月間3万食突破!ボディメイク食、マッスルデリ西川真梨子が挑戦を続けるワケ

月間3万食突破!ボディメイク食、マッスルデリ西川真梨子が挑戦を続けるワケ

記事更新日: 2020/01/30

執筆: 大野琳華

多くの人たちがはまっているトレーニング!

でも運動だけでなく、食事制限が大変なことから3日坊主になってしまう人も多いのではないでしょうか。

そんななか、食事からトレーニングを支援するのがマッスルデリ

ダイエットやボディメイクに最適な栄養で、かつ豊富にとりそろえたメニューが魅力のボディメイク食を販売するD2C企業です。

プレスリリース時から話題を呼び、月間3万食を突破するまでに成長しました。

さらに今度は書籍を出版するとのこと。

超注目のマッスルデリ代表、西川真梨子さんに起業の経緯や、今後の展望を取材しました。

プロフィール

西川真梨子

関西学院大学卒業後、繊維メーカーで新商品開発や営業を行う。2013年にサバイバルフィールドを運営する株式会社ASOBIBAを創業。その後、コンサルティング会社で大手企業の新規事業立ち上げを支援。自分がジムに通い始めたときに困った経験から、2016年に株式会社Muscle Deliを創業。

「食事で挫折」をなくす

ーまずはマッスルデリを始めた経緯を教えてください。

30歳手前から、ずっときれいでいるためにジムに通い始めました。

その中で、運動と同じくらい食事が重要だと気づいたのですが、食事を意識することが本当に大変で。

自分に合った栄養の食事を計算したり、準備したりするのには時間がかかります。

当時は会社員として働いていたのですが、だんだんそうした時間が取れなくなり、毎日コンビニでサラダチキンを買うような生活が続いていました。

もともと食べることが好きだったのもあり、トレーニングというのはわざわざ大好きなことを削ってまですることなんだろうか、と思い悩んだりして、食事の面で挫折しそうになったんです。

そんな時に欧米ではマッスルミールというサービスがあることを知りました。

このようなサービスが日本にもあれば、自分の課題が解決すると思い立ったのが最初です。

ー筋トレに励む人のための弁当というD2C事業は他にないですよね。ファーストペンギンであるが故の苦労はありましたか?

プロダクトを作るのがかなり大変でした。

私たちのサービスではお弁当のメニューが120パターンあり、お米も含めて1度電子レンジで温めれば食べられるようになっています。

そのためには高い技術が必要で、しかも小ロットで生産してもらわなければなりません。

食品工場は歴史があり、新しいことに対して消極的な会社も多く、工場との交渉に苦労しました。

また工場の情報はネットにあまり回っていないので、スーパーに売っている弁当の裏を見るなどして片っ端からお電話させてもらいました。

全部で50社ほどには当たったと思います。

今、契約している工場もその前に営業した工場からの紹介で連絡することができました。

売上自体はサービス開始のプレスリリースがあたり、初月から好調だったのですが、予想以上の反応があったため、オペレーションに苦労しました。

 

ー弁当を選ぶコースは減量用、維持用、増量用の3種類あり、一番お手軽なコースでも5食で4900円というのは、少々お高い気もしますが…?

1食1000円弱なので、確かに学生さんたちにとってはお高く感じられるかもしれません。

しかしそもそも、500~600円というお弁当の価格が安すぎるのではないかと思っています。

原材料や燃料の価格は変わっているのに、お弁当の価格はなかなか上がりません。

さらにマッスルデリの弁当は体に悪いものを使用せず、お肉を多めにし、栄養計算もおこなっているので、付加価値もあります。

さらに今後は食事相談やアフターサービスを充実させてより満足度の高いサービスにしていきます。

レシピ本で新たなターゲットを

ー今回、マッスルデリから書籍を出版するとのことですが、どのような経緯だったのでしょうか。


現在のマッスルデリの利用者は65%が男性で、30代の方が最も多いです。

その背景には「家族がいると自分だけ違うご飯ということはできない」という家族層、また「自分で料理しているから弁当は必要ない」という女性層の需要に応えられていないという部分がありました。

そういった方々に対して何かできないかと考えていたところで、出版社から「本を出さないか?」というお声をかけていただきました。

この本にはレシピも載せているため、栄養などを自分で考えることなくユーザーにとって最適な料理を作ることができます。

またメニューは2時間でできるつくり置きレシピなので、仕事が忙しい人でも実現しやすい内容になっています。

これにより、今までいなかった層の要望に応えることができるのではないかと考えています。

▲新発売の書籍「美筋ごはん」。女性も手に取りやすそうな表紙だ。

ー本を出版することで「お弁当を頼む人が減ってしまうのでは」と考えてしまっていたのですが、そもそもターゲットが違うのですね。

そうですね。

もともと「料理を作るのは面倒くさい」と思っている方は、今まで通り、D2Cサービスをご利用いただけたらなと思います。

いち早く行動するだけで強みになる

ーお話を伺っていると、D2Cや本の出版など、どんどん新しいことに挑戦している印象です。

もともと課題解決やゼロイチが好きなので、自分で楽しいと感じることをやっています。

その中でも、創業時から参画していたASOBIBAでのことが印象に残っています。

地方にしかないサバイバルゲームを都内に屋内型として作ったのですが、趣味で遊んでいたメンバーで短期間でつくったため、設計は少し不十分な状態でした。

それにもかかわらず、1日目からお客さんの予約がいっぱいで、みんな都内に作ったことを感謝してくださったのが本当に嬉しくて。

中にはボランティアとしてサバイバルゲームを修築してくださったユーザーさんもいました。


今でも「課題を解決したい」という思いが根本にあります。

 

ー課題解決ということを考えたときに、まず「課題を見つける」というのが難しいという風に感じるのですが、そこはどう視ていますか?


欧米と比べると、フィットネスの市場で日本は遅れています。

欧米にはあって日本にはないものは何か、ということを探すだけでも課題はわかってきます。

また、もともと課題解決が好きなので人と話したり、情報収集する際にも常に課題が何か考えるクセがついています。

 

ー最後に読者へのメッセージをお願いします。

今は「個人」が強くなれる環境なので、もっとわがままに生きるべきだと思っています。

私自身も「起業どうしたらいいですか?」など相談されることも多いのですが、そこから起業する人は全然いません。

みなさん結局、起業した時の失敗を恐れているのだと思います。

しかし私が起業するときに立ち上げにかかるコストを計算したところ、数百万円でした。

そのくらいなら失敗しても必死に働けば1年で返せるし、何より投資コスト以上の経験を得られると感じました。

必要以上に失敗を恐れず、いち早く行動するだけでも強みになると思います。

▲タンパク質が21グラムも入ったプロテインビール。ノンアルコールのため気軽に飲める。

マッスルデリでも2月後半から日本で初めてプロテインビールを販売する予定です。

海外で認知度が高まっているのを見て、事業化するためのクラウドファンディングを行ったところ、予想以上の反響をいただきました。

これからもこうした挑戦を続けていきたいですね。

 

大野琳華

この記事を書いたライター

大野琳華

山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。

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