セルフレジの導入は、スタッフの会計業務負担を減らすだけでなく、待ち時間の軽減、感染リスク低減など多くのメリットがあります。
ただし、サービスの種類や機能によってメリットが異なるため、成果を出すためには目的にあったものを選ぶことが重要です。
この記事では、セルフレジについて、機能やタイプなどを解説し、さらにおすすめのサービス12選についても比較・紹介します。
このページの目次
セルフレジとは、利用客自身が商品のバーコード読み取り、精算の処理などを行うレジシステムのことです。
システムにもよるものの、現金はもちろん、各種カード決済やキャッシュレス決済、ポイントカード読み取りなどにも対応できます。
小売や飲食ではすでに導入している企業が多く、最近ではクリニックやサービス業でも導入されるようになっています。
商品のバーコード読み取りから精算処理まですべて顧客が行うタイプのセルフレジ。
従業員の負担を大きく減らすことができるため、効率化の効果が大きいのが特長です。
一方で、機器操作が苦手な顧客のサポートや、そういった顧客向けに対人レジも併設する必要があるのがデメリットです。
商品のバーコード読み取りを店側が行い、精算処理だけを顧客が行うタイプのセルフレジ。
スタッフの負担を軽減しながら、顧客に負担をあまりかけずに済むほか、万引きや不正会計のリスクをなくすことができるのが特長です。
デメリットとしては、フルセルフレジほどの負担軽減効果がないことが挙げられます。
セルフレジ導入にかかる費用は規模によって異なりますが、仮に1台導入する場合、初期費用は最大数百万円程度、月額費用は数千円から数万円ほどが相場です。
サービスによっては、買い切り以外にリース形式で機器を使えるものや、利用料に応じて月額利用料が決まる従量課金制のものなどもあります。
はじめての導入であれば、少ない台数かつリース形式で導入して、リスクを抑えるのも良い選択肢です。
セルフレジの場合、会計業務の全て、あるいは一部を客側が行うことで、従業員の作業負担を減らすことができます。
これによって、より重要な在庫管理や発注、顧客対応などにリソースを使うことができるようになるほか、人手不足の解消にもつながります。
セルフレジなら、効率化によって従業員ひとりあたりで対応できる会計の数が増えるため、待ち時間が発生するのを防ぐことができます。
これによって顧客の不満をなくし、満足度を向上することができるため、長期的な売上の向上にもつながります。
セルフレジなら、非接触で会計を行えるため、釣り銭の受け渡しや会話による感染リスクに対応できるのも特長です。
さらに、クリニックや医療機関向けのシステムであれば、セルフレジから明細や処方箋引換券の発行も行えるため、接触を最低限に抑えることができます。
ツール名 | 月額利用料 | フルセルフ/セミセルフ | 導入すべき業界 | 特長 |
---|---|---|---|---|
WILLPOS-Self SS-900シリーズ | 要問合せ | フルセルフ | 小売(スーパー・量販店など) | 現金精算がしやすい |
スマレジ | 5,000円〜 | フルセルフ・セミセルフ | 飲食・小売・サロン・イベントなど | iPad活用で導入が簡単 |
SMA SELシリーズ | 要問合せ | セミセルフ | クリニック | レセコン連携、処方箋引換券発行などが可能 |
HappySelf | 要問合せ | フルセルフ・セミセルフ | 飲食、小売など | 一台で複数用途をカバー |
SmartWe セルフレジ | 0円(買い切り) | フルセルフ・セミセルフ | 飲食、小売など | 4ヶ国語に対応 |
リアレジ | 3,800円〜 | フルセルフ・セミセルフ | 飲食・小売・クリニックなど | 幅広い決済方法に対応 |
CASHIER セルフレジ | 6,400円〜 | フルセルフ・セミセルフ | 飲食・小売・サロン・クリニックなど | 見やすい大型ディスプレイ |
POS+ selfregi(小売業界向け) | 要問合せ | フルセルフ・セミセルフ | 小売業向け | 店舗にあわせて柔軟に切り替え可能 |
POS+ selfregi(飲食業界向け) | 要問合せ | フルセルフ・セミセルフ | 飲食業向け | 飲食店に特化した豊富な機能 |
LinQ Rece | 要問合せ | セミセルフ | サロン | 来店者が画面の案内に沿って精算 |
セルフレジJP | 要問合せ | フルセルフ・セミセルフ | 飲食・小売・サロン・クリニック・イベントなど | 幅広い業界をカバー |
ノモカデスク | 要問合せ | セミセルフ | クリニック | レセコン連携、処方箋引換券発行などが可能 |
(税抜価格)
画像出典元:「WILLPOS-Self SS-900シリーズ」公式HP
「WILLPOS-Self SS-900シリーズ」は、東芝テックの販売する、フルセルフのレジシステム。
サイズがコンパクトで、硬貨投入や釣り銭の受け取りなどに迷いづらい直感的な設計がされており、リテラシーを問わず使いやすいのが特長です。
また、商品読み取り性能も優れており、値引きシールの読み取りも可能です。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「スマレジ」公式HP
クラウド型POSレジを提供する「スマレジ」のセルフレジシステム。
券売機・フルセルフ・セミセルフに対応可能で、iPadを活用しているため操作面でも導入・管理の面でもハードルが低いのが特長です。
価格もリーズナブルで、あまりコストをかけたくない企業におすすめのシステムです。
評価の高いポイント3つ★★★
POSレジシステムの料金プランです。
セルフレジは、プレミアムプラスプラン以上で利用できる機能になります。
スタンダード | プレミアム | プレミアムプラス | フードビジネス | リテールビジネス | |
初期費用 | 0円 | ||||
月額利用料 | 0円 | 5,500円 | 8,800円 | 12,100円 | 15,400円 |
セルフレジ月額利用料 | ー | ー | 1,320円/台 |
(税込)
画像出典元:「SMA SELシリーズ」公式HP
「SMA SELシリーズ」は、おもにクリニックや医療機関で導入されているセルフレジシステムです。
クリニック向けの処方箋引換券の機能が備わっているほか、それほど大きくない施設でも使いやすいコンパクトな端末も特長です。
もちろん、見やすい画面や各種キャッシュレスへの対応などもしっかり兼ね備えています。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「HappySelf」公式HP
「HappySelf」は、一台で複数の用途を満たせるフレキシブルなセルフレジシステムです。
ボタンひとつでフルセルフ、セミセルフ、セルフ精算機を切り替えることができます。
これにより、混雑状況や人員の状況に合わせて会計の仕方を柔軟に使い分けることが可能になります。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「SmartWe セルフレジ」公式HP
「SmartWe セルフレジ」は、多言語対応・豊富な機能のセルフレジシステムです。
中・英・韓の言語に対応し、また決済方法もALIPAYやWeChat Payに対応するなど、インバウンドの会計にも使えます。
また、セルフレジながら顧客分析や勤怠管理にも使えるのも特長です。
評価の高いポイント3つ★★★
▶初期費用:要問い合わせ
▶月額利用料:0円
画像出典元:「リアレジ」公式HP
「リアレジ」は、すぐにどこでも使える拡張性の高さが特長のクラウド型POSレジです。
マルチOS対応で、現在活用しているタブレットやスマホ、PCなどを使って運用を開始することができます。
また、利用方法も月額課金と従量課金から選べるため、無駄なコストをかけずに使えるのもポイントです。
評価の高いポイント3つ★★★
利用料金は、従量課金と定額制から選ぶことができます。
従量課金プラン | 定額プラン | |
月額利用料 | 1円 / 1運用ポイント | 3,800円/1台 |
(税表示なし)
※1明細あたり1運用ポイントを消費
※別途レジに必要なハードウェア料金が必要
画像出典元:「CASHIER のセルフレジ」公式HP
CASHIERのセルフレジはPOSレジを中心としたあらゆる販売形態に対応するセルフレジシステムです。
シンプルで使いやすい端末は4ヵ国語の翻訳機能に対応し、日本語の声ガイドもついているので、機械の操作に不慣れな方でも簡単に操作することができます。
料金プランは様々な業種、業態に合わせて選ぶことができ、シンプルかつリーズナブルなため、多彩な機能を持つPOSレジシステムをコストを抑えて導入したい企業におすすめです。
評価の高いポイント3つ★★★
対応する支払い方法や機器の導入スタイルによって料金が変化します。
キャッシュレス専門での導入 | 現金対応ありでの導入 | リースプランでの導入 | |
初期費用 | 158,000円 | 958,000円 | 0円 |
月額利用料 | 6,400円 | 8,400円 | 16,790円 |
(税表記なし)CASHIER のセルフレジ 含む資料を一括DL
画像出典元:「POS+ selfregi(小売業界向け)」公式HP
「POS+ selfregi(小売業界向け)」は、店舗のオペレーションに合わせて柔軟に機能を切り替えられるセルフPOSレジです。
オプションサービスのため導入にはPOS+retailの利用が必須となりますが、バーコードスキャンや券売機モードを選択できるので、幅広い店舗で活用可能です。
タブレット型アプリでの導入が簡単なだけでなく、会計や売上管理、在庫管理、売上分析など多機能を低コストで利用できる点も魅力と言えるでしょう。
評価の高いポイント3つ★★★
POS+ selfregi(小売業界向け)はオプションサービスのため、導入にはPOS+retailの利用が必須となり、3つの導入パターンを提供しています。
キャッシュレス対応も現金決済も対応可能です。
初期費用がかかるので、希望するセルフPOSレジや売り場の状況などを踏まえながら事前によく確認しましょう。
決済手段 | レジ端末 | 初期費用 | |
キャッシュ レス |
クレジットカード 電子マネー (2025年6月対応予定) コード決済 |
卓上タイプ | POSレジ新規導入 1,001,850円~ セルフレジのみ追加 593,000円~ |
スタンドタイプ | POSレジ新規導入 1,071,850円~ セルフレジのみ追加 663,000円~ |
||
キャッシュ レス+現金 |
上記+現金決済 (自動釣銭機内蔵) |
自動釣銭機タイプ | POSレジ新規導入 1,969,850円~ セルフレジのみ追加 1,561,000円~ |
(税抜)
【月額費用は3パターン共通】(税抜き)
・POSレジ新規導入:POSレジ利用料14,000円~+セルフレジ利用料6,500円~
・セルフレジの追加のみ:セルフレジ利用料6,500円~
画像出典元:「POS+ selfregi(飲食業界向け)」公式HP
POS+ selfregi(飲食業界向け)は、飲食店特化のPOSレジシステム「POS+food」のオプションで利用できる、業態ごとに最適化した機能が搭載されたセルフレジです。
上記POS+ selfregi(小売業界向け)を運用するポスタス株式会社が、飲食業に特化したサービスとして提供しています。
券売機とセルフレジを切り替えて使うことができるため、店舗のオペレーションを昼と夜とで変えたい場合でも一台で対応することができます。
評価の高いポイント3つ★★★
POS+selfregi(飲食業界向け)の利用には初期費用+月額費用がかかります。
また、導入にはPOS+foodの利用が必要となります。
月額費用はPOSレジ利用料14,500円~+セルフレジ利用料6,500円~となっています。
導入費用は下の表の通りです。
決済手段 | レジ端末 | 初期費用 | |
キャッシュレス | ・クレジットカード ・電子マネー ・コード決済 |
卓上タイプ (セルフレジ+POS) |
POSレジ新規導入 1,000,000円~ |
セルフレジのみ追加 600,000円~ | |||
スタンドタイプ (セルフレジ+POS) |
POSレジ新規導入 1,070,000円~ | ||
セルフレジのみ追加 670,000円~ | |||
キャッシュレス + 現金 |
上記+現金決済 | 自動釣銭機タイプ (セルフレジ+POS) |
POSレジ新規導入 1,750,000円~ |
セルフレジのみ追加 1,350,000円~ |
(税抜き表示)
POS+ selfregi 含むセルフレジの資料を一括DL
画像出典元:「LinQ Rece」公式HP
「LinQ Rece(リンクレセ)」は、サロン業務に特化したセミセルフレジです。
東芝テック製ハードを採用しており、自立タイプ、卓上タイプ、キャッシュレスタイプから選ぶことができます。
来店客がセルフでチェックインを行い待ち時間なく受付を済ませたり、画面の案内に沿って精算を行うことができます。
スタッフは接客や施術を中断する必要がなくなるので、本来のサロンワークに集中することができ、これまでより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
また、レジ締作業から解放され、営業終了後はスムーズに帰宅することができ、新人スタッフにレジを任せても安心です。
※「LinQ Rece」はタカラベルモント社が提供するPOSレジシステム「SALONPOS LinQ2」のオプションのため、「SALONPOS LinQ2」の利用が必須となります。
評価の高いポイント3つ★★★
「LinQ Rece」の利用には初期費用、月額利用料がかかります。
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「セルフレジJP」公式HP
「セルフレジJP」は、幅広い業界に対応した機器ラインナップが特長のサービスです。
飲食や小売、クリニックはもちろん、ホテルや美容室、カラオケなどの業態でも最適な機器・システム構成を実現でき、多くの企業のニーズに応えられます。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
画像出典元:「ノモカデスク」公式HP
「ノモカデスク」は、クリニック向けに特化したセルフレジシステムで、全国で多くのクリニックに導入されています。
クリニックに必要な受付・発行機能が充実しているほか、既存の診察券への対応、充実したサポートなども特長で、運用しやすいシステムでもあります。
評価の高いポイント3つ★★★
詳細については、お問い合わせが必要です。
セルフレジは、顧客自身が操作を行うため、トラブルが起こりやすいのが注意点です。
操作に関する問い合わせはもちろん、クレーム、精算忘れや万引き、食い逃げなどが有人レジと比べて頻繁に発生します。
こうしたトラブルに対応するために、仮にフルセルフレジであっても係員の配置が必要になることを念頭に入れておかなければいけません。
セルフレジは店側の負担を軽減する効果はありますが、設置数や動線設計によっては、会計待ちの顧客が発生してしまうこともあります。
特に導入から間もない時期は、顧客も操作に慣れておらず、会計に時間がかかるものです。
係員によるサポートや誘導、有人レジとの併用などを行って、できるだけスムーズに対応できるフローを設計しておきましょう。
セルフレジの導入は、規模にもよるものの、初期費用が最大数百万円程度かかり、さらに運用には月数千円〜数十万円程度かかります。
うまく効率化ができないと、費用対効果が小さくなってしまい、導入した意味がなくなってしまいます。
事前に設置場所や運用方法の設計、従業員へのレクチャーなどをしっかり行うことが重要です。
セルフレジは顧客が読み込みから精算まで全て行うフルセルフと、精算のみを行うセミセルフレジがあります。
フルセルフは効率化効果が大きい反面、精算忘れや万引きなどのリスクが大きく、セミセルフは会計人員をあまり減らせないというデメリットがあります。
自社店舗における課題を事前に把握したうえで、それに対応できるシステムを選ぶことが重要です。
ひと口にセルフレジと言っても、システムによってUIも操作性も大きく異なります。
操作の流れがわかりづらかったり、タッチパネルの感度が悪かったりすると、顧客の会計時間が長引き、満足度も低下してしまいます。
導入前にしっかりと実機で操作性を確かめ、自社店舗の従業員や顧客がしっかり使いこなせるものを選ぶことが重要です。
システムごとに、対応している決済方法も異なります。
クレジットカード、バーコード決済、交通系ICカードなどは利用者が多いため、対応している種類を必ず確認しておきましょう。
また、自社店舗において利用者が多い決済方法や、ポイントカード読み取りなどに対応しているシステムを選ぶことも顧客満足度の観点では重要です。
セルフレジの導入は、業務効率化や顧客の待ち時間の削減をはじめ、多くのメリットがあります。
システムによってフル/セミセルフ、対応する決済方法、特定の業界向けの機能など違いがあるため、成果を出すためには自社にあったものを選ぶことが重要です。
画像出典元:O-dan