TOP > インタビュー一覧 > アイディアとパッションで、ライフスタイルを革新する起業家求む!ネットマーケティング宮本社長が自らM&Aを進める背景に迫る
2004年の創業から15年が経過し2019年4月に東証一部上場企業となった株式会社ネットマーケティング。
事業の柱である広告事業・メディア事業が順調に伸びていく中、社長自らがM&A担当としての新たな取り組みを開始した。
なぜ今のタイミングで新しい取り組みを始めたのか、本取材では宮本社長の思想背景に迫った。
-まず、なぜネットマーケティングを創業したのでしょうか?
新卒で総合商社へ入社して3年が経過した頃、世の中はITバブル全盛期を迎えていました。
当時20代で上場をする経営者が出てきて、その影響もあって若い人でも活躍できるIT業界に注目していました。
そして、当時勤めていた総合商社からベンチャーキャピタルに転籍し、投資家としてIT業界に飛び込みました。
投資家として主にイスラエル・米国等の海外投資を担当しており、メッセンジャーサービスとのジョイントベンチャーの検討や、シリコンバレーで生まれた新しい検索エンジン企業の投資検討などを行っていました。
ただ、自分で事業を創った経験がない状態で社長や事業の評価をするのは難しいと感じており、個人的にも投資家でいるよりも事業を創ることに強く興味を持ったため、自ら希望して投資先へ出向し、新規事業の責任者となりました。
-どのような新規事業を創ったのですか?
最終的にはベンチャーキャピタルを退職するまでに2つの事業に関わりました。
1つ目の出向先はWebプロデューサーとしてコンテンツ作成・HP刷新などを行っており、そこでネットマーケティングの共同創業者となった長野と出会っています。
2つ目の出向先ではアフィリエイト広告事業の責任者として事業を一通りやらせてもらい、アフィリエイトの知識やノウハウ、ネットワークを身に着けました。
-そこから何をきっかけとして起業したのでしょうか?
アフリエイト事業を一通り経験し、年齢も28歳になった時に起業をしました。
常に起業のタイミングを探していたのですが、信頼関係を構築できていた広告主の方から“もし起業をするなら、宮本さんを信じてその会社に仕事を発注するよ”という言葉をいただいたので、その言葉をチャンスと捉えて起業に踏み切りました。
-現在のネットマーケティング社の事業について詳細を教えてください。
ネットマーケティングは、アフィリエイトエージェント、SNSエージェント等を行う「広告事業」と、恋活・婚活マッチングアプリOmiaiを展開する「メディア事業」の2つの事業を行っています。
※株式会社ネットマーケティング 決算補足説明資料 2019年6月期決算より引用
広告事業は創業から15年が経過し、前期100億円の売上にまで成長しました。
アフリエイト市場は年率15%ずつ伸びているため、当社のキャッシュカウ事業として引き続き伸ばしていく方針です。
メディア事業のOmiaiは2012年2月に開始し、2019年9月末時点で有料会員80,508人にまで成長しました。
元々は創業時から上場を考える上で、広告事業一本では株式市場の評価がどこまでつくか不安な部分もあったため、高収益なメディアビジネスを創ることを考えていました。
そこで広告事業の利益が1億円を超えたタイミングで、その利益を原資に次の事業をつくる決断を行い、開始したのが「恋活・婚活マッチングアプリOmiai」でした。
※株式会社ネットマーケティング 決算補足説明資料 2019年6月期決算より引用
日本の20代、30代の独身者は約1,400万人おり、まだまだ大きな市場が残っています。
例えば、大半が女性で占められている職場ですと出会いがとても少ない、お酒が飲めない人だと飲み会にもなかなかいけない、職場での結婚も難しいとなったときに外に行くしかない。
そういう方がマッチングサービスで出会い、結婚する事例が増えているように思います。
Omiaiは会員数でいうとまだ業界首位ではないため、上位の注目企業を追い越せるようブランディング、認知、マーケティングを強化しています。
マッチングアプリの最大のコンテンツは会員数なので、まずは会員数を伸ばし、その上でサービスのUI/UXをしっかり高めることが重要です。
※株式会社ネットマーケティング 決算補足説明資料 2020年6月期決算第1四半期より引用
今後より多くの方にOmiaiを利用いただき、恋愛・結婚したい人は確実にマッチングできるサービスを目指していきます。
-既存事業が好調な中で新しい取り組みとしてM&Aを進めるという話ですが、その理由は何でしょうか?
実は2019年現在に至るまでにこれまで13の新規事業を行ってきました。
広告事業の次のOmiaiはタイミングもトレンドも上手く噛み合って成長を続け、事業の第2の柱になりました。
新規事業は会社からお金を出して行うものなので、社長自ら事業の企画立案をし、社内公募にも取り組んできました。
不定期に社長塾という形で社内で事業作りを考える場を設けていますが、社内公募に限らず、社内外から新規事業を募っていこう、社外の会社・サービスのM&Aも検討していこうという話を社内で決めました。
過去にベンチャーキャピタルに在籍していた経験からも、私自身が担当として若手起業家の育成や発掘、投資もしたいと考えています。
-具体的にはどのような起業家を探しているのでしょうか?
2019年4月に東証一部上場企業となり、会社の未来について考える機会が増えたため、M&Aをするのであればどのような企業がよいか役員全員で議論をし始めました。
同時に若手起業家の方に100名以上お会いし、今の起業家の価値観などをディスカッションを通じて知り、M&Aの条件を大きく3つに分類しました。
① 既存事業とシナジーが生める会社
広告事業の場合、アフリエイト広告の経済圏構築に向けて広告主から広告代理店、メディアといった川上から川下まで、一気通貫でできる事業群を目指したいと考えています。
例えば、消費財等に特化したバーティカルメディアを運営している企業さんと話をしたいですね。
また、私たちは将来的にネット総合広告代理店を目指して活動をしており、昨年からSNS広告領域にも事業の手を伸ばしています。
そのため、アフィリエイト、SNS、リスティング、アドネットワーク、SEM、SEO、動画などの広告を取り扱っている代理店との連携も進めていきたいと考えています。
特に私たちはB2B営業をかなりやってきていることもあり、大手広告主を相手にしている方とカルチャーフィットする可能性が高いと思います。
次に、メディア事業であればマッチングアプリOmiaiと事業シナジーがあることが条件となります。
例えば、伝統的な結婚相談所、オンラインの相談所などを運営する方とお話をしたいです。
【広告事業の求める条件】
・アフィリエイトメディア
・大手広告主をクライアントとする集客に特化した広告代理店:アフィリエイト、SNS、SEM、SEO、アドネットワーク、動画など
【メディア事業の求める条件】
・結婚相談所など
② ネットマーケティングの強みを応用できる会社
私たちの強みとして、大手企業向けのB2B営業力があります。
大手企業の開拓をこれまで15年間やってきているため、B2B営業ができれば事業を拡大できるサービスをお持ちの企業さんであれば事業シナジーを生めると思います。
他にもOmiaiを通して大きな金額をウェブマーケティングに費やしてきているので、ウェブマーケティングを展開することでその事業が拡大できるサービスをお持ちの企業さんとも事業シナジーを生めると考えています。
【ネットマーケティング社の強み】
・BtoB大手企業向け法人営業
・WEBマーケティング
③ビジョン、ミッションに合致する会社
2019年9月に会社のビジョン、ミッションを刷新しました。
「アイディアとパッションでライフスタイルを革新する」というミッション、「常識を超え、人々に幸せをとどけ、より豊かな社会を創り続ける。」というビジョンを存在意義に掲げています。
常識を超えて人々のライフスタイルを革新していく事業を展開し、私たちと同じような価値観や思想で事業を展開できる企業であれば、私たちのビジョン、ミッションと方向性が合い、そのような企業さんともぜひお話しできればと考えています。
参考:株式会社ネットマーケティング「コーポレート・アイデンティティ」
-条件に合致する起業家とどのように関わっていくのでしょうか?
私たちはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を行うつもりはありません。
ただ、いきなり100%出資でのM&Aになると両社にリスクもあるので、例えばマイナー出資をさせていただいたり、一緒にやっていけるのかをお互いに見極めていけたらと考えています。
そういう意味でいうと、M&Aを将来に見据えた形でマイナー出資をさせていただき、チームとしてお互い成長していけるか、CVCのような投資事業ではなく一緒に仲間としてネットマーケティングの第3の柱にしていける企業であるかが重要なポイントです。
-現在StartupListにも登録いただいていますが、どのような方から連絡が欲しいでしょうか?
この記事を見た上で相性が良いと思える起業家の方にはぜひご連絡をいただきたいです。
特にStartupListに登録されている起業家さんで、消費財等に特化したバーティカルメディアをやっている起業家さんがいたら、ぜひ。
会社のM&Aだけではなく、サイトM&Aもしていきたいと考えています。
-最後に起業家さんへのメッセージをください。
ネットマーケティングは東証一部市場に上場した会社ですが、M&Aの案件は社長自らが担当として動いています。
良い事業アイディアをお持ちの方であれば、積極的にお会いさせていただきたいですし、ビジョンやミッションに共感できる方であれば、投資も検討したいと考えております。
投資した後、M&Aをすることがあれば、仲間として会社の成功、事業成長の達成スピードをあげられるような支援をどんどんやっていきたいと思います。
良いご縁がStartupListから生まれると良いなと思っています。
事業戦略が明確であり、今後のさらなる成長が期待されるネットマーケティング社。
今回お話を伺った宮本社長の第一印象は好奇心旺盛で人柄の良い、大変魅力のある方だなという感想でした。
StartupListを知った経緯も、若手起業家とお会いしていく中で紹介され登録されたそうで、自ら率先して学習して活動する姿勢をずっと保っていることが飛躍する要因の一つになっているのだと実感。
本記事を読んで条件に合致する起業家の方はぜひ一度お話することをお勧めします。
多忙を極める起業家の方々にとって、自社に最適な投資家を見つけ出し、比較・検討するのは大きな負担となります。
Startup Listを利用すれば、VC、CVC、エンジェル投資家を含む投資家のリストを一覧で見ることが出来ます。
起業家が最小限の負担で資金調達を達成し、事業推進に注力するためのサービスです。
出典:スタートアップリスト公式HP
“裸眼のVR”で新しいバーチャル表現で池袋のカルチャーとコラボレーションするkiwamiの取り組みとは
日本のHR市場がこれから目指すべき、TalentXが描く「タレント・アクイジション」の世界
TalentX代表 鈴木貴史氏
「上場=目的達成のための手段」Kaizen Platformの創業者が語る“上場”とは
ビジネス書大賞『売上最小化、利益最大化の法則』の作家に聞く 「利益率29%の⾼収益企業を作る方法」
資金調達に新しい選択肢を。ブリッジファイナンスとしてのファクタリングを「PAY TODAY」が解説
【令和の渋沢栄一になる】エンジェル投資で日本にイノベーションを
米国新興市場上場を経て10億円を調達 「代替肉」で社会課題に取り組むネクストミーツの歩み
海外で活躍する女性起業家の実態 〜2児のママがシンガポールで起業した理由とは?株式会社ハニーベアーズ〜
湊 雅之が見る欧米と日本のSaaS業界の違い | 注目海外SaaS 6選
BtoB/SaaSベンチャー投資家 湊 雅之
広告事業だったのにコロナ禍で売り上げ上昇! 〜売り上げ90%減からの巻き返し〜
代表取締役 羅 悠鴻