ECサイトにチャットボットを設置することで、CVRの向上・業務効率化を期待できます。
「顧客の離脱率が高い」「顧客対応で社員が疲弊している」などの課題を抱える企業は、チャットボットの導入が課題解決につながるかもしれません。
自社に最適なチャットボットを導入し、課題解決を目指しましょう。
ECサイトにチャットボットを導入して成功した企業の事例や、導入のメリットを紹介します。
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このページの目次
ECサイトにチャットボットを導入した企業は、運営の業務負担軽減・ユーザーの離脱防止・カート放棄率の低下などで効果を上げています。
ECサイトのチャットボット導入における、企業の成功事例を見ていきましょう。
株式会社千趣会イイハナは、花とギフト商品専門のECサイト「イイハナ・ドットコム」を運営している企業です。
母の日などの記念日シーズンに注文・問い合わせが殺到し、社員への負担増加・顧客の取りこぼし・クレームの増加が起きているのが課題でした。
同社はFAQページを集約し、トップ部分にチャットボットを設置。
顧客自身がスムーズに疑問を解消できるよう、サイトの導線を整理しました。
その結果、母の日シーズンの問い合わせは、前年比でメール受信数40%減・入電数12%減となったそうです。
同社は、チャットボットを利用した購買促進につながる取り組みについても検討しています。
株式会社ショップエアラインは、米eBay社の公認パートナーショッピングサイト「セカイモン」を運営している企業です。
海外ショッピングサイトという特性上「サイトの使い方」といった定型的な質問が多く、社員の業務を圧迫していたといいます。
社員の労働生産性向上に向け、同社はお問い合わせページのトップにチャットボットの設置を実施。
顧客がまずチャットボットで自己解決を図れるよう、導線を作りました。
これにより簡単に解決できる定型的な問い合わせが減り、カスタマーサポート部門の問い合わせ対応量は30%減少したそうです。
またチャットボットのログの分析により、顕在化していないユーザーニーズも発見。
新たなマーケティングの起点が見つかったことで、選択できるアクションの幅が広がりました。
オルビス株式会社は、スキンケアアイテムを中心にさまざまな化粧品やボディウェアを企画・開発しているビューティーブランドです。
購入の約7割がECサイトを経由となっており、顧客とのデジタルコミュニケーションを非常に重視しています。
同社の課題は、既存のFAQシステムの検索性の低さです。
書き込み式の問い合わせフォームは回答にリーチしにくく、顧客に自己解決を促すには至りませんでした。
人の手が介在せざるを得ない状況になることが、個客満足度の低下・業務効率の低下を引き起こしていたといいます。
同社は状況の改善を図るべく、検索性に優れたチャットボットを導入。
顧客の自己解決率は飛躍的に高まり、対前年比でコール数が半減したそうです。
株式会社T.Sコーポレーションは、育毛エッセンス、シャンプー、サプリといった育毛商品の企画・開発・販売をおこなう企業です。
顧客のほとんどはECサイトを経由するため、購入に至るまでの導線作りに力を入れているといいます。
しかし決済システムを刷新したところカゴ落ちの顧客が増加し、CVRが低下してしまいました。
同社は決済機能付きチャットボットを導入し、購入に至るまでのプロセスの簡略化に成功。
顧客にストレスフリーな購入体験を提供できるようになったことから、CVRは約3.4倍も改善されたそうです。
株式会社ハーブ健康本舗は、こだわりのハーブ(自然植物)を使ってオリジナル美容健康食品・化粧品を企画・開発・販売している企業です。
ECサイト経由の顧客が多く、Webで解決できる定型的な内容についても問い合わせが殺到している状態でした。
顧客の自己解決率を高めるため、同社はFAQページへとスムーズにつなぐチャットボットを導入。
すでに運用しているFAQをベースに、チャットボットを最適化しました。
FAQの使用率が高まり、メールでの問い合わせが45%減少したそうです。
また同社は、チャットボットに寄せられた質問内容にも注目。
チャットボットのログ解析が、新たな顧客ニーズの発見や、改善点の明確化につながっています。
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ECサイトにチャットボットを導入すると、業務効率化・CVR改善・離脱防止などの効果を期待できます。
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
ECサイトの利用法・決済方法といった定型的な質問をチャットボットに回答させれば、顧客の自己解決率が上がります。
担当者がいちいちメールや電話で対応する必要がない上、24時間365日の顧客対応が可能です。
人力での顧客対応よりも負担が少なく、業務効率が向上します。
またチャットボットのログを解析すれば、顧客ニーズを把握することも容易です。
「顧客はどのようなことに不便を感じやすいのか」「どのような商品へのリアクションが多いのか」など、商品開発・ECサイトの改善に必要な情報を効率的に収集できます。
ECサイトのCVRが低い理由はさまざまありますが、サイトの構造そのものに問題があるケースも少なくありません。
チャットボットで顧客の不自由・不信感を解決することにより、CVR向上を実現できます。
例えば顧客が購入手前で「フォーム入力が面倒」「購入までの導線が分かりにくい」などと感じると、決済に至るのは困難です。
チャットボットでフォーム入力をサポートしたり必要な情報を提供したりすることが、コンバージョンにつながります。
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離脱率の高いECサイトは顧客満足度が低い傾向が顕著です。
チャットボットを導入して顧客満足度を上げることが、離脱防止につながります。
チャットボットを導入すると、24時間365日の顧客対応・購入手続きのサポートが可能です。
顧客はECサイト滞在中にストレスを感じにくく、購買欲求を維持しやすくなります。
またチャットボットのログを分析すれば、顧客ニーズやECサイトの課題発見もスムーズです。
収集したデータを元に改善を加えていけば、顧客の離脱が起こりにくいECサイトを構築できます。
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ECサイトにチャットボットを導入するときは、顧客の年齢層やデジタルリテラシー・頻出する問い合わせを考慮する必要があります。
チャットボットの種類を知り、自社に必要なチャットボットを見極めましょう。
AI型 | シナリオ型 | |
特徴 | 柔軟性が高い 複雑な質問にも回答可能 |
構築の手間・コストの負担が少ない |
メリット | フリーワード検索に対応できる | 選択するだけで回答にたどり着ける |
デメリット | 導入コストが高い 質の高い学習が必須 |
複雑な質問には対応できない ロボット感が強い |
活用シーン | 複雑・専門的な問い合わせへの対応 | 定型的な質問への回答 |
チャットボットを大別すると「AI型」「シナリオ型」があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
AI型チャットボットは、自然言語処理や機械学習などの技術を活かしたチャットボットです。
大量の対話パターンを学習したAIが、自然な言い回しで最適な回答を生成します。
AI型チャットボットの特徴は、運用を重ねるほど回答精度が向上することです。
回答例のない質問は過去のやり取りを参照しつつ回答するため、複雑かつ専門的な質問にも対応できます。
顧客の好みに合いそうな商品の提案や、フリーワード入力による問い合わせ対応を任せたい場合などは、AI型が最適です。
ただしAI型チャットボットは、事前学習の量・データの質が回答精度を左右するため、適宜メンテナンスや修正が必要になります。
またシステムが複雑な分、導入コストも高額になりがちです。
シナリオ型チャットボットは、事前に設定したシナリオに沿って回答するチャットボットです。
「ルールベース型」と呼ばれることもあります。
シナリオ型チャットボットの特徴は、フローチャート式で顧客を回答に導く点です。
チャットボットに質問した顧客は、提示された選択肢から近いものを選択していくだけ。
システムは非常にシンプルなため、デジタルリテラシーが低い顧客も不安なく利用できます。
シナリオ型チャットボットの注意点は、柔軟な対応が難しい点です。
AI型よりもロボット感が強い上、フリーワード検索にも対応していません。
なお導入の際は、シナリオ設計・回答準備に手間と時間がかかる点に注意が必要です。
ただしイニシャルコスト・運用コストは、AI型よりも安価です。
チャットボットの種類について詳しく解説している記事はこちら
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ECサイトのチャットボットは、目的に合わせて設置する必要があります。
「商品詳細ページ」「カートページ・決済ページ」「FAQページ」に設置するケースについて見ていきましょう。
商品詳細ページへのチャットボット導入は、「購入途中での離脱を防ぎたい」「顧客満足度を向上させたい」というときにおすすめです。
商品詳細ページにチャットボットがあれば、顧客は在庫状況や配送方法などの疑問をすぐに解決できます。
商品購入でストレスを感じにくく、顧客の購入意欲が低下しません。
購入において適切なサポートを受けられることは、サイトへの信頼性を大きく向上させます。
顧客に快適な購入体験を提供できれば、初見の顧客をリピーターに変えることも可能です。
「カゴ落ちを防ぎたい」というときに有益なのが、カートページや決済ページへのチャットボット設置です。
カゴ落ちが発生する理由はさまざまありますが、「購入手続きが煩雑」「決済情報や手数料情報が分かりにくい」などでカートを放棄する顧客も少なくありません。
カートページ・決済ページにチャットボットを設置しておけば、顧客はチャットボットから疑問や不安解消につながる情報を得られます。
購入をためらわせる要因を減らすことが、スムーズな決済につながるはずです。
チャットボットをFAQページに設置すれば、定型的な質問は顧客が自分で解決できます。
顧客から寄せられる簡単な質問に、社員が一つひとつ対応する必要がありません。
社員の負担軽減・業務効率化を実現できます。
またチャットボットなら、24時間365日いつでも顧客対応が可能です。
ECサイトの利便性が向上すれば、顧客満足度の向上も期待できます。
ECサイトにチャットボットを導入するときは、目的を明確にすること・次の導線を考えること・定期的にメンテナンスをおこなうことが必須です。
それぞれの項目について、詳しく紹介します。
企業がチャットボットを導入する目的はさまざま。
まずは以下のポイントを明確化しましょう。
ECサイトの現状を洗い出すと、チャットボットで解決したい課題・導入目的が見えてきます。
例えばカゴ落ち率が高い・顧客対応の負担が大きいなどが課題なら、チャットボットの導入目的は「CVR改善」「担当者の負担軽減」となります。
チャットボットの導入目的を明確化することは、課題解決につながるチャットボットを選択する上で必須です。
チャットボットが顧客の問い合わせに回答を返せなかった場合、顧客満足度やECサイト利用率の低下、引いては企業への信頼低下を招く恐れがあります。
チャットボットを導入する場合は、「回答不可能なケース」について対策を立てておくことが必須です。
チャットボットが質問に回答できない場合の対応としては、以下のものがあります。
なおチャットボットに対応できない質問が寄せられたときは、リスト化して分析することが大切です。
分析を徹底することで、FAQページに追記したりチャットボットに学習させたりといった対応が可能となります。
チャットボットは定期的にメンテナンスを実施して、現状に合わせて最適化しましょう。
まずはチャットボットの回答状況を分析して、「正しい回答ができているか」「不足しているデータはないか」などを確認してください。
ECサイトの規定やルールに変更があれば速やかに修正し、正しい情報を提供することが必要です。
チャットボットのメンテナンスで重要なのは、顧客目線に立って修正・改善を加えること。
顧客のニーズは常に同じではなく、トレンドや状況に合わせて変化します。
質問の傾向を把握して、情報を充実させることが必要です。
ただしチャットボットのメンテナンスは工程が多い上、非常に難易度の高い作業となります。
自社にリソースがない場合は、運用からメンテナンスまでプロに一任した方が効率的・効果的です。
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ECサイトにチャットボットを導入することで、業務効率化・CVR改善・離脱防止といった効果を期待できます。
ECサイトの問い合わせ対応に苦慮している企業・カゴ落ちが多いECサイト・サイト離脱が顕著なECサイトは、チャットボットの導入が課題解決につながるかもしれません。
ただしチャットボットはAI型・シナリオ型がある上、備えている機能はさまざまです。
まずは自社の課題や導入目的を明確化しましょう。
自社に最適なチャットボットを見極められるかどうかで、チャットボットの効果は大きく異なります。
画像出典元:Adobe Stock、O-DAN
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