話題のエンタメビル生みの親|小谷翔一・小林肇が新会社BAKERUで再出発するワケ

話題のエンタメビル生みの親|小谷翔一・小林肇が新会社BAKERUで再出発するワケ

記事更新日: 2020/01/27

執筆: 大野琳華

横浜駅直通の複合体験エンタメ施設「アソビル」など、唯一無二のアイデアで人々を楽しませてきたアカツキライブエンターテイメント(前ASOBIBA)の小谷翔一さんと小林肇さん。

なんとこの度、取締役を退任し、先鋭的なクリエイティブで知られる「東京ピストル」の株式を取得され、株式会社BAKERUと社名変更し、再出発されたとのこと。

独自のアイデアの源泉とは?なぜ再出発を果たしたのか?取材しました。

プロフィール

小谷翔一(写真右)

1983年兵庫県生まれ。通信会社・コンサル会社を経た後、2013年に株式会社ASOBIBAを創業し、CFO就任。また、月額制ファッションレンタルサービスの株式会社エアークローゼットを創業。同年10月に株式会社ASOBIBAを株式会社アカツキに売却し、株式会社アカツキライブエンターテインメントの取締役として横浜駅にアソビルを出店、運営。2020年1月より株式会社BAKERU代表取締役。
 

小林肇(写真左)

1982年千葉県生まれ。外食産業企業・専門商社を経た後、"コミュニティ創り"をキーワードに飲食店運営会社を3社創業。2013年に株式会社ASOBIBAを創業し、CEO就任。同年10月に株式会社ASOBIBAを株式会社アカツキに売却し、株式会社アカツキライブエンターテインメントの代表取締役として横浜駅にアソビルを出店、運営。2020年1月より株式会社BAKERU代表取締役。

目指すは大人のためのコミュニティづくり

ーASOBIBA時代から室内サバゲやアソビルなど、おもしろいエンタメをたくさん生み出してますよね!このようなエンタメ事業に取り組んだ理由は何だったんですか?

小林:

そもそも僕たちはあれを「エンタメ」という風にはとらえていないですね。

小谷:

僕たちは「大人が友達を作るためのコミュニティ」を作りたかったんです。

例えば、学生時代について聞くと、たくさんの人が「楽しかった」って答えますよね。

あれって、強制的に知らない人ばかりの世界に飛び込んで友達を作ることができるからなんですよ。

でも、大人になるとどんどん世界が狭まって友達も少なくなっちゃいますよね。

それって楽しくないなと思っちゃって。

小林:

実際、サバゲーもそういうコミュニティとして捉えています。

サバゲーはやってみたらすごく楽しかったんですけど、何が楽しいって人間の本性を見せてくれるんですよね。

例えば、カップルで訪れたときに、すごくかっこいい彼氏がちょっとビビってたりとか。

逆に、かわいらしい彼女が果敢に打ちまくってたりとか。

一緒にお酒を飲むと仲良くなれるように、本性をさらけ出すことで友達って出来ていくんですよね。

だからサバゲーってすごく仲良くなれやすい環境だなという風に思って、事業化したというのが経緯です。

 

ーなるほど。それでいうとアソビルの各コンテンツも思わず童心に帰って、本性が出てしまいそうです(笑)それにしても、このような奇想天外な発想ってどうやって生まれているんですか?

小谷:チームの雰囲気を大事にしていますね。

「何やってもいいんだぞ」っていう空気感というか。

僕は大学自体にビジコンに参加したんですが、そこで「まだチームメンバーもお金も集まってなくて実現できません」て話したんですね。

すると、とある起業家の先輩にすごく怒られまして。

「順番が違う。話が面白ければ、人にもお金にも困らないんだ」と

それで確かに実現性を考慮してふつうのことを考えても面白くない、それなら先に面白いことを思いついてから実現できるかどうか考えよう、と思うようになりました。

今では出てくるアイデアの9割は本当にめちゃくちゃですね。

でも、どの取引先でもそういう変なアイデアを持ってくることを期待されています

誰かの「安定」に頼るのは嫌だ

ーお二人ともファーストキャリアはサラリーマンだったんですね。起業するときに、恐怖心はなかったんでしょうか?

小林:

え、サラリーマンの方が怖くないですか?

小林:

「会社に勤める」っていうのは「自分以外の誰かに自分の未来を預ける」っていうことですよね。

しかも、今は大企業でも倒産してしまうかもしれないという時代です。

小谷:

そういう時代に、誰かの安定という傘の下でやっていくのはよくないと思うし、好きじゃないですね。

自分の能力や経験があればなんとかなると思えるのに、自分の能力を伸ばすべき時間を、誰かの安心に頼るために使うのはもったいないと感じます。

 

ーそれで実際にお二人は事業を成功させているわけですが、そのために重視していることは何ですか?

小林:

僕たちは2C商売をずっとやってきたので、まずお客様たちを喜ばせる必要があるんですね。

じゃあ実際喜ぶかどうかというのは、まず僕自身が楽しいと思えるかどうかというのを基準にしています。

小谷:

ただ僕たちの成功というのはお金の面ではないんですよね。

利益だけを考えれば僕たちは、とても非効率だと思います。

今のスタートアップの多くはやりたいプロダクトがあって、それがなりたい世界に結び付いてると思うんです。

それだと1つの企業につき1つのサービスとなり、とても効率的です。

そのため成長性という意味では、すごく伸ばしやすくなります。

小林:

でも僕たちはなりたい世界はあるけど、やるプロダクトは何でもいいんです。

だから、あれもやろう、これもやろうと、どんどん思い付きで事業を増やしてしまいます。

なかなか一つの事業に集中できておらず、決して利益は大きくありません。

でも資産というのはお金だけではありません。

人、情報、モノという資産もあります。

僕たちは多くの事業に取り組んでいる分、一番取りづらいといわれている人がたくさんついてくれるんですよね。

そういう意味では成功しているのかなと思います。

混沌から「面白い」は生まれる

ー今回、再出発されたとのことですが、次にやることはもう決まっているんですか?

小林:

新しく場を仕掛けるクリエイティブカンパニー「BAKERU」という会社を立ち上げました。

企画プロデュース、クリエイティブ、設計施工、店舗運営まで一気通貫で全部出来る会社にしていくつもりです。

 

ふつうは不動産会社で物件を見つけたら、設計会社と内装を相談して、広告代理店に宣伝を依頼、そこから委託されたデザイン会社が広告を作成し、最後に運営業者を探す…とそれぞれのプロセスでさまざまな会社と関わることになりますよね。

それを「BAKERU」は物件探しから運営までまとめて請け負います。

これによって物件や場所をプロデュースします。

最近よく、物件はもう抑えられていて、やりたいことも何となく決まっているけれど、どう業態開発したらいいかわからないという相談を受けるんですよね。

そのためのお手伝いができればと思っています。

小谷:

この物件の利活用というのは、僕たちの最終目標「街づくり」にもつながっていきます。

「面白い」という感情は混沌から生まれると思っているので、そういうカオスでエネルギッシュな街を作りたいんです。

ただ日本では首都、東京でさえ「眠らない町」とか言いながらふつうにみんな眠ってますよね。

これを「面白い」を生み出す原動力となるような街にしていきたいんです。

そのためにも、先ほど述べた物件のプロデュースや、コミュニティづくりが大事になってくると思っています。

「世界で一番エネルギッシュな町はどこ?」と聞かれたときに、自分が住んでいる町って答えられるようになるのが僕の夢ですね。

大野琳華

この記事を書いたライター

大野琳華

山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。

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