TOP > インタビュー一覧 > PIVOT佐々木 紀彦氏らをゲストに招き、徹底討論! 資本主義とアートは対立するからこそ磨かれる。 価値転換による新たな京都へ|文化芸術×ビジネスで新時代を切り開く方法とは
「KYOTO Innovation Studio」
第4回目のテーマは、『経営やビジネスにおける文化芸術の可能性と京都の価値』です。
早稲田大学ビジネススクール教授であり、京都市の都市経営戦略アドバイザーである入山章栄先生。
(一社)リリース共同代表 桜井氏、PIVOT 株式会社 代表取締役 CEO 佐々木氏、京都大学経営管理大学院教授 山内氏、芸術センターアーツアドバイザー山本氏の4名をゲストスピーカーとしてお招きし、様々なバックグラウンドをもつ参加者を交えて活発な意見交換が行われました。
京都市都市経営戦略アドバイザー入山 章栄氏
早稲田大学大学院経営管理研究科早稲田大学ビジネススクール(WBS)教授。慶應義塾大学院経済学研究科修士課程修了後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号を取得し、同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。WBS准教授を経て、2019年に現職へ。「世界標準の経営理論」(ダイヤモンド社)等の著書のほか、メディアでも活発な情報発信を行っている。
(一社)リリース共同代表 桜井 肖典氏
構想家。1977年生まれ。2000年よりデザイン・コンサルティング会社を経営、様々な領域でコンセプトメイキングから空間、商品、サービスまでをデザインする。2012年より社会性と事業性を両立する「未来が歓迎するビジネス」のデザイン組織としてRELEASE;を京都にて始動。共創によるビジネスデザインを軸に、大企業や自治体からスタートアップや非営利団体まで、「青く美しい地球に相応しい経済文化」へ向けて、領域横断的なプランニングとディレクションを実践する。
参考:https://release.world/people
PIVOT 株式会社 代表取締役 CEO 佐々木 紀彦氏
慶應義塾大学総合政策学部卒業、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。「東洋経済オンライン」編集長、NewsPicks創刊編集長、NewsPicks Studios CEOを経て、2021年6月にPIVOTを創業。著書は『日本3.0』『米国製エリートは本当にすごいのか?』『編集思考』などがある。
参考:https://newspicks.com/user/103579/
京都大学 経営管理大学院 教授 山内 裕氏
京都大学経営管理大学院教授。1998年京都大学工学部情報工学卒業、2000年京都大学情報学修士、2006年UCLA Anderson Schoolにて経営学博士。Xerox Palo Alto Research Center研究員を経て、2021年4月より現職へ。「サービスの文化」を研究し、『「闘争」としてのサービスー顧客インタラクションの研究』等の著書を出版。経営管理大学院では組織論・組織行動の基礎、サービスデザインなどを教えている。
京都芸術センターアーツアドバイザー、 京都市文化政策コーディネーター 山本 麻友美氏
「KYOTO STEAM-世界文化交流祭-」アートディレクター、京都市文化芸術総合相談窓口(KACCO)統括ディレクター等を経て現職。2023年4月より京都芸術センター副館長。これまでの主な企画は「東アジア文化都市2017京都 アジア回廊現代美術展」(二条城・京都芸術センター、2017年)「光冠茶会」(オンライン茶会、2021年)など。研究者と実務家などで構成される「新しい文化政策プロジェクト」のメンバーでもある。
参考:https://www.nippon.com/ja/authordata/yamamoto-mayumi/
このページの目次
入山 章栄氏
入山:「KYOTO Innovation Studio」の目的は、京都内外からお招きしたゲストや参加者と共に意見交換し、京都と他の地域のつながり、京都内でのつながりをつくることです。
今回のテーマは、『経営やビジネスにおける文化芸術の可能性と京都の価値(ビジネス×文化芸術×京都)』です。
京都市都市経営戦略室長の西田さんから、なぜこのテーマを設定したのか、ひと言お願いできますか?
西田:文化庁が京都に移転して、「新しい文化行政が始まる」という期待は高まっていますが、具体的に何をするべきなのか、イメージできている人は少ないのではないでしょうか。
「京都の文化とビジネスが結びつくとどんな価値が生まれるのか?」という点について、解像度が上がる意見交換をすることが今回の目的です。
山内 裕氏
山内:『京都クリエイティブ・アッサンブラージュ』では文化の視点からイノベーションを起こせる人材を育成しています。
文化からイノベーションを起こす際に必要なのは、新しい世界に人々を連れ出すようなデザイン&人々の自己表現となる世界観を表現することです。消費者のニーズを満たすだけでは価値が生まれません。
今は主流ではない邪道なものが、次の時代にはみんながカッコいいと思うもの(主流)になります。価値転換をして新しい時代の魅力を人々にみせないといけません。
消費者を新しい世界に連れ出す時は、「劣ってるけど良い」ではなく「だからこそ良い」と表現するべきです。
これが「価値転換する」ということですね。
創造性の話をすると、新しいアイディアは頭の中からでてくるわけではなく、社会をよくみることで生まれます。
社会をよくみると、99%の人が気づけない「今は無意味だけど次のトレンドになるもの」がみえてきて、イノベーションを起こせるんです。
成功例を挙げると、京都クリエイティブ・アッサンブラージュの講師の1人、佐藤可士和さんが行った戦略があります。
佐藤可士和さんは2006年にユニクロのロゴをアレンジしました。
加えて、ロゴを反復させるデザインを用いて、大量生産をアピールしたんです。
当時は大量生産していることを隠して丁寧に作っていることをアピールするのが一般的でしたが、次の時代には価値転換が起こることを佐藤可士和さんは見抜いていたんですね。
ロゴを英語からカタカナに変えたことも同じ意味があって、カタカナは当時のNYのコスモポリタンのエリート達がクールだと感じていたもの。
徐々にこの価値観が世の中に広がると予測したのでしょう。
これには、1990年代と2000年代で、時代の価値観が大きく変わったことが関係しています。
社会がフラットになりネットワークで繋がれる時代になりましたが、行き過ぎた資本主義に乗り切れない人々が増えて行き詰まりを感じていたんです。
2003年に発表された『ロスト・イン・トランスレーション』という映画は、不在や喪失感を受け入れる物語で、「もっと自然体で良いんだ」という価値観を表現しています。
この映画で表現されたように、人々に「全身ハイブランドで固めるのはダサい」という感覚が出始め、「ユニクロのベーシックな服を着るほうがカッコいい」という価値観に転換されました。
佐藤可士和さんは、これらをすべてわかっていて、ユニクロのロゴや広告をあのように変更しましたが、99%の人はこのように社会をよく観ることができていません。
そのため、京都クリエイティブ・アッサンブラージュでは、時代をよく見るトレーニングを行っています。
※『京都クリエイティブアッサンブラージュ』について詳しくはこちら
入山:京都の未来の可能性については、いかがお考えですか?
山内:京都には文化や観光資源がたくさんありますが、古いことをそのままやっていても新しい時代はつくれません。
「これ"ほんまもん"です」と自分で言うことほどダサいことはないんですよ。
そうではなく、敗者(今は認められてない価値観=少数派の意見)を救済することが大切です。
世界をリードしたいなら、まったく違う観点で取り組まないといけません。
山本:アーティストの多くは、今とは異なる未来を思考する意識を持っていて、それが作品として造形化されたり身体表現になっています。
山内:アーティストは敗者の価値観を感じ取って表現していて、これこそがイノベーションを起こすために必要なことです。
佐々木 紀彦氏
庄司(参加者):海外からの旅行客向けの事業をしていますが、お客様からのリクエストは、「トランスフォーマティブ・トラベル」が多いんです。
※トランスフォーマティブ・トラベル:旅行中の発見や感じたことを生活に取り入れてより豊かな人生にすること
たとえば、「湯治」は日本では先ほどの言葉で言う”敗者”の価値観と思われがちですが、海外からみると最先端です。
日本にはこういった次のトレンドの種がたくさんあって、世界中から注目されています。
佐々木:星野リゾートの星野さんが「コロナを通じて『来てほしい客だけに来てもらう』という思想が観光産業の常識になってきた」とおっしゃっていました。
この点に関しての京都の方の意見を聞きたいですね。
小谷(参加者):実家が京都ですが、民泊や外国人専門の料理店などが増えて、外国人と揉める事例も増えているようです。
京都の人が海外の方を歓迎しきれてない雰囲気は少しあると思います。
河合(参加者):私が問題だと思うのは、ビジネスや文化に関する取り組みを大人がしていますが、それが地元の子供たちに全く還元されてないことです。
人が増えるほど、地元の子供たちの行動範囲が狭まって、遊ぶところやお祭りがなくなっています。
山本: 京都市の文化政策として少子化対策にも取り組んでいて、移住を促進しつつ少子化対策にも取り組むことが来年度の大きなテーマになっています。
非常に重要な部分なので、良い視点をありがとうございます。
佐々木:訪問者をいたずらに増やすのではなく、良い意味でコントロールすることが大切なんでしょうね。
伊藤(参加者):『文化、芸術、歴史』という非常に長いスパンで時間をかけて構築されるものと、スピーディさが求められる『ビジネス』を結びつける際、文化剽窃(ひょうせつ)や上澄みだけを使ってしまう問題を抱えがちです。
京都の思想や哲学の本質的な部分と乖離せずに、旅行客の方に体験してもらうためにはどうするべきだとお考えですか。
山内: 『おもてなし』は「心を尽くして喜んでもらう」という解釈をされがちですが、 本来の意味は違います。
ホスピタリティの概念とは、亭主側が「私はこんなに能力がある、客人はそれを理解しているか?」という"力のゲーム"があって、初めて『おもてなし』になります。
これがあるからこそ、観光客の人も緊張感がでて学びになる。
一方的にサービスして満足させてあげることをすると、学ぶ意欲のないお客さんが増えてしまいます。
受け入れる側(京都)は『おもてなし』を正しく理解して、サービスを提供しないといけません。
山本 麻友美氏
山本: 芸術センターの特徴は、ジャンルを問わず若い世代の芸術家の創作活動の支援をしていることです。
スタジオが10室あり、アーティストに無料で貸し出しています。
もう1つの特徴は、アートコーディネーターという専門職を雇っていて、アーティストを支援する人材も育成していることです。
これまでに輩出したアートコーディネーターは約50名で、全国の劇場や美術館で活躍しています。
また、私は京都大学の佐野真由子先生らと共に行っている研究会で「社会の分子ではなく、分母としての文化政策」という提言を出しました。
文化は予算がカットされがちで、ここ数年、福祉や観光と組まないと予算を獲得できない状況が続いていますが「文化とは本来どのようなものなのか?」を考え直すことが目的です。
※『社会の分子ではなく、分母としての文化政策』について詳しくはこちら
実は、先ほどまでの話を聞いていて、私は居心地が悪かったのですが、その"居心地の悪さ"がとても重要なのではないかと考えています。
アーティストへのヒアリングでは、
「役に立つことやお金になることがアートの基準になってしまい、アートが持っている、今の社会に疑問を投げかけるような、社会にとっては耳の痛い異質なものが生まれなくなっていくのでは、という心配がある。」
「経済とうまく歯車を噛み合わせることのできない文化が阻害、排除されることを望まない。」
という意見がありました。
これが"居心地の悪さ"だと思います。
アーティストとビジネスマンには距離があって、「本当にアートや文化に興味がありますか? 」と感じることがあるためかもしれないですね。
佐々木:この問題の根源は、アートの世界とビジネスの世界を橋渡しできる人材が少ないからでしょう。
手段としてアートが使われてしまうのは、アーティストの本望ではないですよね。
大事なのは、「アートとエンタメは違う」ということ。
エンタメはアートよりもビジネス寄りのモノで、アートは資本主義と離れた場所にある。
だから、アートとエンタメを分けて考えたほうが良いのでしょう。
ただし、今後はビジネスの世界でも思想や哲学が重要視される時代になると予測しているので、アートとビジネスの関係について考えていかないといけません。
桜井:アートは言語化できないもの、ビジネスは言語化しないといけない、だからビジネスとアートを近づけるためにはエンタメ化する必要があり、その時点でアートはアートではなくなりかねない。
あるアーティストの方が「言葉にされた瞬間に、そこから逃げる」と言っていて、アートとビジネスの間にあるこの"緊張感"が正しいと感じました。
佐々木:アカデミー賞を受賞した「ある男」のパンフレットの中で、妻夫木聡さんが「映画はビジネスでも芸術でもあって、この交差しているところが面白い」と言っていました。まさにその通りで、ビジネスと芸術は分ける必要はなく、日常的にぶつかり合うことでそれぞれが進化していくものなのだと思います。
映画には、商業的な作品と芸術的な作品の2種類があります。
商業的な作品はすぐ収益化できるし、芸術的な作品は賞をとれれば評価や知名度が上がって長期的にみるとプラスになる。
このように、1つの商売の中でビジネスと芸術を組み合わせることができれば理想的ですね。
山内:アートが資本主義に回収されるのは避けられないことで、アーティストの居心地の悪さは解消してはいけません。むしろそれをより強調していく方がいい。
資本主義が、自分を批判するようなものを必要としています。ESG投資など環境を守るための投資が今のメインストリームですが、これは資本主義と対立するものです。この資本主義に対立するものこそが、資本主義にとって価値となっています。
要は、今は経済合理性がないものに価値がある時代で、アーティストのように資本主義批判をしたほうが成功します。
アートと資本主義の関係は「接点を持って仲良くしよう」ではなく、アート側が資本主義を使っていかなくてはいけません。
村上隆さんがルイヴィトンのバッグを作りましたが、あれはアーティストが資本主義に取り込まれたケースのように見えます。しかし、実は高度な資本主義批判なのです。
彼はバッグを高額で販売し、 展示会を開催してその中でバッグを買えるブースを作りました。
これは、「お金持ちが展示会に来て高額なバッグを喜んで買う」という、非常に滑稽なことをさせたんです。ミュージアムストアはートを消費しているだけだと批判されますが、それと同じことを展示会の中で実現したのです。
入山:アーティストの復讐という意味でしょうか?
山内:そうですね。もっと言うと、バッグがアートであるだけではなく、このような滑稽な状況を作り出したこと自体がアートではないでしょうか。
山本:アーティストは常に資本主義あるいは常識や慣例に飲み込まれないという努力を無意識に行っているところがあるので、まさにその通りです。
いい緊張感の中でオルタナティブなこと、新しいことができれば良いんですね。
ひとつの解が得られて、とてもスッキリしました。
桜井 肖典氏
桜井:僕はリリースという団体で、ビジネスデザインという事業のプランニングから最終的な空間や商品作りまでを行っています。
既存の経済が地球や人権に優しくなるためには、変えなければいけないことがたくさんあります。
そこに本気な方々の事業化支援を行うことがリリースの役割です。
また、跡取り問題で悩む京都の方と話した時に、「企業の大きさを大中小で比較したら、若者は大企業にいきたくなるだろう」という問題提起があり、これからは『地域企業』という呼び方に変えようという声があがり、『京都市地域企業の持続的発展の推進に関する条例』の制定につながりました。
「地域企業」を『Community based company』と京都市が訳してくださり、ヨーロッパやアメリカ、南半球、アジア、日本など約100人が集まって「コミュニティベースドの経済のあり方」についてノウハウを交換するプラットフォームを運営しています。
※『地域企業』『Community based companiy』について詳しくはこちら
https://community-based-companies.kyoto/
https://community-based.org/commnunity-based-companies/[7]
日本各地でも「中小企業」以外の名称で呼ぶ自治体が増えてきていて、『地域企業』という、未来に残る新しい経済の文化につながる一端を担えたと嬉しく思っています。
桜井:そして、京都が持ってる知恵を世界に共有するために「工芸」に関する取り組みも始めました。
工芸素材を森に植え育てる、採れた漆を精製する、塗師さんが塗る、茶室で用いるといった『工芸の技の連鎖』の中にアーティスト2名に入ってもらって、サスティナビリティに寄与する知恵をアーティストの視点で感じてもらい、森と茶室で作品を発表する、ということを行いました。
ここで1つ課題がでたのですが、漆を塗る体験は工房に入れる人数や回数が限られていて、世界中から需要があるものの、ビジネスとして成り立たせるのが難しいんです。
佐々木:量や回数を追求するのは無理なので、価格をもっと上げたら良いのではないでしょうか。
桜井:漆塗り体験を含めた全工程を学習プログラムの提供を、1人約10万円で行っています。
入山:海外の人なら、もっと価格が高くても需要があると思います。
庄司(参加者):自分が欲しいものに対してなら糸目をつけないのが富裕層の特徴なので、漆に興味があったり、天然塗料にサスティナブルを感じる方からは10万円以上でも支持されるでしょう。
そういう意味では、価格の上限はありません。
キャパの課題に関しては、海外の人の「体験(エクスペリエンス)」の捉え方が解決の糸口になります。
日本では、漆塗り体験と聞くと全員が作業するイメージをもちますが、海外では作業に限りません。
漆の木の森を見たり、何百年前の漆器が現役で使えるところを見たりすることもエクスペリエンスです。
こう考えると、たくさんの素材がある京都なら無数の組み合わせがあるので、無限の可能性があります。
桜井:僕のもう1つの課題は、職人さんに敬意をもってもらうことです。
京都の価値の本質を理解するためには事前にある程度の勉強が必要です。
そこを外国語で伝えることの難しさを感じています。
庄司(参加者):あらかじめ事前準備をして訪日する方は少ないため、知識がない前提でプログラムを設計していますが、浅いものにならないよう、お客様が体感的にピンとくる説明の仕方を意識しています。
たとえば、「日本酒は米と麹からできていて~」という説明ではなく「キリスト教でのワインと同じもので、日本酒は神様と一体化するために用いられていました」こういった説明だと、海外の人がスッと理解できるでしょう。
桜井:文化を翻訳ができる人へのニーズは高く、その人材育成も課題です。
産業の規模が大きければ人材も豊富ですが、工芸のこと、その工芸を育んだ歴史や環境までを熟知している人の数は限られています。
山本:翻訳ができるコーディネーターの役割は非常に重要で、アートの世界だとアートマネージャーやキュレーターという職種がありますが、日本ではまだまだ専門職としての役割が理解されず、地位やギャラが高くないんですよね。
それもあって、人材不足なのだと思います。
入山:川原卓巳さんが、日本にはプロデューサーが足りてないという理由でプロデューサー学校をつくったので、川原さんとコンタクトをとるのも良いでしょう。
桜井: 海外の方に日本の文化を知ってもらうもう1つの方法は、広告的なキャッチーでショートなコンテンツではなく、ドキュメンタリー的なコンテンツを増やして京都の魅力を発信することです。
この方法がエコシステムをつくるヒントになると感じました。
佐々木:ドキュメンタリーなら、日本にも優秀な方がたくさんいるので、京都を色々な角度から撮ってもらって英語の翻訳をつけて流せると良いですよね。
佐々木:アート的な文化、京都の職人文化、工芸的な文化、公家の方もいる、そんな京都の文化とは、ひと言でいうとなんなのか皆さんにお聞きしたいです。
入山:僕は「それが言語化できない」ところに価値があるのかと。
川口(参加者):僕は、京都は1000年前の建物等が残っている希少価値のある場所だと思います。
土肥(参加者):そもそも「京都の文化を言語化する必要性があるのか?」と思っていて、先ほどのエクスペリエンスの話だと、京都を体験することに価値があるのではないでしょうか。
佐々木:京都には、日本の伝統文化がすべて詰まっているということですね。
日本の文化拠点は、京都が中心です。
明治維新では、九州や山口が京都の公家と組んで江戸を変えました。
日本の文化に深く根付いた『保守的な革命』じゃないと日本は変わりません。
海外からもってきたものをそのまま当てはめると、反発が起きて失敗に終わるんですよね。
入山:京都の果たすべき役割が大きくなる時代がやってくるということですね。
みなさま、ありがとうございました。KYOTO Innovation Studio SessionVol4はこれで終わりにしたいと思います。
KYOTO Innovation StudioではSessionにて生まれたアイディアをプロジェクトとして実装していく取り組みを行なっています。さらに、京都市内外での繋がりを広げていくために交流会やコミュニケーションプラットフォームを運営しております。
本記事に関連して、本プロジェクトへのご質問がある方はHPお問い合わせ先までご連絡いただけますと幸いです。
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