書の取り方3通りを解説!手数料・取得時の注意点も紹介

記事更新日: 2023/09/04

執筆: 編集部

新しく会社を設立した方は、商業登記が終わったあとさっそく会社名義の銀行口座の開設が必要になります。その時に必要なのが、法人の印鑑証明書です。 

この法人の印鑑証明書は、個人の実印の印鑑証明書と同じようなものです。捺印された印鑑が間違いなくその法人の代表者の印鑑ですという証明をしています。

法人登記をする際に、法人の印鑑届を行ったはず。そこで届出た印鑑の証明書が「法人の印鑑証明書」です。

今回は、この法人の印鑑証明書の取り方3つ、手数料や取得時の注意点を具体的に説明していきます!

法人の印鑑証明書の取り方3通り

法人の印鑑証明書は法務局で発行されます。最近は合同庁舎として、様々な役所が近くに集まっているところが多いです。

法務局も近くにあることが多くなってきましたが、場所によっては、法務局だけ街中から少し離れた場所にあるということもあります。

法人の印鑑証明書を取る方法は3通りあります。

  • 法務局の窓口で申請する
  • 郵送で請求する
  • オンラインで請求する

 それぞれの請求方法と注意点を順番に説明していきましょう。

1. 法務局の窓口で申請する場合

法務局の窓口で取得するのが、一番手っ取り早い方法です。急いでいる方におすすめです。

申請に必要なもの

  • 交付申請書(法務局に備え付けてあります)
  • 印鑑カード
  • 申請手数料(1通につき¥450)

現在は最寄りの法務局で申請することができます。

例えば、出張先の法務局でもご自身の法人の印鑑証明書を申請することができるようになりました。

印鑑カードは必ず必要なので、忘れないように注意してください。

印鑑カードは、設立登記時に代表者の印鑑を登録した際に発行手続きを行って取得しているカードです。個人で持っている市町村発行の印鑑証明書カードと似ているものです。

実際の代表者印を持っていっても、印鑑カードがなければ、印鑑証明書を発行してもらう事はできません。


発行手数料は、収入印紙を貼付します。割り印は不要なので、貼るだけで良いです。

代理人が代わりに取りに行く場合には、申請書内に代理人の住所・氏名を記入します(印鑑は不要です)。

2. 郵送で申請する場合

郵送や宅配などの送付手段を利用して申請することができます。

申請に必要なもの

  • 交付申請書
  • 印鑑カード
  • 申請手数料(収入印紙)
  • 返送用の封筒(返信先記入済み)
  • 返送用切手


交付申請書は法務局ホームページからダウンロードして印刷し、記入します。


印鑑証明書申請書PDF

印鑑証明書申請書記載例PDF


送付の際には、印鑑カードを忘れないように入れてください。

印鑑カードを同封することになるので、送付方法は郵送物を追跡できる方法を取ったほうが無難です。

返送に関しても印鑑カードが戻ってくるので、追跡可能な方法を取るようにしておいた方が良いです。上記で「返信用封筒と切手」と記載していますが、書類だけの返送ではないので普通郵便は避けた方が無難です。

最低でも特定記録郵便(¥82+特定記録料¥160)を利用するのがよいでしょう。

日本郵便 オプションサービスの加算料金一覧

郵便局に出掛けて、「書留・特定記録郵便物等差出票」を持って受付窓口にいきましょう。

もしそれが面倒であれば、少し費用がかかりますが、レターパックライトを利用するとポスト投函できます。レターパックライトはA4サイズで¥360です。

重量と厚さの制限にはほとんど問題がないことから、発送が郵便ポストでよいため時間節約になります。信書*にも使用することができるので便利です。

*信書とは「特定の人が特定の人に意思などを通ずる文書」のことです。法人の書類としては、請求書、領収書、契約書、役所への申請書などが該当します。

追跡が可能で相手方の受領印は不要(法務局のポストに投函されます)です。投函時にバーコードをはがすのを忘れないようにしてください。追跡用の番号が記載されています。

郵便局で直接購入できますし、、Webからの申し込みでも販売されています。コンビニ(ローソンやミニストップ)は、取り扱いのない店舗があるので注意してください。

※ 豆知識その1

郵便を利用する場合、枚数が多くて返信の切手の金額が不安の場合には、封筒の左下に「超過の場合は受取人払いで」と記載しておくと、郵便物が差出人(法務局)に戻らず、配達された時に不足分の用紙が貼付されて届きます。

強調したいのは、書類の往復を追跡出来る方法にするという点です。

 

3. オンライン申請をする場合

登記・供託オンライン申請システムから申請できます。

この登記・供託オンラインシステムでは、Webブラウザを利用する「かんたん証明書請求」と、利用の際に専用アプリケーションのインストールを必要とする「申請用総合ソフト」の2つの申請・請求方法が提供されていますが、法人の印鑑証明書は「申請用総合ソフト」でしか取得できません

初回の手続き時に、PC環境を整えたり必要項目の入力内容が多いので、利用されたい方は時間をとって手続きを行う必要があります。

書類は郵送で受け取ることができます。

一度手続きしてしまえば今後の証明書請求が楽になるので、ある程度時間をとれる方にはおすすめです。

ただし、商業登記関連では法人の印鑑証明書を取ることが一番多く、他の手続き(商号変更、役員変更など)はあまりありません。 

設立当初は業務を回すことと事務処理を並行して行わなければならないので、優先順位をつけて利用してください。

印鑑証明書を取得するときのポイント

印鑑証明書をとる時のポイントが3つあります。

1. 印鑑カードが必要

これまで何度も強調してきたことですが、印鑑カードの提出がないと法人の印鑑証明書をとることはできません。実際の代表者印を持っていても印鑑証明書を発行してもらえないので注意してください。

(→印鑑カードとは?印鑑カードの取得方法

2. 印鑑証明書の取得にかかる手数料

印鑑証明書を申請する時の手数料は1通につき¥450です。収入印紙で納めることになります。

収入印紙は郵便局で販売されています。コンビニは「〒マーク」を出している店舗で販売していますが、店舗の在庫によるので注意してください。

法務局には、印紙を販売する窓口があります。そこで購入することも可能です。法人の印鑑証明書の手数料として「登記印紙」を利用することもできます。

3. 社員以外でも手続き可能

法人の印鑑証明書は、代理人でも取ることができます。その代理人は社員である必要もありません。ご家族の方が印鑑カードを持っていっても発行してもらうことができます。

裏をかえせば、印鑑カードを持っているということは、印鑑登録者に信任されているということになるのでしょう。

申請する場合には印鑑登録者の生年月日が必要になるので、代理人の方が取りに行く際には確認を忘れないようにしましょう。

法務局の窓口は月~金の午前8時30分~午後5時15分までです。発行まで待ち時間があるので、余裕を持って出向くとよいです。

まとめ

法人の印鑑証明書の取り方3通り、手数料や取得時の注意点を説明してきました。

3通りの方法で印鑑証明書が取得できますが、ご自身にとって一番都合のよい方法を選んでください。

法人の印鑑証明書をとる時には、たいていその後何らかのアクションがあることが多いです。

例えば、法人口座を開設するとか、借財をする、入札をするなどです。急ぎの場合もあるので、余裕をもって取得しておきましょう。

※豆知識その2

過去の経験から、お伝えしたいことです。

印鑑証明書のコピーをとっておく

印鑑証明書のコピーは無効で使用できませんが、誰かに代理依頼するときのサンプル用として、申請書(記入済みのコピー)と一緒に保存しておくと、事務手続きを指導するときに便利です。

3ヶ月以内のものを使う

法人の印鑑証明書には有効期限はありませんが、慣行で3カ月以内のものを使用することが多いです。

代表者印と印鑑カードは別々に保管

代表者印と印鑑カードは別々に保管しておいた方がよいです。一緒に盗難にあってしまっては大事にいたってしまいます。くれぐれも取り扱いに注意するようにしてください。

なお法人口座開設の方法については以下の記事で解説しています。

法人口座は個人の口座と違い、審査が厳しいです。審査落ちしないための注意点、審査がゆるい銀行についても以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

画像出典元:Burst

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