鬱から復活!HRTechで日本一に輝いたKAKEAI本田英貴に迫る

鬱から復活!HRTechで日本一に輝いたKAKEAI本田英貴に迫る

記事更新日: 2019/10/28

執筆: 大野琳華

労務管理や目標管理など、今大きく注目されているHRTech

参入企業も増えてきた中、HRTech GP 2019で見事グランプリに輝いた企業があります。

その名も「KAKEAI」上司と部下のすれ違いをなくすAIツール「KAKEAI」を提供しているとのこと。

今回はKAKEAIの代表取締役である本田英貴さんに、起業のきっかけや今後の展望などについて取材しました。

プロフィール

本田英貴

筑波大学卒業後、2002年に株式会社リクルート入社。商品企画、グループ全体の新規事業開発部門の戦略スタッフなどを経て、㈱電通とのJVにおける経営企画室長。その後、㈱リクルートホールディングス人事部マネジャー。2015年リクルート退職後、スタートアップ数社での役員を経て2018年4月に株式会社KAKEAIを創業。

「あなたには誰もついていきたくない」

ー上司と部下のすれ違いはどこにでもある課題ですが、このことに着目したきっかけは何でしたか?

 

実は僕自身が部下とすれ違ってしまったことがあるんです。

悩みに悩んでついにはうつ病にかかり、休職することになってしまいました。


KAKEAIを起業する前、僕はリクルートに勤めていました。

営業、商品企画、経営企画とキャリアを広げながらメンバーのマネジメントを含めて重要度の高い仕事を任されるようになりました。

人事部のマネジャーとして、他のマネージャーとメンバーの関わり方を見て、うまくいっていない人には上手な人の向き合い方を参考にアドバイスすることもミッションの一部でした。


それもあって僕自身、部下との向き合い方にはかなり自信がありました。

なんせ上手な人も下手な人も見てきたのですから。

人一倍そのことについては理解し、部下と真剣に向き合っている「つもり」でした。


しかしある時、360度フィードバックの結果を見て衝撃を受けました。それは匿名の部下のコメントでした。


「あなたには、誰もついていきたくないって知ってます?もっとマネジメントを学んだ方がいいのでは?」


ショックでした。

予想していたコメントとは正反対のものが返ってきて、部下への向き合い方がわからなくなってしまいました

必要以上に部下に気を遣い、部下に任せるべき仕事も自分でやるようになりました。


大きなストレスを抱えた結果うつ病と診断され、数か月のあいだ休職しました。

最初のうちは自己嫌悪に襲われ、何もする気が起こらず、一日中ソファに座りっぱなしの日々が続きました。

ーうつ病というのは完治が難しい病と聞いています。そこから復活できたのはなぜですか?

 

担当してくれたお医者さんが良かったんです。

それまでの僕は「部下は僕のことをダメな上司だと感じている」とばかり思い込んでいたのですが「あなたが見ている世界と実際の世界は違う」といわれました。

それを聞いて、実際に部下がそう思っているかどうかはわからないと気づいたのです。

思い込みをやめて、もう少し前向きに考えてみようと意識するようになり、徐々に回復していきました。


しかし復職してもメンバーに申し訳ないという思いは消えませんでした

自分が間違った向き合い方をしていたばかりに、部下につらい思いをさせてしまった。

これ以上同じ思いをする人々を増やしたくないと思い、起業してこの課題解決に専念すると決めました。

世界でもユニーク

ーここから生まれた「KAKEAI」ですが、どのようなプロダクトなのでしょうか。

 

いままで「属人的」だった上司と部下の関わり方を変えるために、AIを導入しています


「属人的」というのは上司が勝手な思い込みで部下と関わっているということです。私自身、周りのうまくいった事例や自分の経験だけを頼りに部下に接していたのですが、それしか参考にできるものがなかったのです。


それなら、もっと上司と部下のかかわり方に関するデータを増やせばいいのではないか。そう考えました。


KAKEAIでは部下の特性から向き合い方のフィードバックに至るまで、一連の流れをデータ化しています。

マネジャーが新しく部下と向き合うとき、部下の特性や状況などをKAKEAIで確認すれば、類似データを参考に最適な向き合い方のサジェストを受けることができます。

ーHRTechの中でも他にないプロダクトですね。

 

はい。先日ラスベガスで行われたHRTech Conferenceに登壇したのですが、世界でもかなりユニークなプロダクトだといわれました。


世界でも日本と同様に雇用が流動化しており、従業員側のチャンスはどんどん広がっています。

つまり、マネージャー側はより多様なメンバーとと向き合う可能性が高まっているということです。


また世界のHRTechは「無いと不満」なものから「あると満足」するプロダクトにどんどんシフトしています

KAKEAIも今まで当たり前だった「上司とのすれ違い」を解消するものですので、「あると満足」できるプロダクトに該当しており、グローバルレベルで時代の潮流に乗っていると考えています。


こうしたことからKAKEAIのサービスは世界にも通用すると実感できたので、グローバルな展開も狙っています。

▲HRTech Conferenceの様子。日本企業から初めて選出された。

信念があるからこそ

ー最後に読者の皆さんへ伝えたいことはありますか?

 

僕自身、サラリーマン時代を経て起業しています。

社内でこの問題を解決するのは難しいという判断からでしたが、正直かなり忙しくなりました

寝られないことも多いし、寝ても夢の中で仕事しています。


しかし「KAKEAIで多くの会社が持つ課題を解決する」という強い信念があるからこそ、続けることができています。

KAKEAIに人生をかけることに、後悔はありません。


だからこそ強い信念があるなら、信じきれるものができたなら、迷わず挑戦してみてほしいですね

 

大野琳華

この記事を書いたライター

大野琳華

山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。

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