提供:富士通(株)
革新的なスタートアップの技術・製品と富士通グループの製品・ソリューション・サービスを組み合わせ、世の中への新たな価値を提供することを目的として始まったFUJITSU ACCELERATOR。
4月からプロジェクトの代表に就任した浮田博文氏は「富士通入社前はスタートアップへの入社を考えていた」というほど、スタートアップに対する熱量が大きい。
今回の取材では浮田氏に「FUJITSU ACCELERATOR」のこれからを描いてもらった。
FUJITSU ACCELERATORはこの秋に第8期の募集を迎えます。
私たちがこのプログラムを開始した頃に比べると、事業会社によるアクセラレータプログラムも増えて、日本のスタートアップを取り巻く環境もずいぶん変わったと感じます。
すごい盛り上がりです。
スタートアップの方々もアクセラレータの活用方法が上手になって、スタートアップ側も事業会社側もスピードをもって取り組めるようになってきていると思います。
私たちのプログラムの最大の特長は、富士通グループが持つあらゆるアセットを最大限活用した協業ができることにあります。
AIをはじめとしたテクノロジー、クラウドプラットフォーム等のサービスデリバリー基盤、17万社以上の顧客ベースなど多岐にわたります。
富士通にはさまざまな事業部門とグループ会社がありますが、その中で23の事業部門とグループ会社の事業責任者がピッチコンテストに参加し、協業可能性を判断する体制をとっています。
協業検討中に「どうも想定していたことと違うね」となったらお互いいつでも止めることができることもプログラムの特長の1つです。
事業スピードを加速させたいスタートアップの方にとっても、ダラダラと事業会社に付き合うことは決して望ましいことだとは思っていません。
一時的に中断するという形をとり、時期をみて再開というケースもあります。
また必要に応じて、富士通グループのコンサルタントをプロジェクトに加えることで、プランを練って再度事業部門とマッチングレベルに持っていくこともあります。
このあたりのディスカッションは、4ヵ月をかけた協業検討活動という期間の中で行います。
決して、スタートアップの方々のやり方やプランを曲げてもらうというものではなく、あくまでスタートアップの方々に歩み寄って、思いとプランを実現していくことが狙いです。
私たちアクセラレータプログラムは、事業化のステージに入ってからもかなり伴走していると思います。
スタートアップの方が、プロダクトやサービスを世に送り出して独り立ちをしていくまでにはさまざまなハードルがあり、大変なことです。
それは、富士通にとっても同じです。
新しいことを始めることはルールがない場合も多く、その場合はルールをつくっていきますし、お金のやり取りをする時にも従来の大企業とは違うやり方を考えていくなど、いろいろ整備していくことも出てきます。
私は以前事業部門側にいてその大変さを知っているので、FUJITSU ACCELERATORの支援チームの役割は、事業化におけるギャップを埋めることにあると考えています。
スタートアップの方と富士通側のモチベーションを保ちながら互いのゴールに向けて事業を加速させていく。
事業分野やスタートアップの方々の個性などによって、どんなボトルネックが生じるかもわかってきました。
そういったことも約4年にわたる経験で貯まったノウハウなのです。
募集の対象カテゴリも、最初の頃は漠然と「AI」とか「IoT」といった表現をしていたのですが、お互いが接点を見つけるのに時間がかかるということもわかり、より細かくブレークダウンしてきました。
その分解は私たちにとっても非常に有意義で、富士通がこの協業でやりたいことが何なのかということが明確化していきました。
富士通にとってこのプログラムを続ける意義は、ディスラプティブな新分野を見つけるということでもあります。
それは私たちの視点からでは見えて来なかった、感じ取れなかった分野があるということです。
スタートアップの方と協業することでそのアンテナ感度を高めていきたいと考えています。
幸いにもFUJITSU ACCELERATORは徐々に認知度が上がっており、協業分野もかなり広がっています。
とくにAIを活用した協業は相当増えており、従来リーチできなかった分野のビジネスが可能となっています。
第7期のピッチコンテスト最優秀賞は、 AIでアスパラガスを自動で識別・収穫するロボットシステムを提供するinaho株式会社様でした。
農業の少子高齢の問題の切り札として期待が高いスタートアップです。
世界には解決すべき社会問題がまだまだあります。
それは富士通だけで解決できることではありませんし、グローバルとローカルの視点の双方で解決すべきこと、複数の事業体が連携して取り組むべきこともあるでしょう。
富士通はこの世の中に遍在する社会問題がディスラプティブな分野の突破口になると考えています。
そのために今後はアジアやヨーロッパでもスタートアップと連携したプログラムを展開していく予定です。そこには現地のスタートアップだけでなく日本のスタートアップが応募しても構いません。
チャレンジの場をどんどん広げていきたいです。
また今後はよりテーマを絞ったプログラムも考えています。
その1つが世界的潮流となっているスマートシティです。
日本ではまだ馴染みの薄いこの分野の取り組みも、いずれ大きな動きになる。その時までにエコシステムを構築したいと思っています。
実は、私は富士通入社前、あるスタートアップからほぼ内定をいただいていました。
ただ当時はスタートアップという言葉もなく、不安がる親に説得されて富士通に入ったという経緯があり、ずっとスタートアップに何らかの形で関わりたいなと思っていました。
クラウドビジネスを推進していた頃は、シリコンバレーのスタートアップとの協業を通じて、熱気やスピード感を間近で体感してきました。
その点からも今回のFUJITSU ACCELERATOR代表就任は、私の1つの夢の実現でもあるのです。
きっとスタートアップのなかには「富士通をもぶっ壊す」くらいの情熱で事業に向き合っている方もいるでしょう。
そのくらいの思いがないと社会の課題は解決できないと思います。
私はそういう方々との出会いを期待しています。
“裸眼のVR”で新しいバーチャル表現で池袋のカルチャーとコラボレーションするkiwamiの取り組みとは
日本のHR市場がこれから目指すべき、TalentXが描く「タレント・アクイジション」の世界
TalentX代表 鈴木貴史氏
「上場=目的達成のための手段」Kaizen Platformの創業者が語る“上場”とは
ビジネス書大賞『売上最小化、利益最大化の法則』の作家に聞く 「利益率29%の⾼収益企業を作る方法」
資金調達に新しい選択肢を。ブリッジファイナンスとしてのファクタリングを「PAY TODAY」が解説
【令和の渋沢栄一になる】エンジェル投資で日本にイノベーションを
米国新興市場上場を経て10億円を調達 「代替肉」で社会課題に取り組むネクストミーツの歩み
海外で活躍する女性起業家の実態 〜2児のママがシンガポールで起業した理由とは?株式会社ハニーベアーズ〜
湊 雅之が見る欧米と日本のSaaS業界の違い | 注目海外SaaS 6選
BtoB/SaaSベンチャー投資家 湊 雅之
広告事業だったのにコロナ禍で売り上げ上昇! 〜売り上げ90%減からの巻き返し〜
代表取締役 羅 悠鴻