一口に「経営者」といってもそのタイプは様々で、「起業家」「事業家」「企業家」「実業家」と様々なワードで紹介されることがあります。
一体どんな違いがあるのか、どんな人が向いているのかなど、それぞれの言葉の違いを踏まえながら、徹底解説!
この記事を参考に、あなたが実際に経営者になるとしたら、自分はどのタイプの経営者になりたいか、確認していきましょう!
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goo辞書によると、事業家とは以下のように定義されています。
「事業を企て、これを経営する人。また、事業の経営に巧みな人。」
つまり、「事業家」とは一言でいえば「事業を行う人」です。
しかし定義だけ読んでも、あまり具体的なイメージは湧きませんよね。
ここからは、他の言葉との比較を通して、もう少し深堀していきましょう!
事業家とは、英語でentrepreneur(アントレプレナー)と言います。
簡単に言えば、「事業を企て経営する人」ということになります。
しかし、現代では、「事業を経営する能力の高い人」という意味で使用されている場合もあります。
例えば、アップルコンピューターを企業し、その後一度は退職するものの、経営難に陥った同社に戻り、数々の新しい製品で会社を大きくした、スティーブ・ジョブズなども、「事業家」と言えるでしょう。
実業家とは、英語で businessman(ビジネスマン)と言います。
「実業」は、「事業」よりもう少し狭い範囲を限定する言葉で、「農業・商業・工業・水産業」などの生産・販売に関わる事業のことを指し、その実業の過程における事業を行う人が「実業家」と言えます。
巷でよく耳にする「青年実業家」という言葉も、正確に言えば、先に述べたような業務に関わっていなければ、正しい使い方ではないと言えます。
芸能人の結婚報道などでよく使われる「青年実業家」のイメージは、「港区在住の若くてリッチなセレブ」というようなところではないでしょうか。
実際の言葉の意味とイメージには、ギャップがありますよね。
企業家とは、事業家と同じく英語でentrepreneur(アントレプレナー)と言います。
一般的には、「企業経営に取り組む人」ということになります。
企業を起し経営する人のことですが、事業家や起業家との区別としては、ただ事業を経営するのではなく、新技術や新製品を生み出したり、組織を改善する為に新しい仕組みを作ったりと能動的に経営を行う経営者に対して使用されることが多いようです。
起業家とは、事業家・企業家と同じく英語でentrepreneur(アントレプレナー)と言います。
英語では、事業家・企業家も同じ表記ですが、日本語では、起業家は、他の2つの言葉とは異なり、「自ら事業を興す人」のことを指します。
元々存在する企業や事業の後継者は起業家とは言えず、新技術や新製品を生み出したかどうかよりも、ゼロから自分で事業を興したかどうかで、起業家と呼ばれるかは決まります。
今話題のイーロン・マスクも、大学院を2日で中退し、弟と共にオンラインコンテンツ出版ソフトを提供する会社を起業したところから、現在の大躍進が始まる「起業家」であり、かつ「事業家」と言えます。
起業を検討しているのであれば、こちらもぜひ参考にしてください。
今回は、皆さんも恐らくご存知の日本人事業家を何人かご紹介したいと思います!
自らのTwitterで「お金贈りおじさん」と名乗り何かと話題に事欠かない株式会社スタートトゥデイ代表取締役社長・前澤友作氏も「起業家」であり「事業家」の一人です。
高校卒業後に、ミュージシャンとしてデビューする傍ら自らのライブ会場の物販スペースでセレクトした輸入CDの販売をスタートしたことがスタートトゥデイの始まり。
アパレル通販という概念のなかった時代に、まさにゼロから起業し、その企業を1兆円規模の会社に成長させた「事業家」と言えます。
今や商品の購入時に、事前にネットで価格を比較して一番安いところから購入するという行為は、当たり前の日常ですよね。
そんな当たり前を作ったのがカカクコム創業者の槙野光昭氏です。
大学卒業後、パソコン周辺機器メーカーでメモリの営業をしていた当時、メモリの店頭価格を地道に調べる係を任されたことからサイトコンセプトのヒントを得て、価格比較ページをオープン。
その後2001年、当時25億円近い価格でカカクコムを売却し、10年以上不労所得で悠々自適な生活を送ったものの、2014年に全く異業種のヘアサロンを運営する会社オニカムを起業し話題になりました。
「起業家」「事業家」として繰り返し価値提供を行う興味深い経営者の1人です。
これまで経営者にまつわる4つの表現方法の違いをみてきました。
その結果、上記の図のような関係が見えてきました。
「事業家」は、起業家、企業家、実業家と言われる経営者が、ヒトモノカネを様々に工夫・活用しながら巧みに経営を行った結果、その企業が大きく成長した場合に呼ばれる名称だと言えます。
では、事業家に向いているのはどんな人物なのでしょうか。
前述の前澤友作氏は、なぜメジャーデビューしたバンドを辞めてまで経営に力を入れたのか、その答えは「経営は毎日違うことが起き一つとして同じ仕事はないクリエイティブな仕事だから」と過去のインタビューでも述べています。
また槙野光昭氏は、「40歳で5億円稼ぐ」と就職活動の頃から宣言していたといいます。
会社を興す、事業に新しい付加価値を与える、それはもしかしたら条件が揃えば誰にでも出来ることかもしれません。
しかし、明確な目標(ビジョン)をたて、日々激変する経営の流れを読み、その為の具体的な行動への落とし込み、さらには現場の社員に対するディレクションが出来なければ、「事業家」とは言えないのです。
逆を言えば、それらを前向きに楽しみながら取り組める人物こそが、「事業家」という名称を名乗ることが出来るのだということです。
(参照:株式会社スタートトゥデイ 代表取締役CEO 前澤 友作|起業家インタビュー | ベンチャー通信Online (v-tsushin.jp)
(参照:「5億円稼いだら辞めると決めていた」カカクコムを創業し、28歳でリタイアした男の今|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽しもう。)
ここまで経営者の種類を表す「事業家」「実業家」「企業家」「起業家」の違いと特徴をみてきました。
違いや特徴を踏まえて、もしあなたが実際に経営者になりたいと少しでも感じているとすれば、自分はどのような経営者でありたいかということを考えてみましょう。
ゼロから会社を興す起業家がいいのか、新技術や新製品など事業として新しいことに取り組む企業家がいいのか、または商機を見出した「実業」の範囲内でビジネスを行う実業家がいいのか。
そしてその企業を巧みに経営し、大きく成長させる事業家になりたいのか。目標を決めたら、後はそこに向かって情報収集や計画立案、実行するのみです。
最近では様々な経営者向け・起業支援サイトやサービスもあります。それらも上手に活用し、理想の経営者像を作って頂ければと思います。
画像出典元:O-DAN