資金調達の第三の選択肢、レベニュー・ベースド・ファイナンス。新サービス「RBF by PAYTODAY」が提供したいものとは

資金調達の第三の選択肢、レベニュー・ベースド・ファイナンス。新サービス「RBF by PAYTODAY」が提供したいものとは

Dual Life Partners株式会社 取締役 田中美由紀

記事更新日: 2023/07/05

執筆: 編集部

スタートアップの「資金調達」というと、日本では金融機関からの融資やエクイティファイナンスを思い浮かべる方が多いかもしれない。

しかし近年、海外では資金調達の第三の方法として、将来債権の売却による「RBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)」という手法が盛り上がりを見せている。

Dual Life Partners株式会社は2023年4月、そんなRBFを利用可能な新サービス「RBF by PAYTODAY」を立ち上げた。

今回、同サービスの立ち上げに携わったDual Life Partners株式会社の田中取締役にインタビューを実施。サービスの内容や特徴、RBFのメリットとデメリット、サービス開発の背景などを伺った。

資金調達に新たな選択肢を提供する「RBF by PAYTODAY」

——4月よりスタートした「RBF by PAYTODAY」は、どのようなサービスなのでしょうか。

弊社はもともと「PAYTODAY」というファクタリングサービスを提供してきたのですが、そのサービスではカバーしきれないベンチャー・スタートアップ企業の資金調達ニーズに応えるべく立ち上げたのが「RBF by PAYTODAY」です。

ファクタリングでは、売掛債権を弊社が買い取り、手数料を引いた金額をお客様に送金します。売掛債権とは、自分の提供したサービスや商品の代金を取引先に後から請求する方法のことです。

後日入金予定の債権を扱うため、ファクタリングでは基本的に1~3カ月程度の期間でしか契約できません。つまり、お客様が調達できる資金は、当面のファイナンスに役立つ程度の金額に限られてしまいます。

一方、RBFは、現状の売上をもとに算出した将来債権を弊社が買い取ります。ファクタリングサービスの一種でありながら、長期債権を扱うことができるのがRBFの特徴です。

事業の拡大・安定化のために投資が必要だけれども、手元の資金が不足している場合など、当面の資金をつなぐ意味で使っていただきたいサービスが「RBF by PAYTODAY」です。

——「PAYTODAY」と「RBF by PAYTODAY」、それぞれのサービスの利用対象者についても教えてください。

PAYTODAYに関しては、ベンチャー企業やスタートアップ、地方の中小企業、フリーランス、個人事業主まで幅広い方にご利用いただいております。

他方でRBFは将来の不確定債権を扱うため利用対象者を限定しており、売上予測の立ちやすいSaaS型サービスを行うスタートアップか、毎月継続収益のある事業を行う企業を対象としています。

RBFの利用審査においては、毎月の売上見込みと、解約率のKPI管理の有無をチェックしています。

これらのポイントがクリアできそうであれば、SaaSサービスを運営していなくとも、RBF by PAYTODAYをご利用いただけるかもしれません。

もし対象となりそうであれば、ぜひ一度弊社にお問い合わせいただけたら幸いです。

——RBFはもともと欧米で伸びていた資金調達の方法でしたが、最近では日本でもRBFを扱うサービスが増えているように思います。貴社ならではのサービスの特徴は、どういった部分にあるのでしょうか。

違いは与信判断の方法とスピードです。

他社サービスの場合、デットファイナンス(融資)を行いながら、更にRBFをサービスラインアップに加えています。

つまりデットファイナンス(特にベンチャーデット)の延長としてRBFの与信判断を行っています。

弊社の場合はファクタリングサービスPAYTODAYの立ち上げを先に行っており、そのサービス拡充でRBFをサービスラインアップに加えました。

このため、ファクタリングでの与信判断の知見の拡充を行っており、与信判断のやり方で差が出ると考えています。

スピードにも上記背景より差がでます。弊社のファクタリングサービスは最短30分での資金調達に対応しており、RBFの場合でもスピードが必要な場合は、1-3日での資金調達が可能です。これは競合他社よりもかなり早いと思います。

弊社はお客様が「即日に資金が欲しい」と言われればそのニーズに対応可能です。

RBFで資金を調達するメリット・デメリットとは

——RBFで資金調達を行うメリットとデメリットについても、教えてください。

RBFを利用するメリットは、1番はスピードですね。融資利用よりも調達までのスピードがかなり速く、この点がメリットです。

またファクタリングと比べると、返済猶予が長い点にあると思います。

弊社のサービスでは3ヵ月から1年の契約期間とすることが多いのですが、これは圧倒的にお客様としては資金繰りの計画が立てやすくなります。

また、RBFはファクタリングよりも手数料を安く設定しています。特に弊社は手数料をまだ手探りで決めている段階なので、お客様はコストをかなり抑えた資金調達が可能だと思います。

一方でデメリットについては、デットファイナンス(融資)よりも期間が短く、また手数料も高いです。デットファイナンスが活用できる場合は先にデットファイナンスでの調達を検討された方が良いです。

——「RBF by PAYTODAY」がスタートして2ヵ月が経ちますが、現在の利用状況はいかがですか?

対象企業を絞り込んでいる分、ファクタリングサービスに比べると利用社数はそう多くはないですね。この1年間はトライアル期間という位置づけです。

そもそも日本ではファクタリングもRBFも、一部の方にしか知られていない現状があり、利用を検討される企業は非常に限られている印象があります。

あくまで弊社の体感ですが、日本の経営者のうち、ファクタリングについてある程度知っている方は1割程度、RBFという言葉を聞いたことのある方は更にすくなく、ほとんど知らないという認識です。

今後、サービスを拡大させていくにあたっては、RBFやファクタリングの認知度向上と内容理解の深化が必要だと感じています。

不動産事業者が資金調達サービスを始めた理由

——貴社はもともと不動産事業を中心に手がけてきた企業ですが、なぜファクタリングやRBFなど、金融領域の事業をスタートさせたのでしょうか。

不動産事業の中でも、”ライフスタイルの変化を支援する”というミッションをもとにハワイ不動産事業やシェアオフィス運営等を行ってきました。

そのような事業を推進する中で、独立後すぐの個人事業主やフリーランスの方が資金調達に悩まれている姿を目の当たりにしたからです。

不動産業界には、個人で独立して不動産サービスを提供する方も一定数いらっしゃるのですが、そういった方々とお話していた際、事業を伸ばすために広告を打ったり、先行投資をしたりしたいけれど、資金が足りないという声をよく耳にしました。

資金が不足しているなら調達をすればいいのですが、個人事業主やフリーランスは、資金調達の方法が非常に限られています。

融資をしてくれる銀行は日本政策金融公庫くらいしかありませんし、そのほかの方法もクレジットカードを使って支払いを引き伸ばすか、金利の高い消費者金融でお金を借りるしかありません。

どれも前向きに検討できる選択肢とは言い難く、やりたいことを諦めてしまう方も多くいらっしゃいました。

そういったお悩みやお困りごとに対して、弊社として何かサービスをつくることができないか。そう考え、さまざまなリサーチを重ねてたどり着いたのが、ファクタリングサービスだったんです。

そして、ファクタリングサービスの提供を行う中で、スタートアップ向けの「ブリッジファイナンスとしてのファクタリング」を推進したり、「もう少し手数料を抑えて、お客様の負担を減らしたい」との考えから、ファクタリングよりもリスクの低いサービスである、RBF事業を開始しました。

——なるほど。「PAYTODAY」や「RBF by PAYTODAY」は、お客様起点で出てきた事業アイデアだったのですね。

そうなんです。弊社は不動産事業も含め、あらゆる事業でお客様の課題解決に役立つことを大切にしており、「お客様の選択肢を増やす」ことを意識しています。

そのため、「PAYTODAY」も立ち上げ当初はお客様の成長を重視するあまり、業界トップクラスを争うほど手数料を安く抑えていて少し失敗しました。。。

適正なリターンを確保しながらあくまでもお客様起点でサービスを運営する。その指針はどの事業でもブレずに持っていると思います。

——ファクタリングやRBFは現在、日本においては規制をかける法律などが存在していないかと思います。しかし、貴社では貸金業法に基づくライセンスを取得されていますよね。なぜ、あえて貸金業に登録したのでしょうか。

おっしゃる通り、日本ではRBFやファクタリングを規制する法律はまだ存在していません。

法律のないグレーゾーンの業界であるため、サービスの利用を検討するお客様にとっては、悪徳業者にひっかからないか不安になることが多いと思います。

本来は必要のない貸金業への登録をあえて行ったのは、そのようなお客様の不安を取り除き、サービスを安心してご利用いただけるようにしたかったからです。

RBFは民法が適用される取引ですが、貸金業法では、お金の回収という点でお客様のほうが徹底的に守られています。

このような厳しい法律のルールを守り、自主規制を続けることがお客様の安心感につながる。そう考えて、貸金業のライセンスを維持し続けているんです。

年に1個の新規事業を創出。事業開発の根底にあるのは「お客様起点」

——貴社では「PAYTODAY」のほかにも、新規事業を多数手がけていると聞きました。

そうですね。毎年何かしらの事業をつくっていて、目標としては、最低でも年に1個の新規事業立ち上げ、を心掛けています。

——これまで、どういった事業を立ち上げてきたのですか?

特定の分野にこだわることなく、いろいろな新規事業を手がけてきましたね。ITから不動産、海外事業まで、本当に幅広い事業に取り組んでいます。ただ、その根本にあるのはあくまで「お客様起点」です。ITサービスは、不動産業界の一部コミュニティの中で使えるシステムを開発しました。

不動産事業者はよく、コミュニティの中で不動産の情報を紹介しあっているのですが、これまではすべて紙で情報交換を行っていました。そのため、コミュニティの集まりに一度参加するだけで、200枚以上の資料を持って帰ることも少なくありませんでした。

紙はかさばる上に、エコではありませんから、デジタル化することでより情報交換しやすい環境をつくれればとシステムを開発しました。

——これまでのお話すべてに通じますが、貴社は本当にお客様目線・お客様起点での事業開発・運営を徹底されているのですね。

ありがとうございます。お客様が何に困っていて、どういうものが必要なのか。弊社はこの部分を日頃から徹底して考えていると思います。

——最後に、「PAYTODAY」と「RBF by PAYTODAY」の今後の目標や展望について教えてください。

まずは、ファクタリングやRBFという資金調達の選択肢があることを、より多くの経営者や個人事業主、フリーランスの方に知っていただけるよう努力していきたいと思っています。

ただ認知を広げるだけでなく、どちらの方法も”ブリッジファイナンスとしての活用”という「経済的に適切な使い方」も合わせて情報発信していきたいです。

そして、いずれはRBFやファクタリングの活用が、企業経営者の「選択肢の1つ」として認識されればと思っています。

使う、使わない、は場面ごとに違いますし、一番コストが安いデットファイナンスだけで済むなら使う必要もない資金調達の手法ですので。

活用してくださった方もあくまでブリッジファイナンスの一種なので、「PAYTODAY」や「RBF by PAYTODAY」を利用されたお客様にはいずれ卒業していただきたいと思っています。

RBFのメリット・デメリットの部分でもお話した通り、このサービスで時間を確保して、デットファイナンスやエクイティーファイナンスに移行することが適切と考えています。

弊社がご支援させていただいた企業が一時的な資金不足を乗り越え、次のステージに移行する一助となればこれほど嬉しいことはありません。

Dual Life Partners株式会社

・住所 東京都港区南青山2-2-6ラセーナ南青山7F
・代表者名 矢野 名都子
・PAYTODAY https://paytoday.jp/
・RBF by PAYTODAY https://rbf.paytoday.jp/
・Dual Life Partners株式会社 http://duallife-partners.com/

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