香港貿易発展局 サイラス・チュー日本首席代表
アジア最大の金融都市香港では今、IT系スタートアップが熱い。
良好なビジネス環境、深センとの関係、そして簡素な税制度、という起業家に魅力的な要素を併せ持った香港について、香港貿易発展局サイラス・チュー日本首席代表にお話を伺いました。
● 香港貿易発展局(HKTDC)サイラス・チュー日本首席代表
このページの目次
ー香港貿易発展局の事業について教えてください。
日本を含む海外企業が香港を通じてビジネスを展開する上での支援をミッションとしています。
具体的には、国際展示会や国際会議の運営を通じた貿易促進、香港の製品やサービスのプロモーション、ビジネスマッチングの実施、マーケット情報の提供、そしてビジネスアドバイザリーサービスの実施等をしています。
ースタートアップに向けての支援はありますか?
はい、昨年「Startup Express」というプログラムをはじめました。資金面の支援に加え、メンター/アドバイザーのマッチングを通してスタートアップを必要なリソースに繋ぐことが目的です。
私たちが持つ世界中の50以上のオフィス間ネットワークを駆使して、スタートアップを投資家や顧客と繋げる他、潜在市場の開拓の手助けをしています。
また10組のプログラム選考合格者には、香港の展示会にて無料でブースを設ける権利が与えられます。事業の主体が香港で行われている企業であれば地場・外資系を問わず応募可能です。
ーでは、ビジネスをする場としての香港の魅力を教えてください。
香港は外国企業にとって成長しやすい環境です。「経済の自由度」で20年以上にわたり世界一を維持するほか、ビジネスのしやすい都市ランキングでは世界4位に付けています。ニューヨーク
ロンドンと並ぶ世界の3大金融センターでもあり、2018年はIPO総額で世界首位に返り咲きました。約8800社の外資系企業も集まっており、アジアの国際ビジネスの中心地と言えます。
香港はアジア最大のVC中心地でもあり、スタートアップ企業数は約2600社以上あります。海外からのスタートアップは全体の4割も占めており、更に女性の起業家が多いのも特徴です。香港のスタートアップのCEOのうち45%が女性なので、女性の起業家がマイノリティーにならない珍しい環境です。
出典元:Googleマップ
また、多くのテック企業がオフィスを構える「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センとの近さも大きな強みです。深センは中国最初の経済特区で、現在も高い経済成長率を保ち続けています。
また、キャッシュレスが当たり前のIT社会でもあるので、IT系スタートアップにとっては大きなマーケットに行く前のプロトタイピングがしやすい環境です。
香港は簡素な税制度も特徴です。消費税、譲渡所得課税、VAT(付加価値税)はなく、法人税も最大で16.5%です。
政府からのスタートアップ支援も盛んで、2018年度予算では500香港億ドルがイノベーション・テクノロジー分野に割り当てられました。他にも、政府主体のStartmeupHK というプログラムや、Innovation and Technology Venture Fund があり、VCと共に地域のITスタートアップへ投資しています。
香港は政府をあげて地域のインキュベーター化に尽力しており、就労ビザも取りやすくなっています。
香港には全部で1393もの日本企業があり、他国の中では一番多くオフィスを構えています。また、そのうち約半数がアジア圏のヘッドクォーターオフィスです。
一方でビジネス規模ではイギリスやアメリカ、中国に劣っています。最近、日立グループやみずほフィナンシャルグループが日本-香港間のスタートアップ相互支援を決定したので、大企業のこのような動きが日本起業家の香港進出、ビジネス拡大を促すことを願っています。
ー最後に、日本企業/起業家へのアドバイスをお願いします。
海外進出を行う多くの日本企業にとって、最初の壁になるのが英語です。もちろん海外ビジネスをやる以上、一定の英語力は求められますが、香港にはある程度日本語を話せる人もいますし、英語を話せなくても中国語ができるなら困ることもありません。その点、他の国でオフィスを開くより敷居が低くなると思います。
しかし、香港の市場への参入も他国市場への参入も本質的には変わりません。香港のビジネス環境の下調べをこなして、公的機関を含めてどのようなリソースを使うことができるか知っておくことが重要です。
〈プロトスターより〉
プロトスターは香港法人を設立致しました。香港、そしてひいてはアジアでの日本のスタートアップ進出支援に尽力して参りますので、よろしくお願いいたします。
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