チャットボットを作成する方法はいくつかありますが、なかでもポピュラーなのがPythonでプログラミングする方法です。
ツールで作成するのと比較して、よりニーズに合わせた細かい調整がしやすく、運用費用も安く済みます。
この記事では、Pythonを使ったチャットボットの作り方、さらにメリット・デメリットなどについても解説します。
このページの目次
Pythonは、1991年に開発されたプログラミング言語です。
といった特長があり、その使いやすさと汎用性から、ここ数年で人気が高まっています。
また、機械学習やチャットボット作成に特化したライブラリやフレームワークがあることから、AIや機械学習などと相性が良いのも特長。
実際に、チャットボットを作成する際には広く利用されています。
実際にPythonを使ってチャットボットを作成する際は、以下のような流れで進めるとスムーズです。
チャットボットは、目的によって必要な機能、シナリオなどが異なります。
実際にチャットボットを作成する前に、まずは運用の目的を以下のようにはっきり定めましょう。
また、可能であれば、この段階で数値レベルの目標まで落とし込んでおきます。
さらに、目的とともに、どのプラットフォームに実装するか(Webサイト、LINE、Slackなど)も選定します。
目的が明確になったら、次により具体的な対応の流れや会話を設計していきます。
例えば問い合わせ対応であれば、
など、いくつかのパターンが想定できます。
それぞれのパターンをさらに細分化し、どんな会話の流れが想定できるかをシナリオとしてざっくり整理しておきましょう。
これによって、実際の開発作業を効率よく進められます。
チャットボットのシナリオの作り方について詳しく知りたい方はこちら!
要件が固まったら、実際に開発を行います。
細かい仕様はニーズによって異なるものの、コードの基本構造は以下のとおり。
なお、Pythonで開発する場合はライブラリやフレームワークを活用して開発するのが効率的です。
なかでもChatterBotライブラリ、Rasaフレームワークはシンプルで使いやすいためおすすめです。
チャットボットの作成が完了したら、実際に問い合わせに対応できるかを確かめる必要があります。
あらかじめ想定しておいた質問を入力して、正確な返答が返ってくるかを検証しましょう。
この際、返答が正確でない場合は、もう一度会話パターンを整理したり、コードの内容を確認して修正します。
テストの結果が問題なければ、本番環境に実装して運用を開始しましょう。
なお、ユーザーからのリアクションや解決率などの数字をみながら、さらにブラッシュアップしていくことも重要です。
チャットボットの作り方について詳しく知りたい方はこちら!
Pythonでチャットボットを作成する場合、機能のカスタマイズやコスト面でメリットがあります。
Pythonは基本的にはシンプルな機能構成のチャットボット開発に向いていますが、ニーズに合わせてある程度自由に機能を追加・調整することができます。
例えば、自然言語ライブラリを活用して会話の質を高める、会話履歴を自動で保存するなどの機能を追加することができます。
作成ツールの場合は製品によってまちまちで、カスタマイズできても高額の追加費用が発生する場合もあるため、比較するとより柔軟性の高い開発が可能です。
Pythonで開発する場合、運用にかかるコストが抑えられるのもメリットです。
作成ツールの場合、運用にもランニング費用がかかるのが一般的で、月に数万円〜数十万円程度必要になります。
Pythonによる自社開発なら、ルールベースのチャットボットならほぼ無料、AIを組み込んだものでも数万円程度で済みます。
Pythonはコードがシンプルでプログラミング自体がしやすいため、他のプログラミング言語よりは開発のハードルが低いのもメリットです。
チャットボットに特化したライブラリやフレームワークもあるため、それほど専門的な知識がなくても開発できます。
また、具体的なコードの内容について、Webや書籍、コミュニティなどで数多くの情報が公開されているため、参考にしやすいのもポイントです。
Pythonで開発する場合、ノウハウや手間、時間などの面でハードルが高くなるデメリットもあります。
比較的コードが読み書きしやすいPythonですが、それでもある程度の知識は必要です。
プログラミング不要のツールで作成するのと比べると、間違いなく難易度は高くなるでしょう。
また、AIの組み込みや外部連携など、発展的な機能を実装するとなると、かなりの専門知識が必要です。
社内にノウハウを持った人材がいる場合は問題ありませんが、そうでない場合は作成ツールを選ぶのがベターです。
Pythonで開発したチャットボットを運用開始するまでには、シナリオの設計からコーディング、テストなどが必要で、ある程度時間がかかります。
開発のノウハウがあったとしても、コーディングだけで1〜2週間、実際の運用開始までは1〜2ヶ月程度はかかると考えるべきです。
その点、ツールによる作成の場合は設定がシンプルで、1〜2週間程度で運用開始できるものもあります。
自社開発の場合、実際に運用を開始したあとも、細かい設定変更や調整、アップデートなどを自ら行う必要があります。
ツールの場合は、提供側がバージョンアップしたり、自社で調整を行う場合でも管理画面から簡単に行うことができます。
手間をかけたくないのなら、やはり基本的には開発を委託するか、ツールを利用するのがベターと言えるでしょう。
おすすめの作成ツールが知りたい方はこちら!
自社で開発する場合、エラーが出た際も自ら対応する必要がありますが、基本的には以下の方法で解決することができます。
エラーの原因がわからない場合、まずはWeb上で情報収集すると良いでしょう。
Pythonでのチャットボット開発はポピュラーなため、多くのサイトで実際のコード付きの解説を読むことができます。
それでも解決しない場合は、Pythonのコミュニティや、質問サイトなどで具体的なコードを添えて質問してみるのも良いでしょう。
不明点をChatGPTに質問するのも有効な手段です。
ChatGPTは自然言語だけでなく、プログラミング言語も処理することができます。
実際にエラーの出たコードを貼り付けてエラーや修正方法を聞くと、正しいコードとともに回答してくれます。
ChatGPTに関しては、自然言語で指示を与えればコードを生成できるため、エラー対応だけでなく、開発の際にも大いに役立ちます。
参考として、チャットボット開発に関する良くある疑問について解説します。
Pythonによるチャットボット開発にかかる費用は、自社開発の場合、50万円〜200万円ほどが目安です。
ルールベース型で作成する場合、AIを組み込む場合で費用が変化し、後者の方が費用がかかるのが一般的です。
また、運用コストは月に0円〜数万円ほどが目安。
作成ツールを利用する場合は、開発費用(初期費用)が0円〜100万円、運用費用が月に5,000円〜10万円ほどです。
よって、初期費用を抑えたい場合はツール、運用費用を抑えたい場合は自社開発が適しています。
自社開発で運用開始までにかかる時間は、おおよそ1〜2ヶ月程度です。
シナリオの設計からコーディング、テストといったプロセスが必要で、それぞれ1〜2週間程度はかかると考えて良いでしょう。
はじめての開発であれば、最大3ヶ月程度かかる可能性もあります。
対して、ツールによる作成の場合は設定がシンプルで、1〜2週間程度で運用開始できるものもあります。
Pythonで開発を行う場合、効率よく進めるためにもライブラリやフレームワークを活用するのがおすすめです。
代表的なものとしては、ChatterBot(ライブラリ)、Rasa(フレームワーク)などが挙げられます。
特にChatterBotはシンプルな構成のチャットボットを作成するのに適しているため、はじめてならまずはこちらを活用すると良いでしょう。
ここまで解説した内容をまとめると、Pythonを活用したチャットボット開発とツールには、以下のような違いがあります。
Python | ツール | |
開発のしやすさ | △(他のプログラミング言語よりは簡単) | ◯(ノーコードで作成可能) |
カスタマイズ性 | △(簡単な機能は追加可能) | △(ツールによって異なる) |
開発費用(初期費用) | 50万円〜200万円 | 0円〜100万円 |
運用費用 | 0円〜数万円 | 5,000円〜10万円 |
Pythonによるチャットボット開発は、ある程度カスタマイズ性がある反面、やはり開発難易度が高いのがネックです。
実際の顧客対応に使えるレベルのチャットボットを開発するとなると、かなりのノウハウが求められます。
社内に豊富な開発リソースがある場合は別として、基本的にはツールを導入するのがベターと言えるでしょう。
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複数のチャットボットを比較検討したい方は、こちらの資料をチェックしてみてください。
Pythonを使ったチャットボット開発は、ニーズにあったチャットボットを自ら開発することができます。
社内向けの対応や、ごく簡単な顧客対応に使うチャットボットであれば、それほどノウハウがなくても開発することができます。
一方で、複雑な問い合わせ対応に活用するレベルとなると、開発を委託するか、ツールを活用するのがベターです。
画像出典元:O-DAN
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