チャットボットは無料で自作できる?作り方や確認ポイントを解説

チャットボットは無料で自作できる?作り方や確認ポイントを解説

記事更新日: 2024/04/11

執筆: 桐野ひさや

Webサイトに導入されているチャットボットを見て、自社サイトにも導入したいと感じたことはありませんか?

チャットボットとは、ユーザーからの問い合わせに自動で回答してくれる便利なプログラムです。

Webサイト以外にも業務効率化のために、社内ヘルプデスクへ導入する企業も増えてきました。

今回はチャットボットの作り方や確認しておきたいポイントについて、解説します。

PythonやExcelなどで自社開発する場合と、チャットボット作成ツールを活用した場合のメリットも紹介します。

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チャットボットは自分で作れる?

チャットボットとは登録されたデータを元にユーザーからの問い合わせに、自動で回答するボットのことです。

リアルタイムでコミュニケーションが取れる「チャット」と、自動で対応するロボットの「ボット」を組み合わせた言葉で、さまざまな種類があります。

ここではチャットボットの特徴や自分で作れるかについて、解説します。

そもそもチャットボットとは?

近年、多くのWebサイトに導入され始めているチャットボットは、ユーザーからの問い合わせに自動で回答してくれる便利な機能です。

チャットボットは3タイプに分かれていて、それぞれ特徴が異なります。

AI型 AIが搭載されたチャットボット。あいまいな質問にも適切な回答を自動回答し、回数を重ねるごとに学習する
シナリオ型 事前に設定したシナリオに沿って回答するチャットボット。選択肢を用意するだけなので、低コストで運用できる
ハイブリッド型 AI型、シナリオ型を組み合わせたチャットボット。よくある質問はシナリオ、まれにある質問にはAIなど柔軟に回答できるのが特徴


ユーザー満足度を向上させるだけであれば、低コスト運用ができるシナリオ型のチャットボットで十分です。

しかし、より自然で柔軟な回答が必要なシーンではAI型やハイブリッド型の導入が向いています。

チャットボットは自分で作れる?

結論からお伝えすると、チャットボットは自分でも作れます。

さまざまな方法がありますが、自社開発する場合は導入するプラットフォームや使用する言語などを決めなければなりません。

チャットボットを自分で作る場合は、次の2つの方法が一般的です。

自社開発 社内でプログラミングを活用して自社専用チャットボットを作成
チャットボット作成ツール チャットボット開発ツールを活用して、自社用にカスタマイズする


自社開発の場合は、社内にプログラミングができる人材や環境が必要です。

一方、チャットボット作成ツールを活用する場合は、知識がなくても条件にあったツールを選べば、簡単に自社専用のチャットボットにカスタマイズできます。

また、ちょっとした機能であれば、無料のチャットボット作成ツールで開発も可能です。

チャットボットについてもっと詳しく知りたい方はこちらへ。

チャットボットを作る5つの手順

ここからはチャットボットを作る5つの手順について解説します。

チャットボットの作成は専門的な知識が必要になるケースが多く、今回ご紹介しているのはあくまでも大枠の手順です。

開発環境やツールによっては、手順が前後する可能性もあります。

①チャットボットを導入する目的を明確にする

チャットボットを作成する際に重要なのが、導入する目的です。

どんな課題をどのように解決したいのかがはっきりしないと、適したタイプが導入できません。

チャットボットを導入する際によくある目的例は以下の通りです。

  • コールセンターの対応数を軽減したい
  • Webサイトの離脱率を下げたい、コンバージョンにつなげたい
  • 社内の業務効率化を推進するために社内ヘルプデスクを設置したい

たとえば、ECサイトのユーザー向けにチャットボットを設置したいなら、シナリオ型でよくある質問を連携させるのがおすすめです。

また、カスタマーセンターに集まる顧客ニーズをデータとして蓄積・分析したいなら、AI型のチャットボットを導入するとよいでしょう。

自社の導入目的がはっきりすると、具体的に必要な機能やシナリオも決まりやすいため、作成方法などの比較もしやすくなります。

実際の企業の導入事例を知りたい方はこちらをチェックしてみてください。

②チャットボットの作成方法を決める

導入目的がはっきりしたら、実際にチャットボットをどのように作成するか決めましょう。

チャットボットは、自社で開発する場合とチャットボット作成ツールを利用する場合で下記のような違いがあります。

  メリット デメリット
自社開発
  • 自社専用のチャットボットが作成できる
  • ニーズに合わせて細かく調整できる
  • 自社システムと連携しやすい
  • プログラミング知識・環境が必要
  • 開発コストと工数が莫大
チャットボット
作成ツール
  • 無料で使えるツールがある
  • 開発の手間がなく、導入が早い
  • システム連携やカスタマイズできる範囲が限られている
  • ランニングコストがかかる

自社開発

チャットボットを自社で開発する場合、オリジナルの機能、デザイン設計が可能です。

プログラミング知識や開発環境は必要なため、開発にあたって下記の要件を決める必要があります。

  • 必要な機能や質問内容などの決定(要件定義)
  • デザインや導入場所(外部設計)
  • デザインと機能に合わせたプログラム設計(内部設計)

 また、下記のようなプログラミング、プラットフォームの知識も必要です。

  • Python
  • JavaScript
  • Excel(VBA)
  • Googleチャット
  • Microsoft Teams
  • LINE

すべて自社で設計するため、必要な機能やデザインを好きに決められるのが魅力です。

開発に必要なコストと工数はかかりますが、運用開始後はランニングコストがかかりません

ユーザーのニーズに合わせて細かい調整をしたい場合や、自社に開発環境が整っている場合は自社開発したほうがコストパフォーマンスは高いでしょう。

チャットボット作成ツールを利用

チャットボット作成ツールは、プログラミング知識がなくても既存ソフトやシステムとの連携で、簡単にチャットボットが作成可能です。

無料で利用できるチャットボット作成ツールもあり、場合によっては自社開発よりもトータルコストが安くなるケースもあります。

チャットボット作成ツールを提供しているプラットフォームの例はこちら。

  • LINE
  • Slack
  • X(旧Twitter)
  • Facebook
  • Instagram
  • Microsoft Teams
  • Webサイト

早急にチャットボットを導入したいのであれば、チャットボット作成ツールを利用するとよいでしょう。

ただし、コストや機能については十分な比較が必要です。

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③シナリオ(Q&Aデータ)を作成する

チャットボットを作成するうえで重要なのが、シナリオデータ(Q&Aデータ)です。

シナリオがないとチャットボットは適切な回答ができないため、よくある質問集やマニュアル、これまでの問い合わせ内容から作成するのがおすすめです。

たとえば、社内の手続きヘルプデスクを作成するなら、下記のようなシナリオが設定できます。

各種届出 必要書類、手続きに要する時間の回答
勤怠 有休の取得方法や勤怠修正、産育休の相談
システム関連 操作方法やトラブルシューティングなど

社外向けのチャットボットを作成する場合でも、同じようによくある問い合わせ内容から質問と回答を定型文として登録するのがおすすめです。

新規サービスで十分なナレッジが溜まっていない場合は、ユーザーになりきったり、顧客対応している社員と相談したりして、シナリオ設定するとよいでしょう。

また、近頃はchatGPTなどの生成AIツールを活用して、シナリオ作成している企業もあります。

シナリオの作り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

④チャットボットの構築・テストを繰り返す

シナリオ設定が完了したら、実際にチャットボットを導入するための構築とテストを行います。

チャットボットの構築には専門的な知識が必要なため、できればプログラミングやAIなどの分野に精通した人材が担当するのがおすすめです。

構築したチャットボットが想定通りに稼働しているか、少しずつ質問テストをしてみましょう。

設定したシナリオ通りに自動回答されれば、問題なく稼働しています。

不自然な回答になる場合は、回答精度が上がるようにシナリオの見直しを行ってください。

チャット作成ツールを利用している場合でも、十分なテストの実施が必要です。

⑤チャットボットを公開・改良していく

チャットボットのテストが完了したら、本番環境へ導入しましょう。

Webサイトなどのプラットフォームで公開し、ユーザーに知ってもらうことが大切です。

特にカスタマーサポートとしてチャットボットを活用する場合、ユーザーニーズを掴むためにも多くのユーザーに利用してもらう必要があります

データが集まってきたら、より精度の高い回答に改良していくと、さらにユーザー満足度がアップするでしょう。

チャットボット作成前に確認すべきポイント

チャットボットを作成するには、コストも工数もかかります。

ここではチャットボットを作成する前に確認しておきたいポイントを3つご紹介します。

本当にチャットボットを作るべきなのか

自社用にチャットボットを作成する際は、既存サービスでは対応できないのか比較検討しましょう。

シナリオ型チャットボットであれば、既存サービスの機能でも十分なケースがあります。

自社の課題が解決できなかったり、利用されなかったりすることも考え、チャットボットを作成する必要性について社内で十分検討してみてください。

定期的な改修ができるか

定期的なメンテナンスができるかは、チャットボットを作成する前に確認しておきたいポイントの一つです。

チャットボットは導入した後も定期的なメンテナンス、改良が欠かせません

導入後のトラブル解消はもちろん、よりユーザーの満足度を向上させるには回答の精度や機能の追加などの改修が重要です。

メンテナンスには、プログラミング知識が求められるケースもあるため、社内リソースがあるかも確認しておきましょう。

オープンソースは活用できそうか

自社でチャットボットを自作するなら、無料で公開されているオープンソースの利用がおすすめです。

オープンソースは開発されたプログラムソースを、自由に使えるように公開されているプログラムで、公開しているコミュニティのサポートが受けられる場合があります。

ある程度できあがったオープンソースコードを活用してチャットボットを使えば、開発にかかる工数も削減できるでしょう。

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チャットボット公開後に成果を出すために必要なKPI

最後に、チャットボットの導入で成果が出ているのか、確認するためのKPIについてご紹介します。

  • 回答率
  • 解決率
  • 正答率

導入後の改良にも重要な指標なので、一つずつ確認していきましょう。

回答率

チャットボットの回答率とは、ユーザーからの質問に回答した割合です。

回答率が思ったよりも低い場合、ユーザーの知りたい質問が用意できていない可能性があります。

よくある質問からシナリオを作成していても、実際にユーザーが気になっているポイントが異なるのかもしれません。

回答率を改善するには、これまでの問い合わせ内容を確認・分析して、ユーザーが求める回答内容に改良する必要があります。

解決率

解決率は、チャットボットの回答にユーザーが満足した割合です。

チャットの最後に「回答に満足した」と回答するユーザーが多ければ多いほど、数値が高くなります。

質問自体に回答はできていても、ユーザーが理解や納得できなければチャットボットを導入した効果が薄れてしまいます。

チャットボットの解決率を改善するなら、定期的な回答文章の見直しと質問数の掲載数を増やすことが大切です。

正答率

チャットボットの正答率は、ユーザーからの質問に正しく回答できた割合です。

正答率は解決率とは異なり、質問に正しく回答できていれば改善できます。

導入してすぐはユーザーからの質問傾向がつかめず、同じ内容でも表記ゆれなどによって正答率が下がる可能性が高いです。

正答率を改善するには、ユーザーからの質問内容を分析し、よく検索されるワードでの回答を増やすとよいでしょう。

まとめ

チャットボットを自作する際は、導入目的と既存プログラムで対応できないか十分な検討が必要です。

自社専用のチャットボットが必要になった際も、活用する技術や導入シーンについて社内で議論する必要があるでしょう。

開発が必要な場合は、無料で活用できるオープンソースコードやチャットボット作成ツールを活用すれば、低コストで開発・運用ができます。

また、チャットボットを導入した後も、定期的なメンテナンスが必要です。

ユーザーの問い合わせ内容を確認し、回答のブラッシュアップができないか確認していきましょう。

画像出典元:Adobe Stock

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