ユーザーからの問い合わせに自動で答えてくれるシナリオ型チャットボット。
あらかじめシナリオを作成することで、人的リソースを削減しつつ正確な答えを伝えられるため、現在多くの企業が利用しています。
しかし、肝となるシナリオの作り方がわからず、二の足を踏んでしまっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、チャットボットのシナリオを作る方法と作成するときのコツを解説します。
もちろん、シナリオ型チャットボットとは何かということもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
そもそも、シナリオ型チャットボットとはどのようなものでしょうか?
こちらでは、シナリオ型チャットボットの概要や特徴を解説します。
「シナリオ型チャットボット」とは、いくつかの選択肢の中からユーザーが知りたいものを1つ選ぶことで、あらかじめ設定した回答を返す自動会話サービスです。
ユーザーは、選択肢から選んで会話を進めていき、欲しかった答えにたどり着くことができます。
シナリオ型チャットボットでは、主に以下のようなシーンで利用できます。
シナリオ型チャットボットは、ユーザーの悩みを会話形式で解決することが可能です。
シナリオのベースとなるデータがあれば簡単に導入できるので、ぜひ検討してみてください。
シナリオを作るには、以下5つのSTEPを踏むことが重要です。
STEP1:導入する目的をはっきりさせる
STEP2:ペルソナを作成する
STEP3:質問・回答を考える
STEP4:シナリオを作成する
STEP5:シナリオをテストする
それぞれのステップについて詳しく解説します。
何を目的にシナリオ型チャットボットを導入するのかをはっきりさせましょう。
チャットボットの導入目的は、一般的に以下のようなものがあります。
一概にチャットボットと言っても、各サービスや内容によってカバーできる範囲が異なります。
そのため、上記のように導入目的をしっかり決めることで、どこのサービスを使用してどのようなシナリオを作るのかが明確になるでしょう。
シナリオを作るには、ペルソナを作成しましょう。
ペルソナとは、サービスや商品を利用する典型的なユーザーのことです。
年齢や性別などを仮想で決めてペルソナを作成すれば、ユーザーのニーズが明確化するうえ、ユーザー視点になってシナリオを考えられるようになります。
ペルソナを曖昧にしてしまうと、ユーザーがチャットボットを利用した際、「必要な選択肢が無い」という状況になり、クレームにつながる可能性もあるため注意しましょう。
ペルソナを作成したら、次にユーザーの悩みに答えるための「質問・回答」を考えましょう。
「ペルソナはきっとこんな疑問を持つはず」「こんな答えがあれば分かりやすいかも」とユーザー目線を大切にして、質問と回答を設定していきます。
もし、ユーザーが思いつきそうな質問のFAQがすでにあれば、ぜひ参考にしてください。
また、質問・回答の内容と共に、自然な会話形式になるように調節することも大切です。
ここのステップをおろそかにしてしまうと、ユーザーの疑問を解決へと導けない恐れがあるため、しっかり考えていきましょう。
ユーザーが3〜5回以内の質問をして、最後の回答へたどり着くようなシナリオを作成していきます。
ペルソナをもとに考えた質問・回答をフローチャートで整理し、具体的なシナリオを完成させていきましょう。
質問の分岐が多すぎるとユーザーの不満や離脱にもつながるので注意が必要です。
シナリオが決まったらチャットボットにシナリオを設定しましょう。
シナリオの設定ができたら、最後にきちんと機能するかテストをするべきです。
特に、誰にでもわかるような回答でなければ、ユーザーは悩みを解消できなくなります。
また、シナリオのつながりがおかしくないかも確認しましょう。
複数人で何度も確認することで、細かなミスも発見することができます。
チャットボットのシナリオを作成するときは、以下のコツや注意点を押さえることが大切です。
それぞれのポイントについて解説します。
チャットボットを導入するときは、ユーザーに違和感をもたせないように簡潔で自然なシナリオを作成する必要があります。
例えば、ユーザーが「月額費用について知りたい」と感じ、チャットボットで「料金について知りたい」を選択したとしましょう。
この場合、「入会金は〇〇円で、支払うタイミングは△△です。月額費用は~」といったシナリオを作成してしまうと、「月額費用についてだけ知りたいのに...」とユーザーは不満を感じてしまいます。
ユーザーが直接オペレーターと会話しているように、端的で分かりやすいシナリオを作ってみましょう。
シナリオ型チャットボットを有効活用するには、ユーザーがするであろう質問を全て把握する必要があります。
シナリオ型チャットボットは事前に設定したシナリオ以外は答えられないので、質問を網羅していなければ顧客の満足へはつながりません。
よくある質問を把握するのはもちろん、ペルソナがどんな悩みを持つのかをしっかりと調査し、多方面から考えてみましょう。
ただ、シナリオの選択肢が多すぎたり会話のステップ数が長すぎたりでは、使いづらさを感じさせてしまうのでNG。
ユーザーを最速で答えまで導けるようなシナリオを作ってみてください。
チャットボットのシナリオを作った後も、必ずトライアンドエラーを繰り返しながら、より良いものを追求していきましょう。
「完璧なシナリオができた!」と思っても、実際に稼働をしていく中で、予想外のトラブルは起きてしまうものです。
ユーザーが知りたい答えまで最短でたどり着けない場合、会社の評判が下がってしまう恐れがあります。
稼働後もシナリオを定期的にメンテナンスすることで、ユーザビリティを高めていきましょう。
シナリオ型チャットボットのメリットは、以下の3つが考えられます。
それぞれの魅力について解説していきましょう。
シナリオ型チャットボットなら、選択肢をクリックするだけでユーザーを回答へと導くことができます。
ユーザーは、疑問点を文章にする必要がなく、自身のもつ悩みを選択していけば簡単に回答を得られるため、ユーザビリティの向上につながるでしょう。
また、オペレーターが回答する場合、時によって誤った答えを伝えてしまうことも考えられます。
誤った回答はユーザーが不満を抱く原因になりますが、シナリオ型チャットボットではそのようなリスクも回避可能です。
シナリオ型チャットボットは、初期コストで「5~20万円程度」、ランニングコストで「月額1,500円~3万円程度」と安く導入できます。
一方、AIが搭載されたチャットボットの費用相場は、初期コストで「20~100万円程度」、ランニングコストで「月額10~50万円程度程度」です。
気軽に導入したい場合は、シナリオ型チャットボットがおすすめでしょう。
シナリオ型チャットボットは、あらかじめシナリオを設定することで、自動で答えをユーザーへと提供できます。
このため、オペレーターの人数を減らすことが可能になり、人的リソースを削減できるでしょう。
シナリオ型チャットボットのデメリットは、主に以下の2つです。
デメリットをしっかりと把握して、適切な稼働を目指しましょう。
シナリオ型チャットボットはAIを搭載している訳ではないので、決められたシナリオ以外の回答はできません。
このため、事前に設定したシナリオがユーザーの意図に反したものの場合、「使いづらいな」と悪印象を与えてしまいます。
最悪の場合、CVに繋がりそうなユーザーが途中離脱してしまうことも考えられるでしょう。
設定した回答を柔軟に返答できないからこそ、上章で解説したシナリオ作成のステップを参考に、適切なシナリオを完成させてください。
ユーザーの質問内容が複雑だった場合、シナリオ型チャットボットのみで応対することは難しいです。
複雑な質問まで網羅しようとすると、回答の選択肢や会話のステップ数が膨大になってしまうので、顧客満足度の低下を招いてしまうでしょう。
多くのユーザーが持つ疑問への対応はシナリオ型チャットボットのみ、複雑な質問はオペレーターなどの有人対応システムへとつなげることがおすすめです。
シナリオ型チャットボットを提供する会社は多くあるため、どれを選べばいいのか悩んでしまいますよね。
自社に適したサービスを選ぶには、以下3つのポイントを押さえておきましょう。
それぞれの項目について解説します。
自社にとって稼働しやすいサービス環境が整っているのか、しっかり確認してみてください。
例えば、導入の手間を減らしたい方は、マニュアルを読まなくても直感的にシナリオを作成できるサービスがおすすめです。
一方で、ユーザーの行動ログを収集できるサービスなら、効率的にトライアンドエラーを繰り返すことができます。
また、LINEなど外部ツールと連携できるチャットボットであれば、より利便性の高い運用が可能でしょう。
自社の求める機能が搭載されているのかを考慮しながら、サービスを選んでみてください。
予算に応じたシナリオ型チャットボットを選ぶことも大切です。
いくら機能性に優れているからといって、予算以上のサービスを導入してしまうと、運用に負担がかかってしまいます。
一方で、あまりにも相場より安いものを選んでしまうと、欠陥が見つかるリスクも考えられるでしょう。
シナリオ型チャットボットの相場は、初期コストで「5万円~20万円程度」、ランニングコストで「月額1,500円~3万円程度」といわれています。
自社のリソースを配慮しながら、期待通りの働きをするサービスを見つけてみてください。
サポートが充実しているかどうかも、シナリオ型チャットボットを選ぶうえで重要なポイントです。
特に、海外製のサービスは日本語のサポートが不十分なことも多いので、必ず事前に確認しておきましょう。
シナリオ型チャットボットの導入が初めての方は、国産の専任スタッフが無料でサポートしてくれるサービスがおすすめです。
また、運用後の分析が可能など、導入後のサポートもしっかり行なってくれるところなら、ユーザービリティの向上も見込めるでしょう。
チャットボットでシナリオを作るときは、導入の目的をはっきりとさせたうえで、ペルソナに沿った設計が大切です。
シナリオ型チャットボットは、安い費用で正確な答えをユーザーに伝えられるので、多くの企業が導入をしています。
正確なシナリオを作成し、顧客満足度の向上を目指してみましょう。
画像出典元:Unsplash、Pixabay
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