起業、就職だけじゃない!小松洋介が提言するステップアップ起業とは

起業、就職だけじゃない!小松洋介が提言するステップアップ起業とは

記事更新日: 2019/08/19

執筆: 大野琳華

日本では新卒一括採用が当たり前。それゆえに「起業したいけど不安…でも新卒として就職するにも納得がいかない…」という悩みを抱える学生も少なくありません。そのような大学生の救いとなるのが2年間、地方企業の右腕として働くというステップアップ起業です。このステップアップ起業について、日本で初めて提言した小松洋介氏に取材しました。

プロフィール

小松洋介

仙台市出身、1982年生まれ。大学卒業後、将来の起業を目的として株式会社リクルートに入社。東日本大震災を機にリクルートを退職。宮城県の被災地である女川町でまちづくりや事業者支援、起業支援等を行う特定非営利活動法人アスヘノキボウを立ち上げる。

ステップアップ起業とは

ステップアップ起業は新卒学生・第二新卒の若者が主な対象です。2年間という期限付きで、成長や拡大を目指す中小企業やスタートアップ経営者の右腕として働き、経営力や起業家精神を身に着けます。その後の選択肢は自由です。起業するもよし、企業に残るもよし、転職するもよし。キャリアを選択するのは参加者の皆さんです。僕たちの目的は参加者に、自ら道を切り開く人間になってもらうことです。

▲一橋大学での講演の様子。多くの学生が耳を傾けている。

(出展:Venture for JapanのTwitterアカウント)


このステップアップ起業を提案した理由は2つあります。

1つ目は若者のキャリアの選択肢があまりにも狭いことです。

僕は宮城県出身なのですが、東日本大震災にあった際、多くの学生がボランティアとして地元にやってきてくれました。その時にいろいろ話を聞いて、今の若者は自立心がとても強いとわかりました。しかし自分で道を切り開きたいと思っていても、日本には新卒一括採用しかない。だからとりあえず就職するしかない。そう感じている若者が非常に多かったです。ここからキャリアの選択肢の在り方に問題意識が生まれました。

2つ目は中小企業やスタートアップの経営者があまりにも手一杯だったことです。

会社を成長させるためのアイデアはあるけれども、自分でやることが多すぎてとてもそのアイデアを実現できないというのはもったいないと感じました。

ちょうどそのころにVenture for Americaの存在を知りました。若者が経営のど真ん中に飛び込んで、実践的な研修を積み、その後もサポートを行うというこのプロジェクトに感銘を受けました。ここから若者が経営者の右腕となれば両方の問題を解決できるのではないかと思い、Venture for Japanを立ち上げました。

企業側も本気で支えあえる人材を欲しているので、実際にプロジェクトに参加できるのはごくわずかです。しかし参加できた際には、1年目ながら事業を引っ張っていくことになるので、普通に就職するよりもはるかに多くのことを学べるでしょう。

地方だからこそ社会課題が見える

ステップアップ起業で行くことになる企業はどれも地方企業です。都心の大学で講演すると、あまり地方で働くということを学生はイメージできないようなのですが、地方には都市部にはない良さがあります。

まず地方であれば行政、NPO法人といったさまざまな団体と事業を作っていくことができます

いろんな人を巻き込む力が身につくほか、他団体のジレンマもじかに感じられます。例えば行政は公平性に重きを置いているので、社会課題を解決したくても特定の人を優遇することは厳しいのです。このような背景を理解することで、他の団体とも対等に話をすることができますし、色々なステイクホルダーのいる社会を真に理解することができます。

また起業したい人の中には、起業して何をするのかという目的が明確に見えていない人もいると思います。その原因の一つには都市部では既に便利な生活を送ることができているため、不足しているものが何かわからないということもあると思います。しかし地方に行くと、社会課題をリアルに感じ、起業する目的を見出しやすくなります。

最近だと高齢者の事故多発が問題になりましたね。「運転免許を高齢者から取り上げろ」という声も上がりました。都市部ではそれでも問題ないかもしれませんが、電車などの交通網が整備されていない田舎では運転免許の有無は死活問題です。このことを理解すると、それなら自動運転技術やMaaSが必要だ、と気づくことができます。

さらに現在、若者流出による少子高齢化が地方では問題になっていますが、数十年後には東京で同じ人口構成になることがデータからわかっています。東京で起業したいと思っているならば、今、地方でビジネスに取り組むことが将来役立つかもしれません。



もやもやに向き合って

現在2期生を募集中ですが、説明会には40名ほどの学生が来てくれました。みんな就活を終え、内定を持っているけれど「これでいいんだろうか」という想いが生まれたようです。

「自分の道を切り開きたい」「誰よりも成長したい」という学生にとって新卒一括採用は非常にもやもやするものでしょう。みんな同じような格好で就活し、入社したら上からの指示に従うだけ、というのはとても窮屈だと思います。

学生の皆さんには就活を人生に納得する1つのポイントにしてほしいです。

若者の熱い思いに向き合う大人や企業はどんどん出てきているので、就活で感じたもやもやを「仕方ない」の一言で片づけないでください。このもやもやがどこから来ているのか突き詰めてみることで、自分の生き方に気づくことができると思います。

取材を終えて

就職という人生の節目において新たな選択肢を与えたステップアップ起業。これにより「働き方改革」ならぬ「就き方改革」が起こるかもしれません

 

大野琳華

この記事を書いたライター

大野琳華

山口出身。一橋大学商学部に所属。記者・インタビュアーを目指している。

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