TOP > インタビュー一覧 > マインドセットの「見える化」で組織の軸が強固に。マネーフォワード辻庸介に聞く、組織マネジメントの秘訣
組織の成長を促進する『全員経営者マインドセット』。
実際の組織でどう使われ、どんな効果が出ているのでしょうか。本著の中で語られたフレームワークを実践している経営者にお話を伺いました。
辻庸介 プロフィール
株式会社マネーフォワード代表取締役社長CEO
─「全員経営者マインドセット」を組織に取り入れたきっかけは何ですか?
著者である吉田さんに組織強化施策を手伝っていただいたことがきっかけです。吉田さんの前著『成長マインドセット』を読み、感銘を受けて感想をFacebookに投稿したところ、縁あって吉田さんをご紹介いただき、全社、リーダー陣の研修を行うことができました。
私はもともと、長年組織で成果を出し続ける人の共通点として、単にスキルが高いだけではなく、働く上でのマインドが大事なのではないかと思っていました。
人間にとってのマインドは、パソコンでいうOS部分。いくらアプリケーションがよくてもOSがダメだとダメになってしまうように、マインドが基礎にあると考えていたんです。ただ、マインドがどう大事なのか説明できていなかったんですよね。
そんな時に前著で「アイスバーグ」の考え方を読み、すごく腹落ちしました。人の根底には意識・想い・人生哲学があり、それが行動・習慣につながり、習慣の積み重ねでスキルを習得し、成果を生み出すというフレームワークです。
納得度が高かったので社員にも前著を読むように勧めましたが、なかなか全員には波及しません。どうしようか考えていた時に吉田さんに出会い、「全員経営者マインドセット」に書かれている「MSマトリクス」というフレームワークを社内に取り入れていくことにしました。
MSマトリクス
─どのような変化がありましたか?
まず、組織の現状を把握することができました。例えばリーダー研修では、MSマトリクスを使って参加したリーダーや他の社員のマインドやスキルの高さを見える化したんです。私が思っているものと本人の認識とでは、意外と違うんだなと気づきがありましたね。
また、課題への対処法が明確になりました。当時は採用に力を入れており、組織へのコミットメントが低い人材が出てしまうことが課題でした。ごく一部ではありますが、採用者が、自分の興味関心と組織の方向性が合わず、組織を攻撃したり、ぐちゃぐちゃに動いたりする事態が起きて、組織が疲弊していたんです。
MSマトリクスを使うことで、その人たちが「スキルは高いけれどマインドが低い」状態だと整理することができました。そういう人たちを採用するにはマネジメント能力が必要だとわかり、向き合い方を改善することができましたね。
そこから、会社にとってミッション・ビジョン・バリューに共鳴してくれる人が大事だと再認識する、良いきっかけになりました。
ーMSマトリクスを実際に使ってみて、どう感じましたか?
私はアメリカでMBAを取得したときを含め、様々なフレームワークに触れてきましたが、MSマトリクスはシンプルかつ本質的なフレームワークだと感じました。
フレームワークの中には、業種やタイミングなどの条件が揃わないとうまく機能しないものが多いんです。しかし、MSマトリクスは、前提条件がなく誰でも使え、即効性があると思います。
スキルは見えるけれど、マインドセットはなかなか見えないじゃないですか。でも、経営者が見たいのは、マインドセットなんですよね。MSマトリクスは、それを可視化してくれます。
経営者やリーダーの悩みは8割、9割人事だと思うので、「人」について悩んでいる人は『全員経営者マインドセット』を読んだ方がいいと思いますね。全てのビジネスパーソンに捧げます。
─最後に、今後の組織づくりについての考えを教えてください。
現在社員数が増えており、今年も200人ほど採用する予定ですが、組織に関しての悩みはあまりありません。採用時にミッション・ビジョン・バリューへの共感を重視するようになったことと、マインドセットが高い人が成果を出せるという社内の共通認識ができたことで、しっかりとした軸を持つことができたと思っています。
人数が増えるに従って社内のまとまりを作るのは難しくなっていきますが、MSマトリクスのような共通の考え方、軸を持っていればバラバラになることはないと思うんですよ。その軸さえ強く持っていれば、あとは自由でいいと思っています。
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