TOP > インタビュー一覧 > 学生のまち”京都”で起業する魅力とは? 登壇者が語る!起業のリアル、資金調達等の課題解決法、世界で戦うための秘策
京都市都市経営戦略アドバイザー入山氏×スタートアップカンファレンスIVS 岡田氏×学生起業家 立命館大学3年生 柳氏×京大起業部立ち上げ桺本氏×シリアルアントレプレナー 都地氏
◆京都に向いている分野
ゲーム、大学発ベンチャー、ソーシャル系、ゲーム、エンタメ、農業系、ものづくり、バイオサイエンス系、京都で何千年も続いてるものを原体験にしたスタートアップ
◆京都は東京より行政や金融機関があたたかい、ちゃんと対応してくれる
◆資金力のある中小企業と学生が組んで創業できる
◆コンパクトな都市なので人材集めが非常にやりやすい
◆起業に興味のあるデザイン系人材が豊富
◆大学休学中などに心理的安全性がある状態で気軽に起業できる(インターンの代替案となる)
◆情報が意図的に制限された環境でじっくりとプロジェクトに取り組める
【解決案】資金力のある中小企業と学生が組んで創業する
【解決案】バーベキューなどのラフな集まりでVCと学生が気軽に話す機会を増やす
【解決案】学生向けVCがSNS発信やイベント参加などで学生との接点をつくる
【解決案】休学中にお試し起業してみる
【解決策】副業から始めてみる
【解決案】大学を横断して学生起業家がつながれるコミュニティをつくる
【解決案】自己肯定感を上げることに取り組む
【解決案】なにくそ!という気持ちにレバレッジをかける
【解決案】大学を横断して学生起業家がつながれるコミュニティをつくる
【解決案】最速で結果を出したい人は東京、じっくり取り組みたい人は京都、と使い分ける
【解決案】学生起業家と行政や金融機関がつながれる仕組みをつくる
【解決案】大学を超えたチーミングを行う
「KYOTO Innovation Studio 第6回」のテーマは、学生が京都で起業する魅力と課題だ。
京都は学生が非常に多い街でありながら、起業する学生が多いわけではない。
それはなぜなのか?
どうすれば、学生が起業しやすい環境が整うのか。
京都市都市経営戦略アドバイザー入山氏をファシリテーターに、スタートアップカンファレンスIVSを運営する岡田氏、学生起業家で立命館大学3年生の柳氏、京大起業部を立ち上げた桺本氏、シリアルアントレプレナーの都地氏をお迎えして共に語っていただいた。
一般の参加者からも、有意義な意見が多数聞かれた第6回セッションをレポートする。
このページの目次
早稲田大学大学院経営管理研究科早稲田大学ビジネススクール(WBS)教授。慶應義塾大学院経済学研究科修士課程修了後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号を取得し、同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。WBS准教授を経て、2019年に現職へ。「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)等の著書のほか、メディアでも活発な情報発信を行っている。
株式会社Headline Japanに所属。大学卒業後、コンサルティング会社、Webマーケティング会社でそれぞれ事業推進、新規事業の立ち上げに従事。フリーランスに移行し複数のプロジェクトを経て、2017年よりIVSの運営に携わる。現在はIVS COOとして、国内最大規模のスタートアップカンファレンスの運営を統括。
岡田:私が目指しているのは、スタートアップのエコシステムをより良いものにすることです。
その一環として、日本最大級のスタートアップカンファレンス『IVS』を運営しています。
これまではスタートアップ経営者・投資家の方に限ったイベントでしたが、今回はスタートアップに関わる人を増やすというコンセプトのもとに一般の方にもご参加いただきました。
参加者は前回までの約2,000名から10,000名を超えて、開催地である京都の街全体を巻き込むイベントとなりました。
入山:色々な方が交わることにイノベーションの源泉があると思います。
スタートアップ業界に閉じてるイベントが多い中で、大企業や学界人など色々な人たちを巻き込んで大きくやろうという発想がIVSの魅力ですね。
IVS公式HP:IVS | Asia's No.1 Startup Platform
2002年生まれ。2020年立命館大学食マネジメント学部入学。在学中の2022年3月に学生起業家として食育の会社FoodFulを設立。父が料理人ということもあり、「食べることが好きな子になってほしい」という家庭の食育のもと、好きなものばかりを食べて育つ。その影響で食べることは人一倍好きだが、野菜嫌いの偏食に陥り、食育が子供に与える影響の大きさを身をもって体感する。そこで食育の原点である「離乳食期」のママパパの悩みをオンライン上で相談できるプラットフォーム「チルディッシュ」を運営するに至る。
柳:私は立命館大学の食マネジメント学部(滋賀県草津キャンパス)の3年生で、2年生の時に学内のビジネスコンテストで最優秀賞をいただいたことがきっかけで、本格的に起業しました。
「FoodFul」は、食育の会社です。
FoodFulのビジョンは「食で世界中の人の笑顔を守る社会を実現する」です。
私の父は料理人で、食べることが好きな人になってほしいという教育方針だったので「好きなものを好きなだけ食べる&嫌いなものは全く食べなくていい」という環境で育ちました。
その結果、野菜嫌いの偏食になって、コレステロール値が異常だと診断されたことや、友達と食事をした時に食べられないものがあるという葛藤から、食育の大切さを知りました。
日常の中で当たり前になっている食を再認識することでより平和な世界に近づき、1人1人の日常や夢を守ることにつながると思っています。
そのために離乳食の質問をオンラインで受け付けて、専門家とママパパをつなげる「チルディッシュ(2022年5月創業)」というサイトを運営しています。
入山:資金調達はこれからですか?
作野(FoodFul共同代表/立命館大学・食マネジメント学部):資金調達はこれからですが、来年の4月か9月頃には拠点を滋賀県の草津から京都に移す予定です。
1989年生まれ、京都府出身。 大学卒業後、株式会社オービックビジネスコンサルタントにてエンジニアとして開発業務に従事。起業を経て、環境計測機器メーカーである株式会社アナテック・ヤナコの経営に参画し、組織改革、社内DXの推進、販売代理店子会社の立て直しを行う。2021年に企業向けにDXコンサルティング・Webマーケティング支援を提供する株式会社ヤナコを設立しCEOに就任。 Larkアンバサダー、Notionアンバサダー、Canva Japanコミュニティマネージャー、京都大学研究員をこれまで歴任してきた。京都大学経営学修士と京都工芸繊維大学工学修士を取得。 最新のテクノロジーのトレンド情報を発信するビジネスインフルエンサー(Twitter)としても活動中。
桺本:僕は、京大起業部というサークルを2019年京大在学中に作りました。
現在の仕事は、京都で131年続いている「アナテック・ヤナコ」の経営に携わっています。
水俣病やイタイイタイ病は水銀やカドミウムの摂取が原因で起こる病気ですが、弊社はそういった有害物質が自然界に流れないようモニタリングする機器をつくっています。
入山:ノーションのアンバサダーもされているんですね。
桺本:はい、他にもCANVAというデザインツール(オーストラリアのスタートアップ)のコミュニティマネージャーなど、SaaS企業のお手伝いも趣味で行っています。
1996年5月生まれ。EVER株式会社代表取締役、ワットエバー株式会社執行役員。2015年以降、5回の起業と3回の事業売却経験を持つシリアルアントレプレナー。現在は京都市左京区にて不動産事業を主軸としたサービスを手がけており、シェアオフィス事業や起業家が集まる「Share Offive & House EVER 」を運営する。その他では京都モデルのスタートアップ文化を作るために、中小企業をCVC化させ、投資により中小企業もベンチャーもスタートアップもリソースや知的資本を共有し合えるサービスを提供。
都地 :ワットエバー株式会社を経営していますが、京大起業部の中で指導もしています。
これまで5回起業して、スタートアップとしては2回活動しM&Aを2回経験しました。
Whatever Groupでは、シェアオフィス・起業家のためのシェアハウス・シェアオフィスとシェアハウスとカフェが合体した新築の複合型施設(約320坪)やシェアラボと呼ばれる研究施設の開発など不動産事業を主軸としていて、その他ではM&Aを目標とするインキュベーション(起業支援)を通してスタートアップ支援をしてます。
入山:今回のテーマは、『学生が京都で起業するメリットと課題』です。
都地:京都の学生の多さはメリットだと言われることが多いのですが、実はデメリットもあります。
適度に大学で学び、遊んでいる学生が有名企業に就職して、さらに優雅で楽しそうな生活をしているように見え、起業した人だけ大変な思いをしていると感じてしまう。
そうすると、「自分が選んだ道が間違ってるのでは…頑張っても報われないのでは…」という気がしてくる。
2018年頃は、まだ起業への支援も潤沢ではなかったため、強烈な孤独感を感じることがありました。
入山:現役大学生で起業家でもある柳さんはいかがですか?
柳:遊んでる友達が羨ましかったり、「起業が失敗したらどうしよう」と思うし、 就活を終えた友達が海外に遊びに行ってるのを見ると複雑な気持ちです。
桺本:京大は休学中に遊び感覚で起業して、その経歴をかわれて就職できた人もいて、「ワンチャンそれでうまくいったらいいな」という感じで起業するケースが多いです。
「起業がうまくいったら続けるし、うまくいかなくても学生に戻って有名企業に就職すれば良いか」と考えてるのでしょう。
入山:これは必ずしも悪いことではないですよね。
一か八かではなく心理的な安全性がある状態で気楽に始められるから、大胆なチャレンジができると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
桺本:僕は推奨しています。
起業家達の話を聞いていると、せどりや古着を売るなど、副業から開始して成功してる人もいるんですよね。
京都は東京ほどインターンが多いわけではないので、そういうステップアップの仕方を後押ししても良いと思います。
岡田:僕は自己肯定感を高められることが大事だと思うので、自己肯定感を高めるために遊ぶのもよいし、起業がよいのであれば起業すれば良いという考えです。
遊ぶのも自己肯定感を高める1つの手段で、何らかの方法で自信をつけた人のほうが就活がうまくいったり人生楽しく生きてる気がします。
また、自己肯定感が低くても起業した時に「なにくそ!」と頑張ることに繋がることもあると思います。
都地:その通りで、自分のビジョンに確信を持つ機会になるかもしれないですよね。
また、起業すると応援してくれる人と必ず出会いますが、その応援者の中の何人かが京都に戻ってきて起業することもあるので、僕はリターン京大生も注目しています。
都地:京都の課題は資金調達がしにくいこと。
ただし、ソーシャル系ビジネスを支援するところはたくさんあって、京都信用金庫さんなどはソーシャル系ビジネスを後押ししてくれています。
入山:ソーシャルは支援できるけれど、全体的には機会が少ない。理由はお金が足りないからですか?
都地:そうですね。なのでエクイティで資金調達をしたい学生は東京や大阪に行ってると思います。
コロナの影響で遠隔でのコミュニケーションが一般化しましたが、「ビジネスパートナーは近くにいたほうがいい」と考える東京の投資家が多いせいか、拠点を東京につくる起業家が多いです。
岡田:私も東京の方が機会が多いというのは事実だと思います。
柳:私達が拠点を京都に移そうと思ったのは、京都の行政や金融機関の方と関わった時に他の地域と比べて温かい人が多いと感じたからです。
京都は人と人とのつながりを大事にしてると感じました。
東京は人と人が競い合っていて「みんな落とし合い」といった雰囲気ですが、京都の場合は自分のためというより周りの人のためという雰囲気があります。
都地:京都だけにあるもう1つの魅力は、学生が資金力のある会社の人と一緒に創業できること。この点に関しては、京都のほうが間違いなくやりやすいんです。
京都の中には自社の成長のさせ方が分からない中小企業があるので、その中から自分のビジョンに共感してもらえた方と一緒に創業するのがおすすめです。
入山:京都にはそういう人が潜在的にいるのでしょうか?
都地:京都の中小企業には勉強熱心な人や意外とハイカラ(新しいもの好き)な人が多くて僕たちが提供するCVC Labの中を見ると事業会社さんは「スタートアップというのが流行っているけど自分たちだけではできないしわからないから、若い人を支援するなり、入ってもらうなりで何か新しいことをやってみよう」といった考えを持っていて、繋がった結果、方向性が定まったり新事業を開発したりなどポジティブな事例もそれなりにあります。
学生を始めとした若い方は情報収集する時間があって、新しいものや流行が得意分野です。
そういう意味ではアナログな面もありつつも、ハイカラ好きな京都の中小企業のニーズとマッチするので、京都で起業経験をしたい学生さんにはぜひ活用してほしいですね。
桺本:実は、ゲームは京都に向いているんじゃないかと思っています。
京都には任天堂があってゲームのイメージがあるし、遠隔でも人が集められるうえに、どこの国でも「京都」という名前が知られているので有利です。
入山:京都で起業をする時は、向いてる分野と向いてない分野があることを押さえておくことが大切なんですね。
桺本:たとえば、京野菜や世界的に有名な日本酒があるので農業系や食に関する事業も京都向きです。
京都での起業に向いているのは、大学発ベンチャー、ソーシャル系、ゲーム、エンタメ、農業系といったあたりですね。
都地:京都はものづくりやバイオサイエンス系も伸びると思います。
岡田:海外から見た京都の魅力はとてもあってで、そこに紐付けてストーリー作りをしやすいのが強みだと思います。
例えば、京都で何千年も続いてるものを原体験にスタートアップを作りました、とか。
岡田:また、京都は学生を仲間にしやすいのも魅力です。
コンパクトな都市なので、人材集めが非常にやりやすいと考えてます。
IVSでは学生を中心にスタッフを募集しました。100名を超える人にお手伝いをしていただきましたが、過去の開催よりも圧倒的に学生が集まりやすいと感じました。
スタートアップを志す人も、この環境なら起業しやすいし、仲間同士で「なんかやらない?」という話にもなりやすいですよね。
桺本:京都大学の近くにも10の大学があり、しかも芸大から国公立、私立、ほとんどの学部学科が集まる土地柄です。
入山:京都は東京のように分断されてなくて、大学を超えた学生コミュニティがあるんですか?
桺本:学生をつなげる制度はないので自分から動く必要はありますが、ハブになる人間が出てきていて、そういう人がいれば人脈が広がりやすいです。
柳:仲間づくりを考えると、特にデザイン系の人材は京都の方が豊富です。
桺本:京都は芸大が多く、起業を支援している芸大もあるので起業意識の強い芸術家の方も多いのではないでしょうか。
入山:大学を超えたチーミングができると可能性が広がりますね。
入山:京都に向いてない分野はありますか?
都地:僕がスタートアップした2回ともソフトウェア領域ですが、京都での創業は向いていないと感じました。
入山:それはBtoBだからでしょうか?それとも、クライアントや大規模なVCが東京にいるからでしょうか?
都地:それもありますし、M&Aをする際は東京一極集中の傾向があります。
買収も資金調達の金額も東京のほうが大きいんですよね。
入山:京都で可能性があるバイオ系がくすぶっている理由は何なんでしょう?
都地:最近は結果を出している企業が少ないことと、出せたとしても知名度が今ひとつで広告が弱いのかと思います。
もう1つの課題は、大学はしがらみがあって、薬品や資材を少し使うだけでも手続きが大変です。
そういうこともあって、私達は研究施設を提供していますが、資材が扱いやすい環境を構築しています。
参加者:同志社大学在学中ですが、成長の機会を求めて毎週新幹線で東京まで行き、VC のインターンをしながら会計処理の学校に通っています。
人の繋がりにも課題があって、京都は縦のつながりはあっても横のつながりがない。
桺本:京都は活躍してても隠れている人が多いです。
入山:東京はみんな活躍していることを宣伝するのに、京都は仲介者がいないとつながれないんですね。
桺本:京都はスタートアップ業界でも「一見さんお断り」文化があるので、僕は行政や金融機関とスタートアップの橋渡しをするための活動もしています。
僕の会社は創業130年の老舗企業なので、間に入って橋渡しやすいんです。
入山:僕は京都の中小企業には感度の良い方が多いと感じていました。
メディアには出てこないけど、資金があって、良い経営をしてて、新しいことに貪欲なんですよね。
都地:新しいことに興味がある京都の人は貪欲だからこそ謙虚で、新しいものを受け入れることができるので、アイデアを持っている人は バンバン提案したほうが良いです。
絶対受け入れてくれる人がいますよ。
入山:東京では大企業とスタートアップをつなげようという取り組みを行っていますが、京都は中小企業の面白い人とスタートアップをつなげれば良いんですね。
都地:僕は京都の事業者をCVC (コーポレートベンチャーキャピタル)化させる取り組みを行っています。リターン重視のVCと違って、CVCはシナジー主義です。
自分たちの事業に相乗効果があるかどうかをベースにして資金を提供するので、京都はスタートアップの人にリソースを提供することへの抵抗が低いんです。
桺本:VCは京都にも存在しますが、気軽に話せるか?という部分では東京に劣ります。
京都の学生を対象としているVCには、SNSで情報発信したりイベントに参加して若者との接点を作って欲しいですね。
柳:私もVCの方と気軽に出会えず、相談できる人が身近にいる環境ではないですね。
都地:マーケットの話で言うと、例えばSaaSだと売る企業がいないのでやっぱり京都は厳しいと思います。
資金調達の話だと、東京には若者が気軽に投資家に会う機会をつくるためのバーベキューを毎週のようにしてる企業があります。
東京のシードVCは競争力がないと生き残れないので、あの手この手でいろんな人たちに自分たちを売り込んでいくことをやっていかなきゃいけない。
いい意味で東京の方が活発なんだと思います。
入山:京都には学生がたくさんいるので、同じようなことを行えば良いんですね。
それが1つの道筋な気がしてきました。
都地:チームメンバーという面では、学生は知識が圧倒的にないので、知識不足を補ったりしてくれるVCやハブになる人物が身近にいることが望ましいですね。
参考例として、京都で成功したソフトウェアのケースを1つ挙げると、その企業は約100人のスタッフのうち約80名はインターンの学生でした。
同志社の近くに拠点をつくることで、同志社、京大、立命館などいろんな学生がそこにインターンとして参加できるんです。
しかも、インターン中にエンジニアリングが学べて、学びつつ会社を手伝うという仕組みを作っていました。
学生にとっても会社にとってもプラスになる良いエコシステムができていましたね。
もう1つの成功ケースは、NFTのサービスをやっているテック寄りの企業です。
京都だからこそ、じっくりプロダクトを作れました。
桺本:ノーションの社長は1個目の事業で失敗した後に、どこかでゆっくり開発しながら…と思った時に選んだのが京都だったんです。
鴨川を見ながらゆっくりと考えたからこそ、ノーションが洗練されていきました。
都地:東京はいろんな人に向けたマーケティングが作動するので、大切なことを考えたいのに他のことを考えるためにも時間を取られてしまう。
京都は建物の高さの制限があるなど、意図的に情報を与えすぎない街づくりになっているからこそ、インスピレーションがわきやすく、自分の考えたいことに没頭できます。
その反面、京都だとダラダラしてしまいがちという課題はありますが。
入山:最速で進めたい人は東京、じっくり取り組みたい人は京都、という使い分けが大事なんでしょうね。
入山:次は京都で起業家を支援するイベントの企画案を、参加者の方同士でグループディスカッションをしながら考えてもらえますか。
参加者A:京都は跡継ぎコミュニティがすごく活性化していて、こういった交流会が大好きなので、跡継ぎコミュニティの方同士を繋げるイベントはどうでしょうか。
あと、京都は地銀が強く、地銀のコミュニティや商工会、経済協力会もあるので、そういうところともIVSでつながれると理想的です。
都地:中小企業とスタートアップがつながれば、事業承継問題も解決しやすいですよね。
参加者:自分自身が大学の中でのコミュニティにとどまっているので、別の大学と横断できる学生版IVSをやってみたいです。
異なる大学の学生がつながれば、少数派でも肩を組んで頑張っていけます。
柳:学生起業家は多くはなくて、だからこそ、他大学とのつながりが必要です。
学生起業家がつながることで、モチベーションが上がったり、同じ悩みを相談しやすかったりするので、ぜひ実現してほしいです。
岡田:参加する学生の皆さんに実利をもたらすものが作れるといいですね。その際には行政の方たちのご協力もぜひお願いしたいですね。
参加者:学生さんは能力や可能性が無限なので、活躍できる環境を提供できれば日本の未来は明るいと思います。
入山:最後は、お一人ずつメッセージをお願いします。
岡田:僕らは、スタートアップ、中小企業、若手、ベテラン、といった線引きをあまりしたくないと思っています。
いろいろな人達が混じり合うことで新しいものが生まれると思っているので、スタートアップだけでなく、そこに行政や大企業、宗教なども入ってきてもらって、より面白いイベントを開催していきたいです。
柳:こんな私でも学生起業家になれてるので、みんなでもっと京都を盛り上げていきたいと思います。
本気で京都を盛り上げていきたいと思っても学生だと圧倒的に人脈が足りないので、そこを行政の方々にサポートいただけたら嬉しいです。
桺本:僕が行政や先輩起業家の方にお願いしたいのは、「若手起業家が進みたい道を妨げないでほしい」ということです。
学生起業家は滅茶苦茶な方法で進んでいくと思いますが、できる限りスムーズに進めてあげるのが周りの大人の役割だと思っています。
都地:こうして対談することで思考が整理され、多くの人が求めているものを理解するきっかけになりました。
これから私達の事業として、人々の知性を蓄積してアウトプットできる場所を提供していきますのでよろしくお願いします。
前川(プロトスター株式会社代表取締役(運営事務局)):次につながる良い話し合いになったし、京都が推進すべき「京都モデル」がはっきりしてきたと思いました。
西田(京都市都市経営戦略監):今回もいろんな人とのつながりから、京都で学生の起業を盛り上げていく次のステップが見えた気がします。前回IVSのサイドイベントとして開催した梅小路でのバーベキューもすごく盛り上がりましたが、今回も皆さんの熱量がすごかった。
これからもいろいろな人がつながる場をつくっていきますので、よろしくお願いします。
入山:ありがとうございました。それでは、これで終わりにいたします。
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